46−3 | 公共事業論 |
2003.12.7日付け毎日新聞の発言席欄に、国土交通省技官・大石久和氏の「競争力理念に国土整備を」なる一文が掲載されている。これをれんだいこ風にアレンジしつつ概要紹介する。昨今「無駄な公共事業で財政が悪化した」との批判が為され、「公共事業=悪」、「公共事業費縮減こそが善」の風潮を醸成している。果たしてそうだろうか。 公共事業とは、広辞苑に「社会公益の利益を図るための事業」と記されている。 戦後の高度経済成長の背景に、「国土の均衡ある発展」という理念の下に進められた社会資本整備があった。社会資本は、地域経済、産業の基盤として、国全体の発展に寄与してきた。 21世紀を迎え、構造転換が必要だ。これからの時代に必要な社会資本整備の理念は、「地域競争力」、「国際競争力」ではないだろうか。 中国は、この20年間で世界第二位の高速道路大国となった。昨今の中国の経済躍進は、安い労働力に加え、効率的な物流システムなどの構築が重なって実現したと解釈すべきだ。高速道路網という社会資本の整備が経済発展の起爆剤の一つとなったと云える。 我が国が今後も経済大国として確固たる地位を確保し続けようとするなら、世界各国と伍していく競争力が欠かせない。その為には経済力だけでなく、歴史、文化、風土、そして自然という観点から、世界に誇れる国土を構築していく必要がある。必要な事業を峻別し、そこに投資を集中する。これが「競争力」による社会資本整備の理念である。 「競争力」という新しい理念に基づき、社会資本整備の必要性や重要性について、多くの国民に問いかけ、より理解を得るよう努めて行きたい。これは社会資本整備に携わるものの使命と考えている。 |
(私論.私見)