337―2 小泉内閣のアメ帝追従支援政策考


 対イラク攻撃 戦費負担しない意向、米国に伝える−−自民党首脳

 自民党首脳は26日、米国がイラク攻撃に踏み切った際の戦費負担について既に米側に負担しない意向を伝えていることを明らかにした。同首脳は「(米側から戦費負担の)要請もないし、考えていない」と述べた。

 (2003年2月27日毎日新聞朝刊から)

 2003年03月09日 イラク問題:米英へ洋上給油増強 半分以上を負担 政府検討

 政府は8日、米国のイラク攻撃に対する貢献策の一環として、テロ対策支援法に基づき海上自衛隊がインド洋周辺で実施中の米艦艇などへの給油量を、大幅に積み増す検討を始めた。すでに、2月末の閣議で給油対象国を米英2カ国から仏、独、ニュージーランドも加えた5カ国に拡大することを決定。米側へも非公式に「燃料補給の増強は可能」と伝えている。自衛隊派遣はアフガニスタンでの対テロ活動支援のためだが、イラク攻撃に兵力を集中する米軍などの負担を軽減し「間接支援」するのが狙いだ。

 米国はインド洋周辺への自衛隊派遣を高く評価。昨秋、対テロ活動の中心が地上でのテロリスト掃討から海上での逃亡阻止に移り、自衛隊の洋上補給が作戦全体に占める貢献度は高まっている。

 海上作戦には現在、12カ国約50隻が参加。作戦の拡充に伴い日本の補給対象国を増やす割り当ても決められた。ただし、仏などへの補給量はあまり多くはなく、海自が補給する主要な対象はあくまでイラク攻撃の中心となる米英両国だ。

 給油が始まった01年12月以降、米英両国に無償供与した燃料の総量は1年3カ月間で28万キロリットル、約106億円相当。米艦166回、英艦11回の計177回に上る。3日に1回のペースで補給してきた計算で、「米英の使用量の約4割を日本が負担している」(防衛庁幹部)という。イラク攻撃開始後はこの割合を増やし、少なくとも半分以上を日本の負担とする方向で検討している。

 政府は01年度に予備費で173億円を用意したが、使ったのは91億円(うち提供燃料費は41億円)で、余力を残した。02年度は計166億円(2月までの提供燃料費は64億円)を計上している。 【伊藤智永】

◇テロ対策支援法

 01年9月の米同時多発テロの脅威と戦う米軍などの活動を支援するための法律。自衛隊の活動範囲は、日本の領域▽公海とその上空▽相手国の同意がある場合の外国領域――で、戦闘行為が行われない地域における後方支援に限定。他国部隊に対する燃料や食料などの輸送や補給、傷病兵への医療活動、捜索救助活動、被災民救援活動などを行う。

[毎日新聞3月9日] ( 2003-03-09-03:01 )


 2003年03月12日イラク問題:経済対策は政府・日銀一体で 幹部ら緊急招集

 政府は12日、内閣府、財務省、経済産業省、金融庁の各事務次官・長官と日銀理事を首相官邸に緊急招集し、古川貞二郎官房副長官を中心に、イラク攻撃に備えた経済対策に関し意見交換した。古川副長官は会合の中で「これからも密接に意見疎通を図り、政府・日銀一体で経済対策に取り組んでいく」と述べ、必要に応じ今後も協議していく考えを示した。

 会合で財務省の林正和事務次官は、為替について「急激な変動には断固たる措置をとる」と発言。経産省の村田成二事務次官はエネルギー対策に関し「原油の供給は国際協調の枠組みがあり、深刻な問題が生じることはない」と説明した。

 政府は福井俊彦・日銀新総裁が就任するのを受け、福井新総裁と経済関係閣僚ら首脳との協議を早期に開き、具体的な経済対策についての協議を行うことにしている。

[毎日新聞3月12日] ( 2003-03-12-18:53 )


 3月19日 3:05P3C哨戒機:インド洋派遣を検討 米軍を間接支援 防衛庁

 防衛庁は18日、テロ対策支援法に基づきインド洋に海上自衛隊のP3C哨戒機を派遣する方向で検討を始めた。米軍などへの燃料補給活動を続ける海自艦艇の安全確保のため、アラビア海周辺国を拠点に海上の警戒監視活動にあたらせる考えだ。アフガニスタンから海上ルートで逃亡する国際テロ組織アルカイダの幹部を監視することで、米軍のイラク攻撃を間接支援する狙いがある。収集した情報はアラビア海を航行する民間の日本船舶の安全確保にも活用することも検討する。

 インド洋での燃料補給活動は海自補給艦1隻とイージス艦「きりしま」を含む護衛艦2隻の計3隻体制で実施している。防衛庁は5月の交代期には、「北朝鮮情勢がさらに緊迫すれば、弾道ミサイル発射警戒のため高度な情報収集能力が必要になる」(幹部)として「きりしま」を日本に戻し、通常の護衛艦を派遣する方針。

 一方、イラク攻撃が始まり、燃料補給活動を実施しているアラビア海周辺の情勢も緊迫することが予想され、イージス艦と同様、高度な情報収集能力のあるP3Cの派遣が浮上した。P3Cは、コンピューターによる高度な情報処理能力を持つ。レーダーは200キロ超の範囲をカバー、艦艇では見ることができない水平線の先も、上空から監視できる。

 ただ、P3C派遣には整備や後方支援要員約100人規模の部隊を陸上基地に駐留させる必要があり、戦時に輸送以外の目的で他国領土に初めて部隊派遣することになる。昨年11月に派遣が検討された際も「自衛隊の活動に歯止めがきかなくなる」など与党内に慎重論が出て見送られた経緯があり、防衛庁は慎重に検討を進める方針だ。

[毎日新聞3月19日] ( 2003-03-19-03:01 )


 2003年03月19日 テロ対策:日本の取り組みを説明 福田官房長官

 福田康夫官房長官は19日午前の会見で、最後通告期限切れが迫る米英などの対イラク武力行使に伴い、日本政府が取り組む入国管理体制の強化やNBC(核・生物・化学)兵器対策など一連のテロ対策の現状(表参照)を明らかにした。

 ■政府が発表したテロ対策■

◇出入国管理の強化

 ・不法入国の防止対策(旅券の偽造監視機器の導入など)

 ・入国管理局と警察の連携した情報交換

 ・入国管理の人員増員

◇国内の重要施設警備の警戒・警備

 ・米国関連施設、国会、首相官邸などの国家の重要施設、原発、空港、公共交通機関などの警戒強化

 ・警戒員の装備強化

◇NBC(核・生物・化学)テロへの対処強化

 ・天然痘テロに対する医師・救急隊員・警察官の専門員を登録

 ・警察・自衛隊に専門部隊設置

◇ハイジャック防止対策の強化

 ・空港警備体制、機内持ち込み物の規制強化

◇テロ関連情報の収集分析の強化

 ・内閣情報官への情報集約体制の強化

[毎日新聞3月19日] ( 2003-03-19-12:57 )


2003年03月20日 米英イラク戦争:ユニセフなどに503万ドル拠出 外務省

 川口順子外相は20日、イラク攻撃に伴う外務省としての対応策を発表した。イラク難民への人道支援として、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)や国連児童基金(ユニセフ)など3国際機関に503万ドルを拠出するほか、国連平和協力法(PKO法)に基づき自衛隊機でテントなど救援物資を運んだり、難民流入が予想されるシリアに国際協力事業団(JICA)医師チームを派遣する。イラクや周辺国で活動する難民支援NGOには約4億円を拠出したが、追加支援も行う。

 また周辺国支援としては、イラクからの石油供給停止で経済に打撃が予想されるヨルダンに無償資金協力など政府開発援助(ODA)を供与することにしているが、額は未定。中東和平に取り組むパレスチナ自治区への緊急支援も行う。

 攻撃終了後のイラク復興支援については積極姿勢を示したが、自衛隊によるイラク駐留米英軍の後方支援を目指す復興支援新法については「戦後の青写真がはっきりしない」として明言を避けた。

 一方、邦人保護については民間機が運航停止した場合、イスラエルとクウェートなどで政府チャーター機を確保しており、さらに政府専用機や自衛隊機派遣も予定している。  【高安厚至】

[毎日新聞3月20日] ( 2003-03-20-19:10 )


政府、アフガン復興支援に2200万ドル

 政府は25日、アフガニスタンの復興支援の一環として、難民・避難民の再定住化支援に約2185万ドルの緊急無償資金協力を実施することを決めた。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)を通じて供与する。アフガンの新憲法制定を円滑に進めるため、国連開発計画(UNDP)に約77万ドルの緊急無償資金協力を行うことも決めた。 (14:01)

4月04日 10:40イラク戦争:戦後の掃海艇派遣を日本に期待 米国務副長官

 アーミテージ米国務副長官は3日、日本がイラク戦争後の「掃海艇派遣を申し出れば、非常に歓迎する」と述べ、戦後復興への自衛隊関与に強い期待感を表明した。下院歳出委員会の公聴会後、記者団に語った。また日本が「医療分野」で貢献すれば「フセイン政権下での傷を癒やすのに極めて大きな助けとなる」とも表明、米政府が自衛隊医官の派遣に注目していることも示唆した。

 日本政府は現在、復興支援に自衛隊を派遣するための新法制定も検討中。ブッシュ政権内きっての知日派である同副長官が自衛隊関与に前向きな考えを示したことで、自衛隊派遣を模索する日本政府与党内の意見が勢いづきそうだ。

 副長官は、小泉純一郎首相が開戦直後にイラク攻撃支持を表明したことを念頭に「首相の信じられないような強い支持を、ブッシュ大統領は決して忘れない」と強調。国際社会が分裂する中、日本が一貫して米国支持の立場を取ったことに深い謝意を表明した。(ワシントン共同)

[毎日新聞4月4日] ( 2003-04-04-10:37 )



2003年04月09日 イラク人道支援:最大で1億ドルの資金を拠出 川口外相発表

 川口順子外相は9日夕、記者会見し、戦時下のイラクに対する日本政府の追加人道支援策として、最大で1億ドルの資金を拠出すると発表した。世界食糧計画(WFP)の支援要請に基づく1万トンの政府備蓄米や7000トンの豆類をはじめ、生活基礎物資、医療品などを支援するため、当面は国際機関に約2500万ドルを拠出。残りについては人道的被害や難民状況などを見極め、拠出を決める。

 国連などがイラク戦争の人道支援目的として、総額24億ドルの拠出を求める緊急アピールを打ち出したことに対応した。内訳はWFPに1150万ドル、ICRC(赤十字国際委員会)に800万ドル、国連児童基金(ユニセフ)に500万ドルで、イラク開戦直後に発表した国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)など3国際機関への503万ドル(拠出済み)を含めると拠出額合計は約3000万ドルに上る。政府備蓄米は、政府がWFPに資金拠出し、政府備蓄米を買い上げてもらう支援方法となる。

[毎日新聞4月9日] ( 2003-04-09-19:29 )