ダイエー乗っ取り史その1、経営「再建」の動き |
更新日/2019(平成31→5.1栄和元年).8.22日
2002.4月、ダイエーが、産業再生法を経済産業省より適用された。次々と「再建策」が講ぜられて行くが、果たして「再建策」であったのか、漸く正体を現したウォルマートによる乗っ取りの為の地均しであったのか、官邸、官僚、政治家が如何に蠢いたのか、それを検証していく。 2004.9.3日 れんだいこ拝 |
2002.4月、ダイエーが、銀行団からの債権放棄を受ける企業に対する初の産業再生法を経済産業省より適用される。 |
5.21日、プロ野球、福岡ダイエーホークスの中内正オーナーが、野球やホテルなどの「福岡3事業」以外の役職辞任。信販会社のダイエーオーエムシーなどダイエーグループの役職をすべて辞任したことを明らかにした。退職金も辞退する意向。今後は福岡3事業の経営に専念するという。 |
5.30日、ダイエー、プランタン銀座株を読売に売却。百貨店子会社、プランタン銀座(東京・中央)の保有全株式(発行済み株式の99%)を読売新聞社に40億円で売却すると発表した。三越が読売から発行済み株式の30%を取得し、銀座地区で勢力拡大を目指す。 7.1日、ダイエー、2003年1月までに8店舗閉鎖・店舗名発表。閉鎖するのは西岡店(北海道)やディーマート金岡店(大阪府)などの不採算店舗8店。子会社2社の計3店舗も併せて閉鎖することを決めた。ダイエーはすでに、不採算店舗40店と子会社のディスカウントストア20店舗の閉鎖を新再建計画の一環として発表しており、2003年2月期の業績予想に変更はないとしている。閉鎖するのは、グルメシティ芦屋店(兵庫県)、清水店(静岡県)、グルメシティ門司店(福岡県)、西岡店(北海道)、鶴岡店(山形県)、秋田店(秋田県)、橋本店(神奈川県)、ディーマート金岡店(大阪府)の計8店。子会社のディー・ハイパーマートは、丸亀南店(香川県)と二見店(兵庫県)の2店。同じく子会社のダイエー・ホールセールクラブ・コーポレーションは「Kou’s厚木店(神奈川県)をそれぞれ閉鎖する。 |
8月、ダイエーが、主力三行から債務免除を含む総額約5200億円の金融支援を受けるなど、現在経営再建中。 10.18日、ダイエーの8月中間、単独経常益91億円。ダイエーが18日発表した2002年8月中間期決算は、単独経常利益が前年同期の1.5倍の91億円となった。期初予想では110億円を目指していたが、デフレの長期化や天候不順などで7月の既存店売上高が大きく落ち込んだこともあり、目標とする利益には届かなかった。2003年2月期通期の経常利益目標200億円(前期比42%増)は変更しない。中間期の連結純利益は1200億円を予想していたが、前年同期比5.4倍の1404億円に上方修正した。 |
2003.1.14日、経営再建中のダイエーが、新浦安オリエンタルホテル(千葉県浦安市)などグループの四ホテルを米証券大手のゴールドマン・サックスグループに約500億円で一括売却することが明らかになった。今期の事業売却では最大規模。カード会社を除き1兆2000億円に上る有利子の負債削減を進める。 売却対象は新浦安のほか、神戸メリケンパークオリエンタルホテル(神戸市)、なんばオリエンタルホテル(大阪市)、ホテルセントラーザ博多(福岡市)。各運営会社などの保有株式をゴールドマンに譲渡する。ホテル会社の経営陣や名称は当面、現状を維持するもようだ。 ダイエーは2005年2月末までに有利子負債をカード会社を除き9000億円まで圧縮する計画。今回の対象に含まれない新神戸オリエンタルホテル(神戸市)と西神オリエンタルホテル(同)も2004年2月期以降の売却を目指す。シーホークホテルアンドリゾート(福岡市)は福岡ドームなどとセットで売却を検討しており、1980年代以降、事業の多角化で手掛けた都市ホテル事業から原則、撤退する。 |
2003.12.2日、ダイエーが、「福岡事業」の再建計画を正式発表し、福岡事業、球場・ホテルを米投資ファンドのコロニー・キャピタルに売却すると発表した。主力6行とともに総額260億円の債権放棄を実施する。球団は来季も保有するが、赤字は全額補てんする。これにより、ダイエーの連結有利子負債は1000億円減り、2004.2月期末の目標達成は確実。今後は本業の収益力向上が課題になる。 福岡事業は球団、球場、ホテルの3つが柱。このうち球場・ホテルの保有・運営会社が約1100億円の有利子負債を抱える。傘下の新神戸オリエンタルホテル(神戸市)などを米モルガン・スタンレー証券に125億円で売却するほか、債権放棄などで600億円程度に圧縮する。コロニーは来年2月末までに保有・運営会社に150億円程度を出資し100%子会社にする。5人制サッカー場や温泉施設などを建設する計画。 高木邦夫ダイエー社長は記者会見で、「球団は継続保有が基本」と語った。ダイエーは福岡二事業を連結対象から切り離すことで、2004年2月期末までに有利子負債(カード事業を除く)を1兆900億円に減らす目標を達成する見込み。 |
2004.3.29日、ダイエーは5月に開く株主総会で経営陣を大幅に刷新する方針を固めた。16名いる取締役の3分の1近くを入れ替える。退任候補としては旧通産省出身の雨貝二郎会長(58)などの名前が挙がっているもよう。高木邦夫社長(60)は留任する。経済産業省から新たな人材を迎え入れたい考えで、これから具体的な人選に入る。 |
2004.4.16日、ホークス社長辞任めぐり、ダイエーと高塚氏対立。ダイエーは、福岡ダイエーホークスのオーナー代行兼社長の高塚猛氏(57)が、ダイエーの高木邦夫社長に球団社長の辞任を申し入れ、了承したと明らかにした。これに対し、同日午後、福岡市で記者会見した高塚氏は「辞任したいとか言った覚えも言われた覚えもない」と辞意を否定、球団運営をめぐる親会社と高塚氏の対立が浮き彫りになった。 高塚氏は、経済系出版社「ダイヤモンド社」(東京)からの要請で、6月末に同社社長に就任することが15日判明し、球団親会社のダイエーは「兼務は大変難しい」とコメント。高木社長は16日の決算発表会見で「辞めていただく」と述べており、高塚氏の球団社長続投は極めて難しい情勢だ。 高塚氏は16日の会見で「業務が大変なら球団社長を辞めるかもしれないと、高木社長に言った」と説明。ただ、ダイエー本体からの役員派遣による球団経営陣強化などを理由に、「兼務は十分可能」との認識を示した。 高塚氏はさらに「もし兼任が認められないなら、ダイヤモンドを辞めても良いと思っているくらい」などとも述べた。一緒に会見した球団の中内正オーナーも、高塚社長の続投を支持した。〔共同〕 |
7.30日、ダイエーは、3000億円の金融支援を要請し、オーエムシー(OMC)カード株の一部売却を柱とする新再建計画案をまとめ、UFJなど主力取引銀行に提示した。 今年2月末で1兆751億円の連結有利子負債を3年後をメドに4000億円台に削減。同時に投資ファンドなどから1000億円程度の出資を受け、新規出店などに充てる。ただ、UFJを軸にした金融機関の経営統合問題が絡み、決着には時間がかかる可能性がある。ダイエーは週明けからUFJ、三井住友、みずほの主力3行の実務者と具体的な協議に入る。 |
8.11日、格付投資情報センター(R&I)は、ダイエーの長期債格付けを従来の「シングルB」から「シングルBマイナス」に1段階引き下げたと発表した。再建計画の策定をめぐって、UFJ銀行など主力行とダイエーが対立しているため、「これまでダイエーの信用力評価の前提としていた主力行との円滑な関係が変化しつつある」と判断した。長期優先債務格付けも「シングルBプラス」から「シングルB」に一段階引き下げた。 |
続きは、「ダイエー乗っ取り史その2、ウォルマート名乗り以降の動き」 |
(私論.私見)
ダイエー球団がこれまで同様の形態で存続することになった18日、前オーナーの中内功取締役会長が辞意を表明した。既に球団経営の一線を退いてはいたが、形の上でも球団から離れることになった。 昨年1月に父親からオーナー職を引き継いだ二男の中内正オーナーは「会長の辞任は、自立しろということだと思う。ひとつの時代が終わったという感じ」とのコメントを球団を通じて発表した。〔共同〕