333―25 | 【ネオコン論理に潜むトロツキズムの影】 |
(最新見直し2005.6.16日)
【ネオコン論理に潜むトロツキズムの影】 | |
「“トロツキーの幻想”を追い続けるアメリカ・ネオコン[現代中国ライブラリィ]」等を参照し、れんだいこ風に纏める。
トロツキーの「永続革命論」とは何か。簡単に言えば、ソビエト革命の勝利は、引き続くヨーロッパ革命、世界革命と連動させることにより勝利するという観点に立ち、永続革命を指針させる論である。しかし、ヨーロッパ革命は敗北し、レーニン没後のスターリン派との抗争で、トロツキーは「一国社会主義」を唱えるスターリンに追放される。ソ連を追放されたトロツキーは、第4インターを結成し、レーニン派の跡目を相続したスターリン派の第3インターに対峙する。これは別名トロツキズムとも云われる。 アメリカのネオコンが誕生したのは、第二次大戦終了の前後だといわれる。第4インターの中から、スターリン率いるソ連批判が生まれた。トロツキーは、腐っても鯛で「労働者国家擁護」を標榜していたが、ソ連が1939年にナチス・ドイツと独ソ不可侵条約を締結したのを機に、ナチスと手を結ぶようなソ連を労働者国家として擁護することはできないとして、正統トロツキズムから分離した。 この系譜からネオコンが生まれる。その特徴は、トロツキズム式世界革命論に立脚しつつシオンの議定書派のシオニズムの青写真を遂行せんとするところにある。彼らは、自分たちは絶対的な正義だと信じており、その絶対的正義である「自由民主主義」を世界に広めなければならないと考えている。それは、かっての共産主義運動、レーニン主義、ボリシェビズム、トロツキー永続革命論、毛沢東主義のイデオロギーと似通っている。ネオコンに影響されたホワイトハウスや国防総省は、米国史上稀なるイデオロギーに染まっていると云える。 |
【ネオコン論理に垣間見える露骨なユダヤ原理主義の影】 |
ネオコンにはもう一つの特質がある。「トロツキズムとユダヤ・シオニズムとの政治的結合」に加えて「キリスト教右派とユダヤ教の奇妙なイデオロギー的接合」を獲得しており、これがネオコンのもう一つの特殊性であるように見える。それが実践的に企図するものは、「米国・英国―イスラエル連合による世界平定を通じてのワン・ワールド化、それに基づくグローバル・スタンダードの創出」であるように見える。 この流れには歴史的必然性がある。ソ連邦解体により「冷戦構造」が崩壊したが、この新事態を受けて創出されたのが「ネオコン・ドクトリン」であるように思われる。「ネオコン・ドクトリン」とは、冷戦時代の敵対巨頭ソ連と中国を封じ込め、次の強敵としてイスラム圏を標的と定め、その征討=「民主化」に乗り出すことを課題としている。その為に生み出されたのが「ネオコン・ドクトリン」であるように思われる。 興味深いことに、「ネオコン・ドクトリン」は、第二次世界大戦による日帝解体それに続く「民主化」を理想教材として「中近東の民主化」を目論んでいる節がある。してみれば、戦後日本の再建史は世界史的意義をもっていることになる。この先例が「中近東の民主化」に適合するのかどうかは保証の限りに有らずではあるが。 今やネオコンの野望は、アメ帝の覇権を後ろ盾にして「中東侵略戦争」に勝利し、イスラエル建国の一層の成功裡な推進、これを通じての「米・英―イスラエル連合による世界革命」の達成にある、ように思われる。 2005.6.16日再編集 れんだいこ拝 |
(私論.私見)