331―113 その後のイラク平定策動考

目次

331―1131 その後のイラク平定策動(1)
331―1132 その後のイラク平定策動(2)
インターネット・サイト
研究著作本


『NOといえない日本』イラクと米どっちが怖い(東京新聞)
http://www.asyura2.com/0311/war43/msg/556.html
投稿者 ああ、やっぱり 日時 2003 年 11 月 28 日 14:43:03:5/1orr4gevN/c

『NOといえない日本』

イラクと米どっちが怖い
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20031128/mng_____tokuho__000.shtml

 フランス、ロシア、中国、インド…。米英の求めるイラク派遣に参加しない国を見ると核保有国が並ぶ。裏返せば、米国の核の傘に依存する多くの国がイラク復興支援に協力しているともいえる。現地で危険にさらされるが、米国に逆らうのも怖い。安全保障上の各国の立場が派遣に投影されている。日本も米国に「ノー」と言えない立場なのか。あらためて検証した。

 ■核保有国の不参加多く

 「ロシアは許し、ドイツは無視、フランスには懲罰を」。イラク戦争の終結宣言後に、欧州のメディアがライス米大統領補佐官の発言として報じた方針だ。

 イラク派遣に参加しないこの三大国の中で、核保有国でないのはドイツだけだ。日本と比較的似た立場にいるドイツは、イラク派遣への「ノー」で米国からどの程度の怒りを被ったのか。

 まずドイツがイラク戦争に反対した事情について、日本経済研究センター主任研究員の走尾正敬氏は「昨年九月の総選挙でシュレーダー首相はイラク戦争への不参加を公約に掲げて勝利した。国民に対し引っ込みがつかなかったからだ」と説明する。

 ■独は駐留米軍大幅削減免れ

 米国の“不興”は、今年六月のエビアン・サミットでの態度で明白に表れた。ブッシュ大統領は会議を途中退席し、ホスト国のシラク仏大統領の面目をつぶしシュレーダー独首相とは個別会談に応じず、文字通り「無視」してみせた。

 ただ、「無視」による「実害」はそう大きいものではなさそうだ。

 走尾氏は「イラク戦争当初、ドイツの米軍基地の大半は親米派のポーランドやルーマニアに移されるといわれていた。だが、ラムズフェルド国防長官が二十六日発表した米軍基地の配置については、ドイツの駐留米軍を二割削減するだけにとどまっている。ドイツの新聞などは『ドイツの方が住みやすいので、選挙に備えて米兵の家族に配慮した』と分析している」と話す。

 拓殖大の佐藤健生教授(ドイツ現代史)も「NO」のリスクについて「在米ドイツ人らが居づらくなるくらいだ」と断じる。

 「日本と違い、ドイツは欧州の一部としての立場なので、そもそも米独の一対一では大きな影響はない。ドイツにとって米国は第二次世界大戦後に世話になった国だけに義理はあるが、七〇年代から政治的な米国離れは進んでいる」

 一方でイラク派遣で「対米協力」を競う国もある。

 隣国のポーランドは約二千五百人を派遣、米英軍への積極的な協力が認められイラク中南部で二十カ国以上の軍を指揮している。今月に入り、初めての戦死者も出した。すでに市街戦に備えた訓練も行っている。

 ■小国は寄らば大国の陰

 早稲田大の伊東孝之教授(東欧現代史)は「小さな国であるほど、唯一の超大国となった米国のパワーに依存しているためだ」と指摘し、こう解説する。

 「ポーランドは、昔から積極的に国際紛争に兵隊を出す国だ。朝鮮戦争にも出兵している。米国への移住者が多く、要請を断れないという理由もあるが、ロシアやドイツという大国に挟まれているという事情もある。旧ソ連は消滅し、ドイツとの関係も良好だが、エリート層の間では、ドイツだけに依存した関係に対する恐れが強い」

 ただ、親米派の最右翼と目されるポーランドでさえイラク派遣に反対する世論は高まっている。先月末の調査では「反対」が57%に増えている。

 ■米の草の根、意外な寛容論も

 では、日本が仮にイラク派遣に「NO」を言った場合、米国は日本に対し、どのような態度に出るのか。日米双方の声を集めた。興味深いのは米国側の意見の方が「寛容」な点だ。

 米マサチューセッツ工科大のリチャード・サミュエル教授(国際政治)は「日本が『NO』と言ったとしても米国がフランスに対して行った製品ボイコットのような経済的な不利益を被るとは思えない。最近のイラク情勢では、日本が自衛隊派遣を延ばし延ばしにしていることは米国世論も納得できる範囲だろう。さらに、米国内もイラク戦争に対して、政府に反感が強まっている」と解説する。

 ミネソタ大のジェフリー・ブロードベント教授も「米国民の中には、この戦争やブッシュ政権に関しての確信を持てなくなってきている人たちも多い。国連ですら、撤退を余儀なくされているところもあるくらいだ。安全がある程度保証された条件の下で日本が復興支援をするといっても、米国政府は文句を言えない」と話した。

 国民感情としてどうか。コロラド州在住の四十代男性は「戦争当初は9・11の痛みが強くてフランスやドイツが参戦しないことに腹が立った。でもゲリラ戦で多数の米兵が死んでいる状況で日本がちゅうちょしても無理はない」と話した。

 ■「金銭支援の方が…」

 ネバダ州のアダム・ミラーさん(25)は「仏独軍と違って日本がイラクに派遣されても助けになるとは思えない。金銭的なサポートの方が良いのでは?」。

 これに対し、日本の識者では拓殖大学の吉原恒雄教授(国際政治学)が「ドイツが派遣を断ることに比べ、日本の『NO』の方が米国から厳しい反発がある」と指摘する。

 「北朝鮮に対して手助けしてくれなくなる。中国は東シナ海の内海化を狙っており、日本にとって大きな脅威になるが、米国の支援は望めない。それに中近東で採掘寿命が一番長いのはイラクの油田。今回派遣しないと、将来石油を回してもらえなくなる」

 日商岩井総合研究所の主任エコノミスト吉崎達彦氏も「自衛隊を派遣しないということは『米国の北朝鮮への圧力や国連常任理事国入りをあきらめる』ことにつながり、日本外交を書き直す必要に迫られる」。

 一方で、東京家政学院筑波女子大学の浅川公紀教授(国際政治学)は「日本が派遣しなくても米国の大きなしっぺ返しはない。米国が日本に求めることの方が多いからだ」と解説する。「パワーバランスからも中国の強大化を恐れているのは米国の方。安全保障上、極東の基地として日本に依存している側面もある」

 それでは、うまく派遣を断る方法はあるのか。浅川氏は「はっきり『NO』と言わないで、延期する。テロで多数の死者が出て派遣をためらう国が出ている現状では、延期は理屈に合わない話ではない」と話す。

 ■米英を除くイラク派遣国
(カッコ内は派遣規模)

 【欧州】イタリア(3000人)、ポーランド(2500人)、ウクライナ(1600人)、スペイン(1200人)、オランダ(1100人)、ルーマニア(800人)、デンマーク(500人)、ブルガリア(480人)、チェコ(300人)、ハンガリー(300人)、以下300人未満=アルバニア、アゼルバイジャン、エストニア、カザフスタン、グルジア、スロバキア、ノルウェー、マケドニア、モルドバ、ラトビア、リトアニア

 【中南米】エルサルバドル(380人)、ホンジュラス(370人)、ドミニカ共和国(300人)、300人未満=ニカラグア

 【アジア・オセアニア】オーストラリア(800人)、韓国(460人)、タイ(420人)、以下300人未満=ニュージーランド、フィリピン、モンゴル

 【中東】いずれも300人未満=アラブ首長国連邦、サウジアラビア、ヨルダン



★世界大戦の予感【田中宇の国際ニュース解説】
http://www.asyura2.com/0311/war43/msg/579.html
投稿者 荷電粒子 日時 2003 年 11 月 28 日 18:36:39:hlbym6ZH.OUDI

(回答先: ブッシュ、イラク3分割案に反対  投稿者 草の根 日時 2003 年 11 月 28 日 15:52:39)

 アメリカの中道派の総本山ともいうべきシンクタンク「外交評議会」
http://www.cfr.org/ )から「イラクを3分割すべきだ」という提案が出
てきた。

 イラクはシーア派(人口の60%、主にイラク南部・中部に在住)、スンニ
派(15%、主にイラク中部)、クルド人(20%、主にイラク北部)という
3つの系統の人々から主に成り立っているが、政治権力や軍事力は以前から少
数派のスンニ派が握っており、フセイン政権もスンニ派政権だった。米軍にゲ
リラ攻撃を加えているのもスンニ派の勢力である。そのため、反米傾向が少な
い北部のクルド人地域と、南部のシーア派地域を分離して自治を与え、先に安
定させるべきだ、というのが3分割提案の要点である。

 中部のスンニ派地域では今後さらにゲリラ戦の激化が予測されるので、米軍
単独ではなく、国連の傘の下で(米軍を中心とした)国際軍に再編し、ゲリラ
を掃討する計画だ。

 イラクが建国された1921年からフセイン政権まで、イラクを統治してい
たスンニ派勢力の最大の財源は石油だったが、イラクの石油は北部のクルド人
地域と南部のシーア派地域に集中しており、中部のスンニ派地域にはほとんど
石油がない。そのため、南北を先に分離させれば、スンニ派勢力は財源を失い、
弱体化してゲリラ戦を続行できなくなる。だからイラクを3分割すればイラク
の戦闘は早く終わる、と提案されている。
http://www.cfr.org/publication.php?id=6559

 3分割案を提案したのは、外交評議会の名誉会長で外交専門家のレスリー・
ゲルブ(Leslie Gelb)で、発表は個人名でなされている。だが、この提案が
「石油利権の確保」を念頭に置いて作られていると思われることと、外交評議
会は911以前に「イラクに対する経済制裁を緩和してフセイン政権の石油輸
出を容認しよう」という趣旨の提案を行っていたことから考えて、アメリカの
支配層の権益を重視する外交評議会の本流の考え方と一致している。

▼印パ分離の悲劇の再来

 ゲリラ戦が止まらないため、イラクからの石油搬出はかなり滞っており、特
にクルド人地域からトルコに伸びるパイプラインは破壊と修繕を繰り返してい
る。今後さらにゲリラ攻撃が激化すると予測される中、このままでは安定した
石油収入がいつまでも得られず、イラク復興の財源が作れず、アメリカの石油
関連企業も儲からない。

 フセイン政権は、北部と南部へのスンニ派の移住を奨励する一方、シーア派
やクルド人をもともと住んでいた地域から追い出し、貧民としてバグダッドに
流入するよう仕向ける政策を続けていた。このため北部と南部には、かなりの
数のスンニ派が住んでおり、彼らが米軍に対する抵抗勢力の中心となっている。
パイプラインの破壊も、スンニ派ゲリラが行っている可能性が高い。

 こうした状況に対し、3分割案は「シーア派とクルド人に自治を与えるとと
もに武装させ、自治領域内のスンニ派武装勢力と戦わせる」という構想を掲げ
ている。油田やパイプラインは独立を希求する地元勢力が命がけで守ってくれ
るので米軍兵士の犠牲が減るし、アメリカは安い石油を手にでき、少なくとも
イラクの北部と南部では「民主的な政権」ができて一石三鳥だ、というのが
3分割案の主張だ。

 だが少し考えていくと、そんなにうまい話ではないことが分かる。クルド人
地域にはかなりの数のスンニ派が住んでおり、一般市民とゲリラの見分けがつ
かない。キルクークとモスルというクルド人地域の2つの百万人規模の大都市
では、人口の半分前後がスンニ派である。クルド人の自治を拡大し、反対する
者は武力で制圧して良い、ということになると、内戦になり、何十万人という
スンニ派の一般市民が死ぬ結果になりかねない。同様に、南部のシーア派地域
にもたくさんのスンニ派が住んでいる。

 一方、スンニ派の多い地域であるイラク中部には首都のバクダッドがあり、
ここでは600万人の人口のうち300万人が貧困層のシーア派である。3分
割案では「彼らを安全にシーア派地域に移住させる。移住の際の警備は米軍の
義務となる」としているが、南に向かうシーア派と、北に向かうスンニ派の避
難民の列が、相互に殺し合いを始め、米軍は危険にかかわりたくないので傍観
するだけ、という事態が起こりかねない。

 こうした悲劇を、われわれはずっと前に見たことがある。インドとパキスタ
ンの分離の際の悲劇である。インド植民地の宗主国だったイギリスが「次善の
策」として行った民族大移動は、現在まで印パの対立として残り、インドでテ
ロが続発し、アヨドヤの聖地でヒンドゥ教徒とイスラム教徒が殺し合い、パキ
スタンでイスラム主義組織が拡大する、という昨今の事態につながっている。

▼もともと石油利権のために建国されたイラク

 3分割案では、イラクを分割する際「できる限り民族の境界線に沿って3つ
に分ける」ことを提唱している。だが、すでに複雑に混住が進んでいるイラク
では、明確な3分割は非常に難しい。分割後の地図が公式に発表された段階で、
あちこちで戦闘が始まり、収拾がつかなくなると予測される

 もともとイラクは、第一次大戦でオスマントルコ帝国を倒し、中東の支配権
を獲得したイギリスが、安定した石油供給を可能にするために、オスマン帝国
下では3つの州だったものを1921年に一つの国にまとめた経緯がある。イ
ギリスは、イラクの住民に「イラク国民」という意識を植え付けるため、国家
の象徴である王室を作ることにして、第一次大戦でイギリスに味方してくれた
アラブの盟主ハシミテ家の息子の一人を国王として招いた(イギリスは同様に
ヨルダンという国を作り、ハシミテ家のもう一人の息子を国王に据えた)。

 これは私が勝手に描いた謀略説ではない。外交評議会のイラク3分割提案文
書の中に、そのような指摘がある。イラクは、もともとイギリスの石油利権の
ために作られた国だった。

In 1921, Winston Churchill cobbled the three parts together for oil's
sake under a monarch backed by British armed forces.
http://www.cfr.org/publication.php?id=6559
(のちに英首相となったチャーチルは、当時は植民地担当大臣だった)

 1958年のバース党のクーデターで王家が皆殺しにされ、共和制に移行し
た後、フセインが大統領になって権力を持っても、イラクを統一国家として発
展させる方針は変わらないどころか強化され、スンニ・シーア・クルドという
3つの系統を混合させ、逆戻りできないようにしようと、強制移住政策を続け
た。フセインが混住政策を続けたのも、クルド人地域やシーア派地域にある油
田をスンニ派主導のイラク政府が抑えておけるようにするためだった。

 つまり、イラクでは建国以来の80年間、3つの系統を一つの「イラク人」
という意識にまとめていこうとする国家的な努力が続き、今では多くのイラク
人が「スンニとかシーアとか関係ない。みんなイラク人だ」という「国民意識」
を持っている。シーア派の中で過激なイスラム主義を主張する人々に「イラン
のスパイ」というレッテルを貼り「イラク対イラン」という国民意識の対立軸
の中でシーア派の過激化を防ごうとする動きもシーア派自身の人々の中に存在
する。ある在日イラク人は私に「私がシーアかスンニかどちらなのか言いたく
ないです。宗派ではなく、イラク人として認めてほしいのです」と語っていた。

 そんな風に「イラク人」という統一の意識が人々の間に根づいてきた今にな
って、新たにイラクの「宗主国」となったアメリカの外交戦略立案機関が、ま
たもや石油利権のために「3分割の方がいい。統一されたイラク国家を作るの
が望ましいという従来の英米の方針は無理があった」と言い出している。

▼米軍が撤退しても残っても混乱

 このようにイラク分割案は、中東が今でも英米という宗主国の間接支配下に
ある植民地で、宗主国の側で都合が変われば、いつでも中東の国境線や国家の
枠組みを変更できる、という実態を示している。

 とはいうものの、イラクの現状からみれば、分割案はある程度現実的な選択
肢であることも事実である。米軍は、もはやイラクで勝つことができない泥沼
に陥っている。もし米軍がスンニ派のゲリラをすべて潰すことができたとして
も、その後スンニ・シーア・クルドの3勢力が満足できる政治形態が生まれる
可能性はほとんどゼロである。

 国政選挙をすれば、国民の60%を占めるスンニ派が単独過半数の与党とな
るが、イラクはフセイン政権が倒れるまで何百年もの間、ずっとスンニ派によ
る支配が続いてきた歴史がある。その経験から、スンニ派(旧バース党勢力)
は高い政治的・軍事的な戦略技能を持っており、スンニ派はシーア派主導の政
治体制に揺さぶりをかけ続けるだろう。シーア派主導の政府が出す条件しだい
では、クルド人も反旗を翻して分離独立していく可能性がある。

 米軍がスンニ派ゲリラを大して潰さずに出ていけば、再びスンニ派のバース
党勢力がよみがえり、フセイン本人か、その一派のスンニ派の独裁者が政権を
奪取し、シーア派とクルド人を無数に殺して独裁政権を打ち立てるだろう。

 結局、米軍がどこまで戦い続けても、イラクが安定して平和になる可能性は
低い。不安を抱えながら統一を維持するより、早めに分割を決めてしまった方
が内戦になる懸念が小さい、とアメリカの外交専門家たちが考えたのは理にか
なっている。そもそもこんな戦争を起こしたアメリカが悪いのだが、それを責
めたところで、現実論としては何も変わらない。戦争は、歴史を後戻りできな
い形で動かしてしまっている。

▼中東の解体

 分割されて内戦になっても、それが「イラク連邦」の内部の問題にとどまっ
ている限り「国際社会」としては局地的な問題として処理できるかもしれない。
だが、アメリカの決定であれ、米軍撤退後の内戦の結果であれ、イラクが分割
されていく段階で、中東全域が今よりもさらに不安定になり、戦争が他の中東
諸国に拡大していく恐れが強まる。

 その一つはクルドとトルコとの戦争の可能性である。クルド人はイラクのほ
かトルコ、イラン、シリア、アゼルバイジャンなどに分散して住んでいる。第
一次大戦のとき、クルド人はいったんは民族国家としての独立をイギリスなど
から保証されたが、その後ロシア革命が起きたため、共産ロシアに対する危機
感を持ったイギリスはオスマン帝国崩壊後のトルコ共和国をテコ入れする方針
に転換し、トルコの統一を重視してクルド人国家に対する承認を取り消してし
まった。

 それ以来、数カ国に別れて住んでいるクルド人はトルコやイラクなどで分離
独立運動を続け、イラクやトルコの政府は国内のクルド人の独立運動を弾圧し
た。今後アメリカがイラクのクルド人の事実上の独立を認めると、トルコのク
ルド人も独立の傾向を強めるかもしれず、トルコはクルド人を制裁するために
北イラクに侵攻するかもしれない。トルコ政府が北イラクに侵攻したり、国内
のクルド人を弾圧すれば、トルコのEU加盟が遠のき、経済的にマイナスとな
る。どちらにしても、トルコは今より不安定になる。

 3分割案では「フセイン政権時代の末期の数年間、北イラクではクルド人の
自治政府があったが、トルコはこれに対して特に攻撃しなかった」として、ト
ルコ・クルド間の戦争は起きないと予測している。しかし、トルコがクルドの
自治を容認したのは、それがフセイン政権を倒すためのアメリカの戦略の一環
だったので楯突かなかっただけであり、フセイン政権なき今後は事情が違って
くる。

 一方、シーア派の自立については、イランとの連携強化が予測される。シー
ア派は、イラクではアラビア語、イラン(人口の95%がシーア派)ではペル
シャ語やトルコ語系の言葉を話しており、母語が違うので民族が違うといえる
が、イラクのシーア派が政治的独立を獲得し、民意で今後の方向を選択する状
況になった場合「イラク人」「アラブ人」(アラビア語を話す人)「シーア派」
(イランとの共通性)の3つのアイデンティティのどれを最も重視するように
なるか、予測がつかない。私が5月にイラクを訪問した際は、シーア派の人々
自身もまだ迷っている感じだったが、その後、シーア派としての宗教アイデン
ティティを重視する政治運動が強くなっている。

 もし、シーア派の人々が政治を宗教化する方向に動いてイランとの連携を強
め、両国の石油を使ってアメリカの好き勝手にさせないようにしようと試みた
りすると、この方面でも外交的な危機が起きる。イランは核兵器開発の疑惑を
持たれており、イスラエルがイランの核施設を爆撃するという脅しを行っている。

 イスラエルは1981年にイラクの核施設を爆撃している。イスラエル自身
が核兵器を持っており、イランとイスラエルとの対立が深まると、核戦争の可
能性が強くなる。

▼広がっていきそうな戦争

 スンニ派に関しては、同じ宗派の人々がサウジアラビア、ヨルダン、シリア、
エジプト、トルコ、パキスタン、アフガニスタンなどの多数派を占めており、
アメリカとのゲリラ戦争が激化した場合「イラクのスンニ派を救え」というイ
スラム主義の運動が強くなる。すでに不安定になっているサウジアラビアの王
室が倒れるかもしれず、そうなるとイスラム主義の政権ができるかもしれない。

 このようにイラクが分割されると、中東全域に戦争が広がる危険が強まる。
アメリカがイラクを分割しなくても、内戦になって自然に分割され、同じ結果
になる可能性が大きい。

 戦争の危険を外交で取り除くことも、ある程度はできる。最近欧米がイスラ
エルに対し、パレスチナ人との和平交渉を再開させようと圧力を強めているが、
これはイランやシリアを攻撃して中東の危機を拡大させそうなイスラエルを封
じ込めておくための方策とも受け取れる。

 だが、戦争とは外交によって国際問題が解決できなくなったときに勃発する
ことを考えると、アメリカがイラクに侵攻することで、中東地域で保たれてい
た微妙なバランスをうかつにも(もしくはわざと)壊してしまった以上、中東
の問題は以前よりはるかに大きくなり、解決不能になって戦争に陥る可能性が
高まっていると考えられる。

 エジプトからパキスタンまでの地域に戦争が広がっていくと、その周辺の東
欧、ロシア、中央アジア、インドに影響が出る。インドネシア、フィリピン、
マレーシアなど東南アジアのイスラム諸国にも飛び火するかもしれない。世界
全体が不安定になるなかで、北朝鮮の問題も外交で解決しきれなくなるかもし
れない。

 世界の現状は、第一次大戦の勃発期に似ているかもしれない。このことは改
めて詳しく書きたいが、第一次大戦は、それ自体としては日本にはあまり直接
関係なかった(日本の対アジア利権を拡大させた)が、その20年後に起きた
第二次大戦につながり、結局は日本をも破綻させた。今は遠くで起きている戦
争だが、長い目で見ると、東アジアに飛び火してくる可能性もある。

 私のこの予測は悲観的すぎるかもしれない。だが少なくとも、中東で起きて
いる混乱は今後2−3年で片が付く問題ではない。戦争はまだ始まったばかり
で、今後長引き、広がっていくのではないかという不安がある。戦争の発火点
となったイラク侵攻がアメリカにとって不可避なものではなく、米政権中枢の
タカ派(ネオコン)によって引き起こされた能動的なものだったことを考える
と「世界大戦」とは何なのかということを、過去の2回にさかのぼってとらえ
直す必要があると感じる。
[2003年11月27日]
http://tanakanews.com/d1127iraq.htm





(私論.私見)


イラクにユダヤ人兵多数
http://www.asyura2.com/0403/war49/msg/419.html
投稿者 TORA 日時 2004 年 3 月 13 日 11:41:53:CP1Vgnax47n1s

報告者:東京財団 シニアー・リサーチ・フェロー 佐々木 良昭

No. 54 「イラクにユダヤ人兵多数」  2004年03月04日

 イラクに駐留する外人将兵のなかに、ユダヤ系が少なくないようだ。ポーランド軍もアメリカ軍も、派遣軍のなかにユダヤ系将兵が多数含まれているといわれている。

 最近伝えられているところによれば、イスラエルは民間人にクルド地域で広大な土地を購入させているということだ。

 他方、イスラエル政府はイラクから出国してきたユダヤ・イスラエル人とその家族には、イラクの国籍を取得する権利があると言い出している。

 1948年イスラエルが建国された段階で、イラクから移住したユダヤ人は12万人だったが、彼らの子孫は現在30−40万人に達しているといわれている。

 イスラエルがイラク政府やCPAに対して「イラク系ユダヤ人にイラク国籍を与えろ」と主張した場合、それではパレスチナの難民はどうするのか、という問題が国際的に再燃することになろう。

 イスラエのイラク系国民や政府がイラク国籍にこだわり、クルド地域の土地購入に動いていることは、将来的な領有を目指してのものか、あるいは石油資源を狙ってのものであろう。

◆(私のコメント)
アメリカ軍のイラク侵攻の目的の一つはイスラエルによるイラク乗っ取りである。そのためにはイラク情勢の混乱が長く続くことにより、イスラエルその他の地域からのユダヤ人が入り込む余地が出来る。イラクには石油も水も豊富であり、大イスラエル建設も為にはアメリカ軍によるイラク侵略が必要だったのだ。イラクはやがてユダヤ国家となるであろう。


狂信的ユダヤ人はイラクだけでなくアラブ全土を狙っている。Re: イラクにユダヤ兵多数
http://www.asyura2.com/0403/war49/msg/420.html
投稿者 木村愛二 日時 2004 年 3 月 13 日 12:18:45:CjMHiEP28ibKM

(回答先: イラクにユダヤ人兵多数 投稿者 TORA 日時 2004 年 3 月 13 日 11:41:53)

狂信的ユダヤ人はイラクだけでなくアラブ全土を狙っている。

http://www.jca.apc.org/~altmedka/nise-7.html
『偽イスラエル政治神話』
1章:神学的な諸神話(その1)
1節:“約束”の神話……約束の土地か、征服した土地か?
《わたしはこの地をあなたの子孫に与える。エジプトの川から、かの大川ユフラテまで》(『創世記』15章18節)

政治的シオニズムの統一主義者の読み方

●《聖書を所有し、聖書の民と同様に考えるものは誰でも、聖書に記された土地すべての所有を要求すべきである》(モシェ・ダヤン将軍、『エルサレム・ポスト』67・8・10)


ブッシュ大統領の発言詳報(sankei)
http://www.asyura2.com/0403/war52/msg/443.html
投稿者 エンセン 日時 2004 年 4 月 14 日 17:42:08:ieVyGVASbNhvI

(回答先: ブッシュ米大統領記者会見・概要 【日経】 投稿者 木田貴常 日時 2004 年 4 月 14 日 12:29:36)

 
ブッシュ大統領の発言詳報

ブッシュ米大統領が13日行った記者会見での発言の詳報は次の通り。

 【イラク情勢】

 一、イラクでは厳しい日々が続いている。旧フセイン体制の残存勢力、外国人テロリスト、イスラム教シーア派の強硬派指導者サドル師の3グループが暴力を扇動している。彼らの共通の目標はわれわれをイラクから追放し、イラクの人々の民主主義への希望を破壊することだ。

 一、だがこれは内戦ではないし、民衆蜂起でもない。イラクの大半は比較的安定している。サドル師は非合法な民兵組織を解散しなければならない。

 【人質事件】

 一、人質を取ったり爆弾を仕掛けたりすることや一連のテロ行為も狂信的な政治的イデオロギーで、こうしたイデオロギーを信ずる者は中東以外にも暴政を広げようとしている。

 一、イラク情勢がベトナム戦争と似ているというのは誤りだ。その指摘はわれわれの部隊や敵に誤ったメッセージを送ることになる。

 【主権移譲】

 一、イラク国民に主権移譲することが使命の中心。6月30日に設定した期限を守ることが重要だ。

 一、誇り高く独立心のあるイラク国民は期限なき占領は支持しない。米国も同様だ。米国は帝国ではない。期限延長にイラク人は疑問を感じ、希望が裏切られた気になるだろう。

 【駐留米軍態勢】

 一、米軍は素晴らしい活動を行っているが、さらなる兵力が必要となれば供給する。この政権は米軍の歴史的使命を成功させるために、必要なあらゆることを行う。

 一、復興支援と軍事的関与は(主権移譲後の)7月1日以降も継続する。米軍は必要な限り駐留する。

 【NATO、中東、国連の関与】

 一、パウエル国務長官、ラムズフェルド国防長官とともに多くの北大西洋条約機構(NATO)加盟国がイラクでのより公式なNATOの関与を模索している。

 一、近隣諸国もイラク安定には責任を負う。「共通の利益」に向けてどんな支援を近隣諸国ができるのか協議するために、アーミテージ国務副長官を中東に派遣する。

 一、国連が政治プロセスに関与するのは有益だ。(復興支援に)各国が参加できるためにも、新たな国連安保理決議を受け入れる用意がある。

 【米中枢同時テロ】

 一、同時テロ前まで、われわれは確固たる対テロ戦争の基盤を築いていなかった。同時テロ以前のテロ対策は、可能なことは実施した。私もチェイニー副大統領も喜んで、独立調査委員会の質問に答えるつもりだ。

 【北朝鮮問題】

 一、(昨年)小泉純一郎首相と北朝鮮の脅威にどう対処するか話し合った。北朝鮮の指導者は脅威だ。日米は北朝鮮の核の脅威についての見解を共有しており、北朝鮮の核開発をどう防ぐか協議している。(ワシントン共同)

(04/14 14:41)

http://www.sankei.co.jp/news/040414/kok074.htm



米大統領会見 イラク増派を表明 人質事件は「狂信的(西日本新聞)[4月14日14時38分更新]
http://www.asyura2.com/0403/war52/msg/458.html
投稿者 まさちゃん 日時 2004 年 4 月 14 日 18:47:20:Sn9PPGX/.xYlo

米大統領会見 イラク増派を表明 人質事件は「狂信的」


 【ワシントン13日青木忠興】ブッシュ米大統領は十三日夜(日本時間十四日午前)、ホワイトハウスで記者会見し、治安が悪化しているイラクの情勢を国民向けに説明した。イラクへの主権移譲について「われわれは約束を破らない」と述べ、予定通り六月末に行う方針を示した。反米武装勢力との戦闘は「内戦ではなく、民衆の反乱でもない」との認識を示したうえで駐留米軍の増強を承認、治安の改善に全力を挙げる考えを示した。

 日本人をはじめ被害が拡大している人質事件に関して、大統領はテロリストが「狂信的なイデオロギーを抱いているにすぎない」と述べ、同盟国はこれまでのイラク政策を進めるとの決意を表明した。

 大統領は主権移譲について「誇り高いイラク人は不明確な支配を支持しない」として、米国内の議会などから強まっていた延長論を批判した。米軍駐留は「必要な限り続ける」として、主権移譲後の残留を明確にした。

 イラク安定化を進めるため、大統領はアビザイド米中央軍司令官が要請している二個旅団規模の機動部隊投入について「必要があれば認める」と表明。約一万人の追加派兵となる見通しだ。また、北大西洋条約機構(NATO)の関与拡大やアーミテージ国務副長官の中東派遣の考えを明らかにした。

 今月に入って八十人以上の米軍兵士が犠牲になっているイラクの現状について、反米武装勢力を(1)フセイン旧政権の残党(2)外国からのテロリスト(3)イスラム教シーア派の強硬派指導者サドル師の支持者―と指摘。同師の民兵組織を解散させる必要性を強調した。ベトナム戦争の二の舞いとの指摘には「誤った例えだ」と反論した。

 会見はテレビの視聴率が高い午後八時半に設定された。イラク情勢やテロへの対応は国民の関心が高く、大統領選の重要な争点になっているため、国民への「釈明」と受け止められている。

    ×      ×

 ▼米大統領の会見骨子

 一、米軍をイラクに追加派兵

 一、主権移譲日程堅持

 一、NATOや国連の関与を強化

 一、人質事件は狂信的

 一、サドル師の民兵組織解散を要求

 一、国務副長官を中東へ派遣

(西日本新聞)[4月14日14時38分更新]


米大統領の戦略破たん 大規模戦闘終結から1年
 2004.5.1日、【ワシントン30日共同】ブッシュ米大統領が昨年5月1日、米カリフォルニア州沖の空母艦上で、イラク戦争の「大規模戦闘の終結」を宣言してから丸1年を迎える。大規模戦闘の終結をてこにイラクの民主化と安定を一気に実現させるという大統領の当初の戦略は完全に破たんし、イラク情勢悪化は大統領再選に向けたシナリオを狂わせる大きな障害になってきた。
 マクレラン米大統領報道官は29日の記者会見で、「大統領は(昨年5月1日に)イラクは依然危険で困難に直面しているとも宣言した」と述べ、大規模戦闘の終結宣言が「勇み足」だったとの批判に反論した。
 米CBSテレビとニューヨーク・タイムズ紙が29日に発表した共同世論調査によると、48%がイラク戦争は「誤りだった」と回答し、1年前に比べて倍増した。
 1968年3月に実施された同様の世論調査では、イラク戦争の場合と同じ48%が、泥沼化した当時のベトナム戦争を「誤り」と答えており、イラク戦争の「ベトナム化」を危ぐする国民の厳しい見方を反映している。


米軍がイラクに戦車や装甲車増派、都市部の作戦強化で

 [ワシントン 29日 ロイター] 米国防総省筋によると、米軍がイラクに対して、戦車や装甲車を相次いで増派している。都市部での作戦強化としているが、アナリストらは、同省がイラク人の「心」をつかむことを断念したとみている。
 増強が決まったのは、エイブラム型戦車やブラドリー歩兵戦闘車など。現地の陸海軍司令官らから、火力と防御力の強化が求められたことを受けた措置。
 ある国防総省の高官は匿名で、現地の司令官らは数週間前に、ファルージャやナジャフ、南部のシーア派地域などで同時多発的な攻撃を受けて、車両に不足があるとの結論に達した、と語った。
 ただ、あるアナリストは「(増派は)我々が、抵抗勢力との全面戦争に入ったことを示唆している。もはや、イラク人の心情をつかむ政治戦略の域ではない」と指摘した。(ロイター)

[4月30日15時4分更新]

米大統領、イラク民主化へ5段階措置 虐待刑務所は解体 (Asahi.Com)ー白いイスも廃棄かな(笑)
http://www.asyura2.com/0403/war55/msg/742.html
投稿者 ああ、やっぱり 日時 2004 年 5 月 25 日 11:59:03:5/1orr4gevN/c

米大統領、イラク民主化へ5段階措置 虐待刑務所は解体
http://www.asahi.com/international/update/0525/009.html

ブッシュ米大統領は24日、ペンシルベニア州の陸軍戦争大学でイラク政策について演説し、民主化に向けて今後、米政府が実行する5段階の措置について説明した。大統領は6月30日に主権を完全に移譲することを改めて表明し、「占領の終結」を意味すると説明した。米軍は多国籍軍の一員として駐留を続けるとしたが、最終的な撤退の時期は明言しなかった。米軍による虐待事件の起きたアブグレイブ刑務所については、代替施設の建設を待って取り壊すことも明らかにした。

ブッシュ大統領は主権移譲に向けて、同様の演説を今後、数回にわたって予定しており、今回が第一弾。治安情勢の混乱が続くなか、大統領の支持率は軒並み40%台に落ち込んでおり、米世論や国際社会に米国が進めるイラク政策への支持を改めて訴える狙いがあると見られる。

大統領は今後、米政府が進める政策の内容を、(1)イラク(暫定)政府への主権の移譲(2)安定と治安の確立支援(3)社会基盤整備の継続(4)さらなる国際支援(5)選挙実施の支援――という「5つのステップ」に整理、それぞれの具体的内容を説明した。

最大の懸念材料となっている治安情勢について「主権移譲の前後にさらなる暴力が起こりうる」との厳しい展望を示し、アルカイダなどの「テロリスト」やフセイン政権の残党との対決姿勢を強調した。現在イラクに駐留している米軍13万8000人について「必要な限りとどめる」と述べた。状況の変化に応じて「必要ならさらに兵力を派遣する」とも語り、増派する可能性を明言した。

これまで米軍指揮下の多国籍軍に所属すると説明してきた新生イラク軍については、「多国籍軍の主要なパートナー」と位置づけた上で、「イラク人の指揮命令系統の下で活動する」と改めた。

「国際支援」をめぐっては、この日、国連安保理に英国と提示した新たな決議案に言及。「過去の見解の相違にもかかわらず、大半の国は強い支持を示している」と述べ、治安や復興で国際社会が責任を分担できるとの自信を示した。また6月末にトルコで開かれる北大西洋条約機構(NATO)首脳会議でNATOの役割について各国首脳と協議する考えを示した。

主権移譲に伴って成立する暫定政府の構成については、国連のブラヒミ事務総長特別顧問が進める枠組みに基づき「大統領、2人の副大統領、首相が26人の閣僚を持つ内閣を率いる」と説明したが、具体的な顔ぶれについては明言しなかった。

正式なイラク政府の樹立に向けた日程としては、「遅くとも来年の1月までに実施」する最初の選挙を、国連主導の「独立選挙委員会」の選挙監視の下に実施し、「移行国民会議」を選出▽同会議が「移行政府」を選出▽同会議が憲法を起草し、05年秋に予定する国民投票にかける▽新憲法下で恒久的な政府を05年末までに選ぶ――との流れを示した。

社会基盤整備の中で、刑務所の近代化に言及。米軍によるイラク人収容者虐待事件の起きたアブグレイブ刑務所を主権移譲後の暫定政府の了承を得た上で「米政府が取り壊すと発表した。近代的な新刑務所の建設費用を米政府が負担し、完成した段階でアブグレイブ刑務所にいる収容者を移管する。大統領は「フセイン政権時代に死と拷問の象徴だった刑務所が少数の米兵による恥ずべき振る舞いの象徴にもなった」と述べ、米兵の虐待事件にも言及した。

また、6月に米ジョージア州で開かれる主要国首脳会議(G8サミット)の主要議題となる「大中東構想」にも触れ、自由や民主化によって「大中東地域を前進させ、(地域の人々の)生活を変えることができる」とその意義を強調。「我々は忍耐し、敵を破る。やっと手に入れたこの自由への基盤を保持する」と述べ、イラクの主権移譲と民主化の成功への決意を強調して、演説を締めくくった。 (05/25 11:29)


「アブガロン」と大統領・・・・この程度のやつ振り回されているんですね
http://www.asyura2.com/0403/war55/msg/750.html
投稿者 悪役 日時 2004 年 5 月 25 日 14:26:39:3XzfMQY9Kl1mk

刑務所名の発音誤る 「アブガロン」と大統領

 【ワシントン24日共同】ブッシュ米大統領は24日の演説で、イラク人虐待事件の舞台となり注目されている旧アブグレイブ刑務所の解体を表明したが、再三にわたって刑務所名の「アブグレイブ」を「アブガロン」などと間違って発音した。
 ロイター通信によると、大統領は同日、演説会場のペンシルベニア州に出発する前にリハーサル(予行演習)を2回行ったが、効果がなかった。(共同通信)

やはり何の罪意識もないんですね。
我が祖国の首相と同程度の知能なんでしょう。


 2007.1.10日、ブッシュ大統領は、ホワイトハウスから国民向けに演説し、2003年3月のイラク開戦以来の対イラク政策の転換を図る新政策を発表した。それによると、1・今年11月までにすべての治安権限をイラク軍に移譲するとの目標を示し、2・雇用創出など経済復興に向け約12億ドル(約1430億円)の資金を拠出する。3・イラクに2万2千人増派する。演説全文は「

http://www.whitehouse.gov/news/releases/2007/01/20070110-7.html」。

 以下、「 イラク新政策についてのブッシュ大統領の演説」を解析する。注目されるくだりは、「ラクの現状は米国民や私には受け入れられない。イラク駐留米軍は勇敢に戦った。過ちの責任は私にある」("Where mistakes have been made, the responsibility rests with me." )と苛立ちを吐露している。かって、「かかってこい」と全世界に向けてファイティングポーズで挑発した姿と重ねると、既に威勢無く敗勢濃厚である。

 次に、
「(超党派の)イラク研究グループの勧告を守り、イラク陸軍に従軍する米軍顧問を増やす。イラク側によりよい装備を提供し、イラク軍への訓練を加速する。地方復興チームの要員を倍増する。ライス国務長官が近く復興調整官を任命する」。

 次に、「中東全域における課題は単に軍事紛争だけではない。これは現代におけるイデオロギーをめぐる決定的な闘争だ。長期的にみて米国民を守る最も現実的な方法は、問題を抱えた地域に自由を普及させ、憎悪のイデオロギーに代えて、希望のあるイデオロギーを提示することだ」。

 次に、「今、引き下がることはイラク政府の崩壊をもたらす。そのシナリオによって米軍駐留は長期間になり、より攻撃力を備えた敵に立ち向かわざるを得ない結果になる」
これにより、マリキ首相率いる現政府が傀儡政権であることを認めている。


 この中でブッシュは、「過ちのあるところ、その責任は私にある」と失敗を認めている。


President's Address to the Nation
The Library

     Fact sheet Fact Sheet: The New Way Forward in Iraq
     Fact sheet Highlights of the Iraq Strategy Review (PDF)
     Fact sheet en Espanol

9:01 P.M. EST

THE PRESIDENT: Good evening. Tonight in Iraq, the Armed Forces of the United States are engaged in a struggle that will determine the direction of the global war on terror -- and our safety here at home. The new strategy I outline tonight will change America's course in Iraq, and help us succeed in the fight against terror.

When I addressed you just over a year ago, nearly 12 million Iraqis had cast their ballots for a unified and democratic nation. The elections of 2005 were a stunning achievement. We thought that these elections would bring the Iraqis together, and that as we trained Iraqi security forces we could accomplish our mission with fewer American troops.

But in 2006, the opposite happened. The violence in Iraq -- particularly in Baghdad -- overwhelmed the political gains the Iraqis had made. Al Qaeda terrorists and Sunni insurgents recognized the mortal danger that Iraq's elections posed for their cause, and they responded with outrageous acts of murder aimed at innocent Iraqis. They blew up one of the holiest shrines in Shia Islam -- the Golden Mosque of Samarra -- in a calculated effort to provoke Iraq's Shia population to retaliate. Their strategy worked. Radical Shia elements, some supported by Iran, formed death squads. And the result was a vicious cycle of sectarian violence that continues today.

The situation in Iraq is unacceptable to the American people -- and it is unacceptable to me. Our troops in Iraq have fought bravely. They have done everything we have asked them to do. Where mistakes have been made, the responsibility rests with me.

It is clear that we need to change our strategy in Iraq. So my national security team, military commanders, and diplomats conducted a comprehensive review. We consulted members of Congress from both parties, our allies abroad, and distinguished outside experts. We benefitted from the thoughtful recommendations of the Iraq Study Group, a bipartisan panel led by former Secretary of State James Baker and former Congressman Lee Hamilton. In our discussions, we all agreed that there is no magic formula for success in Iraq. And one message came through loud and clear: Failure in Iraq would be a disaster for the United States.

The consequences of failure are clear: Radical Islamic extremists would grow in strength and gain new recruits. They would be in a better position to topple moderate governments, create chaos in the region, and use oil revenues to fund their ambitions. Iran would be emboldened in its pursuit of nuclear weapons. Our enemies would have a safe haven from which to plan and launch attacks on the American people. On September the 11th, 2001, we saw what a refuge for extremists on the other side of the world could bring to the streets of our own cities. For the safety of our people, America must succeed in Iraq.

The most urgent priority for success in Iraq is security, especially in Baghdad. Eighty percent of Iraq's sectarian violence occurs within 30 miles of the capital. This violence is splitting Baghdad into sectarian enclaves, and shaking the confidence of all Iraqis. Only Iraqis can end the sectarian violence and secure their people. And their government has put forward an aggressive plan to do it.

Our past efforts to secure Baghdad failed for two principal reasons: There were not enough Iraqi and American troops to secure neighborhoods that had been cleared of terrorists and insurgents. And there were too many restrictions on the troops we did have. Our military commanders reviewed the new Iraqi plan to ensure that it addressed these mistakes. They report that it does. They also report that this plan can work.

Now let me explain the main elements of this effort: The Iraqi government will appoint a military commander and two deputy commanders for their capital. The Iraqi government will deploy Iraqi Army and National Police brigades across Baghdad's nine districts. When these forces are fully deployed, there will be 18 Iraqi Army and National Police brigades committed to this effort, along with local police. These Iraqi forces will operate from local police stations -- conducting patrols and setting up checkpoints, and going door-to-door to gain the trust of Baghdad residents.

This is a strong commitment. But for it to succeed, our commanders say the Iraqis will need our help. So America will change our strategy to help the Iraqis carry out their campaign to put down sectarian violence and bring security to the people of Baghdad. This will require increasing American force levels. So I've committed more than 20,000 additional American troops to Iraq. The vast majority of them -- five brigades -- will be deployed to Baghdad. These troops will work alongside Iraqi units and be embedded in their formations. Our troops will have a well-defined mission: to help Iraqis clear and secure neighborhoods, to help them protect the local population, and to help ensure that the Iraqi forces left behind are capable of providing the security that Baghdad needs.

Many listening tonight will ask why this effort will succeed when previous operations to secure Baghdad did not. Well, here are the differences: In earlier operations, Iraqi and American forces cleared many neighborhoods of terrorists and insurgents, but when our forces moved on to other targets, the killers returned. This time, we'll have the force levels we need to hold the areas that have been cleared. In earlier operations, political and sectarian interference prevented Iraqi and American forces from going into neighborhoods that are home to those fueling the sectarian violence. This time, Iraqi and American forces will have a green light to enter those neighborhoods -- and Prime Minister Maliki has pledged that political or sectarian interference will not be tolerated.

I've made it clear to the Prime Minister and Iraq's other leaders that America's commitment is not open-ended. If the Iraqi government does not follow through on its promises, it will lose the support of the American people -- and it will lose the support of the Iraqi people. Now is the time to act. The Prime Minister understands this. Here is what he told his people just last week: "The Baghdad security plan will not provide a safe haven for any outlaws, regardless of [their] sectarian or political affiliation."

This new strategy will not yield an immediate end to suicide bombings, assassinations, or IED attacks. Our enemies in Iraq will make every effort to ensure that our television screens are filled with images of death and suffering. Yet over time, we can expect to see Iraqi troops chasing down murderers, fewer brazen acts of terror, and growing trust and cooperation from Baghdad's residents. When this happens, daily life will improve, Iraqis will gain confidence in their leaders, and the government will have the breathing space it needs to make progress in other critical areas. Most of Iraq's Sunni and Shia want to live together in peace -- and reducing the violence in Baghdad will help make reconciliation possible.

A successful strategy for Iraq goes beyond military operations. Ordinary Iraqi citizens must see that military operations are accompanied by visible improvements in their neighborhoods and communities. So America will hold the Iraqi government to the benchmarks it has announced.

To establish its authority, the Iraqi government plans to take responsibility for security in all of Iraq's provinces by November. To give every Iraqi citizen a stake in the country's economy, Iraq will pass legislation to share oil revenues among all Iraqis. To show that it is committed to delivering a better life, the Iraqi government will spend $10 billion of its own money on reconstruction and infrastructure projects that will create new jobs. To empower local leaders, Iraqis plan to hold provincial elections later this year. And to allow more Iraqis to re-enter their nation's political life, the government will reform de-Baathification laws, and establish a fair process for considering amendments to Iraq's constitution.

America will change our approach to help the Iraqi government as it works to meet these benchmarks. In keeping with the recommendations of the Iraq Study Group, we will increase the embedding of American advisers in Iraqi Army units, and partner a coalition brigade with every Iraqi Army division. We will help the Iraqis build a larger and better-equipped army, and we will accelerate the training of Iraqi forces, which remains the essential U.S. security mission in Iraq. We will give our commanders and civilians greater flexibility to spend funds for economic assistance. We will double the number of provincial reconstruction teams. These teams bring together military and civilian experts to help local Iraqi communities pursue reconciliation, strengthen the moderates, and speed the transition to Iraqi self-reliance. And Secretary Rice will soon appoint a reconstruction coordinator in Baghdad to ensure better results for economic assistance being spent in Iraq.

As we make these changes, we will continue to pursue al Qaeda and foreign fighters. Al Qaeda is still active in Iraq. Its home base is Anbar Province. Al Qaeda has helped make Anbar the most violent area of Iraq outside the capital. A captured al Qaeda document describes the terrorists' plan to infiltrate and seize control of the province. This would bring al Qaeda closer to its goals of taking down Iraq's democracy, building a radical Islamic empire, and launching new attacks on the United States at home and abroad.

Our military forces in Anbar are killing and capturing al Qaeda leaders, and they are protecting the local population. Recently, local tribal leaders have begun to show their willingness to take on al Qaeda. And as a result, our commanders believe we have an opportunity to deal a serious blow to the terrorists. So I have given orders to increase American forces in Anbar Province by 4,000 troops. These troops will work with Iraqi and tribal forces to keep up the pressure on the terrorists. America's men and women in uniform took away al Qaeda's safe haven in Afghanistan -- and we will not allow them to re-establish it in Iraq.

Succeeding in Iraq also requires defending its territorial integrity and stabilizing the region in the face of extremist challenges. This begins with addressing Iran and Syria. These two regimes are allowing terrorists and insurgents to use their territory to move in and out of Iraq. Iran is providing material support for attacks on American troops. We will disrupt the attacks on our forces. We'll interrupt the flow of support from Iran and Syria. And we will seek out and destroy the networks providing advanced weaponry and training to our enemies in Iraq.

We're also taking other steps to bolster the security of Iraq and protect American interests in the Middle East. I recently ordered the deployment of an additional carrier strike group to the region. We will expand intelligence-sharing and deploy Patriot air defense systems to reassure our friends and allies. We will work with the governments of Turkey and Iraq to help them resolve problems along their border. And we will work with others to prevent Iran from gaining nuclear weapons and dominating the region.

We will use America's full diplomatic resources to rally support for Iraq from nations throughout the Middle East. Countries like Saudi Arabia, Egypt, Jordan, and the Gulf States need to understand that an American defeat in Iraq would create a new sanctuary for extremists and a strategic threat to their survival. These nations have a stake in a successful Iraq that is at peace with its neighbors, and they must step up their support for Iraq's unity government. We endorse the Iraqi government's call to finalize an International Compact that will bring new economic assistance in exchange for greater economic reform. And on Friday, Secretary Rice will leave for the region, to build support for Iraq and continue the urgent diplomacy required to help bring peace to the Middle East.

The challenge playing out across the broader Middle East is more than a military conflict. It is the decisive ideological struggle of our time. On one side are those who believe in freedom and moderation. On the other side are extremists who kill the innocent, and have declared their intention to destroy our way of life. In the long run, the most realistic way to protect the American people is to provide a hopeful alternative to the hateful ideology of the enemy, by advancing liberty across a troubled region. It is in the interests of the United States to stand with the brave men and women who are risking their lives to claim their freedom, and to help them as they work to raise up just and hopeful societies across the Middle East.

From Afghanistan to Lebanon to the Palestinian Territories, millions of ordinary people are sick of the violence, and want a future of peace and opportunity for their children. And they are looking at Iraq. They want to know: Will America withdraw and yield the future of that country to the extremists, or will we stand with the Iraqis who have made the choice for freedom?

The changes I have outlined tonight are aimed at ensuring the survival of a young democracy that is fighting for its life in a part of the world of enormous importance to American security. Let me be clear: The terrorists and insurgents in Iraq are without conscience, and they will make the year ahead bloody and violent. Even if our new strategy works exactly as planned, deadly acts of violence will continue -- and we must expect more Iraqi and American casualties. The question is whether our new strategy will bring us closer to success. I believe that it will.

Victory will not look like the ones our fathers and grandfathers achieved. There will be no surrender ceremony on the deck of a battleship. But victory in Iraq will bring something new in the Arab world -- a functioning democracy that polices its territory, upholds the rule of law, respects fundamental human liberties, and answers to its people. A democratic Iraq will not be perfect. But it will be a country that fights terrorists instead of harboring them -- and it will help bring a future of peace and security for our children and our grandchildren.

This new approach comes after consultations with Congress about the different courses we could take in Iraq. Many are concerned that the Iraqis are becoming too dependent on the United States, and therefore, our policy should focus on protecting Iraq's borders and hunting down al Qaeda. Their solution is to scale back America's efforts in Baghdad -- or announce the phased withdrawal of our combat forces. We carefully considered these proposals. And we concluded that to step back now would force a collapse of the Iraqi government, tear the country apart, and result in mass killings on an unimaginable scale. Such a scenario would result in our troops being forced to stay in Iraq even longer, and confront an enemy that is even more lethal. If we increase our support at this crucial moment, and help the Iraqis break the current cycle of violence, we can hasten the day our troops begin coming home.

In the days ahead, my national security team will fully brief Congress on our new strategy. If members have improvements that can be made, we will make them. If circumstances change, we will adjust. Honorable people have different views, and they will voice their criticisms. It is fair to hold our views up to scrutiny. And all involved have a responsibility to explain how the path they propose would be more likely to succeed.

Acting on the good advice of Senator Joe Lieberman and other key members of Congress, we will form a new, bipartisan working group that will help us come together across party lines to win the war on terror. This group will meet regularly with me and my administration; it will help strengthen our relationship with Congress. We can begin by working together to increase the size of the active Army and Marine Corps, so that America has the Armed Forces we need for the 21st century. We also need to examine ways to mobilize talented American civilians to deploy overseas, where they can help build democratic institutions in communities and nations recovering from war and tyranny.

In these dangerous times, the United States is blessed to have extraordinary and selfless men and women willing to step forward and defend us. These young Americans understand that our cause in Iraq is noble and necessary -- and that the advance of freedom is the calling of our time. They serve far from their families, who make the quiet sacrifices of lonely holidays and empty chairs at the dinner table. They have watched their comrades give their lives to ensure our liberty. We mourn the loss of every fallen American -- and we owe it to them to build a future worthy of their sacrifice.

Fellow citizens: The year ahead will demand more patience, sacrifice, and resolve. It can be tempting to think that America can put aside the burdens of freedom. Yet times of testing reveal the character of a nation. And throughout our history, Americans have always defied the pessimists and seen our faith in freedom redeemed. Now America is engaged in a new struggle that will set the course for a new century. We can, and we will, prevail.

We go forward with trust that the Author of Liberty will guide us through these trying hours. Thank you and good night.

END 9:21 P.M. EST