42838 | マスコミ、文化運動、宗教者の戦争責任について |
「文芸春秋」
「銃後文芸の一大戦車」を宣伝文句に生き残ってきた。
「従軍記者のレポートは、まず出先陸軍報道部の検閲を受け、本社のデスクでチェックされる仕組みになっていた。例え紙面に載せてみても、内務省図書課(憲兵が常駐)の検閲にひっかかれば、報道禁止、責任者の処分となるのは目に見えていた」(秦郁彦「南京事件」P17)
検閲行政の総本山である内務省は、新聞紙法、出版法の規定に基づき、「安寧秩序を紊(みだ)し又は風俗を害する」出版物の発行や販売を差し止める権限を持っていた。この漠然として表現は、どうにでも拡張解釈できる余地があったから、マスコミに対する生殺与奪の宝刀だったと言ってよい。(秦郁彦「南京事件」P22)