337―3 | 各政党の見解及びその論理考 |
【民主党】 |
[毎日新聞]2003.3.13日「民主党:決議なし攻撃には反対 イラク問題で方針」
民主党は13日午前、イラク問題等プロジェクトチームの会合を開き、米国が安保理新決議なしにイラク攻撃に踏み切った場合は(1)国際法違反の疑いが強いとして反対すべきだ(2)戦費や占領費を支出すべきではない――との方針を決めた。新決議に基づく攻撃でも「戦費や占領費は負担すべきではない」とし、復興新法には人道的観点を考慮しつつ、国際社会の動向を注視し党として慎重に対応する方針だ。菅直人代表が同日午後、小泉純一郎首相との会談でこうした考えを伝える。 イラクの現状については「疑惑は完全に払拭されたとは言い難いが、強力な査察の継続があれば大量破壊兵器の保持断念は十分可能」とし、数カ月の期限を切った査察継続を求めている。 |
民主党は18日午前の役員会で、新たな国連安保理決議がないままのイラクへの武力行使に反対する国会決議案を衆参両院に提出することを決めた。野党4党による共同提案の形で開戦前に提出する考えだ。また、衆院予算委でイラク問題に関する集中審議を求める。菅直人代表は常任幹事会のあいさつで、国会決議について「国民が武力行使に賛成していないことを明確にする必要がある」と述べた。
[毎日新聞3月18日] ( 2003-03-18-10:49 )
【自由党】 |
【公明党】 |
[毎日新聞]2003.2.14日「公明党:政府の対イラク『攻撃支持』容認 新決議なくても」 |
公明党は13日、米英両国が国連安保理による新しい決議が採択されない状態でイラク攻撃に踏み切った場合でも、日本政府の「攻撃支持」表明を容認する方針を固めた。複数の党幹部が明らかにした。朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が核問題をめぐって挑発を繰り返していることから、米国との連携を維持するためには共同歩調を取らざるを得ないと判断した。 同党内では武力行使容認決議なしの「支持表明」は戦争容認と受け取られるとの懸念が強く、統一地方選への影響も考えれば容認できないとする意見が強かった。しかし、北朝鮮の核問題が国際原子力機関(IAEA)から国連安保理に付託されることが決まり、反発した北朝鮮がミサイル発射実験再開などの対抗措置に出る可能性も生まれている。このため「イラク攻撃には反対だが、北朝鮮問題では支援を、というスタンスは通らない」(幹部)と、日米の協調関係強化を優先すべきだとの意見が支配的になった。 |
【田中真紀子】 | ||
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2003年2月20日(木)「しんぶん赤旗」査察中断、武力行使に道開く 日本代表が米英に追随演説 志位委員長が会見で批判
日本共産党の志位和夫委員長は十九日、国会内で記者会見し、国連安保理会合での原口幸市国連大使の演説について、次のようにのべました。
一、本日未明(日本時間)におこなわれたイラク情勢にかんする国連安保理会合で、日本政府代表の原口国連大使は、「査察の継続の有効性に疑問が生じている」とのべるとともに、「国際社会の断固とした姿勢を明確な形で示す新たな安保理決議の採択がのぞましい」という演説をおこなった。
これは、査察の継続・強化による平和解決をもとめる、国際社会の圧倒的多数の声にそむいて、事実上、米国による武力行使への道を開く、許しがたい態度表明である。
一、日本政府代表は、「査察の継続の有効性に疑問が生じている」と、一方的に決めつけているが、これは、国連査察団による国連安保理への報告ともことなるものであり、何の根拠ももたないものである。
国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)のブリクス委員長は、十四日におこなった追加報告のなかで、(1)「イラクは原則として、プロセスに関しては協力をおこなうという決定をおこない、すべての場所にたいする迅速な立ち入りを認めている」とのべるとともに、(2)「実質に関する協力」――「残っている禁制品を廃棄のために差し出すなり、廃棄されたという説得力のある証拠を提示するなどの積極的な協力」についても、イラク側に「説明の不足」があるが、「今日の状況下では、イラクは意欲的に応じるものと思われる」とのべている。
だからこそ、この報告をうけて、安保理諸国の圧倒的多数が、査察の有効性を確認し、その継続・強化による平和解決をもとめたのである。
一、査察の有効性を事実上否定することと一体での、「新たな安保理決議の採択」という提起は、査察の継続・強化による平和解決への努力を中断することを、もとめるものにならざるをえない。それは、米国による武力行使への道を事実上開く、有害な役割をはたすものである。
いま地球的規模で、戦争反対、平和解決をもとめる、史上空前の運動がわきおこっている。世界の圧倒的多数の国も、この声にたった平和解決のための努力をはかっている。その時に、日本政府のとっている態度は、まったく恥ずべきものである。いまからでも、査察の継続・強化による平和解決をもとめる立場にたつべきである。
2004年4月24日(土)「しんぶん赤旗」
日本共産党の不破哲三議長は二十三日夜、大阪・堺市で開かれた演説会で、イラク問題についてふれ、アメリカの占領統治と自衛隊派兵を一日も早くやめさせようと訴えました。
イラク問題をとりあげた不破議長は、五人の人質の解放への喜びとともに、「国民注視のなかでいよいよはっきりしてきたことがある」と述べ、(1)政府の自衛隊派兵の理由づけが崩れてしまったこと(2)アメリカの占領統治とイラク国民の独立・民主の願いとの対立が浮き彫りになってきたこと(3)そのアメリカが日本を最も有力な同盟国として宣伝しており、日本が派兵に固執して占領軍の応援団という道をこのまま進みつづけるなら、アメリカと一心同体の国として、イラク国民とアラブ・イスラム世界の非難の的となる大きな危険があること――の三つの点をあげました。
つづいて、不破議長は、人質事件の被害者たちの「人道的熱意」を日本の「誇り」と評価する海外の声も紹介しながら、「こういうなかで、日本国民の名誉を守っているのは、日本に自衛隊派兵に反対する世論と運動があること、本当の人道支援に献身するボランティアの活動家がいることだ」と語り、「いま二つのことが大事だ」と、次のように呼びかけました。
「アメリカの占領統治をやめさせ、国連中心でイラク国民の自主独立の国づくりを応援すること。自衛隊を一日も早く撤退させること。――勇気をもってこの声をあげ、自衛隊派兵に固執する小泉内閣が日本国民の声を代表するものではない、多くの日本国民が、独立イラクの復興こそ願っている、ということを、事実をもって世界に示そうではありませんか」
2004年4月28日(水)「しんぶん赤旗」
日本共産党の志位和夫委員長は、二十七日に放映されたCS放送・朝日ニュースターの番組「各党はいま」に出演しました。
このなかで、聞き手の梶本章・朝日新聞論説委員に、イラク人質事件での「自己責任論」まん延について問われ、志位氏は、フランス紙の論評をしめしながら、「この問題は二つの日本があることを世界に示したと思う」と指摘。一方で「人道的価値に熱意」をもった勇気ある若者が日本にいること、他方で自衛隊派兵に固執するあまり、その若者たちを「勝手放題にこき下ろす政治指導者」たちがいることを、世界に示した結果になったとのべ、「どちらに未来があるかは明りょうだ」と強調しました。
また、イラク情勢に関連し、米国が国連の主権移譲案に賛成したことについて、「一面では米軍の占領政策の破たんを自己告白するものだが、もう一面では米軍が指揮権を国連のもとにおいて、自分たちは撤退する方向を考えているかというと、そうではないこともまた事実だ」と指摘しました。
志位氏は、スペインの早期撤退の決断の背景にも、米軍の指揮権固執があったとのべ、「米軍が占領軍として駐留をつづけ、その指揮権はだれにも渡さないという態度をとりつづける限り、解決の道は開かれない。この立場を捨てなければほんとうの意味での国連中心の枠組みはつくれない」と強調しました。
年金改革では、政府案の(1)十四年連続の保険料値上げで年金空洞化をひどくする(2)一律15%の給付カットで国民の生存権を侵害する(3)消費税増税に道を開く―という三つの大問題を指摘。低年金、空洞化という年金をめぐる二つの問題点を根本から打開する道をしめしたのが、日本共産党の提案だと強調しました。
(私論.私見)