「ホロコースト論争2(三鷹板吉氏のガス室論)」考


「ガス室」論争 三鷹板吉(2003/11/10)


予断と決めつけのセットによる詭弁論法。まったく信をおくに値しない。詭弁が相手では実のある「論争」など成立不可能である。外見が似ているからといって、味噌と糞をいっしょにはできない。外見にまどわされずに実態をよおく調べて、味噌は味噌、糞は糞と、キチンと分けて扱わなければなりません。三鷹がこの「論争」を通じて実感したのは、パラノイアックな世界観に凝り固まった人間を説得することは、おそらく不可能だろう、ということです。これは「ガス室否定」でも「強制連行」でも同じことだと思いますが。 ちなみにこの「ガス室否定説」は、内外のアカデミズム(大学など公的研究機関)に属する歴史学者のほとんど全員が無視するか、笑いとばすか、「論争」さえ拒否するほど完全に否定するかしている「異説」です。

  西岡見解。「ガス室はソ連とポーランドによるでっちあげ」。ガス室否定者の「挙証責任」。「ガス室否定者」の西岡昌紀

 


「ワルシャワゲットーから移送されたユダヤ人は、トレブリンカで虐殺されたのではない。東方の入植地に送られたのだ」と否定者は言う。その「東方入植地」が存在したことを実証してほしい。「アウシュビッツ・ビルケナウで労働不能と選別された収容者は、ガス室に送り込まれたのではない。彼らを収容する別の施設があった」と否定者は言う。その「別の施設」(労働可能者用施設の3倍から10倍の収容キャパが必要)が存在したことを実証してほしい。

西岡見解。「定説側が触れたがらない」などと難じている「ヒトラーによる絶滅命令文書は現存しない」。

 

 「クルト・ゲルシュタインの告白」。「ヘス告白遺録」。オネグ・シャバット文書の「リンゲルブルム日記」、「レビン日記」は邦訳。


 マウトハウゼンとはどういう収容所だったか。


 

 「ガス室が存在した」というユダヤ人の証言。加害者側のナチス親衛隊員の証言。

  1942年の時点で、ワルシャワのユダヤ人ゲットーには、ポーランド各地から集められてきた人達も含めて、およそ50万人のユダヤ人が詰め込まれていました。彼らは、7月から始まった移送で、トレブリンカ絶滅収容所へ送られました。そして、43年4月から5月のゲットー蜂起を経て、ゲットーそのものが消滅したんです。

 ポーランド人にかくまわれるなどして、難を逃れた少数を除いても、少なくとも40万人以上のユダヤ人が、地上から消え失せた。ゲットーで餓死した者もいた。チフスで死んだ者もいた。蜂起の際に戦って死んだ者もいた。そして残りの大多数は、トレブリンカのガス室で殺されたんです。

 西岡さんは、それを認めない。ユダヤ人はガス室で殺されていない。トレブリンカは単なる中継駅で、そこからロシアやウクライナの「東方入植地」へ送り込まれたのだ、と主張している

 だったら、その「東方入植地」(最低でも万単位のユダヤ人が入植した)がどこに存在するのか、実証してほしい、と三鷹は申し上げているのです。

 

 歴史学の定説が述べるところによれば、ホロコーストにおいては、ヨーロッパ各地のユダヤ人が強制収容所、絶滅収容所に「移送」されました。運送手段は鉄道です。「定説が述べるところによれば」とただし書きしたのは、西岡さんなど否定者は、その事実をも認めていないからです。「移送」そのものがあったことは否定しないまでも、その人数については、定説が述べるほど多くはなかった、としています。

 この「論争」において、どちらの言い分が正しいのか? 

 アメリカ人のホロコースト研究者で、ラウル・ヒルバーグ。バーモンド大学の政治学教授です。彼は、当時のドイツ国鉄の列車運行指示書を調べて、「移送」の実態を明らかにしています。「ヨーロッパユダヤ人の絶滅」という一般読者向けの主著の他、専門家向けの論文も多数発表しています。

「ショアー」という出版物です。これは、クロード・ランズマンというフランス人の映画監督が、ホロコーストの生き残りを尋ねて証言を収集した同名映画の活字版で、作品社という出版社から日本語版が出ています。

 この「ショアー」の中で、ヒルバーグがランズマンのインタビューに答える形で、自分の研究について説明しているのです。ドイツ国鉄の列車運行指示書を示して、非常にていねいに、具体的に。


 対して、西岡さんがどういうことを言っているのかと言うと、「ヒルバーグの研究には信用できない」ということに尽きます。「ヨーロッパユダヤ人の絶滅」には、運行指示書そのものが掲載されていない、というのが、西岡さんが信用できない「理由」なのです。

 また、西岡さんの取り巻きの一人は、こんなことも言っています。運行指示書を証拠として、列車の本数が割り出せたとしても、それぞれの車両に何人のユダヤ人が載せられていたかという証拠はない。ゆえにヒルバーグの研究はデタラメだ、と。

  取り巻き発言については、正対する必要さえないでしょう。「移送列車」に詰め込まれたユダヤ人の数については、数多くの証言が残されています。そこから最少何万人、最大何万人という数を導き出すのは、小学生でも可能です。


 

「偽証である」「捏造である」「謀略である」云々。

 三鷹は、西岡さんとの「論争」を通じてさまざまな本を読み、ホロコーストの全体像について、それなりの理解を得るに至った、と思っています。西岡さんの主張で唯一正しいのは「稼働可能状態のガス室は現存しない」ということでしょう。この事実はしかし、意外と世間には知られていない。三鷹も「マルコ」の記事を読んで初めて知りました。人間というのは、自分が今まで知らなかった事実を知らされた時に、新しい情報を積極的に受け入れようとします。そこで西岡さんが発信したのが「ガス室否定説」だったのです。三鷹も一時はそれを信じました。いや、丸々とは信じないものの、定説との論争可能性は十分ある、と考えたのです。

 しかし、その後の西岡さんとの「議論」を通じ、彼の詭弁性に気づかされたことをキッカケとして、ホロコースト関係の本を読み漁り、何人かの歴史学研究者に会って話を聞き、その結果、否定説の虚妄性を知るにいたりました。

 歴史学の研究というのは、ジグソーパズルのようなものです。数多くのピースを組み合わせて、全体像を再構成しようとする試みです。失われてしまったピースもあります。ホロコースト史に関していえば「稼働可能状態のガス室」も、失われたピースの一つでしょう。でも、周囲のピースを組み合わせることにより、中心にはまるべき失われたピースの形はハッキリと分かる。「ガス室」が現存しなくとも、その存在が歴史的事実であるということは、確実に認定できるのです。逆に、「ガス室」を否定する西岡説によって、その存在が論理的に要請されるところの「東方入植地」のようなピースは、存在しないばかりか、それをはめこむべき空白さえ見つからない。無理にはめこもうとすると、全体像をゆがめてしまう。「慰安婦強制連行」も同様です。


 ナチスがポーランド領内に建設し、ユダヤ人など80万人をガス室を主とした殺害手段で虐殺したとされる、「もう一つのアウシュビッツ」トレブリンカ絶滅収容所に関するリポートです。

 犠牲者数80万という、アウシュビッツにつぐ規模の大虐殺が行なわれたトレブリンカをテーマとした日本語文献(邦訳も含む)が、現在一冊も刊行されていないという事実は、そうした状況の一端を示しています。

 

 でも、アカデミズムの研究者である石田さんが、

「つまり、ダッハウのガス室は着工されたものの未完のまま終わったと述べているのであり、目撃証言は成り立つのである。実際、ダッハウでガス室が建設されていたことは今日の研究でもあきらかにされている」

 


 西岡昌紀さんという方は、皆さんご存じかもしれませんが、「ナチスがユダヤ人を虐殺したというガス室は実際には存在せず、捏造されたものだ」などの主張(ガス室否定説)を唱えてらっしゃる方です。去年の2月、彼が否定説を発表した「マルコポーロ」という雑誌は、ユダヤ人団体の抗議により廃刊に追いこまれました。




 石田勇治さんという方は、東大教養学部ドイツ語科の助教授で、ドイツ近現代史の研究者です。彼はある本に寄せた論文で、「マルコ」の西岡論文を批判しました。
石田勇治論文。アウシュビッツ、トレブリンカなど現ポーランド領内の絶滅収容所以外の、現ドイツやオーストリアにあった強制収容所にも処刑用ガス室は存在し、実際に人間を殺していた。ビルケナウのケースで、 「シャワーを浴びろ」との名目で裸にされてガス室に入れられたものの、設備の故障かなんかで外に出され、文字どおり九死に一生を得た女性の証言も載っている。

 さて、論点が何かというと、ナチスがダッハウという町に建設した強制収容所があります。ここを解放したのはアメリカ軍でした。アメリカ軍の兵士は、収容所の地獄に等しい状況に度胆を抜かれ、憤りのあまり捕虜のナチス親衛隊員をリンチで殺したりもしました。このダッハウ強制収容所に、収容者を虐殺するためのガス室があり、現に稼働していた、という話がマスコミを通じて流れ、戦犯裁判の席でもそのような証言をなした人間がいたのです。(ブラーハ証言) ところが、その後、ダッハウのガス室で殺された収容者はいなかった、ブラーハ証言も嘘だった、と判明したのです。

 この件を西岡さんは「マルコ」の論文の中で取り上げ、石田さんは西岡論文には事実誤認がある、と指摘したのです。具体的には、西岡さんが「ダッハウにガス室は無かった」「ガス室の存非に関してアカデミズムの定説の重大な変更がなされた」と主張するのに対し、石田さんは「ダッハウには未完成のガス室があった」「ガス室の存非に関して定説の変更などなされていない」と。


 ベルゲン・ベルゼンの例は、西岡さんの引用によれば1945年の著作ですね。その時点で「ドイツ国内の強制収容所におけるガス室の存非についての歴史学の定説」が定まっていたのでしょうか? また三鷹は不勉強で知らないのですが、Francis・T・Millerという研究者は、その見解が歴史学の定説を代表するとされるような人なのですか? (西岡さんが「マルコ」の論文でブローシャトがそうであるかのように書いたごとき)



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 ヒルバーグは、ホロコーストの研究が、彼がそれを1948年に開始したときに始まったという意味で孤独な作業であったことを、最近読者に思い起させた。プロの作家や歴史研究者は、実際、このテーマを無視し、それを扱っていることで知られていた研究者はほとんどいなかった、と当時フィリップ・フリードマンは嘆いていた。

  (「ホロコースト 歴史的考察」 マイケル・K・マラス 時事通信社 P293)
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 「ドイツ国内の強制収容所におけるガス室の存非についての歴史学の定説」に変更があったか無かったか、が論点でしょう。

 西岡さんは「あった」と言い、石田さんは「なかった」と言う。

 西岡さんは「マルコ」の記事で、「ガス室に関して、歴史学の定説に重大な変更があった」と決めつけることにより、アカデミズムの権威を失墜させてやろうと試みたのでしょう。で、世間一般の人々のアカデミズムに対する信頼感を失わせた上で、「ガス室否定説」を広めようとした。その西岡さんに対して、「それは事実と異なる。歴史学の定説に変更などなされていない」と、アカデミズムの立場から反論したのが石田さんです。

 西岡さんが石田さんを論破するには、「定説に変更があった」ことを論証しなければなりません。「あった」と主張する方に挙証責任が生じるという立場をとるのならば、なおさらのこと。それができないからといって、戦時報道のデタラメさや、それを戦後も無批判で取り上げてきたマスメディアの愚劣さなどついて、いくら指摘しても、論証の代わりにはなりません。

 まず、西岡論文。
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 「ダッハウのガス室」だけではない。ドイツを西から攻略したアメリカ、イギリス連合軍は、ドイツ西部で強制収容所を解放した際、いくつもの「ガス室」を「発見」した筈だったのである。彼らは、そう発表し、戦後しばらくは、そう語っていたのである。それなのにそれを彼ら自身が今日全く語らなくなったのは一体何故なのだろうか?
 それは、1960年8月26日のことである。当時、西ドイツ(ドイツ連邦共和国)政府の第二次世界大戦や「ホロコースト」に関するスポークスマン的地位にあった歴史学者、マーティン・ブロサット博士(Dr.Martin Broszat)が、突如として、ナチが大戦中「ガス室」を作ったのはドイツ軍に占領されたポーランドだけで、ドイツ本国に「ガス室」はなかったという意味の声明を発表したのである(Die Zeit,1960.8.26)。
 ブロサット博士は、ミュンヘンの現代史研究所という西ドイツ政府の機関で所長の立場にあった人物だが、この研究所は、これまで「ガス室」の存在を「証明」するために実に多くの発表を行なっており、西ドイツ政府の歴史に関する見解を代弁する団体とみなされている。その現代史研究所の所長、ブロサット博士が、突然、昨日までは「真実」とされていたダッハウやブーヒェンヴァルトなど、ドイツ本国の収容所における「ガス室」の存在を否定したのである。
 その日を境として、「ホロコースト」に関する「真実」は「改訂」され、昨日まで「存在した」と主張されていた「ダッハウのガス室」や「ブーヒェンヴァルトのガス室」は、実は存在しなかった、という話に変更された。 しかも、ブロサット博士は、その声明の中で、このような「真実の変更」がなされた理由を一言も説明していないのである。

(「ナチ『ガス室』はなかった」 西岡昌紀「マルコポーロ」廃刊号(95年2月号)(文藝春秋)に掲載)西岡さ
んが引用元としたのは、アメリカのホロコースト否定者(”歴史見直し論者、リビ
ジョニスト”)の出版物
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 次に石田論文。
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 ブローシャト博士の「声明」を検証している。「それは1960年8月26日のことである」としたうえで、(Die Zeit 1960.8.26)と典拠が明示されている。そこで調べてみたが、『ツァイト』(週刊新聞)当該号にそうした記事は見あたらない。原典を確かめなかったゆえのミスであろう。前後の号を探したが、8月19日号の投書欄に掲載されていた(三鷹注)。たしかに「ダッハウでもベルゲン・ベルゼンでもブーヒェンヴァルトでも、ユダヤ人やその他の囚人は、ガスで殺されてはいない」とある。しかし、次の文には「ダッハウのガス室は完全には仕上がらず、そのため”稼働”しなかったのだ」と記されている。つまり、ダッハウのガス室は着工されたものの未完のまま終わったと述べているのであり、目撃証言は成り立つのである。実際、ダッハウでガス室が建設されていたことは今日の研究でも明らかにされている。さらにいえば、ドイツ本国でも、ザクセンハウゼン、ノイエンガンメ、ラーフェンスブリュック、シュトゥットホーフ、マウトハウゼン(オストマルク)の各収容所ではガス室が建設され、殺人目的に実際に使用されていたことが解明されている。これらの収容所ではユダヤ人や戦争捕虜だけではなく、労働忌避者や同性愛者などナチによって「共同体異分子」とレッテルを貼られたドイツ人も犠牲となった。ブローシャト氏の投書が述べるように、「ガス室によるユダヤ人の大量虐殺」はたしかにドイツ本国では起きていないし、本国のガス室による犠牲者数は、ポーランド領内のそれと比較できるものではなかった。
だが、ドイツ本国にもガス室はあったというのが、戦争直後も今も変わらぬ定説であり、ブローシャト氏の発言を境に変更されたという指摘はあまりに不正確である。(ちなみに、ミュンヒェンの現代史研究所はドイツ連邦政府の歴史的見解を代弁する機関ではないし、
1960年当時、ブローシャト氏は所長でもない。所長となるのは12年後のことである。)


 石田勇治 「アウシュヴィッツと<アウシュヴィッツの嘘>」(白水社)に収録)

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 さて西岡氏が引かれたブローシャト氏の「声明」ですが、実際には一通の個人的な投書でした。確かにダッハウではガスによるユダヤ人の大量虐殺はなかったと書いてあります。しかし次の一文をよく読まなければなりません。「ダッハウのガス室は完全には仕上がらず、そのため稼働しなかった」とあります。 ブローシャト氏の投書とともに同じ紙面に掲載されているもうひとつの投書は、ミュンヘン司教補佐ノイホイスラーの証言を引いて、「ダッハウでガス殺が起きなかったのは、囚人がそのための建設をサボタージュしたためだ」と記しています。実は、ダッハウにガス室が建設されていたことは、ドイツ現代史の専門家なら誰でも知っている事実です。

        (「ホロコーストと現代史研究」 季刊戦争責任研究 第8号)
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 三鷹が、西岡さんを「歴史見直し論者(revisionist)」


「ドイツ国内の強制収容所におけるガス室の存非についての歴史学の定説」に、変更があったかどうか、ですね。

 西岡さんが挙げた3つの主張を読み比べた限りでは、ライトリンガー、ブローシャト、コゴンの3人とも「ダッハウにガス室(未完成のものも含めて)があった」という見解においては一致しているように三鷹には思えますが、いかがでしょうか。

 また、ブローシャトの文章の同じ部分を、石田さんは「ダッハウのガス室は完全には仕上がらず、そのため”稼働”しなかったのだ」と訳し、西岡さんは「ダッハウのガス室はまだ全く完成していなかったのであり、使用されてはいなかった」と訳しています。石田訳だと「ほぼ完成していた」というニュアンスがうかがえますが、西岡訳は「まだ全く完成していなかった」です。三鷹は、駒場でドイツ語を教えてる人の訳文の方を支持します。




 まず、証拠文書が存在します。ダッハウで「医学的実験」を行なっていた空軍の内科医・ジグムンド・ラッシャー(Sigmund Rascher)が、1942年8月9日にヒムラーに宛てた手紙です。
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 ご存じのように、リンツで使われたのと同じ設備が、ダッハウ強制収容所にも建設されました。しかるに「病弱者の輸送」は、ある種の部屋(bestimmten Kammern)で、どのみち終点となります。我々の多種の戦闘ガス(Kampfgase)のいくつかを、この作戦に巻き込まれた特別の人間に対して、テストできないかどうか、お尋ねする次第です。現在までのところ、動物実験と、これらのガスの製造中の事故死報告しかありません。以上の一節により、この手紙は「機密」と印してお送りしました。
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 ここでリンツ(Linz)というのは、ハルトハイム(Hartheim)精神病院のことを指していると思われます。ナチスが障害者の絶滅を目的としたT4作戦で使用した施設で、一酸化炭素ガスボンベによるガス室がありました。(「博物館」の「トレブリンカへの道(2)」をお読み下さい)

 ニュルンベルク裁判におけるフランツ・ブラーハ証言は、三鷹はまだ現物を確認
していないので、西岡さんの引用を孫引きしましょう
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(訳:ガス室は、1944年に完成され、私は、ラシュナー医師に命令されて最初の犠牲者たちを調べた。その部屋(「ガス室」)の中に居た8人か9人の
人たちの内、3人はまだ生きていたものの、残りは死んでいた。彼らの目は赤く、顔は腫れていた。多くの被収容者が、後にこうしたやり方で殺された
のである。)
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 ブラーハ(Franciszk Blaha)はチェコ人の医師で、ダッハウに収容されていた間、前述のラッシャー医師の仕事を手伝わされていました。

 西岡さんは、ダッハウでガス室による大量殺人は行なわれていなかった、ゆえにブラーハ証言はすべて偽証だった、と決めつけたのですが、証言をよく読むと、彼の「目撃事実」は「実験的ガス殺」であり、最後の2行の「ガスによる大量殺害」は推測によるものではないか、とも思えます。

 
 それと、西岡さんが引用した英文の人名表記は違っていますよ。ラシュナー(Raschner)ではなくて、ラッシャー(Rascher)です。無用の混乱を避ける
ため、指摘しておきます。




#1059/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/ 9/19 18:10 ( 15)
「ディーゼルによる一酸化炭素」について      三鷹板吉
★内容

 トレブリンカ絶滅収容所については、ウェーバー論文批判の中であらためて論じるつもりですが、一つだけ申し上げれば、「ディーゼルエンジンから出る一酸化炭素によるガス室は、科学的に在りえない」てな主張は、同じく科学的な実験により、すでに論破されてるみたいですね。

 ディーゼルエンジンが機関車や自動車を動かすために通常に運転される場合、致死量以下の一酸化炭素しか発生しない、というのは一個の科学的事実です。ところが、そのディーゼルエンジンのエアインテークを絞って不完全燃焼させると、途端に一酸化炭素の発生量が激増するんだそうです。ある状況では3000ppmまで上がった、と。人間を殺すに十分な一酸化炭素濃度です。この実験結果は、ディーゼルエンジンの排気を使用したガス室における「酸欠による死亡」、もしくは、三鷹が指摘したような「窒素酸化物その他の、一酸化炭素以外の致死的ガスの発生による死亡」と両立するものである、ということも指摘しておきましょう。

その「現代史研究所(Institut Fuer Zeitgeschicthe)」の現在の見解は、「ダッハウのガス室では実験的ガス殺が行なわれた」なんですねえ。

 1992年に、同研究所からダニー・ケレンというホロコースト研究者に対して出された回答書の中に、以下のようにあります。
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ダッハウ(上部ババリア、ミュンヘン北東):1942年の新しい火葬用建物の設立の際に、ガス室もその中に作られた。その中で、親衛隊中隊長ラッシャー医師の医学実験に関連して、少数の実験的ガス殺も始められた、と最近の研究が確証している。
(これについては「Gunther Kimmel:The Concentration Camp Dachau. A study of
the Nazi crimes of violence in Bavaria in the NS-time II, edited by Marti
n Broszat and Elke Froehlich,Munich, R. Oldenburg Press, 1979, P. 391.」を見よ) より大規模なガス殺作戦は、ダッハウでは起こらなかった。
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#1064/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/ 9/20 0:40 ( 42)
「ディーゼルエンジンの一酸化炭素」の典拠     三鷹板吉
★内容

 インターネットのニツコー・プロジェクトが紹介していたものです。「The Brit
eish Journal of Industrial Medicine」という雑誌に掲載された実験とのこと。

 以下、引用しましょう。
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 この実験では、小さなディーゼルエンジン(568cc6馬力)の排気が、容積10立
方メートルのガス室に接続された。そして動物たちがその中に入れられた。すべて
の実験例で動物達は死んだ。エンジンへのエアインテークが絞られた時に、死はよ
り早く訪れた。その原因は、発生する一酸化炭素(CO)量の増加である。
(実例として、リリーによる「デイーゼル・エンジン・リファレンス・ブック」19
85のP18/8を見よ。高い空気/燃料混合比ではCO濃度は低いppmでしかない。だが、
より低い混合比(25:1)ではCO濃度は3000ppmまで上昇する。エアインテークを
絞るのは非常に簡単である。−−イギリスの研究者は、金属片でエアインテーク口
を部分的に塞ぐことによりそれをなした)
 排出CO濃度が低い場合でも、動物たちは他の毒性成分によって死んだ−−主と
して、刺激物と二酸化窒素である。

 さて、トレブリンカで使用されたディーゼルエンジンは、ずっと大きかった。−
−それは鹵獲されたソ連のT-34戦車のものだった。この戦車は26トンから31トンの
重量であり(型式により違う)、500馬力のエンジンを備えていた。(イギリスの
実験はほんの6馬力だったことと比較して) トレブリンカの絶滅ガス室の容積は、
もちろん、一つの要素だ。ガス室の容積は60立方メーターで、イギリスの実験で使
われたガス室の6倍である。対してエンジンのサイズは、6倍よりずっと大きい。

 これは憶えておかねばならないことだが、CO中毒において問題となるのは、C
O濃度ではなく、COの酸素に対する比率である。小さな、空気の洩れない部屋、
人間が一杯に詰められた部屋では、酸素レベルは急速に低下する。ゆえに、CO中
毒による死は、より早くもたらされる。前記したように、排ガス中の他の毒性要素
は、それ以上に死亡率を高める。
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 以上の引用で、西岡さんの「1万ppm必要」説への反論としては十分でしょう。

 また「30分で殺した」というのは「定説」でしょうか? 三鷹が読んだ本では、
もっと時間がかかったこともしばしばあり、ガス室から出された時に、仮死状態で
まだ生きている人間もいた、てな記述もありました。そうした連中は、銃弾でとど
めを刺されるか、生きたまま埋められたわけです。エンジン使用のガス室は、その
ように不完全なものだったから、アウシュビッツ所長のルドルフ・ヘスは「自分の
ところのチクロンB使用のガス室の方が短時間に確実にユダヤ人を殺すことができ
る」と自負していたのではなかったでしょうか。



#1066/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/ 9/20 1:10 ( 20)
定説>もう、お話になりませんね>西岡さん     三鷹板吉
★内容

 そもそもあなたは「定説」という言葉の意味が理解できてないんじゃないの?

 「定説側の学者」というのもおかしな言い方です。意味するところは「否定者以
外の大多数の研究者」ですからね。その研究者たちの間で一致した見解が得られれ
ば、それが「定説」であり、それ以外は「諸説」でしょ?

 「諸説」の間に異同が存在するのは、あたりまえの話じゃないですか。でなけり
ゃ学問上の論争などありえないし、そもそも研究者が複数存在する意味がありませ
ん。

 それともなんですか、ホロコーストに関しては、絶対不変の「教科書」みたいな
もんがどっかにあって、研究者たちは全員それを受け売りしてる、とでも言うので
すか? で、誰かがそれを書き換えれば、研究者は一斉に自説を変える、とでも?
 だったらば「諸説の異同」を「定説の変更」と騒ぎ立てる気持ちもわからないで
もありません。それを通じて「教科書を書き換える誰か」を糾弾しようとしている
のでしょうからね。

 そういうのを「陰謀論」と言うんです。憶えておいてください。



#1067/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/ 9/20 1:10 ( 11)
「未完成のガス室」の目撃証言については      三鷹板吉
★内容

 三鷹自身まだその存在を確認するには至っておりません。あるいは、西岡さんの
おっしゃる通り、そのような証言は存在しないのかもしれません。

 石田さんの文章では、「目撃証言は成り立つ」と言っています。彼自身、「未完
成のガス室に関する目撃証言」を確認した上で言ったのか、「未完成のガス室はあ
ったのだから、目撃証言があっても不思議はないだろう」という憶測で言ったのか、
三鷹も興味があります。

 今度お会いした時にでも、聞いてみましょう。



#1080/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/ 9/20 16: 8 ( 16)
誤解しないでほしいのですが>カワセンさん     三鷹板吉
★内容

 三鷹は自他ともに認める「保守反動」で、山本七平や西部邁の愛読者ですし、そ
れ以外の著者の本も読みます。「諸君!」や「正論」も毎月読んでます。もちろん、
それ以外の週刊誌、月刊誌もいろいろと。ついでに、自宅で購読する新聞も、先月
「朝日」から「産経」に切り換えましたが、「朝日」その他の新聞にも目を通して
ます(笑)

 その上で、申し上げるのですが、「ガス室」でも「慰安婦」でも、三鷹の主張の
背景には、いかなる政治的な意図もありません。実証的研究による歴史を、嘘とコ
ジツケとで否定しようとする人間や、政治的意図により歪曲しようとする勢力に対
して「否」を唱えているのです。

 カワセンさんが拠って立つところは何ですか? それが歴史学であるならば、そ
れぞれの問題で「歴史偽造者」がどちらの側にいるのか、簡単に判断できるはずで
すが。



#1081/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/ 9/20 16: 9 ( 16)
「ディーゼルエンジンの一酸化炭素」の典拠(補足) 三鷹板吉
★内容

 三鷹が見たのは、前記の通り、インターネットのニツコー・プロジェクト(Nizk
or Project)というホームページで、その中の「ラインハルト作戦 ガス室(Oper
ation Reinhard:Gas chambers)」という項目です。

 この項目の執筆者はジョン・モリス(John Morris)で、三鷹が引用したのは彼
の文章です。そのモリスが元にしているのは、
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Prattle et al. "The Toxicity of Fumes from a diesel Engine Under Four
Different Running Conditions," British Journal of Industrial Medicine,
1957, Vol 14
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 という論文の、P47から55です。

 これでよろしいですか? > 西岡さん






 否定者の一人であるマーク・ウェーバー(Mark Weber)が「トレブリンカ(死の収容所だったとの主張に対し、戦時航空写真が新たな疑惑を投げかける)」という論文で取り上げているのを、先日読みました。

 この論文については、近日中に3番「博物館」あたりで批判的論考を加えて翻訳紹介するつもりですが、今回は以下の事実のみを指摘しておきましょう。

 1943年8月2日の反乱の後、トレブリンカ絶滅収容所は解体され、同年11月には整地されていました。収容所跡地には新たに土が敷かれ、カモフラージュのための植樹が行なわれました。新たに小屋が建てられて、農場に偽装されました。 その航空写真が撮影されたのは1944年です。



#1122/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/ 9/26 13:14 ( 28)
マクベイとニツコー・プロジェクトの概説      三鷹板吉
★内容

 「概説」と言っても、三鷹がこのホームページの存在を知ったのは、ほんの数週
間前です。ニツコーが保有する豊富な文献資料に夢中になって、ニツコーそれ自体
の成り立ちなどについては、二の次だった、と白状しておきましょう。

 さて、以下が、マクベイとニツコーについて、三鷹が現時点で得ている情報の概
説です。

 ケネス(ケン)・マクベイ(Kenneth(Ken) MacVay)は、現在五十代半ばのカナ
ダ人です。住所はビクトリアの北の、海に面した小さな町。本来の職業はガソリン
スタンドの副支配人です。

 マクベイは、4年ほど前からUsenetのニュースグループなどで、ネオナチや白人
至上主義者を中心としたホロコースト否定者と「論争」を展開してきました。ネオ
ナチなどカルトな連中にとっても、インターネットは実に便利なメディアなんです
ね。連中の嘘に対抗するために、マクベイはさまざまな文献資料を収集しました。
西岡さん言うところの「定説側」の学説、IHRを代表格とするホロコースト否定
説、戦犯裁判における証言などの一次資料も多数。ネットで現に戦われた「否定者
VS反否定者」の火を吹くような「論争」も含まれます。マクベイが収集し電子情報
化したそれらの資料を、アメリカ合衆国司法当局者やアカデミズムのホロコースト
研究者などの協力をも得て整理し、インデックスをつけ、研究者の便宜をはかった
ものが、ニツコー・プロジェクト(The Nizkor Project)の中核です。現在、千を
超える文書ファイルとその要約が検索によって利用可能で、その数は日々増加しつ
つあります。

 アマチュア研究者によって始められ、アカデミズムや政府関係者も巻きこむ形で
発展したメディアと言えましょう。



#1123/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/ 9/26 13:16 (104)
質問、質問、質問の山ですね(笑)         三鷹板吉
★内容

 一つずつお答えしましょう。ニツコーについては、もう答えましたよね。

>ゲルシュタインの告白を含めた、ディーゼル・ガス室に関する全て
>の目撃証言に、そのディーゼル・エンジンから煙が出ていたとする
>物が無い=・・・・・

> 三鷹さん、三鷹さんは、「クルト・ゲルシュタインの告白」
>については、どんな立場を取るのですか?

 三鷹は不勉強で、ゲルシュタイン証言については、「夜と霧」の巻末に紹介され
た部分と西岡さんがボードで紹介した部分しか読んでおりません。不十分な知識し
かありませんので、断言はしかねますが、証言一般について言えることとしては、
「言及されていないものが存在しなかったとは言えない」という、きわめて常識的
なことです。

>1)仮に原理としてディーゼル・エンジンでそんな量の一酸化炭素
>  を排出可能だとしても、同じ事をするのに、何故ガソリン・エ
>  ンジンを使わなかったのか、と言う問題はどう考えるのか

 質問の意図が分かりません。「東京から横浜へ行くのに、なぜ東横線じゃなくて
JRを使ったのか」というのと同種の質問ですね。

>2)その「ディーゼル・ガス室」の「実物」は全く「現存」しない。
>  「湮滅されたのだ」と言うのは自由ですが、現に「実物」が
>  全く存在しないのに、何故そんな物が有ったと言えるのか。
>  「湮滅された」は、何の証明にも成りません。

 「犯人」であるところのナチス親衛隊員の供述、彼らに協力させられたユダヤ人
特殊部隊の生存者による証言、それらを総合的に検討した司法機関の結論により、
「あった」と言えます。

>3)その「ディーゼル・ガス室」で殺された死体は一体も確認され
>  ていないのに、何故そんな事が行なわれたと言えるのか?

 同上。

>1943年の「反乱」が本当に有ったかどうかは不明です。

 同上。

>いかに「湮滅」をしたと言っても、建物がその礎石まで「湮滅」
>させられてしまうと言うのは、考えがたい、と言う事です。私も
>そう思います。何故なら、ビルケナウでは、「破壊されたガス室」の
>礎石が「残っている」のですし、掘り起こした場合は、土の変化が
>残るだろうと思うからです。

 「湮滅しよう」と考え、そのための時間と手段があれば、礎石まで取り除くのが
当然ではないでしょうか。戦争末期、ソ連軍が迫る中で行なわれたビルケナウのガ
ス室破壊が礎石まで湮滅するに至らなかったからといって、「湮滅とはそういうも
のだ」と決めつける人間の常識を疑います。

 また「土を掘り起こした形跡」についてですが、ガス室があった部分のみ行なえ
ば「形跡」が確認できるかもしれませんが、その周囲まで広く掘り起こしたならば、
区別がつかないでしょうね。また、掘り起こしてから数か月の時間を経れば、その
他の土地とさほど変わらない状態になったとしても不思議はありません。

>    三鷹さんの主張のもっと根本的な不合理は、1944年の
>この航空写真を見ると、トレブリンカ収容所が「更地」になどされ
>ていないと言う事です。「湮滅」「湮滅」と言うけれど、収容所
>自体は、存在している事がこの写真からは明らかなのであって、
>収容所の建物はちゃんとそこに在るのですよ。(笑)

 その「収容所の建物」は、生存者証言などによる収容所の再現図と一致していま
すか? 数学的に厳密にではなく、建物同士の位置関係などですが。
 もしも一致していて、ガス室のみが欠落しているというのなら、歴史学者の記述
に誤りがあるということですね。一致していないなら、それは「収容所の建物」で
はなく、跡地を農場に偽装するために新たに建てられたものではないでしょうか。

>    それから、周囲の畑を見ると、収容所の境界まで耕作され
>ている事もこの写真から分かります。「極秘の収容所」だったと
>言うのですけれど。

 これはウェーバーが言っているのと同じですね。トレブリンカの周囲の農民たち
が絶滅収容所についてどれだけのことを知っていたかについては、「ショアー」の
トレブリンカの農民たちへのインタビューが参考になります。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「おれの畑は、収容所から100メートルの所にあって……、(100メートルだって!)
占領中も、働いていた。(あなたの畑で?) そうさ。だから、ユダヤ人がガス殺
される様子も見たし、彼らの叫び声も、聞いた。すっかり、目にしたんだ。畑に、
少し高くなった所があってさ、そこから、ずいぶんいろんなことが見えたんだから」
             「ショアー」(クロード・ランズマン 作品社)P72
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 「極秘の収容所」の、これが実態だったようです。

>   それから三鷹さん、#1067で三鷹さんが何を言いたかっ 
>たのか、良く分かりません。石田勇治氏(東大駒場助教授)の見解
>を支持するのをやめると言う意味なのですか?/明確にして頂ける
>とうれしいのですけれど。

 もちろん「支持するのをやめると言う意味」ではありません。西岡さんが三鷹に
そうして欲しがっているのは、よく理解しておりますが(笑) そもそも支持を取
り消す理由が見当たりませんし。

>   三鷹さん、#1111に書いた事、三鷹さんの「創作」が
>混じってませんか?

 別に「創作」など混じえてませんけど。

 三鷹の記述に不正確な点があるというのなら、具体的に指摘すればすむことだと
思いますが。おかしな言い方をする人ですね。



#1124/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/ 9/26 13:17 ( 14)
それでは、三鷹から西岡さんに質問です       三鷹板吉
★内容

 西岡さんはバーグ論文に従って「ディーゼル・エンジンをある一定の燃料/空気
比以上で連続運転させることはできない」と考えていらっしゃるようですが、その
「できない」もしくは「きわめて困難である」理由はなんですか? 具体的に述べ
ていただきたい。

 西岡さんはマーク・ウェーバーの政治信条について、それがいかなるものである
かご存じですか? ご存じならば、その政治信条について、どのように評価されま
すか?

 西岡さんは、石田さんの指摘のいくつか(「定説」はドイツ国内にガス室があっ
たとしている。現代史研究所は西ドイツ政府の見解を代表する機関ではない。など
など)について、それが正しいことを認めたんですか?



#1140/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/ 9/30 8:42 ( 70)
バーグ論文「Myth Within A Myth」について     三鷹板吉
★内容

 三鷹は、見出しを頼りに必要な項目にざっと目を通しただけで、全体を「精読」
はしておりませんが、西岡さんが「読め」とおっしゃるならば、あらためて通読し
ましょう。

 三鷹が整理した「論争史」に間違いがあるというのなら訂正いたします。西岡さ
んの言うとおり「ディーゼル&一酸化炭素は不可能」と指摘した最初がこの1983年
の論文だったとするならば、最初から「一酸化炭素濃度600ppm」と「殺害所要時間
30分」という数字を挙げた上での「不可能」主張であり、また、燃料/空気比をあ
る数値以上に上げるとエンジンが壊れるということも最初から論に含まれていたワ
ケで、反証による「戦線の後退」などではなかった、ということですね。これは失
礼しました。

 さて、その上であらためて申し上げますが、バーグが主張するところの「エンジ
ン破壊の原因」は、排気内のススなどの固形分(Solid material)ではないですか?

 それに対して、スコット・モーリンズは、以下のように具体的な数値を挙げて反
論しています。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 古いディーゼルカーが煙を吐き出しながら走るのを見たことをある人間なら誰で
も、この状態であっても、このような車は何年も運転することができることを知っ
ている。さて、(バーグの)ナンセンスな主張はわきにおいて、事実としてのデー
タを受け入れた上で反論をなそう。バーグは勝手に、ディーゼル・エンジンにおけ
る燃料/空気混合比の、”安全な”運転限界を0.055に設定している。それを越す
とエンジンは自壊する、と。もしも「十分な」固形排気物(例えばスス)が「十分
に早く」生成されれば、それがエンジンを痛める結果はあり得る。バーグが言わな
いのは、何が「十分に」または「十分に早く」構成要素となるかだ。バーグが参照
した資料の図6では、燃料/空気比0.055では、未燃焼のススは容積比で排気の0.0
001%である。このススの量は、燃料/空気比を0.055から約0.01アップした場合と
だいたい同じである。なぜ「安全運転」のために、燃料/空気比0.055で限界を切
らねばならないのだろうか? なぜバーグがここが限界点だと考えるのか、彼の文
章では明らかにされていない。また、バーグが参照した資料では、テストされたす
べてのディーゼル・エンジンについて、自壊についての言及はない。(燃料/空気
比が0.09まで上がっていてもだ)

 バーグが言及していないのは、参照元の資料の図6で、燃料/空気比約0.065で
も排気中のススは容積比で0.0002%にしか達しないということだ。0.0002%のスス
と仮定しても、エンジンの運転寿命をある程度縮めるのがせいぜいであり、0.0001
%では完璧に安全なのだ。確実なのは、排気中に0.0002%のススを吐きながら運転
されるエンジンは、壊れることなく長時間運転することが可能だということ、そし
て強調しておくが、適当なメンテナンスをすれば何年も長持ちするということだ。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 続いて、三鷹が前に紹介した部分になります。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 OK、バーグはそれでもなお、彼が人間を30分で殺すために必要だとする0.8%
(三鷹注:8000ppm)の一酸化炭素をディーゼル・エンジンが発生させるのは、ず
っと高い燃料/空気比だと我々に信じさせようとしているようだ。バーグの参照元
の資料の333ページの図3はこの論点を支持するかのようだ。図3は、44馬力と70
馬力のディーゼルでは、ともに燃料空気比0.065で約0.2%(2000ppm)を大きく越
える一酸化炭素は発生しないことを示している。これは、図3のグラフからの控え
目な見積りである。しかし、目線を333ページの左下に移せば、図4のもう一つの
グラフが見える。図4は、150馬力のディーゼル・エンジンの燃料/空気比の変化
による一酸化炭素発生のグラフである。それによれば、燃料/空気比0.065で150馬
力のエンジンが容積比1.0%(10000ppm)以上の一酸化炭素を発生させるのは明白で
ある。間違いなく1.0%だ! バーグの基準でさえも致命的である。0.055という”
マジカルな”燃料/空気比においてさえ、150馬力のディーゼルは、約0.4%(4000
ppm)の一酸化炭素を発生させる。これも、一般には相当に致命的と考えられる濃
度である。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 重要なのは、以上がモーリンズ自身の見解や新資料によるものではなく、バーグ
が参照元とした資料それ自体に沿った指摘だということです。バーグは資料から、
自説に都合のよい部分だけを切り取って、都合の悪い数字は意図的に無視している、
すなわち、資料を歪曲している、ということではないでしょうか。

 ホロコースト否定説に限らず、どのような論文でも、それが典拠とする資料を歪
曲した上で書かれたものには、信を置くわけにはいかない、というのが学問の常識
だと思いますが、さて、西岡さんは、どうお考えですか?



#1141/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/ 9/30 8:43 ( 44)
マーク・ウェーバーの思想信条について       三鷹板吉
★内容

 確かに、ある人間が「若い頃右翼的な思想を持っていた」からといって、現在の
彼の言動が偏向しているとは言えないかもしれませんが、ウェーバーの場合はそん
な生易しいもんじゃありません。

 1951年生まれのウェーバーが「若い頃」、1978年に関わっていたのは、ウィリア
ム・ピアースという人物が主催する「ナショナルアライアンス」という団体の機関
誌編集です。この「ナショナルアライアンス」というのは、どうヒイキ目に見ても
白人至上主義の「極右」であり、言葉を選ばずに言えば「ネオナチ」です。ウェー
バーが「若い頃」ハマっていたのは、単なる「右翼的な思想」などではない、とい
うことを、まず指摘しておきます。

 そのウェーバーは、もう「若く」はない1989年に、ネブラスカ大学のソウアー紙
のインタビューで、アメリカにおける白人の将来とアメリカの将来を憂慮する、以
下のような主旨の発言をしています。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 アメリカの進む方向は二つに一つで、白人の拡大再生産がなければ、アメリカは
メキシコ化、プエルトリコ化されるか、もしくは人種問題で分裂してしまう。多民
族による文化や伝統の可能性はない。黒人が白人社会に融合されるのは望ましくな
く、また可能でもない。待ち望まれるのは白人国家アメリカの到来であり、非白人
を二級市民として周辺部に押しやることにより、国家は安定する。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 アメリカの、保守ゴリゴリの右翼政治家と言えども、このような発言をしたと知
れたら、政治生命を失うことでしょう。89年の時点で、ウェーバーは立派な「極右」
であることに変わりありませんでした。

 で、もっと最近の1993年、SWC(西岡さんとマルコの敵である)が仕掛けたワ
ナにウェーバーはハマりました。SWCが作った架空の極右団体の集会に参加した
ウェーバーは、CBSのテレビカメラに写されているとも知らずに、自分がドイツ
のネオナチとの交流があることを自ら暴露し、その極右団体の機関誌のために仕事
をしたいと申し出たのです。

 ウェーバーは今なお現役の「ネオナチ」であるというのが、妥当な評価でしょう。

 もちろん、彼がネオナチだからという、それだけの理由で、彼のホロコースト否
定論文が信じるに値しないと決めつけるのは不当でしょう。しかし、西岡さんをし
て「ウェーバーは若い頃右翼だったが、今は左翼的(?)」と誤解させてしまうよ
うなやり方で「現役ネオナチ」のウェーバーが振る舞っているとすると、それは別
の意味で問題なのではないでしょうか。

 すなわち、三鷹が前々から指摘しているように、西岡さんは海外のネオナチにだ
まされて利用されているのではないか、という疑念がまたもや浮上するのです。



#1142/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/ 9/30 8:56 ( 7)
法廷で認められれば認めますよ(笑)>西岡さん   三鷹板吉
★内容

 自由な民主主義国家における公開された法廷で「事実」として認められたなら、
「慰安婦強制連行」でも「UFO」でも何でも認めましょう。

 ところで「ガス室否定」やホロコースト否定が「事実」として法廷で認められた
例ってありましたっけ? (ツンデル裁判は違いましたよね)



#1145/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/10/ 1 0:20 ( 58)
まとめてレスします>西岡さん           三鷹板吉
★内容

*ディーゼル&一酸化炭素について

 バーグとモーリンズのどちらの主張が正しいか以前に、バーグの「検証」が、自
説に不利な証拠を意図的に無視した「片目の検証」ではないかという「疑惑」の方
が、三鷹には気になりますがね。

 まあ、西岡さんの検討による「稿」をお待ちしましょう。

*マーク・ウェーバーはネオナチから「転向」したのか?

 三鷹にはどうもそうは思えないのですが、「転向した」と西岡さんがお考えにな
るならば、その根拠を教えていただければ幸いです。

 「政治信条と歴史的事実に対する論考の正否」は、常にリンクするとは限りませ
んが、リンクしている可能性を常に考慮すべきだと思います。日共党員の手になる
「リンチ共産党事件」に対する論考や創価学会員の手になる「出版妨害事件」に対
する論考を、そのまま受け入れることはできないのと同じように。

 と学会の指摘を待つまでもなく「ネオナチによるホロコースト否定」というのは
あまりにも分かり易すぎるんですよ(笑)

 リップシュタットの政治背景については、それをボードでハッキリ指摘したのは
三鷹だったことをお忘れですか? 「ホロコーストの真実」の版権表記を確認すれ
ば思い出せるのでは。

*東京裁判について

 そう来るだろうと思ってました(笑) さて、日本の戦争犯罪を裁いた連合国は
すべて「自由な民主主義国家」だったでしょうか? (ソ連は? 中華民国は?)
また、裁判は「自由な民主主義国家」の国内において通常行なわれるのと同等の基
準により、同様のルールに従って行なわれたのでしょうか?

 西岡さんの政治的感覚の発達レベルが問われるところでしょう。

 もちろん、東京裁判が問題の多いものであったからといって、そこで認定された
「事実」がすべて虚構であるとするなら、飛躍が過ぎるでしょう。歴史学の方法論
によって一つ一つ検証し、「歴史的事実」と「虚構」とを弁別していくべきでしょ
うね。

*「ゲルシュタインの告白」について

 バーグ論文が引用している分は読みました。他の証言と突き合せると、ちょとお
もしろい論考がなせそうです。

 西岡さんは、三鷹にわざわざ資料を送りつけようと申し出るほどに、ゲルシュタ
インを取り上げたがっています。この「ゲルシュタイン好み」については、海外の
否定者も共通しているんですねえ。否定者の大御所ロベール・フォーリソンなどは、
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 ベウジェッツやトレブリンカのガス室が本当に存在したと証明するためには、ク
ルト・ゲルシュタインの供述を本質的に信頼することが要求される。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 とまでゲルシュタインを持ち上げているようです。

 それに対して反否定者の方は「他の証言や証拠を無視してええんか?」と皮肉っ
ているようです。なんで否定者はこうまでゲルシュタインが好きなのでしょうか?
なんとも興味深いですねえ(笑)



#1152/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/10/ 2 3:36 ( 8)
IHRに訊いたって、西岡さん(笑)        三鷹板吉
★内容

 そもそもマーク・ウェーバーは、そのIHRの幹部じゃないですか。

 志位さんのスキャンダルについて代々木に問い合わせるようなもんですよ。そり
ゃ断言するでしょうよ。「事実無根の反共デマである」とかなんとか(笑)

 他に情報源は無いんですか? CBSに確認するとか。



#1153/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/10/ 2 3:37 ( 15)
ベルツェックのガス室に関する証言は        三鷹板吉
★内容

 ゲルシュタインとその他一名(ファンネンスティエルPfannenstiel,Wilhelmのこ
とかな?)しかない、と西岡さんは考えてらっしゃるんですか? だから、ゲルシ
ュタインは重要だ、と。

 三鷹がちょと調べただけでも、ガス室の建設に従事した労働者や、運営にたずさ
わった親衛隊員の証言があるようですが、これらを西岡さんはご存じない、もしく
は知っていても無視するワケですか?

 また、ヒルバーグやコゴンがゲルシュタインの告白を取り上げているとして、そ
れはどのような取り上げ方だと西岡さんは認識していらっしゃるのでしょうか。こ
れは西岡さんの「定説認識」の確認でもあります。「定説」を代表すると西岡さん
がみなしているヒルバーグやコゴンは、ゲルシュタインを全面的に信頼している、
と西岡さんはお考えなんですか?



#1154/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/10/ 2 3:38 ( 24)
ニュルンベルク裁判について            三鷹板吉
★内容

 西岡さんがおっしゃりたいことは十分に分かっていますよ。

 大切なのは「戦犯裁判はすべて信用できない」と切り捨てるのではなく、一つ一
つの戦犯裁判がそれぞれどのようなルールに基づき、どのような手続きに従って行
なわれたか、キチンと区別すること。それに照らし合せて「判決」の是非を再検討
することではないでしょうか。

 これは三鷹の偏見かもしれませんが、ホロコースト否定者のやり口ってのは、一
つ二つの戦犯裁判の不備(拷問や偽証が横行したなど)をもって、残りすべてを否
定しようとするんですね。これじゃあ逆に、ある事柄が「見直される」べきものな
のか否かも分からなくなってしまいます。真の「歴史見直し=リビジョニズム」と
は言えません(笑)

 ちなみにさまざまな戦犯裁判に対する、三鷹のとりあえずの判断基準は前述した
通り「自由な民主主義国家」のものは認める、ということです。ナチスに限って言
えば「西ドイツ成立以降の西側」の諸国家における裁判の判決は、そのまま受け入
れても、まあ問題はないと考えています。イスラエルにおけるアイヒマン裁判も、
もちろんデムジャンジュク裁判も。あの国もまあ一応は「自由な民主主義国家」で
すから。

 それ以外については、もちろん全肯定じゃないし、かといって全否定でもない。
ケースバイケースですよ。



#1156/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/10/ 2 15:54 ( 59)
ウェーバー本人の弁明が聞けるとは(笑)      三鷹板吉
★内容

 これは楽しみですね。で、西岡さん、彼はどの程度「認めた」んですか?

 ちなみに三鷹が読んだ記事を以下、引用しときましょう。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ウェーバー,マーク(Weber,Mark)

 マーク・ウェーバーは「歴史見直し研究所(IHR)」で仕事をしている。IH
Rはウィリス・A・カルト(Willis A Carto)が創立したもので、反ユダヤ団体の
一つである。IHRは、その活動の大部分を、ホロコーストはひどく過大視されて
おり、ヒトラーの死の収容所のガス室は(三鷹注:「事実ではなく」)神話である、
という奇怪な観念を流布するために捧げている。1978年、ウェーバーは「ナショナ
ル・バンガード」誌のニュース編集者として確認された。ウィリアム・ピアース
(William Pierce)のネオナチグループ「ナショナル・アライアンス」の出版する
雑誌である。

 ウェーバーの名前は、ウォルフガング・ケンプケン(Wolfgang Kempkens)とロ
イ・ゴーデナウ(Roy Godenau)を含む、ドイツのネオナチの会話の中に登場した。
ロン・フューリー(Ron Furey)の隠れ蓑の一部であるサイモン・ウィーゼンター
ル・センター(三鷹注:略称SWC。ナチ・ハンターとして活動しているユダヤ人
団体)の「コールドフォン」は、電話をかけてきた人間に、ライト・ウェイ(三鷹
注:SWCがでっちあげた架空の極右団体の機関誌)につながる情報を与える応答
マシンに接続されている。「コールドフォン」の電話番号は、センターの上級研究
員と、ロン・フューリーと、それに、番号を教えられたネオナチしか知らない。

 1993年2月12日午後2時55分、マーク・ウェーバーと名乗る男性が、「コールドフ
ォン」に電話をかけてきた。彼はライト・ウェイを一部求め、郵送のための私書箱
の住所を伝えた。センターのグラフィック部門は、実在しない雑誌の替わりに、色
刷の購読予約申込書を送った。これはウェーバー氏の好奇心を満足させたらしく、
彼は、すぐにロンからのミィーティングの誘いに乗った。

 ミィーティングは1993年2月27日、カリフォルニア・ウェストミンスターのウェ
ストミンスター・カフェで行なわれた。その様子は、外のバンに配置されたCBS
のカメラクルーによって撮影された。ついにフューリー氏は、マーク・ウェーバー
に、ドイツでの「運動における地位」について尋ねた。ウェーバーの信頼感を確実
にするために、フューリーは自分がドイツのネオナチと一緒に写っている写真を見
せた。ウェーバーは、写真のネオナチたちがそれぞれ誰であるか、すべて正確に確
認した。

 十分にリラックスしたウェーバーは、彼の現在の雇い主がシブチンであることに
ついて語り合うに至り、ライト・ウェイで仕事を見つけられないかと尋ねてきた。
彼は、ラインハルト・コップス(Reinhard Kopps)(人名項目を見よ)からリチャ
ード・イートン(Richard Eaton)に、計画について協力するよう、推薦されてい
た。
                      (ニツコー・プロジェクトより)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 ここに名前が出ているのは、フューリー以外は皆、ネオナチ、極右、反ユダヤ主
義者の有名人のようです。

 ウェーバーは、少なくともフューリーとのミーティング(「集会」と訳したのは
三鷹の誤訳だったかもしれません。1対1だったとしたら「会合」ですね)に顔を
出し、極右雑誌の編集云々の話をしたところまでは「認めた」ようですね。

 ウェーバーはいかにして、ネオナチとSWCの上層部しか知らないはずの「コー
ルドフォン」の電話番号を知ったのでしょうか? また、上記のネオナチ、極右諸
氏とウェーバーとの現在の「交遊関係」について、ウェーバー自身がどう弁明して
いるのか、実に興味がありますねえ。



#1159/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/10/ 3 1:45 ( 28)
何言ってんですか>西岡さん            三鷹板吉
★内容

 ミーティングを「集会」としたのが三鷹の誤訳だったとするならば、「ネオナチ
・極右」を「右翼」と表現した西岡さんの政治センスは何なんですか(笑) 三鷹
が指摘しなければ、若い頃のウェーバーは、せいぜいレーガンやブキャナンを支持
する程度の「右」だった、とボード参加者に誤解されたかもしれませんよ。

 また、三鷹がウェーバーについて書いた程度のことが「特定個人への誹謗」なら
ば、西岡さんが石田さんに関して何度となく書いてきたことは、いったい何なんで
すか?

 そもそも、なんでこんな話に西岡さんが過敏に反応するのか、理解に苦しみます
ね。「政治信条は論考の正否とは関係ない」というのが西岡さんの主張なんでしょ
う。だったら、ウェーバーがネオナチだろうが宇宙人だろうが、少なくとも西岡さ
んにとってはどうでもいいことじゃないんですか?

 三鷹が気になるのは「ネオナチ疑惑をとりざたされているウェーバー」(こうい
う表現ならよろしいか?)が、こと西岡さんに対しては「左翼的と印象づけられる
ような振る舞い」(OK?)をしているらしいということです。西岡さんが、その
ソゴについてまったく気にならないのだとしたら、それはそれで「別の問題」だろ
う、と。

 オウム信者を世間の人たちがどんな目で見ていたかを考えれば、たやすく想像が
つくでしょう。

 ああ、それと89年のインタビューは、リップシュタットの「ホロコーストの真実」
からニツコーが引用していた英文を、その主旨を要約する形で三鷹が訳したもので
す。西岡さんも当然読んでいるものと思いましたが、読み落としていたんですか?



#1163/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/10/ 3 15:20 ( 46)
ウェーバーとネオナチの関係は、論と無関係じゃない 三鷹板吉
★内容

 三鷹がウェーバーの政治信条に注目するのは、ホロコースト否定とネオナチ運動
とのリンケージに注目しているがゆえであり、論題と無関係な事柄を取りざたして
いるワケじゃありません。また、このリンケージに関して三鷹が言及するのは、今
回が初めてじゃありません。

 三鷹がウェーバーの論考を正面から論破できないので、個人的なスキャンダルを
持ち出して誹謗している・・・西岡さんは、そう決めつけ、そうギャラリーに印象
づけたいのでしょうが、それこそ不当です。「ホロコースト否定者がネオナチと交
流している」というのは、単なる個人的な「交遊関係」の範疇にとどまりません。
政治家が芸者を買ったとか、そんなレベルの話をしてるんじゃありませんよ。

 だいたい、自分が触れたくない事柄に相手が触れたからといって、議論からの逸
脱と一方的に決めつけるのは傲慢すぎやしませんか?

 ウェーバーがいかにしてSWCの「コールドフォン(Cold Phone)」の電話番号
を知ったのか? 彼はなぜドイツのネオナチを個別確認(identify)できたのか?
 ウェーバーと彼らとの現在の交流関係はいかなるものか? などなど、三鷹は非
常に興味があります。また、それらについてウェーバー自身が、日本における「同
志」たる西岡さんに、どのように弁明したのかも同様に興味深い。

 聞いてはみたけど、はかばかしい返答は得られなかった、ちうなら、それはそれ
で立派な「返答」でしょう。ウェーバーにとって、西岡さんは「利用対象」であっ
ても、内実を共有し得る本物の「同志」ではない、ちうことなのかもしれません。

 ああそれから、リップシュタットからの引用について、三鷹のMSGを誤読して
いますね。リップシュタットが「ホロコーストの真実(Denying The Holocaust)」
で書いていることを、ニツコーが引用し、それを三鷹が滝川義人さんの訳文を参考
にして要約したんです。

 なんなら、滝川さんの訳文も紹介しときましょうか。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 彼(ウェーバー)によると、国の進む方向は二つにひとつで、”白人種の拡大再
生産がなければ”、アメリカは”メキシコ化、プエルトリコ化”されるか、あるい
は長い間の人種問題で分裂してしまう。彼は、多民族あるいはさまざまなエスニッ
ク集団が混然一体となった文化や伝統の可能性を否定する。彼は、黒人が白人社会
に吸収融合されるのは望ましくないとし、それが可能とも思わない。待ち望むのは、
白人国家アメリカの到来であり、そこでは非白人は二級市民として周辺部に押しや
られる。これによって、国家は繋留用の錨を得て、安定する。彼は、「今日我々に
はそれとてない」と嘆く。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 あらためて、極右丸出しの発言ですなあ(笑)

 誤訳や誤読があるというのなら、具体的に指摘してください。



#1164/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/10/ 3 15:21 ( 16)
ゲルシュタインについて>西岡さん         三鷹板吉
★内容

 西岡さんが答えてない質問がありますよ。再掲しときましょう。

(ベルツェックのガス室に関して)
> 三鷹がちょと調べただけでも、ガス室の建設に従事した労働者や、運営にたず
>さわった親衛隊員の証言があるようですが、これらを西岡さんはご存じない、も
>しくは知っていても無視するワケですか?

> また、ヒルバーグやコゴンがゲルシュタインの告白を取り上げているとして、
>それはどのような取り上げ方だと西岡さんは認識していらっしゃるのでしょうか。
>これは西岡さんの「定説認識」の確認でもあります。「定説」を代表すると西岡
>さんがみなしているヒルバーグやコゴンは、ゲルシュタインを全面的に信頼して
>いる、と西岡さんはお考えなんですか?

 どうなんですか、西岡さん?



#1165/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/10/ 3 15:23 ( 62)
バーグ論文を読み直しましたが・・・(笑)     三鷹板吉
★内容

 「The Diesel Gas Chambers: Myth Within A Myth」ちう論文です。西岡さんに
は悪いけど、これがホロコーストに関する「学術論文」だと認める研究者がいると
は、ちょと信じられませんね。アカデミズムの歴史学研究者が無視したとしても、
当然と言えるかもしれません。

 ホロコースト否定者のご多分にもれず、バーグもゲルシュタイン告白を「重視」
しているのですが、その「分析」たるや、あきれるほど低次元のものでしかありま
せん。

 一つだけ例を挙げれば、ガス室から引き出されたユダヤ人の死体について、ゲル
シュタインは「ガス室内に立錐の余地も無くギッシリ詰めこまれた犠牲者は、石柱
のように立ったまま死んでいた。死んだ後も家族はみな手を握り合っているから、
それと分かった」などと言っています。バーグはそれをとりあげて「ガス室から逃
げ出そうとした犠牲者についての言及がない」「犠牲者は(今にも殺されようとし
ているにも関わらず)家族ごとに集まって手を握り合うほどの十分な平静さを保っ
ていたようだ」(ゆえにゲルシュタイン告白には信憑性がない)などとイチャモン
をつけています。

 「人間は自分が印象深く感じた事柄を主として他人に伝えようとする」という、
テキスト分析の基本中の基本を、バーグは知らないのでしょう。あるいは、バーグ
自身「自分が引用した資料中の自説に反する記述=当然すぐれて”印象的”であろ
う記述」を、あえて無視するという、型破りの方法論の持ち主ですから、屁理屈で
もなんでも並べちまったモン勝ちと、確信犯でやっていることなのかもしれません。

 で、バーグは、ディーゼル・エンジンの排気ガスに含まれる一酸化炭素などの有
毒物質のそれぞれが、ガス室内の全員を30分で殺すことができるか否かをアレコレ
論じているのですが、それは、ホロコースト否定説の通例通り「歴史的事実の追求」
とは無関係の「否定のための否定」だとしか三鷹には読めません。

 そのバーグが、あえて書かなかったであろうことを、三鷹が指摘しておきましょ
う。それは「ディーセル・エンジンの排気ガスを、人間は30分間呼吸できるかどう
か?」という簡単な設問です。

 この設問についてのイメージ生成を助けるために、以下のことを想像して下さい。
トラックなりバスなりディーゼル・エンジンを使った自動車の排気管に適当な長さ
のホースをつなぎ、そのホースの端を口にくわえて鼻をつまむ。エンジンを始動さ
せ、発生する排ガスのみを呼吸する。ほんの30分、いや20分、15分でもいい。

 三鷹は、3分でさえ不可能だと思います。

 バーグは主張します。ディーゼル排気には、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素酸化
物その他、人間を30分で殺すに十分な毒性物質は含まれていないし、逆に酸素は十
分に含まれている、と。でも、そのことと「ディーゼル排気を人間が30分間呼吸で
きるか?」とは別の問題です。

 三鷹は不可能だと思う。可能だと思う人間がいるのなら、いっぺん自分で試して
みるといい。深呼吸の一つでいい。トラックなりバスなりのディーゼル排気を肺一
杯に吸いこんでみなさい。その結果がどうなるか? それを30分、いや20分、15分
続けることができるかどうか、身体に聞いてごらんなさい。

 人間はディーゼル排気を呼吸するのは不可能だとして、しかし、自分の周囲に存
在するのが通常の空気ではなく、ディーゼル排気だとしたら? それはすなわち、
呼吸という行為そのものが不可能ということでしょう。呼吸不可能の状態が30分持
続したとして、人間はどうなるのでしょうか?

 以上の陰惨きわまりないシミュレーションによる、残虐な結果として想像し得る
光景が、すなわち、三鷹が「ディーゼル・エンジンの排気によるガス室」の実態と
して想定しているものです。排気中に、人間を短時間で殺すに十分な量の一酸化炭
素が含まれていたならば、それこそ犠牲者にとっては何よりの「救い」だったでし
ょう。



#1166/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/10/ 3 23: 0 ( 12)
SWCがウェーバーをネオナチだとする根拠が    三鷹板吉
★内容

 ウェーバーの「若い頃」のヤンチャと、たった一回の「お食事会」だけだと思っ
てるんですか、西岡さん? 他にいかなる根拠があるのか、ご存じないのでは?

 まあ、ご存じないからこそ、ウェーバー本人の言い訳を聞いただけで、三鷹が書
いたことを「作り話」だの「ウソ」だのと決めつけ、切り捨てて、安心していられ
るのかもしれません。

 「おめでたい」としか言いようがありませんね。それじゃあ、赤旗と日共パンフ
と新日本出版社の本しか情報源がない、2番ボードの誰かさんのことを笑えません
よ。



#1168/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/10/ 4 12:55 ( 33)
ギャラリーの皆さん、ここが注目ポイントです    三鷹板吉
★内容

 「ゲルシュタインの告白」なるものに対する、西岡さんの態度にご注目ください。
ホロコースト否定者の詭弁論法の「典型」が一つ示されようとしています。

 ここまでの西岡さんと三鷹とのやりとりを読んでこられた方にはお分かりのよう
に、西岡さんは「ゲルシュタインの告白」を非常に重視しています。彼がギャラリ
ーに印象づけようとしているのは、以下の2点です。

1.ベルツェックのガス室の最大の根拠は「ゲルシュタインの告白」である。
2.歴史学の定説は「ゲルシュタインの告白」に全面的に依拠している。

 この2点は2点とも、意図的になされた不正確な表現であり、ギャラリーをミス
リードせんがためのものです。

 そのことを明確にするために、三鷹は二つの質問をしました。

3.ゲルシュタイン(と他1名)以外の証言は無視するのか?
4.ヒルバーグやコゴンなど歴史学研究者は「告白」をどのように扱っているのか?

 ごく簡単な質問だと思うのですが、どちらについても、西岡さんはハッキリと答
えようとしません。答えると、1と2がミスリードであることがバレてしまうから
でしょう。

 4について補足するならば、三鷹の知る限りでは、「告白」の記述を100%信用
している研究者はいないようなのですが、三鷹自身、調べつくしたワケではないの
で、確証はありません。まあ、一人でもいれば、西岡さんは鬼の首をとったように
喧伝するでしょうから、そんな研究者は存在しないのかもしれません。

 その替わりに、西岡さんは三鷹に対して、何度となく「『ゲルシュタインの告白』
を信頼するのか?」と尋ねているワケです。もし三鷹が「信頼する」と答えたら、
存在しない「100%信頼研究者」の代用にしてやろう、てな腹づもりなのだろうと
三鷹はふんでいます。



#1171/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/10/ 5 15:15 ( 53)
西岡さんが#1146で書いているのは何ですか?    三鷹板吉
★内容

> 「ゲルシュタインの告白」を問題にするのは、「定説」側が
>この文書に大きく依拠して来たからじゃないですか。例えば、ヒル
>バーグは、その著書The Destruction of
>the European Jews(1961)の中で、この
>文書(「ゲルシュタインの告白」)を引用して「ディーゼル・
>ガス室」の存在に言及している訳だし、コゴンの本でも、「ゲル
>シュタインの告白」はとても大きく取り上げられています。この
>文書は、「定説」にとって、「ヘス自白調書」や「ヘス回想録」と
>同じくらい重要な「一次資料」なのですよ。
                           (#1146・西岡さん)

 このような記述をもって、三鷹は、西岡さんがギャラリーに「全面的な依拠」を
「印象づけようとしている」「意図的になされた不正確な表現である」と論評申し
上げたのです。ちなみに、どの程度の「依拠」なのか、以下のように、三鷹は西岡
さんの見解を求めています。

> また、ヒルバーグやコゴンがゲルシュタインの告白を取り上げているとして、
>それはどのような取り上げ方だと西岡さんは認識していらっしゃるのでしょうか。
>これは西岡さんの「定説認識」の確認でもあります。「定説」を代表すると西岡
>さんがみなしているヒルバーグやコゴンは、ゲルシュタインを全面的に信頼して
>いる、と西岡さんはお考えなんですか?
                              (#1153・三鷹)

 でも、これに対する西岡さんの答えは得られませんでした。「依拠」の具体的な
程度を問われても答えようとせず、ただ「大きく依拠してきた」「とても大きく取
り上げられている」というのが、「全面的な依拠との印象づけ」でなくて何だと言
うのです?

 で、何ですか? 今になって「大きな依拠」と言ったが、「全面的な依拠」とは
言ってない、とクレームですか? そんな瑣末な部分に入りこまなければ「反論」
さえ出来なくなってしまったのですか(笑)

 同様の瑣末主義に従って申し上げれば、三鷹は「西岡さんが『全面的な依拠』と
言った」とは書いてませんよ。「ギャラリーにそのように印象づけようとした」と
書いたのであり、そのような印象づけは「意図的になされた不正確な表現」であり、
「ギャラリーをミスリートせんがためのものだ」と書いたのです。もっぺん三鷹の
MSGをよくお読みなさい。

 それでも西岡さんが「全面的な依拠」という言葉にあくまでこだわるのならば、
「『大きな依拠』と印象づけようとした」と訂正しても、別に三鷹の方は構いませ
んよ。

 要するに西岡さんは、「ゲルシュタインの告白」をひっくり返すことにより、
「定説」をひっくり返そうと目論んでいるんでしょ? その目論見を達成するため
には、前段階として「定説」という積木を「ゲルシュタインの告白」という積木の
上に載せる必要がある。そのために「依拠」を実際以上にクローズアップせんとし
ているのでしょう。

 三鷹はその詭弁の構造をすでに知っていますから、「大きな依拠」と「全面的な
依拠」の違いにこだわる議論にまで、つきあう意味を感じません。(と言いつつ、
ついつい「つきあって」しまいましたが(笑))



#1176/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/10/ 7 5:52 ( 40)
マーク・ウェーバーのネオナチ疑惑         三鷹板吉
★内容

 この件についての西岡さんのMSGを読むだけでも、西岡さんの思考パターンと
物事の是非を判断する能力の程度が良く分かります。

 その西岡さんにちょと確認しておきたいのですが、ウェーバーは「コールドフォ
ン」に電話をしたことなどなく、「ライトウェイ」の購読申込書など受け取っては
いない、と西岡さんに明言したのですね? フューリーの方から突然電話してきて、
食事に誘われたので、それに応じた、と。

 もう一つ、フューリーは自分とネオナチたちが一緒に写っている写真をウェーバ
ーに見せて、ウェーバーは彼らネオナチを誰が誰であるか確認(identify)した、
とSWCは言っているワケですが、写真のネオナチとウェーバーとはまったく面識
がないばかりではなく、その顔さえも知らなかった(例えば三鷹や西岡さんが橋本
総理やクリントンの顔を知っているようにも知らなかった)、とウェーバーは西岡
さんに明言したのですか? 唯一、IHRに投書した一人の「名前」(顔ではなく)
それのみしか知らなかった、と。

 どちらも、実に奇妙な説明のように、三鷹には聞えます。

 ウェーバーが見ず知らずの正体不明の人間からの電話で一方的に呼び出され、一
緒に食事をした、というのがそもそも不思議です。そんな得体の知れない相手がセ
ッティングした場所に、のこのこ出かけていくものでしょうか? アメリカの治安
の程度は別にしても、IHRと政治的に敵対関係にある団体も、現に複数存在して
いるワケでしょう。かくいうSWCを筆頭として(笑) 会合の前に、なんらかの
信頼醸成プロセスがあった、と考える方が自然ではないでしょうか。

 また、ドイツのネオナチの幾人かはウェーバーと「連絡を取り合っている(comm
unicate with)」、ウェーバーを「とても良く知っている(know pretty well)」
など言っているようなのですが、これについてウェーバーはどう弁明するのでしょ
うか? 西岡さんへの説明だと、ウェーバーはネオナチのたった一人の、それも名
前しか知らないと言っているようですが、ちょと不自然だと思いませんか? そも
そも、その一人というのが誰なのか、ウェーバーは西岡さんに明言しましたか?

 まあ、ネタはいろいろあるのですが、続きは西岡さんのお答えを待ってからにし
ましょう。

 それと「CBSは隠し撮りを放映していない」とウェーバーが言ったと何度も繰
り返していますが、「放映した」と主張している人間がいるのですか? 少なくと
も三鷹は、そんなことを言ったおぼえはありませんが(笑)



#1177/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/10/ 7 5:53 ( 11)
ニツコーの「ゲルシュタイン」評価は・・・     三鷹板吉
★内容

 西岡さんにとっては残念なことに、あまり高いものではないようですねえ。

 ヒルバーグやコゴンが「大きく依拠している」と西岡さんが主張する「依拠」の
程度も、西岡さんの説明じゃ分かりませんよ。言及すれば、すなわち「大きく依拠」
したことになるんですか?

 彼らは、他の証言は無視しているのか? 「ゲルシュタインの告白」を100%信
頼しているのか? 以上2点について、西岡さんはどう認識しているんですか?
(これで同じ質問を3度繰り返しましたよ)



#1178/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/10/ 7 6: 0 ( 6)
RE#1175>ばかばかしい(笑)            三鷹板吉
★内容

 最初から「以下のような主旨の発言」と、発言そのものではなく要約だと
明記してるじゃないですか。

 本当に、日本語の理解能力において、重要な何かが欠落している人ですね。



#1185/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/10/ 8 12:52 ( 41)
読めない人ですねえ(笑)>西岡さん        三鷹板吉
★内容

 同じことを何度説明したら理解してもらえるんでしょうか? 三鷹がニツコーで
読んだのは、リップシュタットの「ホロコーストの真実(Denying the Holocaust)
」の「ネブラスカ大学ソーワー紙」云々の部分の引用で、三鷹の文章はその主旨の
要約です。英文から訳出するにおいては、「ホロコーストの真実」の翻訳者である
滝川義人さんの訳文を参考にしました。

 ゆえに、ニツコーにアップされている引用文は、西岡さんのお手元の「Denying
the Holocaust」に載っているのとまったく同じです。英文タイプが苦手な三鷹が
いちいちタイピングし直すまでもありません。信用できないのなら、ご自分でニツ
コーを検索してごらんなさい。「The Rivisionist Usenet Experience Biography
of Mark Weber」というファイルです。

 読解能力が無いというよりも、意図的に読まないようにしてるんでしょうかねえ。
その証拠に、3つも4つもMSGを並べているくせに、三鷹が質問した事柄につい
ては、見事なまでに焦点を外しています。

 んで、「『ゲルシュタインの告白』についてヒルバーグの著作に史料批判が全く
無い」などと一方的に決めつけていいのですか? 西岡さんは彼の著作を全部読ん
だわけじゃないでしょう。西岡さんが同様に「ヒルバーグの著作には載って無い」
と勝手に決めつけていた「ドイツ国鉄の運行指令書」が、「アウシュビッツへの特
別列車」という著作にキチンと載っていたことを、もうお忘れか?

 また、コゴンの本が「ゲルシュタインの告白」とともに「ファンネンスティエル
証言」を取り上げているのなら、それこそコゴンが「ゲルシュタイン」を100%は
信用せず、それに「大きく依拠」してるとも言えない、ということなんじゃないで
すか? 後者は前者の記述が部分的に不正確である、とハッキリ指摘しているんで
すから。

 三鷹としては、この二つのテキストを部分的に翻訳してボードに紹介するだけで、
西岡さんの質問への十分な答えになると考えているんですが、西岡さんご自身はど
う思いますか?

 ちなみに西岡さんのおっしゃる「ファンネンスティエルの証言取り下げ」とは、
彼のいつのどの証言のどの部分をどのように取り下げたものなのでしょうか? 具
体的に説明してくれませんか?

 #1182については「東横JR」問題であると、すでにお答えしています。以前の
MSGを検索してください。この質問も、バーグの受け売りですね。西岡さんはバ
ーグを100%信用してるんですか?



#1186/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/10/ 8 12:54 ( 26)
マーク・ウェーバーのネオナチ疑惑         三鷹板吉
★内容

 三鷹の情報源がSWCだとして、西岡さんの情報源は何ですか? 当のウェーバ
ー本人? で、本人が「ネオナチじゃない」と言ってるから、ネオナチじゃない、
と西岡さんは信じているのですね。西岡さん、前にカナダのツンデルについても、
あなたは同じことを言ってませんでしたか? 電話をして「あなたはネオナチです
か?」と訊いたら「いいえ」と答えた、とか(笑)

 まあ、今はその「ウェーバー本人の弁明」に、三鷹は非常な興味を抱いているワ
ケです。電話代に不自由しているのならカンパしましょうか? とりあえず2万円
ぐらいでいいですか。これでアメリカまで2時間は優に話せるでしょう。

 そうだな、三鷹がボードで提示した質問の他、以下のMSGをウェーバー氏にお
伝え下さい。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
I wouldn't refuse your statements because you were once a "neo-nati" in
your young days. But if you are stll involved with these gangs, and
attempting to hide it from Mr.Nishioka or other ones, not also Jewish
people but we Japaniese will call you a liar, and regard your all
statements as junks.

(三鷹は、あなたの主張を、あなたが若い頃ネオナチだったからという理由で退け
はしません。しかし、もしもあなたが今もなおネオナチ連中に関わっていて、その
ことを西岡氏や他の人々に対して隠しているのなら、ユダヤ人のみならず、我々日
本人も、あなたをウソツキと呼び、あなたの主張をすべてゴミとみなすでしょう)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



#1190/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/10/ 9 3:52 ( 29)
要約=「捏造」とは恐れ入りましたね(笑)     三鷹板吉
★内容

 ウェーバーの発言そのものではなく「主旨」であると三鷹は最初に明記してます。
出処を明らかにした上、参考にした滝川さんの訳文まで引用紹介しているのですか
ら、三鷹の要約が引用元の文章を歪曲したものであるかどうかぐらいは、読み比べ
れば簡単に分かることです。

 それが「捏造」とは恐れ入りました。三鷹が何をどう「捏造」したというのか、
キチンと説明していただきたいですね。話法が違うからですか? 発言そのもので
はなく、その主旨の要約なら、ごく普通のことじゃないですか。西岡さん自身「定
説側」研究者の論考を中心に、いろんな人間のいろんな主張をボードで紹介してい
ますが、その際には必ず、彼らの記述を一字一句違えずにカッコで括って引用して
きたとでもいうのですか?

 察するところ、西岡さんは三鷹の要約を「ウェーバー自身の言葉そのまま」と勝
手に勘違いした上で、勘違い含みのいい加減な翻訳で電話口のウェーバーに伝えた
んじゃないですか? で、「そんな風には言ってない」とか言われて、SWCあた
りが、ありもしない発言を「捏造」したと勝手に思い込んでしまったんじゃないで
すか? ウェーバーからすれば、西岡さんの「定説側」に対する不信感を再強化で
きて「してやったり」だったかもしれませんよ(笑)

 ウェーバーだって自分の発言がどのように扱われているか、重々承知しているは
ずです。もしも彼が西岡さんに対して十分に誠実だったなら、同じ弁解をするにも
「確かにそう解釈される可能性のある発言を自分はしたが、自分の真意はこれこれ
こうである」と、キチンと説明したと思いますがねえ。

 まあ、そこらへんの詮索はさておき、三鷹が何かを「捏造」したというのなら、
何をどう「捏造」したのか、具体的に指摘していただけませんか? でないと、西
岡さんの主張は、三鷹に対する根拠不明確な誹謗中傷、ちうことになりますよ。



#1191/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/10/ 9 3:53 ( 14)
その上、三鷹の質問から逃げる西岡さん       三鷹板吉
★内容

 答えにくい事情については、お察し申し上げますが、せめて「前向きな姿勢」ぐ
らいは見せていただけませんかねえ。

 三鷹が身銭を切ってカンパすると申し出ても、ウェーバーへの電話はもうなさら
ないことに決めたんですか? それは実に残念です。ウェーバーが「同志」に何を
語っているか、その肉声に迫れるチャンスだと考えたのですが、西岡さんのご協力
が得られないようなら、別の機会を待つことにしましょう。

 ゲルシュタインについては、三鷹は探していた本がようやっと入手でき、今読み
始めたところです。「抵抗のアウトサイダー」(ソール・フリートレンダー 産業
行動研究所)という本。ちょと古い本ですが、なかなか面白いですよ。西岡さんは、
当然お読みになってるんでしょうけど(?)



#1196/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/10/ 9 23:43 ( 7)
ホロコースト否定説に対するニツコーの反論     三鷹板吉
★内容

 ニツコー・プロジェクトはすでに、ホロコースト否定者の「疑問」に対応する回
答リストを用意しています。以下、それを紹介しましょう。

 ギャラリー諸氏にとっても、日本ではまだほとんど紹介されていない「ホロコー
スト否定説」という珍妙なエセ学問のアウトラインをつかむことができるでしょう。



#1208/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/10/11 20: 4 ( 37)
ゲルシュタインについて              三鷹板吉
★内容

 だから今、西岡さんも読んでいない本を読んでる最中だと申し上げているのです
が・・・(笑) 待ち切れないのかねえ。

 前に書いた通り、ニツコー・プロジェクトは「ゲルシュタインの告白」をあまり
重視していないようです。トレブリンカやベルツェックについての概説を読んだ限
りでは、名前も出していないようですし。

 でもけして無視しているワケではありません。西岡さんに負けず劣らずゲルシュ
タイン好きが揃った(笑)否定者諸氏に対する反論の中では当然触れていますし、
よりディープな論考の中でファンネンスティエルなどとともに紹介しています。フ
リートレンダーの本も、彼の自殺の様子に関連して引用されていたので、それで三
鷹も興味を抱いて読む気になったんです。英語版のタイトルは「Kurt Gerstein:
The Ambiguity of Good」。ちなみに「原書」はフランス語です。

 ですから、ニツコーはゲルシュタインを100%信頼しているとも完全に切り捨て
ているとも言えません。どの程度信頼しているのか、と聞かれてもニツコーの関連
文書を全部読んでいない三鷹には、なんとも言えません。西岡さん自身の目で確認
するしかないのではないでしょうか。

 三鷹の方は、現時点の「評価」を申し上げれば信頼度60%てとこでしょうか。誇
大すぎる表現がところどころ見受けられるというのは、西岡さんに指摘していただ
くまでもなく分かりますし、ファンネンスティエル証言と読み合せれば、ファンネ
ンスティエルの方は「ゲルシュタインは俺がこんなことを言った、と書いているが、
俺はそんなことを言った覚えはない」など具体的に指摘しているのですから、事実
関係に関しても不正確な部分があるかもしれないと推定できます。でも、両者を比
較した限りにおいては、ラインハルト作戦の絶滅収容所でガス殺が行なわれていて、
ゲルシュタインとファンネンスティエルの二人が二人ともそれを目撃した、という
「証言内容」は、共通のものとして抽出できるワケですよね。二人の言葉を信じる、
信じないは別として。

 逆に、両者が両者とも捏造もしくは偽証だったとすると、説明できないことがい
くつも出てくるんでね。ニツコーのQ&Aを読んでも分かる通り。

 さらに調べればもうちょっといろんなことも言えると思いますが、とりあえずは
こんなとこですか。



#1216/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/10/14 22:39 ( 11)
おひさしぶりです、安規さん            三鷹板吉
★内容

 おっしゃる通りです(笑)

 でもまあ、西岡さんが主張したいのは「三鷹が何を読んで何を読んでいないか」
についての指摘などではなく「みなさん、三鷹のMSGを信じちゃいけませんよ。
でないと私が困ります」という悲鳴混じりのアピールでしょうから、いちいち反論
する必要もないでしょう。

 そのことは、安規さんご自身ももちろんのこと、今までのヤリトリを読んできた
ギャラリー諸氏には自明のことだと思いますよ。



#1254/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/11/ 8 2:59 ( 26)
【間宮】さんてちょと読解力足りないんじゃないの? 三鷹板吉
★内容

 なんか誤読・誤解が多くないですか? 前にも2番で三鷹のMSGに関して、ピ
ント外れのことを言ってましたよね。

 タウブネル裁判については、疑問1番(その5)ですでに紹介してますが、間宮
さんはもしかしてお読みになっていないのでは?

   被告は、ユダヤ人に対するそのような行為を理由に罰せられるのではない。
  ユダヤ人は絶滅されねばならず、ユダヤ人の誰が殺されようと、大した損失で
  はない。しかし被告は、ユダヤ人の絶滅は、その目的のために特別に訓練され
  た部隊(Kommandos)の義務であるということを理解せねばならない。被告は、
  被告自身がユダヤ民族の絶滅に協力する権限を有していると、誤って考えたが
  ゆえに、処罰されねばならない。

 てな評決文は、それこそ「ユダヤ人絶滅の努力それ自体が存在したことの言明」
じゃないんですか?

 ついでにもひとつ。「ホロコースト歴史地図」が挙げている数字が、「600万人
という数字からの逆算」だと言うのなら、具体的にどの数字がどう逆算されたもの
なのか、指摘していただけませんか?

 間宮さんが、どっかへ消えてしまった西岡さんの代わりに、ここでホロコースト
否定論をぶちかまそうというのなら、三鷹も一人でMSG書いてるよか張り合いが
出るから歓迎さしあげますけど、ピントのズレたコメントをつけられても、ちょと
対応に困るんですよねえ。



#1259/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/11/13 16: 3 ( 90)
とりあえずレスしときましょう>間宮さん      三鷹板吉
★内容

>そもそもニッコって何です? アメリカのシオニストですか?

 ニツコー・プロジェクトの中心人物のケン・マクベイはカナダ人で、ユーズネッ
トでホロコースト否定者連中と何年にも渡って論争してきた人物です。その蓄積を
インターネットを通じて展開することにより、ネオナチ、極右、反ユダヤ主義者、
白人至上主義者、そしてホロコースト否定者のネット上での「業績」を相当レベル
でチャラにしているワケです。

 マクベイという名前から察せられるようにユダヤ系ではありません。シオニスト
かどうかは三鷹は寡聞にして知りません。非ユダヤ人のシオニストというのは、ナ
ンですか、「名誉白人」みたいなもんですか?


>「ガスで死んだ」何か証拠が一つあればいいんです。それを書いてくれませんか?

 どのような「証拠」が無いのか書いた方がてっとりばやいでしょうね。

 例えば、現代アメリカの処刑用ガス室の設計基準と安全基準を満たすナチスのガ
ス室はそもそも存在しなかったし、今すぐにでも使用可能状態の、現役のガス室は
残っていません。ガス室に入れられてガスを浴びせられながらも生き残って証言し
た人間は一人もいませんし、ガス室で殺された人間一人一人に対する死亡診断書や
検死報告も残っていません。

 でも、それ以外のさまざまな証拠や証言が存在するということは、ここまで紹介
してきたQ&Aをお読みになっても、お分かりになるでしょう。被害者のユダヤ人
による証言も、加害者のSS隊員の罪を認める証言もあり、裁判の判決もあります。
死刑を免れて服役後釈放されたSS隊員も、その後、証言を覆しておりません。
(このあたりの事情は、例えば「南京大虐殺」の「百人斬り競争」などとは、まる
っきり異なっています)

 その上で「現役のガス室も死体も無い以上、ガスで死んだ証拠はない」とかたく
なに思い込んでいるごく少数の人たちもいれば、そうじゃない人たちもいる、とい
うことなんじゃないでしょうかね。

 三鷹自身はまだ現物までは確認していないのですが、ビルケナウで発見された、
刈り取られた女性の髪の毛からシアン化水素の化合物が検出された、という鑑定報
告もあるそうです。もちろん、これにしても、ガス以外の原因で死んだ女性の髪の
毛を刈り取り、しかる後にチクロンBで「消毒」したてな「説明」も、不可能とま
では言い切れないワケですが。


>で、評決が何の「証拠」なんですか?

 三鷹が指摘したのは、タウブネル裁判の評決中に「ユダヤ人絶滅の努力それ自体
が存在したことの言明」があった、ということですよ。間宮さんが提示した疑問に
対する正確な答えになっていると思いますが。

 そっから先「ユダヤ人絶滅の努力が存在した証拠」なら、ナチ幹部の発言記録や
日記だけに限っても、ヒトラーの演説以外に、ヒムラー、ゲッペルス、ハンス・フ
ランク、ヘス、アイヒマンその他何人ものナチ幹部の言明が存在します。彼ら全員
が、間宮さん同様の「口先だけの虐殺者」だったとは三鷹にはとうてい思えないの
ですが。もちろん、そう思い込むことが不可能である、とまでは申しませんよ。


>「衰弱者はガス殺された」なんて(笑)。一人でも具体名が挙げられますか?

 「選別による衰弱者のガス殺」は、「夜と霧」その他の生存者による記録にもハ
ッキリと書かれており、選別にたずさわった収容所の医師たちを裁いた裁判におい
ても確認された事実なんですが。

 間宮さんと同様の質問を懸賞金付きで行なったのがIHRで、それに応じたのが
アウシュビッツの生存者メル・マーメルシュタインでした。彼は家族をアウシュビ
ッツのガス室で失っています。IHRがマーメルシュタインに要求した「証拠条件」
は、「死者だけが証言できるようなていのものであった」とヴィダル=ナケは論評
しています(「記憶の暗殺者」p.232)。「特定の人物がガス室に入れられ、ガス
によって殺されるところを、複数の信頼できる目撃者によって明瞭に確認されたの
でなければ、証拠とは言えない」などと最初から決めつけてかかるならば、マーメ
ルシュタインの証言はそれを満たすものではなかったのかもしれませんね。

 でも、#1222の疑問5番にあるように、結果としてIHRはマーメルシュタイン
に賞金全額+アルファを支払うハメになりました。

 ちなみにコルベ神父については、偉人伝的に記述されているのとは多少異なる事
情があったようです。カソリックとホロコーストとの関係も含めて、別の機会にあ
らためて論じることにしましょう。


>足しても無意味な数字になります ・・・・ 引いたんですよ。600万から。

 何十何人まで判明している証拠資料と、何十万何万と概数しか分からない資料と、
精度の異なる数字があるというだけのことじゃないんですか? 別に物理化学の実
験データを論じているワケではないんですから、精度が違っても「無意味な数字」
とは言えませんよ。それとも、100万単位の概数はすべて同じ単位の概数である600
万からの引き算だというのですか?(笑)

 600万というごく大雑把な数字の他に、例えばホロコースト百科事典は5,596,000
人から5,860,000人というより細かい数字を挙げているそうです。さて、これはど
ういう「引き算」の結果なんでしょうかねえ。



#1264/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/11/14 5:39 ( 53)
はあ? 今度は「掛けた」ですか>間宮さん     三鷹板吉
★内容

 これについても何をどう掛けて出した数字なのか、具体的にお聞きしたいですね。
また、犠牲者600万人という数字が概数である以上、多少の誤差があるのは当然だ
と思いますが、その誤差を「±200万」と推定する根拠はどこにあるんですか?

 また、三鷹は不勉強にして、戦前戦後の人口差が100万か200万しかないという、
「世界のユダヤ人名簿」なる資料を見たことがないのですが、それはどこへ行けば
確認できるんですか? その名簿を引用した著作なり論文なりがあるなら、ご教授
願いたいのですが。

 「滝川義人訳」の「ホロコースト百科事典」というものが存在するというのも初
耳です。何をおいても是非読んでみたいものですね。いったい、どこの出版社から
いつ出たのか、ぜひとも教えていただきたい。


>決定的なのが一つも無いんですよ。だから論争が何年も続いているわけです。

 とホロコースト否定者が喧伝しているのは知っていますが、どこで「何年も続い
ている」「論争」なんですか? その場となっている学術誌なり研究機関なりがあ
るというのなら、これもまた教えていただきたいものです。

 三鷹の知る限り、そんな「論争」など、IHR(歴史見直し研究所)という名前
の、一見マットウな研究機関を思わせる名称の団体の、「歴史見直しジャーナル」
という、一見マットウな名前の機関誌以外の、アカデミズムのどこでも行われてい
ません。間宮さんはそれを読んだんですか?

 アカデミズムは、IHRの主張を学問上の論争に値するものではなく、単なる政
治的プロパガンダであり、「嘘」だと見切っているのです。「アカデミズムこそ不
当である」と性急に言挙げる前に、「実態」を見極めることをお薦めします。そも
そもIHRがいかなる団体であるかくらいは、ニツコーのQ&Aを読んだだけでも
十分分かるでしょう。

 単に「論争が続いている」というだけならば、進化論と創造説の間でも百年以上
に渡って「論争が続いている」ワケです。最近ようやっと終りそうな気配が見えて
きましたが(笑)


>証言を覆したら死刑になるんでしょう(笑)時効も無い言論の自由も無いドイツ
>では。

 「戦犯裁判に関する証言を覆したら死刑になる(あるいは罰せられる)」という
のも初耳ですね。間宮さんがそう考える根拠となる法律または判例を紹介していた
だけませんか?

 総じて、間宮さんのMSGを読むに、間宮さん自身の思い込みによる決めつけに
過ぎないものを、その場その場の想像で適当にふくらませているに過ぎないように、
三鷹には見えます。

 ユダヤ陰謀論でも何でも三鷹は一概に否定はしません。「論争」の素材としても
別にかまわないんですが、間宮さん自身の思い込みを開陳しているだけならば、読
者に対しての説得力がちょと乏し過ぎます。三鷹の反論意欲を喚起すべく、もちょ
っとがんばってほしい、とエールを送る次第であります。



#1265/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/11/14 12:49 ( 66)
衰弱者の選別とガス殺               三鷹板吉
★内容

 アウシュビッツの生存者・V.E.フランクルの「夜と霧」を見てみましょう。
まず、収容所到着直後の、「労働可能者」と「労働不能者・衰弱者」の選別です。
フランクルは「可能者」に分類され、彼の友人達をも含む全体の約90%もの人々は
「不能者」とされました。

   私はすでに長く収容所にいた仲間の囚人に、私の同僚や友人のPはどこへ行
  っただろうかと聞いた。「そいつは別の側に行ったのかね」と彼は聞いた。 
  「ええ」と私は言った。「そんならそいつはあそこに見えるじゃないか」と私
  は言われた。どこに? 彼の片手は二、三百米離れた一本の煙突を示していた。
  そこからは数メートルの高さの焔が無気味に広い灰色のポーランドの空にチョ
  ロチョロと燃え上がり、真黒な煙となって立ち上っていた。あそこは何だろう?
  「あそこでお前の友達は天に昇っていってらあ」と粗野に答が与えられた。
  (p.89)

 選別によるガス室送りは、その後、何度も繰り返されます。

   たとえば、収容所の囚人の一定の数を、他の収容所に送る囚人輸送があると
  いうことを、われわれが聞いたとする。すると当然のことながら「ガスの中に
  いれられる」ということを推測するのである。すなわちその輸送とは病人や弱
  り果てた人々から、いわゆる「淘汰」が、つまり労働が不能になった囚人の選
  抜、が行なわれて、ガスかまど及び火葬場のある中央のアウシュヴィッツ大収
  容所で殲滅されると考えるのである。(p.76-77)

   「……生命が救かろうと思うならば、たった一つだけ方法がある。それは労
  働が可能であるという印象を惹き起こすことだ。君達が一寸したつまらない傷
  や靴ずれで跛をひくだけで、もうおしまいだぞ。誰か親衛隊員がそれを見つけ、
  其奴に傍にくるように合図し、そして翌日はガス行きは受け合いだ。俺達の間
  で回教徒と呼ばれている者を知っているか。病人らしく見える、くたびれて痩
  せた、もう働くのがむずかしいような哀れな姿さ。早かれ遅かれ、しかも大概
  はすぐ、回教徒はガスの中に入っていくのだ……」(p.98)

 続いて、アウシュビッツ所長だったルドルフ・ヘスの証言です。F.K.カウル
「アウシュヴィッツの医師たち」(三省堂)から引用しましょう。

   普通の日常的な医師の任務と並んで、アウシュヴィッツの親衛隊員医師はさ
  らに次のような諸活動を行った。
  一.ユダヤ人が輸送されてくると、親衛隊員医師は親衛隊元帥から与えられた
   基準に従って、労働可能な男女のユダヤ人を選別した。
  (中略)
  四.アウシュヴィッツやビルケナウなどの労働収容所では親衛隊医師は労働不
   能になり四週間以内には復帰不可能とみなされるユダヤ人を選び出し、抹殺
   過程に送り出す義務を負った。病人も抹殺されるべきであった。寝たきりの
   者は注射で殺された。その他の者は焼却場つまりブンカーでガス殺された。
   私の知るところでは、注射に使われたのはフェノール、エヴィパン、青酸で
   あった。(p.183-184)

 ビルケナウの囚人医師だったエレナ・リンゲンスの証言。

   病舎に連行された病気のユダヤ人女性は病舎の中か、病舎と病舎の間の空き
  地で淘汰されました。一つの病舎の全員が輸送されることもしばしばありまし
  た。淘汰される女性は予め囚人番号を記録されていて、殺される日が近づくと
  呼び出されて第五病舎に行かされ、そこからガス室に輸送されました。彼女た
  ちを漏れなく確実に第五病舎へ行かせるために、それ以外の女性囚人は鎖に数
  珠つなぎにされました。脱走を防ぐためにこうしたのです。(p.187)

 親衛隊医師クレマー博士の日記。

   一九四二年九月五日 本日昼、回教徒の特別選抜に立ち合う。この上なく恐
  ろしいことだ。親衛隊大尉で小隊付き医師のティロ博士が、今日は食後にまた
  ここで会うことになるだろうと私に言ったのは当たっていた。夕方八時に又も
  や特別選抜が行われた。(p.192-193)

 ここで引用した以外にも、「衰弱者の選別とガス殺」についての証言はいくらで
もあります。興味がある方は「アウシュヴィッツの医師たち」をごらんください。



#1267/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/11/15 13:31 ( 64)
はあ、そうですか>間宮さん            三鷹板吉
★内容

>第2次大戦で誰が死んだのか、戦後の西側で名簿から1人1人集計できたのは
>100万程度です。あとは600万から引いて東欧各国に割り振ったんです。

 間宮さんがそう考える理由は結局のところ、元データの精度が揃っていないから、
ということに尽きるようですね。そっから先は「±200万」も含めて、単なる間
宮さんの想像の産物である、と。

 想像に根拠を求めてもしょうがないですね。了解いたしました(笑)


>「フリーメーソンとは何か」(確か大手町出版)に載っています。
>柘植氏のヒトラー伝記にも書いてあったと思います。文庫本で出ています。

 その「確か大手町出版」の本は、誰が書いたのですか? 赤間剛ですか、太田龍
ですか、宇野正美ですか。「柘植氏」というのは歴史学者ですか? 自称「元傭兵」
にそんな名前の人物がいたように記憶しますが(笑)

 どうも三鷹の質問が不味かったようです。以下のように問い直しましょう。マッ
トウな歴史学者の著作や論文で、「世界のユダヤ人名簿」なる資料をとりあげてい
るケースがあるのですか?


>近所の図書館にあるんですが。比較的新しい本です。あなたの見た「ホロコース
>ト百科事典」は滝川ではないのですか?

 三鷹の知る限りでは「ホロコースト百科事典」の邦訳は出ていないようなのです
が、出ているとするならぜひ読んでみたい、と申し上げているのです。間宮さんの
「近所の図書館」てのはどこですか? 教えてくだされば三鷹が自分で確認しても
かまいませんよ。


>IHRがいかなる団体であるかは全然わかりません。常識的な人たちだと思うだ
>けです。

 その「常識」を今一度チェックなさることをお薦めします。


>ドイツの刑法では殺人の時効が撤廃されています。
>「戦争中、あそこでは一人しか殺していない」なんて言っただけで死刑です。
>何も言えません。直接の当事者である証人を黙らせて死ぬのを待っているです。

 嘘です。


>「青酸」の液体を注射しても動物は簡単には死にません。経口摂取して胃酸と反
>応したときだけです。青酸ガスが気体として遊離しないと効果がありません。

 間宮さんは「青酸の液体」というのを、青酸カリや青酸ナトリウムなど、シアン
化塩類の水溶液か何かと勘違いしてるんじゃないですか?

 青酸(HCN)が人間を含む動物を殺すのは、体内のフェリチトクロームオキシ
ターゼの活性を抑えて体内呼吸を阻害するからです。ガスとして肺から血液中に取
り込まれようが、水やアルコールなどの液体に溶かして直接血管内に注射されよう
が、効果は変わりません。


>私はここであなたと水掛論をやりたいわけではないです。

 水掛け論にすらなっていません。単なる思いこみや、根拠のない主張、嘘でまか
せを何十行、何百行ならべたてても「反論」とは言えません。書いてる人間のレベ
ルが知れるだけです。



#1269/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/11/17 0: 5 ( 73)
問題になりませんねえ>間宮さん          三鷹板吉
★内容

>違いますね。もっと別の人です。別にその人は「アウシュビッツはなかった」と
>言っているわけではなく、欧米のユダヤ出版社が世論操作のために平気で嘘を
>言う例として挙げているだけです。

 誰が書いたか分からない、タイトルさえ不明確な本を言挙げてどうしようという
のですか? ちゃんと調べた上でお書きになることをお薦めします。


>「ホロコースト歴史事典」原書房 滝川義人訳です。これは別の本の翻訳なんで
>しょうか?

 間宮さんは「ホロコースト百科事典」と「ホロコースト歴史地図」と混同してい
るのです。原書房から出ているのは後者で、前者は未翻訳です。
 「近所の図書館」で調べれば簡単に分かる間違いを、なぜこう何度も繰り返すの
でしょうか。三鷹には不思議でなりません。


>なのに「アウシュビッツのガス室で600万殺された」とかデタラメを書く人間
>がいるので困ったものです。

 そんな人間は、少なくともマットウな歴史学者には一人もおりません。永岑三千
輝さんも絶対にそんなことは言っていません。600万人という概数は、ナチスによ
って殺されたユダヤ人の総数を示すものです。アウシュビッツ・ビルケナウ収容所
の犠牲者数は研究者によって異なりますが、控え目に見積もった「定説」的記述と
しては、約100万人から150万人というところです。

 間宮さんが「ポーランド政府が最近150万以上減らしました」と言っているの
は、アウシュビッツ博物館が明らかに政治的理由により「犠牲者400万人」という
主張を比較的最近まで墨守していた、という事実を指すものと思われます。それと
は別に、歴史学者による研究成果が示す数字は、そのずっと前から以上のような範
囲に落ち着いていました。「ホロコースト歴史地図」も、その研究に基づいた著作
です。

 間宮さんは、その「ホロコースト歴史地図」p.244に出ているポーランド国内の
ユダヤ人犠牲者数300万人という数字を、アウシュビッツ・ビルケナウの犠牲者数
と勘違いして、歴史地図の著者はポーランド政府の主張を鵜のみにしている、と思
いこんでいるのかもしれません。


>>>ドイツの刑法では殺人の時効が撤廃されています。
>>>「戦争中、あそこでは一人しか殺していない」なんて言っただけで死刑です。
>>>何も言えません。直接の当事者である証人を黙らせて死ぬのを待っているで>>>
す。
>>
>> 嘘です。

>本当ですよ。どこが嘘なんですか??

 「戦犯裁判での証言を後に取り消すことが罪に問われるか?」というのがそもそ
もの設問です。「問われない」が三鷹の主張。それを間宮さんは、ドイツでの謀殺
罪の時効廃止、いわゆる「ホロコーストの嘘」法などとごっちゃにして論点をずら
しています。間宮さん自身、よく分かってないからでしょうが、結果として全体的
な主張が嘘となっています。

 より分かりやすい端的な嘘は「死刑です」との断言。ドイツでは死刑は廃止され
ています。


>「ガス室があった」なんていう話は物証もないし証人もいないんですから、
>「大東亜戦争は植民地解放戦争であったか否か」と同じ、個人的信念の問題
>でしかないのではないですか?

 証拠と証言の評価についてはすでに書きました。歴史学者の大多数が認める「歴
史的事実」を闇雲に否定しようとするのは、説得力ゼロの「個人的信念」にすぎな
い、という意味ならば、異論はありませんよ。その背景にあるのが、学問的態度と
はほど遠い政治的主張である、ということも含めて。


 繰り返しになりますが、間宮さんの主張は「反論」のていをなしていません。根
拠レスな思い込みや、その場その場の適当な思いつき、誰の目にも明白な嘘いつわ
りを何遍並べ立てても、何の意味も無いことをご理解ください。



#1272/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/11/19 1:18 ( 7)
どうやら間宮さんはネタ切れのようです。      三鷹板吉
★内容

 ついでに息切れもいちじるしいようで(笑) これ以上「議論」が先に進まない
ようなら、お相手を控えさせていただきます。三鷹は間宮さんに恥をかかせるのが
目的でレスをつけてるワケじゃありませんし。

 もちょっとマシな材料を探し出していらっしゃい。



#1277/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/11/20 13:27 ( 30)
「想像」とじゃ議論になりませんねえ>間宮さん   三鷹板吉
★内容

 間宮さんは「犠牲者600万人」という概数について、歴史学者の主張を知らずに、
あれこれ勝手に想像した上で難癖をつけていたワケですよね。

 戦犯証言の撤回についても、選別による衰弱者のガス殺証言の有無についても、
はたまた青酸の毒性についても同様です。すべて、間宮さん一人の想像によるもの
で、しかもその想像は事実誤認に基づいていたということは、間宮さんご自身もご
理解できたでしょう?

 ニツコーがシオニストだというのも、焼却炉の処理能力についても、アウシュビ
ッツでの強制労働の性質についても、すべて間宮さんの想像でしかありません。こ
れまでの想像同様、事実誤認がいくつも見られます。一つ一つ丁寧に説明していっ
てもキリが無いようなので、以後は間宮さんのMSG一つにつき一つだけ事実誤認
もしくは嘘を指摘さしあげることとしましょう。

 今回はこれです。

>しかし「ガス室で殺してから何日もほっておいた」話は全く出てきませんね。
>これだけでも「ガス室はなかった」と言えます。

 アウシュビッツ所長ルドルフ・ヘスは「告白遺録」p.144で以下のように書いて
います。

   (ゾンターコマンド=ユダヤ人特殊部隊は)すでに長時間、大きな穴に転が
  されて腐臭を発する死体を焼くという、陰惨な作業の時にさえ、食べるのをや
  めないのだ。

 「ガス室で殺してから何日もほっておいた」から「腐臭を発する」までになって
しまったんじゃないですか?



#1281/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/11/21 13:20 ( 55)
間宮さんの「想像」分析(1)           三鷹板吉
★内容

 まずは「600万人」についてです。間宮さんは、どうやら、この数字を「歴史学
者の一部が主張するところのアウシュビッツの犠牲者数」だと勝手に思い込んでい
るようです。具体的には永岑三千輝(立正大学経済学部教授)の主張だ、と。

>マットウな歴史学者の著作や論文で「600万」なんて数をとりあげているケー
>スがありますか?「れきしがくしゃ永峯」だけでしょう?「600万」なんて歴
>史学的には全く検証できない数です。信頼できる資料が無いんですから。
>アウシュビッツに入った人と出た人の差から「アウシュビッツで死んだ人150
>万」というのが一応の定説です。そのうち大部分は餓死であり病死です。
>なのに「アウシュビッツのガス室で600万殺された」とかデタラメを書く人間
>がいるので困ったものです。
                           (#1268・間宮さん)

> そんな人間は、少なくともマットウな歴史学者には一人もおりません。永岑三
>千輝さんも絶対にそんなことは言っていません。600万人という概数は、ナチス
>によって殺されたユダヤ人の総数を示すものです。アウシュビッツ・ビルケナウ
>収容所の犠牲者数は研究者によって異なりますが、控え目に見積もった「定説」
>的記述としては、約100万人から150万人というところです。
                             (#1269・三鷹)

>まともな歴史学者で「犠牲者600万人」と書いてる人間はいないでしょう?
>「アウシュビッツで150万以下」が定説だと三鷹さんも認めた通りです。
                           (#1280・間宮さん)

 間宮さんには、自分が何を言ったのか都合よく忘れていくという不思議な習性が
あるようです。「アウシュビッツのガス室で600万人が殺されたと『れきしがく
しゃ永峰』が言っている」というのが、そもそもの間宮さんの主張です。
 三鷹はそれをハッキリと否定しました。永岑三千輝(立正大学経済学部教授)は、
絶対にそんなことは言っていません。間宮さんがそう勝手に想像して、でたらめを
言っているのだ、という指摘です。
 ここで間宮さんに求められているのは、「いや、現にこの論文で言っている」と
事実を提示しての反論か、「自分の事実誤認でした」との訂正です。なのに間宮さ
んは「まともな歴史学者で『犠牲者600万人』と書いてる人間はいないでしょう?」
など間の抜けたことをおっしゃっている。

 忘れていたのなら思い出させてあげましょう。間宮さん、永岑教授は「アウシュ
ビッツのガス室で600万人が殺された」と言っているのですか? いないのです
か? 論文名を示せとまでは言いません。どうせ一つも読んでいないのでしょうか
ら。どちらにせよ、間宮さんがそう考える根拠も示してください。

 これを便宜的に三鷹から間宮さんへの「質問1番」としましょう。

 ちなみに、2番以降は、

>・ 戦犯証言を撤回したら、また新たに罪に問われるし、
>・ 選別による衰弱者のガス殺証言の有無についても、噂にすぎないし、
>・ 青酸の毒性についても、HCNの水溶液を注射器に入れるのは非常に危険だ
>し、

 を予定しております。三鷹がどういう質問をするか簡単に想像がつくでしょうか
ら、準備をなさっておくことをお薦めします。そうだなあ、質問2番でいうのなら
「新たに罪に問われる」というのなら、それは具体的にどういう「罪」なのか、ド
イツの刑法を調べとく必要があるでしょうね。



#1283/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/12/ 1 21:35 ( 22)
生存証明                     三鷹板吉
★内容

 毎日せっせと書いていたのに突然書かなくなると「何があったんだ?」と不審に
思われる可能性があるので簡便に。

 「お休み」の原因は不慮の事故でした。具体的には、おろしたての出刃包丁でさ
かなを捌いていて手が滑り、指をザックリと…。台所は血まみれになるわ、女房は
パニくるわの大騒ぎ。ケガの程度は4針縫うくらいでしたが、1週間入浴と飲酒を
禁じられたのが辛かった。もちろん、キーボードも叩けません。ようやっと従来の
3倍ぐらいの時間で打てるようになったので、こうやって書いているというわけで。

 そういや、間宮さんも御無沙汰のようですね。三鷹同様「事故」でしょうか(笑)

 三鷹の方は、間宮さん向けに特別に作成した「質問」も4番まで揃えた上で、間
宮さんが典拠としてた「フリーメーソンとは何か」ちう本も見つけて読んで、いろ
いろ書きたいことが溜まってたんですがねえ。

 まあ、西岡さん相手のやりとり同様、相方にトンズラこかれたならばそれはそれ、
「答え」は期待せぬまま、マイペースで勝手にやらせていただくこととしましょう
か。

 「ニツコー」も明日あたりから再開します。



#1290/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/12/ 4 2: 0 (100)
間宮さんの「想像」分析(2)           三鷹板吉
★内容

*戦犯証言の撤回について

 まず問題の背景を説明しましょう。ナチスがガス室でユダヤ人を大量虐殺したと
いう証言は多数あります。その中には「加害者側」のドイツ人による証言も多数含
まれています。

 ガス室の存在を否定するホロコースト否定者は、ガス室に関するドイツ人の自白
や証言は拷問など強制によりでっちあげられたものだ、と主張しています。拷問の
結果、ありもしないガス室があるかのごとく証言させられたのだ、と。ちょっと考
えれば、この主張がおかしいことが分かります。

 もしも、ある戦犯裁判が拷問によるでっちあげだったとしたら、罪を自白し証言
した被告が全員死刑に処せられていない限り、刑が確定し、被告が服役し、やがて
釈放され自由を取り戻した後にでも、冤罪を着せられた「元ナチ」たちが名誉回復
を求めて裁判のやり直しを求めるということがあっても不思議じゃありません。裁
判に訴えないまでも、戦記や回顧録やエッセイや、はたまた死ぬ間際の遺言ででも、
自分の自白や証言は「拷問による偽証」だったと訴え、「ガス室はでっちあげだ」
と主張して当然でしょう。

 ところが、ことナチスのガス室に関して、そういう例はない。三鷹の知る限り、
と申しておきましょう。逆に、戦後何十年も経って、罪のつぐないがとうの昔に済
んだ後もなお、元ナチがガス室の存在を証言し続けている。そういう例はいくつも
あるのです。

 普通に考えれば、ガス室はでっちあげなどではなく確かに存在したということを
指し示す事実です。ところが間宮さんは、この事実を以下のように「説明」しまし
た。

>証言を覆したら死刑になるんでしょう(笑)時効も無い言論の自由も無いドイツ
>では。
                            (#1263・間宮さん)

 拷問など強制によってなされた証言、覆されて当然の証言であっても、それを撤
回したら、なんと死刑になるという・・・これは珍説です。ホロコースト否定の総
本山IHRもここまでは言っていない(笑) なるほど、間宮説が事実ならば「ガ
ス室証言の撤回」がなされない理由も見事に説明できるでしょう。誰だって死刑に
なるのは嫌でしょうから。

 でも、三鷹の知る限り、そのような例はドイツには存在しません。死刑どころか、
懲役刑、罰金刑に処せられた例すら聞いたことがありません。

>ドイツの刑法では殺人の時効が撤廃されています。
>「戦争中、あそこでは一人しか殺していない」なんて言っただけで死刑です。
>何も言えません。直接の当事者である証人を黙らせて死ぬのを待っているです。

>「ガス室はなかった」と証言すると罪になるぐらいですから、ドイツ人は「証言」
>する資格もありません。
                            (#1266・間宮さん)

 と、間宮さんは繰り返し断言しますが、これは全体として嘘でたらめです。

 ドイツで殺人の時効(正確には「謀殺」の時効)が廃止されている、という一点
のみが本当です。ゆえに告発を逃れていた元ナチが「自白」によって、罪に問われ
ることはありえます。でもそれは、元々の設問である「ガス室証言の撤回」による
断罪とは関係ありません。

 「ガス室否定証言が罪になる」というのは、ホロコースト否定のデマゴギーを処
罰する「アウシュビッツの嘘」法のことを指していると思われます。この法律は上
記のごとき「ガス室証言の撤回」を禁止するものではありません。

 また、この法律が公布されたのは1985年6月13日です。百歩譲って「ガス室証言
の撤回」が「アウシュビッツの嘘」法に抵触するとしても、法律公布以前、すなわ
ち間宮さんの理屈に従えば「ガス室否定証言がまだ罪にならなかった」時代におい
て「ガス室証言の撤回」がなされなかった理由が説明できません。

 加えて、ごく端的なことですが、ドイツでは死刑が廃止されています。このこと
だけは一回で間宮さんに通じたようです(笑)

>へいへい、そうですか。「終身刑」ですね。

>1人でも殺していれば終身刑でしょう。薮蛇になるだけです。

>だからユダヤがどんなに誇大な宣伝をしてもドイツ人は黙らざるを得ないのです。
                            (#1271・間宮さん)

 「へいへい」とふざけてみせていますが、間宮さんは内心相当にショックだった
のではないかと、これは三鷹の想像です(笑)

 「一人でも殺していれば終身刑」というのは問題とは関係ない上、これもまた間
宮さんの想像の産物で、嘘です。「アウシュビッツの医師たち」によれば、ナチス
による百人から千人規模の虐殺に対して、1949年から1958年まで西ドイツで行なわ
れた訴訟100件のうち、終身刑は32件のみ、54件が6年以内の自由刑だったそうで
す。百人殺して6年ですよ。時代が下れば下るだけ刑は軽くなる傾向があります。
SS中尉フランツ・ルカス博士は、アウシュビッツで千人以上の虐殺に関係したと
立証された医師ですが、1965年の裁判での判決は懲役3年3ヶ月でした。「一人で
も殺していれば終身刑」てのは、どこか別の国の別の時代の話でしょう。

 要するに、

>・ 戦犯証言を撤回したら、また新たに罪に問われるし、
                            (#1281・間宮さん)

 というのは事実と異なる上、ドイツの法律とも司法制度ともナチス戦犯の実態と
もまったく無関係な、間宮さん一人の根拠レスな「想像」にすぎないのです。

 違うというのなら「戦犯証言(あるいはガス室証言)の撤回」を罪に問うドイツ
刑法の条文、もしくは罪に問うた判例を提示してください。これは、三鷹から間宮
さんへの「質問2番」です。



#1293/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/12/ 5 5: 0 ( 28)
間宮さんの「想像」分析(3)           三鷹板吉
★内容

>・ 選別による衰弱者のガス殺証言の有無についても、噂にすぎないし、
                           (#1280・間宮さん)

 間宮さん、三鷹のMSGをちゃんと読んでないでしょう? エレナ・リンゲンス
証言は、選別によるガス殺に直接関係させられた人間の証言ですよ。どこが「噂に
すぎない」んですか!

 ガス殺の具体的手順まで語られていないからですか? だったら、クレマー証言
(SS中尉ヨハン・パウル・クレマー博士)をもっと詳しく紹介してあげましょう。
1958年7月17日の訊問調書での証言です。

   ガス室に送られるはずのユダヤ人は、囚人舎で裸になってから、この目的の
  ために作られた小さな建物(いわゆるガス室)に入れられました。窓は閉めら
  れていて、建物には扉が一つだけ付いていました。ユダヤ人たちは年齢も性別
  も関係なく、無差別に建物に入れられましたが、その時に彼らにはしらみの駆
  除をするのだと説明されました。50人から60人がびっしりと詰め込まれた
  建物には天窓が付いていて、そこからガス殺人を実行する親衛隊員がチクロン
  Bの粉末を室内に投入しました。チクロンBは強力な呼吸抑制ガスで、赤い血
  色のまま人間を殺しました。
                  (「アウシュビッツの医師たち」 p.279)

 大量虐殺に直接かかわった当事者の証言です。「噂」じゃありません。

 間宮さんが何を「噂(伝聞証拠)にすぎない」と考え、何を真正の「証言」だと
考えるのか、その判断基準について伺いたい。これは三鷹から間宮さんへの「質問
3番」です。



#1296/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/12/ 6 3:43 ( 62)
間宮さんの「想像」分析(4)           三鷹板吉
★内容

*青酸の毒性について

 結論を先に述べれば、間宮さんの主張は、根拠レスな思いつきと憶測の羅列に過
ぎません。「(青酸塩は)経口摂取して胃酸と反応しないと殺せない」という間宮
さんの指摘に、歴史学方面はともかく、化学方面には多少の知識のある人かと思い、
三鷹も「フェリチトクロームオキシターゼ」なんて舌を噛みそうな用語まで持ち出
して比較的丁寧に応対したつもりだったのですが、どうやら買いかぶりだったよう
です。

>ヘスは「HCNの水溶液を注射した」と言ってるんですか?

>注射される方より注射する人間の方が危ないと思いますね。
                           (#1271・間宮さん)

 と、書いているのを見て、がっかりしました。青酸の毒性について、間宮さんは
何も知らず何も調べようともせず、ただ単に三鷹の言ったことを逆手にとったつも
りで、適当な想像を並べてたてているだけじゃないですか。

 想像に反論しても意味がない、と無視していたら、

>・ 青酸の毒性についても、HCNの水溶液を注射器に入れるのは非常に危険だ
>し、
                           (#1280・間宮さん)

 と、いつの間にか「危ないと思います」という想像表現から「非常に危険だし」
という事実表現に昇格しています。まず自分の適当な思いつきをボードに書いてみ
て、誰も何も言わないと「事実」に格上げするという、これも間宮さんの習性のよ
うですね(笑)

 間宮さんも「近所の図書館」かどっかで化学事典か何かを調べれば簡単に分かる
と思うのですが、シアン化水素(HCN)の水溶液は「シアン化水素酸(青酸)」
というもので、比較的ありふれた薬剤なんです。用途は、青酸カリなどと同様メッ
キ用です。この項を書くためにあらためて調べてみたら「アルデヒドやニトリルな
どの有機合成、果樹の害虫駆除剤、金、銀などの電気精錬、めっき工業などに広く
利用されている」(「万有百科事典」)とのこと。

 もちろん猛毒です。飲んでも注射してもイチコロでしょう。でも「注射器に入れ
るのも非常に危険」なほど危険なものであるならば、そのように「広く利用される」
など有りえません。

 シアン化水素酸は「果樹の害虫駆除」にも使われているというのですよ。果樹に
直接噴霧するのか、ハウス栽培の果樹をハウスごと燻蒸したりするのか、詳しい手
順までは分かりませんが、原発炉内の作業ならばともかく、噴霧器や燻蒸器に薬剤
をセットするのにロボットや遠隔操作のアームを使うとは思えません。人間の手作
業でやるのでしょう。そうやって使用する薬剤が「注射される方より注射する人間
の方が危ない」「駆除される害虫より駆除する人間の方が危ない」ような代物だっ
たなら、怖くて作業できませんよ(笑)

 ともあれ、実際にアウシュビッツで行なわれた死の注射の大半はフェノールでし
た。医学博士ツェスラウス・グロヴァキィの証言によれば、10CCの注射器を使って
フェノール溶液を犠牲者の心臓に注射すると数分で死んだ、とあります。(「アウ
シュビッツの医師たち」 p.199-200)

 フェノールが主として使用された理由を説明するものとして、シアン化水素酸と
比べて扱いが易しいから、との主張ならば、成立し得るでしょう。

 「いや、そうじゃない、シアン化水素酸は注射される方よりする方が危ないのだ。
それを注射に使ったなどという証言は嘘なのだ」とあくまで言い張るつもりなら、
傍証の一つなりとも示してください。これが三鷹から間宮さんへの「質問4番」で
す。



#1298/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/12/ 9 10:48 ( 49)
間宮さんの「想像」分析(5)           三鷹板吉
★内容

*「世界のユダヤ人名簿」について

>正確な数字は覚えていませんが、アメリカのユダヤ人団体に登録されている
>「世界のユダヤ人名簿」で見ると、2000万人ぐらいのユダヤ人人口が戦前と
>戦後で100万か200万ぐらいしか減っていないそうですよ。
>自然死まで入れても「600万死んだ」のが嘘だとはっきりとわかります。
                            (#1263・間宮さん)

 と、間宮さんは「世界のユダヤ人名簿」なる資料の存在を示唆し、ホロコースト
否定の証拠であると主張しました。「ユダヤ人団体に登録されている」資料にその
ような記述があるとすれば、なるほど、ホロコースト否定の有力な根拠となり得る
でしょう。三鷹は不勉強にして、そのような資料があるなど知りませんでしたので、
どこで見たのか教授を問うたところ、

>複数の本で読んでいます。というより「600万」を肯定する本は見たことがあ
>りません。ユダヤ出版社の本以外では。
>「フリーメーソンとは何か」(確か大手町出版)に載っています。
>柘植氏のヒトラー伝記にも書いてあったと思います。文庫本で出ています。
                           (#1266・間宮さん)

 と。著者名が不明だったので、タイトルから想像して、赤間剛、太田龍など何人か
名前を挙げてみたのですが、

>違いますね。もっと別の人です。別にその人は「アウシュビッツはなかった」と
>言っているわけではなく、欧米のユダヤ出版社が世論操作のために平気で嘘を
>言う例として挙げているだけです。
                            (#1268・間宮さん)

>「フリーメーソンとは何か」は10年前ハードカバーで1500円ぐらいでした。
>私は買って熟読したので、よく覚えていますよ。大きな図書館ならあるはずです。
>著者の人は2冊目を書いてボツってしまったので名前は覚えていません。
                            (#1271・間宮さん)

 とのこと。これ以上問い質してもラチがあかないようなので、その「大きな図書館」
に三鷹が出向いて捜し出してきました。この本です。

  「フリーメーソンとは何か」 久保田正男 大手町ブックス 日本工業新聞社
  1981年10月1日発行 1600円

 「熟読」とまではいかないものの、最初から最後までキチンと読みました。とこ
ろが、「世界のユダヤ人名簿」なる資料はどこにも登場しませんし「ユダヤ人人口
が戦前と戦後で100万か200万ぐらいしか減っていない」と解釈される記述も
ありません。

 どうやら、これも間宮さんの「想像」の産物だったようです。三鷹はこのことを
ハッキリ指摘した上で、間宮さんが「世界のユダヤ人名簿」なる資料をどこで見た
のか、あらためて質問いたします。これが三鷹から間宮さんへの「質問5番」です。



#1299/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/12/ 9 10:50 ( 74)
「フリーメーソンとは何か」とは何か?       三鷹板吉
★内容

 さて、間宮さんがわざわざ「買って熟読した」という、その「フリーメーソンと
は何か」(久保田政男 日本工業新聞社 1981年)という本は、いかなる代物なの
でしょうか? これを読めば間宮さんの「思想的ルーツ」の一端なりにふれること
ができるやもしれません(笑)

 久保田の主張を一口に言えば、「フリーメーソン=ユダヤ民族」が世界史を動か
してきた隠されたパワーだった、というもの。要するに古くさい「ユダヤ陰謀論」
です。単なる「ユダヤ陰謀論」なら、ユダヤ人のみしか非難できませんが、フリー
メーソンを持ち出してイコールで結ぶことにより、非ユダヤ人でも自在に「陰謀」
のメンバーだと決めつけることが可能になります。これもまた、もう何度と無く使
い古されたバージョンなのですが。

 この手の本の中身を判断する、一番分かりやすい指標をお教えしましょう。「シ
オン賢者の議定書(プロトコル)」という古典的な偽書に対する評価です。帝制ロ
シアの秘密警察が捏造したものであり、偽書であることが50年以上前に証明されて
いる代物です。歴史学者が百人いれば百人とも論外とし否定する嘘本なのですが、
世間一般の人々の無知につけこんで、いまだにこれを担ぎ出して「国際ユダヤ陰謀
の証拠」と騒ぎ立てる人間がいるのです。どうやら久保田もその一人であるようで
す。

   十八世紀のフランス革命以来、欧州において徐々に力を蓄えてきたフリーメ
  ーソンは、十九世紀にマルクス主義という変革のための虚構論理を完成させ、
  小規模な革命も経験し、十九世紀末には、フリーメーソンの総合的バイブルと
  もいうべき、「シオンの長老の議定書」を完成し、いよいよ二十世紀は遠大な
  目的、ユダヤ民族とアーリア族の立場を逆転を成就させようとしていたのであ
  る。
                                 (p.38)

 このように、思想を「民族」に還元し、近代主義、共産主義と「ユダヤ」を同一
視して非難するヤリクチは、ヒトラーが大の得意とするものでした。「シオン賢者
の議定書」は、ナチスのバイブルでもあったのです。

 こんな本を細かく分析して批判してもしょうがないので、比較的分かりやすい矛
盾を一つだけ指摘するにとどめておきましょう。

 久保田の主張によれば、アメリカ史はフリーメーソン=ユダヤとWASP=アー
リアの闘争の歴史だったのだそうです。ルーズベルトはフリーメーソンであったが
ゆえに日本の真珠湾攻撃を「願望」し、戦後のマッカーシズムは赤狩りならぬWA
SPによるフリーメーソン狩りだった、と。で、この本が出た当時の大統領だった
レーガンは、これが何とフリーメーソンなのだ、と。

 デタラメにもほどがあります。レーガンが俳優時代、マッカーシズムの先頭に立
ってハリウッドの「赤」を摘発した過去を知らないのでしょうか? あきれつつ読
み進んだら、本の最後の方にこんな風に書いてありました。

   レーガンは、人種的にはケネディ、ニクソンと同じくアイルランド系である。
  従って宗教はカトリックである。しかし、それは問題ではないのである。レー
  ガンはレッキとしたフリーメーソン結社員なのだ。では、いつレーガンがフリ
  ーメーソンに組み入れられたのか、ということである。
  (中略)
   マッカーシズムが吹き荒れたとき、ハリウッドは確かに共産主義者の巣であ
  ったのだ。それはハリウッドが、ユダヤ資本に全部牛耳られていることであっ
  た。ウォルト・ディズニー・プロダクションを除いて−−。ユダヤ資本に握ら
  れているということは、フリーメーソンの影響力が徹底していたわけである。
  ところがレーガンは、これに反旗を翻したのである。そしてこの時点でレーガ
  ンはフリーメーソンに組み込まれたのである。
   フリーメーソンとしては、これ以上やられては困るというわけである。ひと
  昔前なら消すという方法もあったが、しかし、マッカーシズムで手が出せない。
  できることは、そのような者を傘下に組み入れることが唯一の防禦手段となる
  わけである。
                              (pp.386-388)

 これを読んで「ああなるほど」と納得するレベルの人間が、すなわちこの本の読
者だったのでしょう(笑)

 久保田の論法でいけば、どんな「反フリーメーソン」の人間をも「フリーメーソ
ン」だとこじつけることが可能でしょう。それ以前に「非ユダヤ人」でも「フリー
メーソン」だと決めつければ「ユダヤ陰謀」のメンバーだとこじつけることができ
るのですから、論法上、歴史上のどんな人物でも「ユダヤ陰謀」のメンバーだった
とこじつけることが可能になります。ヒトラーその人だって。

 間宮さん程度で驚いていては身が保たない、ちうことでしょうかねえ。



#1300/**** 研究室「パンドラの箱」 *** コメント ***
★タイトル (QYA33902) 96/12/ 9 10:53 ( 30)
西岡さんのことが心配なら>MASAさん      三鷹板吉
★内容

 直接連絡してみたらどうですか? あの人は住所も電話番号もボード上で公開し
ているのだから簡単でしょう。そんな簡単なことさえしないで、三鷹を言論封殺の
ナチス呼ばわりですか。MASAさんの正義感(だか何だか)も相当レベルの代物
ですね。

 心配することはありませんよ。MASAさんは知らないかもしれませんが、西岡
さんの「同志」であるジャーナリストの木村愛二さんという人が、週刊金曜日とい
う雑誌でホロコースト否定の「論争」をしつこく継続中です。西岡さんが暴力や脅
迫などの「言論封殺」にあったならば、木村さんが言い立てないはずがありません。

 西岡さんがここから消えたのは「言論封殺」などではなく、これ以上三鷹の相手
をしても、ガス室否定説を広宣流布するのに役立つどころか逆効果だと分かったか
らでしょう。またどこか、ホロコーストに関する知識が乏しい人たちが集まってい
る「場」で始めるつもりなんじゃないか、と三鷹は想像しています。まあ、その折
には三鷹もその場に赴き「西岡さんの主張を聞くのもいいけど、その前にこの本を
お読みなさい、ニツコーのQ&Aをチェックしときなさい」と、おせっかいさし上
げるつもりですけど(笑)

 さて、「アンネの日記」「写真」「燃料」についてのMASAさんのご意見を拝
読しましたが、率直に言って、MASAさんがいかなる知識を根拠に何を主張した
いのか、三鷹にはよく分かりません。

 前に「ヘス告白遺録」に関連して指摘したかもしれませんが、ホロコーストに関
するMASAさんの知識は、もともと乏しいところに西岡さんの「嘘」を吹き込ま
れたせいか、かなりいびつなものになっています。MASAさんは、前にどこかで
「思想傾向は与えられた情報の量によって決定される」てなことを書いていません
でしたっけ。三鷹はなるほど慧眼なりと感心したものでした。そのMASAさん自
身が、歪んだ情報によっておかしな思い込みに陥っているようですね。



#1304/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/12/12 18:14 ( 59)
焼却炉の性能について>MASAさん        三鷹板吉
★内容

 三鷹も折を見て、ニツコーが紹介しているグットマンの著作を捜してみましょう。

 ニツコーのQ&A42番〜45番にあるように、アウシュビッツの焼却炉の性能につ
いては詳しい考察がなされており、現にそれを納入したメーカーのマニュアルもそ
れだけの高性能を保証しているとのこと。専門技術者ではないMASAさんがニボ
シの焼却実験から推定して「不自然」と主張されたとしても説得力に欠けます。三
鷹としては、メーカーの主張を疑う理由がありません。

 なぜアウシュビッツにそのような高性能の焼却炉が建設されたか? 最大キャパ
20万人程度の収容所に、年に100万体以上の死体を焼却可能な焼却炉です。病死や
過労死だけではとうてい説明不可能な、大量の死体が発生することが予想されてい
た、としか考えられません。歴史学者たちはそれを「ガス室を使用した大量虐殺」
だったと指摘しています。MASAさんには別の答えがあるのでしょうか?

 MASAさんは丸太の例を出し「木材は直径20センチ程度までは自力で燃えま
すが、それ以上では(『自己消火性』により)燃えなくなります」とおっしゃって
います。確かに一本の丸太ならそうかもしれません。でも、十本、二十本、百本、
二百本の丸太ならどうでしょうか? 直径20センチ以上の樹木で構成された森に
おいては、「自己消火性」が機能するから山火事など発生しえないのでしょうか?
 林野庁や消防庁に確認してみないと何とも言えませんが、「発生しえない」とは
ちょっと考えられませんよね。ならば、現に山火事のさなかで燃えている、直径2
0センチ以上の個々の樹木は、「自力で燃えている」のでしょうか、「燃やされて
いる」のでしょうか? どちらともいえない、もしくは両方とも言えるのではない
でしょうか。

 人間の死体単体が「自己消火性」を有するとしても、そのことと、現に燃えてい
る(燃やされている)死体それ自体を燃料として死体を焼却できる、ということと
は必ずしも矛盾しないように、三鷹には思えます。

 さて、MASAさんに指摘しておきたいことが一点。「不可能」と「不自然」と
は違う、ということです。死体の焼却が可能か不可能かという、いわば法医学的、
技術論的問題と、MASAさんが(あるいは三鷹が)考えて、自然か不自然かとい
う問題とはキチンと分けて考える必要があります。

 「不可能」と「不自然」を意図的に混同するのは、ホロコースト否定者の詭弁の
一つです。一つだけ例を挙げておきましょう。

 トレブリンカ絶滅収容所では、80万人以上の人間が殺されました。その傍証の一
つは、当時のドイツ国鉄の運行記録です。何十万人ものユダヤ人がヨーロッパ各地
からトレブリンカに移送され、それっきり消息を断っているのです。

 トレブリンカへ何十万人もが移送されたことは、否定者の一人マーク・ウェーバ
ーも基本的に認めています。その上でウェーバーは、運行記録の一部に「客用列車」
という記載があることから、トレブリンカへの移送が絶滅を目的としていたという
のは嘘だ、と主張しています。家畜のように貨物列車に詰め込んで送り込むならと
もかく、ガス室で殺すために、わざわざ寝台車や食堂車のついた列車で連れていっ
たなどというのは不自然だ、という主張です。

 事情を知らない人間にとっては、なるほどもっともな主張に聞えるでしょう。と
ころが、ちょっと調べてみれば、客用列車の到着を目撃した付近の住民、ユダヤ人
移送に従事していた鉄道関係者の証言があることが分かります。乗客はいかにも金
持ち風で太って健康そうでした。トレブリンカの農民は乗客に向かって、首を掻き
切る仕草をしてみせ、彼らを待ち受けている運命を教えたのだそうです。

 農民は乗客を、自らの運命を知らぬままに楽しげに死地に連れていかれる家畜に
なぞらえていたのです。現実に存在した「不自然」であり「不条理」とも言える光
景を描写するに、ふさわしい表現だったとも言えましょう。



#1305/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/12/12 18:15 ( 6)
西岡さんの近況                  三鷹板吉
★内容

 今出ている「噂の真相」1月号の投書欄に西岡さんの投書が掲載されています。

 河岸を変えはしたものの、活発に言論活動を行なっているようですよ。言論風殺
を危惧していたMASAさんも、これで安心ですね(笑)



#1307/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/12/14 3:47 ( 50)
じゃあ腰を入れて議論しましょうか>MASAさん  三鷹板吉
★内容

 その前に、「電子レンジの猫(もしくは小犬)」というのは事実無根の、いわゆ
る都市伝説というヤツです。MASAさんが、そのような現代のフォークロアに興
味がおありなら、おもしろい本が何冊か出ています。紹介しましょうか?

 山火事に関するMASAさんの主張は、どうも納得いきませんね。たとえ全樹木
が直径20センチ以上の、枝も葉も無い電信柱が並んでいるような人工林に火災が
発生したとしても(密度次第で十分発生し得るでしょう)、現に周囲の森が燃え上
がり、十分な熱が供給されているなら、各樹木の「自己消火性」も相当レベルにま
で低下している、と考えた方が「自然」なのでは? おっと、これは三鷹も思わず
「禁句」を使ってしまいましたか(笑) 三鷹が言わんとしているのは、「自己消
火性」なんてものは、状況次第でいくらでも変わるだろう、というごくごくアタリ
マエのことでしかありません。マッチの火を近づけた程度じゃ燃え上がらない「自
己消火性」十分の人間の死体でも、適当な条件下では理想的な燃料にも成りえる、
ちうことですよ。

 三鷹はMASAさんのニボシ焼却実験に関するMSGを読んで「死体を追加燃料
無しで連続焼却可能な高温焼却炉は、追加燃料無しではそのような高温が達成でき
ないから実現不可能」という主張だと理解し、レスしたのですが、三鷹の誤読でし
たか。これは失礼しました。「追加燃料無しでも連続焼却可能な高温は達成できる
が、その高温により、炉が損傷するから実現不可能」という主張だったのですね。

 焼却炉に死体を入れ過ぎると、おそらくは温度が上がり過ぎることによる、重大
な故障が炉に発生した、という記述が、MASAさんもお読みの「ヘス告白遺録」
にもあります。三鷹がみるに、MASAさんの危惧されるところは、収容所運営者
が現に経験していたことと合致しているワケです。

 三鷹がMASAさんとの論争で、とりあえずケリをつけておきたいのは、アウシ
ュビッツでの焼却炉を使用した死体焼却における、一体当たりの焼却時間と、追加
燃料の必要性の有無です。ホロコースト否定者は、民間火葬の例を援用して、相当
量の燃料と時間が必要だった、と主張しています。MASAさんはどうお考えなの
でしょうか?

 MASAさんは「追加燃料無しで死体の連続焼却が可能な焼却炉」がアウシュビ
ッツにあった、という事実は認めるのですか? 投入する死体の量をほんのちょっ
とでも間違えると故障が発生する、きわめて扱いの難しい焼却炉だったとしても。

 ならば、その焼却炉が故障しない程度の安全運転をする限りにおいて、どれだけ
の死体焼却が可能だったとお考えですか? 野焼きは別とします。一日何体、一年
で何体と、お手持ちの資料から算出される最大数を提示していただけませんか?

 それとも、「追加燃料無しの連続運転」に要求されるほどの高温に炉は堪えられ
ないから、そのような連続運転は絶対に行われなかった、と主張されるのですか?
 ならば、MASAさんがそう考える根拠となる資料をご提示願いたい。

 この件をクリアにしてから、野焼きの可能性について論じ合いませんか? 三鷹
は野焼きについても十分可能だった、と繰り返し主張してきたのですが、その主張
をいったんチャラにして、ゼロからあらためて「実現可能性」を論じ合う用意があ
ります。



#1319/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/12/17 15:28 ( 58)
アウシュビッツの焼却炉の性能           三鷹板吉
★内容

 最初に数字の話をかたづけましょう。アウシュビッツ・ビルケナウの焼却炉には、
はたしてどれだけの死体処理能力があったのか?

 計算の根拠の一つである証拠文書の実物(写真コピー)もニツコーは提示してい
ます。1943年6月28日付けのベルリンのSS大将カムレルに宛てられたメモです。
ドイツ語で、ところどころかすれているので全翻訳は三鷹の手に余りますが、一日
24時間運転した場合の焼却可能死体数を示した部分は、なんとか読み取れます。

   1)クレマトリウム1(3*2焼却室)−−−-340体
   2)クレマトリウム2(5*3焼却室)−−−1440体
   3)クレマトリウム3(5*3焼却室)−−−1440体
   4)クレマトリウム4(8焼却室)−−−−−-768体
   5)クレマトリウム5(8焼却室)−−−−−-768体

 総計で一日4756体になります。

 実際に死体焼却が行なわれた期間は、クレマによってまちまちです。例えばクレ
マ2と3に限れば、1943年4月から44年11月の約20か月間です。ここでは計算を簡
単にするため、短めに見積もって、5つのクレマ全体で1年半、18か月間運転され
たとしましょう。理論的に焼却可能な死体数は、260万体にもなります。

 一日運転させたら一日メンテナンスのため休ませるというように、稼働率が50%
だったとしても130万体。アウシュビッツ・ビルケナウの犠牲者数とされる100万人
〜150万人と符合します。

 また、現に死体焼却が行なわれている最中の1943年6月の時点で、24時間運転の
数字が提示されているということに注目してください。1日数時間しか運転できな
い焼却炉の、24時間あたりの数字を出しても意味はありません。焼却炉は24時間運
転を想定して設計建造されており、現にそうやって運転されていた、もしくは運転
されようとしていたということの、何よりの証明でしょう。

 次に、連続焼却による炉の損耗について考えてみましょう。現代日本の場合も含
めて、ゴミ焼却など通常の用途のために建造される焼却炉の、耐用年数はどのくら
いを想定しているのでしょうか? 東京などの大都会では、毎日大量のゴミが出ま
す。清掃工場のゴミ焼却炉も休む間もなく運転されています。三鷹が住んでいる板
橋区に問い合せてみたところ、昭和40年代に建造されたゴミ焼却炉が現在も使用さ
れているそうです。毎日使って25年から30年で、いまだに現役です。最低でも10年
は保つように設計建造され、運転されるのではないでしょうか。

 MASAさんがおっしゃる「現代の焼却炉における高温焼却の困難さ」は、その
ような条件を考え合わせて初めて有効な主張なのであり、2、3年で炉が壊れても
かまわないと考えるならば、ずっと乱暴な使用が可能なのではないか、と、これは
三鷹の想像ですが。

 アウシュビッツ・ビルケナウのクレマ2と3は、2年足らず、20か月しか運転さ
れませんでした。その間に何度も故障して、最後には使用不能となってしまった、
とヘスは書いています。24時間運転を想定して設計建造された新品の焼却炉を、20
か月で使用不能にまで損耗させるには、いったい何体の死体を燃やさねばならなか
ったのでしょう。三鷹はその数字をこそ、MASAさんにお尋ねしたかったのです。
もう一度お尋ねしましょうか。MASAさんは何体ぐらいだったとお考えですか?

 また、MASAさんは三鷹が何を信じ何を疑っているかお気になさっているよう
ですが、三鷹は自分自身、西岡さんの十倍疑り深い人間だと思っております。その
疑り深い三鷹が、しかし、西岡さんの主張には見事にだまされて(笑)、「定説」
を疑いたっぷりの目で調べてみたところ、逆に西岡説の大嘘に気がついた、という
のがおおまかな「流れ」です。



#1320/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/12/18 11:38 ( 63)
火葬炉>「ヘス告白遺録」の記述          三鷹板吉
★内容

 以下、アウシュビッツ収容所の所長だったルドルフ・ヘスの「告白遺録」の記述
を紹介しましょう。彼が具体的に数字を挙げて説明しているのは、アウシュビッツ
第2収容所=ビルケナウ収容所に建設された、クレマトリウム2から4についてで
す。もう一つのクレマ1は、アウシュビッツ第1=基幹収容所の方にありました。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 第1(クレマ2)と第2(クレマ3)の火葬場二つは、1942年から43年にかけて
の冬期に建てられ、1943年春、稼働を開始した。
 それには、各3室にわかれた焼却炉5基があり、24時間以内に各2000人を焼却で
きる。焼却容量を高めることは、燃焼技術の点からいって不可能だった。それをや
るとひどい故障がおこり、そのため何度となく運転を休止しなければならなくなっ
た。
 第1・第2火葬場には、地下に、脱衣場と換気自在のガス室があった。屍体は、
一台の昇降機で、上にある焼却炉に送りこまれた。ガス室は各3000人の収容力があ
ったが、その数に達したことは一度もない。一回の移送者数がそれほどにならなか
ったのである。
 第3(クレマ4)と第4(クレマ5)のより小規模の火葬場は、当初、建設担当
会社エルフントのトップ商会の計算によれば、24時間に各1500を焼却できるはずだ
った。戦時下の資材不足のため、第3と第4は、資材をけずって建てざるをえなく
なり、そのため、脱衣場とガス室は地上に建てられ、焼却炉にも軽い建設方式がと
られた。
 しかし、ほどなく、この軽い建設方式の焼却炉(4基にわかれたもの各2基)は、
要求に適していないことが明らかになった。第3火葬場は、短期間のうちに完全に
脱落し、やがて全然役に立たなくなってしまった。第4は、ひんぱんに休止させら
れた。わずか4〜6週間も焼却を続けると、炉も煉瓦も焼け崩れてしまったからで
ある。そのため、ガス死者の大方は、第4火葬場裏手の壕内で焼却された。
                              (邦訳書p.192)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 24時間連続運転が行なわれたこと、死体を入れすぎると(おそらくは炉内の温度
が上がりすぎて)故障したことなどが分かります。

 読み直してみて気がついたのですが、三鷹が前のMSGで「クレマ2と3は、2
年足らず、20か月しか運転されませんでした。その間に何度も故障して、最後には
使用不能となってしまった、とヘスは書いています」としたのには、クレマ4、5
に関する記述と混同している部分がありました。訂正いたします。

 MASAさんは以下のように書いています。

>ヘスの告白遺禄には「焼却炉が壊れてしまった、すぐに炉の内壁が剥げ落ちて使
>用不能になってしまった。」というような記述があったように記憶しています。
>これは炉を高温状態で使用したことを意味しますので、このように使用すれば追
>加燃料無しの連続焼却も可能だったでしょう。しかし連続使用は難しかったでし
>ょう。すぐに壊れますから。

 その「高温状態での連続焼却」の結果、「短期間のうちに完全に脱落し」たクレ
マ4があった一方で、4〜6週間の連続運転ごとに「ひんぱんに休止させられた」
クレマ5があり、「何度となく運転を休止」しつつも20か月間運転し続けたクレマ
2とクレマ3があった、とヘスは書いているのです。

 確かにMASAさんの言うように「連続使用は難しかった」ことでしょう。でも、
難しいから連続使用はされず、焼却された死体数も比較的少数だっただろうという
MASAさんの推測は的外れです。逆に、その難しい連続使用をあえて行なうこと
により、相当数の死体が現実に焼却された、と考える方が「自然」でしょう。

 43年6月のメモが見積もっているクレマ5の24時間の死体処理数は768体です。
ヘスが記述する、メーカーによる当初の見積もり1500体の約半分です。そのクレマ
5を4週間=28日間連続運転するだけでも、21504体が焼却できた計算になります。
それだけで2万体ですよ。

 以上の記述について、MASAさんの見解をあらためてお尋ねしたく思います。



#1321/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/12/18 11:40 ( 46)
ガス室を疑い、陰謀論を疑わない人もいる      三鷹板吉
★内容

 「何を信じ何を疑うか」という基本的な方法論について、ちょと書いておきまし
ょうか。

 何事に対しても懐疑を抱くのは悪いことではありません。「ガス室など無かった
のではないか?」と疑うのもけっこう。議論も自由にやればいい。でも、中途半端
はいけません。疑うのならば、徹底的に疑わなければいけない。

 「ガス室など無かったのではないか?」という疑問を抱くのであれば、じゃあ、
なぜその「無かった」ガス室が、歴史的事実として「あった」ことにされているの
か、という当然の疑問も抱かなければなりません。どうしてアカデミズムの歴史学
者は全員(と言っても間違いないはずです)、ガス室の存在を認めているのでしょ
うか? どうして大戦と終戦後の冷戦期を通じて、鉄のカーテンのあっちとこっち
でホロコーストが確固たる歴史的事実とされ続けてきたのでしょうか?

 なぜみんな嘘をつき、嘘を信じ続けているのか? この疑問に答えられなければ
疑いは晴れません。

 「シオニストの陰謀だ」という声が聞えます。間宮さんかな? 西岡さんかな?
ならばその「陰謀勢力」は、全世界のアカデミズムを完全に支配し、国連安保理の
常任理事国すべてを意のままに操り、ついでにマルコポーロを廃刊に追い込んだ、
ちうことになるでしょう。そのうち証明されているのは、せいぜい「アメリカのユ
ダヤ人団体SWCが広告ボイコットの圧力を文藝春秋にかけてマルコを廃刊させた」
てな事実ぐらいで、「シオニストによるアカデミズム支配」も「国連傀儡説」も何
一つ証明されていません。

 「証明したくとも陰謀勢力に邪魔されてできないのだ」という声も聞えます。つ
まり、証明されないという現状こそが、「陰謀勢力」の凄じいパワーを逆説的に証
明する、てな理屈でしょうか。こうなるともはや「Xファイル」の世界です(笑)

 じゃあ、そう言っている当人は、いかにして「陰謀」の存在を知ったのでしょう
か? 国連の秘密ファイルを見たのか、「陰謀勢力」の中枢メンバーに個人的なコ
ネクションでもあるのかと、わくわくしてみれば、全然期待外れです。我々同様の、
ごく普通の一般ピープルの一人でしかありません。その一般ピープルが本屋さんで
久保田某の本を買って熟読したり、アメリカで売られているIHRのパンフレット
を読んだりして「陰謀」の存在を知るに至ったのです。

 「陰謀」というのは、辞書によれば「人に知られないようにこっそり企てた、よ
くない計画」とあります。一般人が誰でも本屋さんで買える本や雑誌に書かれてい
る「陰謀」の、どこが「知られない計画」なんですか? 誰もがみんな知っている
「陰謀」ならぬ「陽謀」なのか、もしくは「陰謀」など妄想の産物にほかならない、
ちうことでしょうが。

 疑うならまず「陰謀論」を疑うべきです。ガス室の存在を疑うのは、それからで
も遅くはありません。



#1324/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/12/19 13: 1 ( 74)
MASAさんの想像力には感嘆します。       三鷹板吉
★内容

 ガス室ならぬ、火葬炉からの熱を利用した「死体乾燥室」ですか。想像にしても、
そこまでリアルに語られると「そんなこともあったかもしれないな」という気持ち
にさせられてしまいますね。

 アウシュビッツ・ビルケナウ収容所で唯一破壊を免れた「ガス室」として、現在、
アウシュビッツ博物館に公開展示されているクレマ1の構造が、ガス殺→死体焼却
の作業を効率的に行うようには出来ていない、というMASAさんのご指摘は、当
たっているかもしれません。

 歴史学者の述べるところによれば、クレマ1は収容所内の病院のそばにあった死
体焼却施設を改造したものであり、元々ガス殺用に設計された施設ではありません
でした。三鷹が思うに、病院で発生する病死体を消毒を兼ねて焼却するために、そ
のような施設を併設していたのでしょう。その焼却施設内の死体置き場が、後にガ
ス室に改造されました。死体置き場には換気装置が備えられていたこと、焼却炉が
すぐそばにあったことが、そのような目的にふさわしい場所として選ばれた理由で
しょうね。

(その後、終戦間際には、この元死体置き場のガス室はさらに改造され、防空壕と
して使用されたと聞いています。ナチスドイツの徹底した合理精神をかいま見る思
いです。かの国においては、幽霊屋敷もお岩さんも消毒され消滅させられたことで
しょう。戦後、アウシュビッツを博物館にする際に、その防空壕をもういっぺんガ
ス室に復元したとのこと)

 設計思想を云々するのなら、クレマ1より、ガス殺→死体焼却作業を設計段階か
ら想定して建てられた、クレマ2から5について考察すべきでしょう。

 三鷹の手元にある設計図や写真は、さほど多くはないので、MASAさんのご期
待に沿えるかどうか心配なのですが、参考になりそうなものを一つ紹介しましょう
か。98外字で描いているので、他機種をお使いで読めなかったらそう言ってくださ
い。

    焼却炉(地上)
↓      脱衣所(地下)
・・・・ ↓
・ ・ ・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・ ・・・・・・・・ ・
・ * * * * * ・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・  ・
     ・  ・←ガス室(地下)
・  ・
・・・・・

 これは、三鷹がニツコーで入手したクレマ3の航空写真(1944年8月25日撮影)
で、真上から見た図です。ガス室の屋根には、チクロンBを投入したとされる穴が
ハッキリと写っています。

 クレマ3と同型だったクレマ2の焼却炉内部の写真もあります。クレマが破壊さ
れる以前に撮影されたものでしょう。3連の焼却室が5つ並んでいます。
 航空写真でいうならば、凸型の焼却炉全体の、横長の部分に「*」で示すように
焼却室が並んでいたようです。

 焼却炉とされる部分が、ガス室に隣接してはいないということがお分かりでしょ
うか? この構造のクレマにおいては、MASAさんが想像されるような「焼却炉
の熱による死体乾燥」は、ちょと難しかったのではないか、と推察します。逆に言
えば、死体乾燥を目的の部屋だったなら、こんな風には作らずに、凸型の底辺に長
辺を沿わせるような形に作ったでしょう。

 三鷹はむやみに結論を急ぐワケではありませんが、「自然・不自然」で言うなら
ば、MASAさんの想像する「死体乾燥室」は、現実には存在しなかった、と考え
るのが、どちらかと言えば「自然」なのではないでしょうか?

 また、MASAさんは、信じる信じないの「信仰」や「価値」の問題と、ある無
いの「事実」の問題を意図的に混同なさっているようです。ガス室は、神さまやイ
デアなどとは違い「信じればある、信じなければ無い」という宗教的哲学的存在で
はありません。歴史学者が満場一致で「ある」としている歴史的事実です。それを
認めるか認めないかが、西岡さんに、三鷹に、MASAさんに問われているのです。
形而上学的な物言いは無意味です。

 想像をあれこれ並べる前にメモや写真の「現物」を確認してみたらどうですか?
ニツコーで見ていただいてもいい。MASAさんがファクスをお持ちならば、番号
を教えてくだされば、三鷹が送って差し上げてもいいですよ。



#1326/**** 研究室「パンドラの箱」
★タイトル (QYA33902) 96/12/20 13:12 ( 41)
「アウシュビッツ犠牲者400万」はプロパガンダです 三鷹板吉
★内容

 これはハッキリ言っておいた方がいいでしょう。中国の南京にある「侵華日軍南
京大屠殺死遭同胞紀念館」にでかでかと掲げられているという「遭難者三十万」と
いう看板と一緒で、歴史学者の実証研究とは無縁の、政治的プロパガンダです。多
きをもって善しとする、てのが、この手のプロパガンダの常道です。

 ちょと前に間宮さん宛のMSGでも触れましたが、以前ポーラ塔h政府が「アウ
シュビッツの犠牲者400万人」てな政治的プロパガンダを唱え、アウシュビッツ博
物館もその数字を堂々と提示していた、というのは事実です。その内訳は「ユダヤ
人250万人、その他150万人」です。プロパガンダの力点は、「その他150万人」に
あります。その大半が「カトリック系ポーランド人」とされます。また「ユダヤ人
250万人」のうちの多くが「ユダヤ系ポーランド人」だったということも強調され
ます。

 つまり「犠牲者400万」という数字は、「ナチスドイツの(最大の)犠牲者は(ユ
ダヤ人ではなく)ポーランド人なのだ」という、ポーランド政府の政治的主張を示
すものだったのです。カッコ内の強調され具合は、国外向け、国内向けによって違
います。三鷹はまだ確認していないのですが、ポーランドの小中学校の教科書では
「犠牲者の大半はポーランド人」とされていたそうです。これは明らかに誤った主
張です。ワレサがそんなことを言って物議をかもしたこともありました。

 歴史学者の見解はそれとは異なり、定説的記述としては、100万人から150万人で
す。比較的多めに見積もっている学者でも200万というところです。そのうち90%
以上がユダヤ人だった、とされています。この数字は、昨日今日のものではありま
せん。例えばラウル・ヒルバーグの「ヨーロッパ・ユダヤ人の絶滅」という、ホロ
コースト研究の定番的著作が近々邦訳されますが、この本の初版は1961年です。

 もちろん、歴史学者の主張する数字は「少なくとも」という但し書き付きのもの
であり、それ以上の数の人間が殺された「可能性」を否定するものではありません。
でも、そのこととプロパガンダによる400万という数字とをゴッチャにすると、見
えるはずのものも見えなくなります。

 ポーランド共産主義政権の崩壊後の最近、アウシュビッツ博物館に提示されてい
た犠牲者数が400万から150万に変更されたそうです。政治的プロパガンダを捨て、
歴史学の研究成果を採用した、ということでしょう。ごく当たり前のことをようや
く・・・ちうことですね。

 


 アウシュビッツ・ビルケナウのガス室には偽装用のシャワーヘッドが取り付けられていました。このことに関する証言も、証拠書類もあります。でも、アウシュビ
ッツに現在展示されている「元ガス室」にはシャワーヘッドはありません。MASAさんがTVで観たという「シャワーつきのガス室」は、戦中の映像か、別の収容
所のものか、あるいは「再現映像」の類か、どれかでしょう。

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(私論.私見)