ナベツネのダイエー球団消滅策動考 |
ナベツネのダイエー球団消滅策動考 | れんだいこ | 2004/09/04 |
2004年現在、プロ野球界の再編を廻って揺れに揺れている。多くの論者は、これを純然プロ野球問題として捉え、この騒動の火付け役ナベツネの動きを「賢明」と評する向きも生まれている。他方、現行セ・パ2リーグ制から1リーグ制への転換は却ってプロ野球界の衰退を招くとして反対する動きも生まれている。 れんだいこは、プロ野球再編問題を別の角度から見ようとしている。「ナベツネの動き」はダイエー乗っ取り策動と連動しており、その観点からダイエー球団の吸収合併を画策しようとしている。意図するところは、ダイエーの名を消そうとしているところにあるのではないのか、それはダイエーのウォルマート化促進のための必要な作業として設定され、エージェント・ナベツネがこれに乗り出しているのではなかろうか、と見ている。 なぜなら、ナベツネはこれまでプロ野球界を愛したことは一度も無く、読売新聞社の拡販の道具として利用してきただけであり、大衆的に愛好されているプロ野球界の隆盛に尽力することは一度も無くただひたすら自らがオーナーである巨人球団の絶対優位を確立せんが為の策動を凝らしてきた御仁でしかないから。 こたびのプロ野球界再編騒動において、選手団が幅広く意見を集め英明な対応を願うとの当然の要求をしたところ、概要「たかが選手の分際で経営問題に口を挟むとは何事か」と叱責したが、この言辞こそナベツネが何者であるかを語っていよう。 ナベツネは、元日本共産党員であったことをむしろ誇って自ら語る。しかし、「たかが選手(労働者)の分際で」云々は、元であろうが現役であろうが氏が真性の共産党員であったことは無いことを証している。 ナベツネが何者か、れんだいこは、「ナベツネ(渡辺恒雄)」に記した。 mascomiron_yomiurico3.htm それによれば、ナベツネの共産党員時代の行状は、権力当局と内通する宮顕との連携で、当時の党中央徳球−伊藤律系の運動に徹頭徹尾反対し内部分裂を企てていたその種の活動歴でしかない。そういう意味で、ナベツネの元日本共産党員誇りは眉唾のものでしかない。 そのナベツネはその後読売新聞社に入社し、戦前の特務機関上がりの正力松太郎オーナーの指揮下で頭角を現し、遂に読売新聞社グループのトップに上り詰めることになった。その過程は、ロッキード事件で表面化した米国系企業のエージェント・児玉誉士夫の下足番として中曽根と共に立ち働き、相提携しつつそれぞれの「野望」を達成していく道程であった。れんだいこ観点に拠れば、児ナベツネと云い中曽根と云い児玉と同じ穴のムジナであり、口では民族主義的な物言いするが、正真正銘の売国奴グループの総帥であるように思われる。 そのナベツネが、ウォルマートのダイエー乗っ取りの動きに合わせて、プロ野球界再編策動に乗り出している以上、れんだいこは、この流れの中でプロ野球界再編策動を捉えるのが正解ではないかと思っている。恐らく、乗っ取り上邪魔になるダイエーの国民的知名度を消し去ろうとしているのであろう。 2004.9.2日、ナベツネは、「パ・リーグ内でもう1組の合併が成立して10球団になった場合、巨人のパ・リーグ移籍を検討していることを明らかにした」。それまでの1リーグ制化論を放棄し、現状の2リーグ制を保った上で、何としてでも「もう1組の合併」の流れを作り出そうとしている。 ナベツネが一貫して拘っているのはダイエー球団の消滅であることが判明する。ナベツネは何故に執拗に拘るのか、もはや明らかでは無かろうか。奇しくもナベツネは己の本質をその最後の晩節で自ら曝け出している。余命いくばくもない身でのこの老醜の悪行の馬鹿さ加減をじっくり見させてもらおうか。 2004.9.4日 れんだいこ拝 |
2004.6.23日、大阪近鉄・オリックスの合併が突然発表される。
6.29日、ライブドア社(堀江貴文社長)が近鉄買収に名乗りを上げる。近鉄は「信頼できない」として拒否。ナベツネ「カネがあればいいという問題ではない。ライブドアなんて会社は知らない」。
7.7日、オーナー会議後、西武の堤義明オーナーが、「もう一つの合併が進行中」と発表。1リーグ化の流れを生み出す。
この間、選手会は、突然の動きに反発、2リーグ12球団制維持を主張し、オーナー側と対立。古田選手会会長は、オーナー側との話し合いを求めたが、巨人・渡辺恒雄オーナーが「無礼だ。たかが選手が」と発言、物議をかもした。選手会側は合併反対の署名活動を展開。
7.27日、巨人の球団事務所に右翼団体「生気塾」、「義友連合会」の幹部3名が訪れ、「明治大学の一場靖弘に対する金銭授受疑惑」を追求する。
8.6日、ロッテがダイエーに合併を打診。ダイエーの高木邦夫社長がこれを拒否。
8.12日、選手会メンバー752名のうち661名に無記名投票を行った結果、648名、98%の賛成を得てストライキ権を確立。日本プロ野球組織(NPB)にスト決行の可能性を通告。
8.13日、巨人・渡辺恒雄オーナー、堀川吉則球団会長が辞任。読売新聞東京本社社長・滝鼻卓雄が新オーナーに就任。新球団代表に清武英利、新社長に桃井恒和。
8.23日、選手会とNPBが協議交渉委員会を持ち話し合う。この場で、選手会側は、ストを回避する最後の手段として「特別委員会」の開催を求める。これは両リーグ会長と経営側、選手側がそれぞれ代表4名を出し合って議題を審議、議決する、というものであった。プロ野球協約に保障された制度である。
協議交渉委員会後、12球団代表者会議が開かれ、「特別委員会」の開催を拒否決定する。代案として「オリックス・近鉄統合に関する委員会」を提案。しかし。これは議決権の無い会議で何の拘束力も持たないもの。選手会側は、「特別委員会の設置はプロ野球協約に定められており、それが何で開催されないのか」として一斉に反発した。
会議の翌日、選手会は、根来泰周コミッショナーに対し、特別委員会開催の指令を出すよう要求。コミッショナーはこれを無視。選手会側は話し合いの場を失う。
8.23日、高木社長が銀行の圧力に屈する形で経営責任を取らされる。
【ナベツネのダイエー潰し恫喝考】 |
2004.8.31日、ナベツネが中川経済産業大臣にダイエーの産業再生機構入りへの働きかけをプッシュしていることが判明した。「いい加減ダイエーを産業再生機構に送れ」と直通рオていることが報ぜられており、依然として裏権力を行使していることが暴露された。 この前後、驚くべきダイエー球団の実態がリークされている。それによると、ダイエーが福岡ドームとホテル事業を米国投資会社、コロニー・キャピタル社に売却した際に同社の100%子会社として兜汢ェダイエー・リアル・エステート(FDRE)が設立されたが、この時本来球団が保有すべき興行権をも譲り渡していたとのことである。それはプロ球団規約に反する秘密協定であった。かくなる非常措置でもってダイエー球団は既に実質上死に体にさせられており、外堀が埋められていることを意味する。 中内正オーナーが、ナベツネ、その意向を受ける堤・西武オーナらから「悪いようにはせぬ。君の身分は保証するから」と事前工作され、オーナー会議の席上で自ら「合併したい」と言うように申し渡されていた、とも報道されている。 何ゆえにダイエーが狙われているのか。かくまで策略が弄されている真因を考究せねばならない。 |
【ナベツネ、堤、宮内オーナーによる「球界再編シナリオ」考】 |
巨人・ナベツネ、西武・堤、オリックス・宮内オーナーによる「球界再編シナリオ」が押し付けられようとしている。その他の端役は、パ・リーグ会長・小池唯夫、オリックス・小泉隆司球団社長、近鉄・小林哲也球団社長、西武・星野好男球団代表ら。 それによると、当初は、「10球団による1リーグ制移行案」であった。「オリックス・近鉄の合併」が既定方針となったことにより、パの各球団はこれまで「5球団以下による運営では赤字がふくらみ、球団経営はなり立たない」と主張。1リーグ制移行を目指すことで一枚岩の対応を見せてきた。しかし、選手会の抵抗が強く、世論も味方せず、「現行2リーグ制維持案」に転回した。最大の理由は、巨人オーナー・ナベツネと、根来泰周コミッショナーがここに来て口裏を合わせたかのように、「2リーグ制維持」を主張し始めたことによる。 ところが、ナベツネの目線は違う。あくまで「パ・リーグ内でもう1組の合併」を狙う。それにより、パリーグを4チーム化させ、セリーグの6チームとのバランスから5チームにするために、何と「巨人のパ・リーグ移籍」まで言及し始める。2004.9.3日付毎日新聞によると、「(根来泰周)コミッショナーがこの案を示し、パ側が来てくださいと言い、セの球団がどこも行かないというなら、巨人が行ってもいい」と語った、とある。 |
9.6日、読売新聞系列の「スポーツ報知」が、「ダイエー機密文書あった、外資に実質経営権」の見出しで、ダイエーの野球協約違反をすっぱ抜く。ダイエーが、米国投資会社・コロニー・キャピタルの子会社などに興行権を与えている事実が明るみにされた。外資企業が興行権を握る場合、協約違反でダイエーに実質上、運営資格が無くなる。
【ダイエー吸収合併へロッテ100億円提示】 |
2004.9.6日、パ・リーグの臨時委員会で、オリックスと近鉄との合併が実質上承認された。9.8日、臨時オーナー会議で確認された。 これにより、以前から「身売り」がうわさされたダイエーが、100億円でロッテに吸収合併されることが決定的になった。「ダイエーは福岡ドームを所有する米投資会社、コロニー・キャピタルと本拠地を30年間動かさない契約を結んでいるため、本拠地は福岡を維持することになるが、この点についてもロッテは容認するどころか、韓国に近いこともあり、むしろ歓迎の方針」(「ダイエー吸収合併へロッテ100億円提示」)とある。 UFJなどダイエーの主力銀行3行は、本社業の再建に産業再生機構の活用と同時に、ダイエー球団の売却を要請していることが、6日明らかになった。ダイエー側は否定しているものの、1兆円を超える負債の削減がうまく進まない現状では売却は避けられない状態。ロッテはすでにダイエー球団を吸収合併するため100億円の買収金額も提示済み。九州に本拠を置くメリットも多いため「福岡ロッテ・ホークス」となることが濃厚だ。 |
9.7日、読売新聞本社で、ナベツネ、千葉ロッテの重光昭夫オーナー代行、濱本英輔球団社長が秘密会議。
9.8日、臨時オーナー会議が開かれ、近鉄・オリックスの合併の承認は為されたものの、「もう一組の合併による1リーグ化構想」は見送られ、事実上頓挫する。
【球界新規参入にライブドアと楽天が名乗り上げ。労使協議の最大焦点として浮上】 |
球団合併を巡るストに突入するかどうかでプロ野球労使の協議が続くなか、もインターネット関連の新興企業「ライブドア」と「楽天」の2社が球団経営の新規参入に名乗りを上げた。日本プロ野球組織(NPB)は、時間的な制約を理由に来季からの参入には否定的な姿勢を見せている。しかし、この問題が労使協議の行方に大きく影響を与えそうだ。
【ライブドア】 【楽天】 根来泰周コミッショナーは加盟料撤廃や、加入の可否を審査する第三者による検討委員会の設置などを提案。参入条件を緩め、透明性を高める考えを示したが、「審査を受ける必要がある」と強調している。 |
(私論.私見) 根来裁定について |
【根来泰周(ねごろ・やすちか)コミッショナー考】 |
根来氏の経歴は次の通り。1932年、和歌山県生。神戸地検検事、法務省刑事局長、同事務次官(法務省事務次官というのは法務省の事務方トップで、検察ナンバー3の肩書きになる。その上は東京高検検事長、そして検事総長しかない)、東京高検検事長を歴任し、1996.8月から一昨年7月まで公正取引委員会委員長を務めた。 |
(私論.私見) 根来コミッショナー考 認識を正しくする上では、根本とナベツネの関係を探ることであろうが、その種の評論は見当たらない。れんだいこが見るところ、ナベツネ同様野球とは何の縁を持たない異邦人の闖入には違いない。 |
【結局、ソフトバンクがダイエー球団買取】 |
2004.11.12日、ソフトバンクが、ダイエー球団の全株式を50億円で買収することで合意した。ソフトバンクは、球団の興行権を握る米投資ファンドのコロニー・キャピタル社からその権利を150億円程度で譲り受ける見通しになっている。 |
(私論.私見)