333―12 狂人ブッシュのトンデモ考

 (最新見直し2006.5.13日)

 ブッシュのどこが狂人なのか、的確に言い当てることの出来る者は少なかろう。なぜなら「強い者に巻かれろ」式の者はそういうことを考えないからである。在野反骨のれんだいこには分かる。一言で云えば、その論理が「目的のためには手段を選ばず」にファナティックなまでに貫徹されているという異常さによってである。二言目を添えれば、そうやって導入される手段がサド的なまでに嗜虐的であるからである。この二点がブッシュの狂人性を表わしている。

 こう云う人物を大統領に据えるようになった米国史は、米国史の歩みの必然の結果である。それを思えば、如何に米国史が「血塗られた覇権抗争史」であるかが判明する。今後とも当分の間米国はこの狂人に指導され続けることになるが、自業自得であるだろう。世界も又当分の間その「偏狭正義論」に強請(ゆす)られることになるだろう。現代世界史の焦点はこの激動にあるように思われる。

 2003.4.24日 れんだいこ拝


オニール証言、米、水爆の「引き金」14年ぶりに生産】
 米エネルギー省は24日、核兵器の最も重要な部品の一つで、爆発を引き起こすプルトニウム・ピット(塊)を14年ぶりに製造したと発表した。水爆の核融合反応を引き起こす「引き金」として使われるほか、それ自体で長崎原爆と同様の原爆となる。ソフトボールほどの大きさで、同省は1989年に製造を停止していた。核軍拡に反対する国々からの反発が出るのは確実だ。

 ピットは、核融合を利用する核兵器(水爆)に核融合反応を起こさせるきっかけをつくるための球状の塊。核爆発を起こすプルトニウム239が材料で、核兵器の先端部分に取り付けられる。

 エネルギー省によると、ロスアラモス国立研究所で生産され、潜水艦から発射するトライデント型ミサイルの核弾頭用に使われる。エネルギー省は、今後、シミュレーションや臨界前核実験などを通じて、ピットの性能を確認、2007年以降、年間10個のピットを生産するとしている。 (日経01:07)

【オニール証言、イラク軍事攻撃はブッシュ政権発足直後の指令

 2004.1.11日、オニール前米財務長官が、米CBSテレビ放送番組「60ミニッツ」で、ブッシュ政権が01年1月の発足直後から対イラク軍事攻撃を検討し始めていたことを証言すると明らかにした。同テレビが発表した録画インタビューの抜粋によると、オニール前長官は「(ブッシュ政権には)最初から、サダム・フセイン(イラク元大統領)は悪者であり消え去らねばならないという確信があった」と内幕を暴露。「米国は自ら決めたことを何でも実行する一方的な権利があるという概念は、私には全く行き過ぎと思える」と非難している。

 AP通信によると、マクレラン米大統領報道官は10日、イラク攻撃の検討開始時期に関する指摘を否定も肯定もしないまま、「(フセイン元大統領は)9月11日(01年の米同時多発テロ)の前から平和と安定に対する脅威であり、9月11日の後にはもっと脅威になった」、「オニール氏は、我々が米国民のために達成した成果を直視するというより、彼自身の意見を正当化しようとしているように見える」とコメントした。


オニール証言考 れんだいこ 2004/01/11
 前財務長官・オニール氏が、「ブッシュ大統領は経済政策に反応無し。同時テロ前からフセイン追放を決意していた」ことを暴露した。

 2004.1.11日付け毎日新聞、AFP=時事は次のような重大記事を特報している。背景にどういう事情があるのか分からないが、れんだいこは興味津津で注目している。

 こたび重大証言したポール・オニール・元財務相長官は、大規模減税への反対や度重なる為替問題などでの失言で、2002.12月、ブッシュ大統領から突然更迭された経緯を持っている。従って、オニール証言を「突然更迭された“恨み節」として軽く見なす見解も生まれている。果たしてそうであろうか。

 オニール氏は、退任後の初のインタヴューで、ブッシュ大統領を、「耳の聞こえない連中の中にいる目の見えない男」と表現し、これが1.11日のCBSテレヴィで放送され、11.13日発行のウォール・ストリート・ジャーナル掲載の記事につながる。この記事「忠誠の宣誓書の値段」(The
Price of Loyalty Book)は、オニールと、その他の数十人のホワイトハウスの内部にいた高官が提供した1万9千の資料に基づいている。

 そういう伏線を経て、オニール氏がこたびの2004.1.9日、米CBSテレビの看板番組「60ミニッツ」の事前収録(11日放送予定)を行った。そのインタビュー内容の一部が事前公開され反響を呼んでいる。

 その内容は無論のことであるが、この時期にオニール証言を要請している米国政界事情が気にかかるところであろう。それはともかく、オニール氏が「辞任後初めて政権時代の内幕を公然と語った」。「閣僚時代の体験をもとに、ブッシュ政権の閣議の様子を暴露した」。

 オニール証言は二つの重要な史実を指摘している。一つは、ブッシュ大統領の経済政策に対する無知の暴露である。もう一つは、フセイン大統領討伐決意の時期の暴露である。どちらも驚くべきというか、この程度の大統領に全世界が振り回されている「時代の暗愚」さを撃っている。

 前者の「ブッシュ大統領の経済政策に対する無知の暴露」は次の通り。概要「財務長官就任後の大統領との初の政策打ち合わせの際に、経済政策を説明しても大統領からは全く反応が無く、私は1時間、独り芝居を演じた」、「閣僚たちはみんな大統領が何を考えているかを推測するしかなかった」、「大統領とアイデアや議論を自由にかわすことは奨励されなかった」。

 つまり、我が国の小泉首相にも通じているが、軍事マニアであっても経済政策能力はいわばオンチで、丸投げするしかない御仁であることを暴露している。現代世界を牛耳る「米英ユ」の黒幕におんぶにだっこで構わないというのであろうが、恥ずかしいことではあろう。れんだいこに云わせれば、いわゆるタカ派つうのはこの程度の者が多い。

 後者の「フセイン大統領討伐決意の時期の暴露」は次の通り。概要「ブッシュ政権は既に、2001.1月(大統領就任式内の数日間)に、イラクへの軍事的侵略の計画を作り始めていた。その8か月後の9.11事件後ではない。当初からサダム・フセインは悪人だという断定があり、追放されることになっていた」。

 オニール氏は、「米国が決めれば何でも一方的に実行する権利があるという先入観は、大変な論理の飛躍だ」と批判している。もっとも、ホワイトハウスのマクレラン大統領報道官はオニール氏の批判に対して「閣僚の意見をよく聴いたうえで、重要な政策決定を果断に下すのがブッシュ流だ」と反論している。

 近いうちにブッシュ政権の内幕を描いた「忠誠の対価(The Price of Loyalty)」(ロン・サスキンド著)が出版される予定であり、オニール氏はその主要な情報源となっているとのことである。同書には次のように書かれているとのことである。

 意訳概要「ブッシュは9.11の米同時テロ事件のはるかに前から、2001.1月のブッシュ大統領就任後3カ月のうちに、米当局者はイラクのフセイン大統領追放の軍事的選択肢を探り始め、イラク侵攻を計画していた。戦後の平和維持部隊、戦争犯罪法廷および戦後のイラクの原油の将来的処理といったその後の様々なプランを立案し検討していた」、「その『メモ』があり、それらの一つは『極秘』と記された『ポスト=サダムのイラクの為の計画』である」。

 同書の中でオニール氏は、ブッシュ大統領が「これ(フセイン追放)を実行する方法を見つけてこい」と言っていたことを明かし、なぜイラクを侵略しなければならないかについてライス大統領補佐官、パウエル国務長官、ラムズフェルド国防長官ら国家安全保障会議(NSC)のメンバーが誰も疑問を抱かないのに驚いた」とも述べている。

 以上の内容にれんだいこが補足すれば、次の史実が思い出される。ブッシュが大統領就任直後に確かイラクへの空爆が為されていたと記憶する。当時の記事を取り込む状態になかったので読み過しているが、パレスチナやイラクへの動きがあったと記憶している。となると、ブッシュ大を大統領に担いだ黒幕が居り、既にそのときシナリオが出来ていたということになるのではないのか。

 これを確かめようと思うが、新聞各社はご丁寧なことに著作権壕に立て篭もっており、当方としては為す術がない。読売辺りになると記事に一々「読売新聞 無断転載禁止」なる断りをしており、過去に何を書こうが書くまいが免責且つ記憶忘失期待的防空体制を敷いているのが笑わせられる。

 2004.1.11日 れんだいこ拝




(私論.私見)