337―5 地方議会の動き


2003年02月13日[毎日新聞]イラク問題:80地方議会が平和的解決求める決議・意見書

 米国がイラクへの攻撃姿勢を強める中、全国約3200自治体のうち80地方議会が紛争の平和的解決を求める決議や意見書を可決していることが毎日新聞の全国調査で分かった。

 都道府県議会で行ったのは北海道と福島、香川、大分の4議会。福島県議会が昨年12月18日に可決した意見書は「イラクが大量破壊兵器を開発、保有している疑いだけでは先制軍事攻撃を正当化する理由にはならない」と米国に慎重な対応を求めた。

 決議、意見書は昨年12月議会に集中しているが、米国のイラク攻撃に反対する内容が圧倒的に目立つ。同時にイラクへの注文も多く、「イラク自身が国連安保理決議を無条件に履行し、平和国家としての第一歩を世界に示さなければならない」(広島・廿日市市議会)▽「イラク政府は直ちに国際社会の懸念をふっしょくしなければならない」(新潟・六日町議会)――などの文言が見られる。

 またほとんどの決議・意見書は「国会及び政府は平和的解決に向け全力を尽くすよう強く要請する」(福岡・大牟田市議会)などと政府の役割に期待を示している。

 複数の自治体が決議・意見書を可決した宮城県や長野県のケースでは、市民団体や非政府組織(NGO)が一斉に議会に働き掛けていた。

 決議や意見書が否決・見送りされたケースもある。神戸市議会は昨年12月20日、2件の意見書の審議で可否が分かれた。「イラクに(国連査察に即時、無条件かつ積極的な協力を要請した)国連決議1441の誠実履行を促す」とした意見書は可決したものの、国連の決議に反して米国がイラク攻撃しないよう求める意見書は否決した。

 北海道・上磯町議会は「国の外交方針が定まっていないので、地方議会が口を出すことではない」などの声もあり意見書案を否決している。

 ■決議・意見書を採択した議会■

 (毎日新聞調べ、12日現在)

【北海道】北海道▽旭川市▽函館市▽恵庭市▽名寄市▽美唄市▽登別市▽余市町▽江差町

【宮城】古川市▽角田市▽大河原町▽南方町▽迫町▽桃生町▽津山町

【福島】福島県▽会津若松市

【千葉】船橋市▽浦安市

【東京】八王子市▽東久留米市▽狛江市▽小金井市▽西東京市▽調布市▽稲城市▽町田市▽立川市▽国分寺市▽清瀬市

【神奈川】城山町▽茅ケ崎市▽厚木市▽大和市▽座間市▽逗子市▽葉山町

【新潟】六日町

【長野】松本市▽岡谷市▽佐久市▽小諸市▽臼田町▽信濃町

【静岡】掛川市

【滋賀】能登川町▽高月町▽甲良町▽水口町▽草津市▽信楽町▽土山町▽甲西町▽日野町

【京都】綾部市▽加悦町▽向日市

【大阪】枚方市▽高槻市▽島本町▽吹田市

【兵庫】神戸市

【和歌山】美山村

【広島】廿日市市▽因島市

【徳島】牟岐町▽川島町

【香川】香川県

【高知】高知市▽野市町

【福岡】行橋市▽大牟田市▽八女市▽宗像市▽飯塚市▽山田市

【佐賀】浜玉町

【大分】大分県▽別府市