331―18 | 対イラク戦勃発(3) |
【戦争長期化か短期決戦か。米英軍短期決戦へ遮二無二進む】 |
2003.4.2日、米英軍が攻勢に出ており、首都バグダッドの南約80キロのカルバラや南東約170キロのクートに攻勢をかけ、クートではチグリス川に架かる橋や幹線道路を掌握した。米軍はカルバラ、クートの2方向から首都へ急速に迫り、ロイター通信によると、一部部隊は首都まで約30キロの地点まで進んだ。米CNNテレビは同日、米軍が今後数時間でバグダッド南端に到達する見通しだと報じ、首都決戦の様相が強まっている。
米中東軍(米統合参謀本部のマクリスタル作戦副部長)によると、海兵隊はクートでの戦闘でイラクの精鋭部隊「共和国防衛隊」のメディナ、バグダッドの2個師団を壊滅させた。クート方面からの部隊はチグリス川を渡り、バグダッドまで約40キロの地点まで進撃したという。またカルバラでは、米第3歩兵師団が共和国防衛隊のメディナ、ネブカドネザル両師団との激戦の末、同市を包囲した。マクリスタル副部長は、これらの師団は散発的な抵抗を示しているものの「メディナ、バグダッド師団はもはや軍隊の体をなしていない」と述べ、二つの師団が壊滅状態にあることを強調した。投降兵はいるが「数は多くない」という。戦闘でイラク兵約30人が捕虜になった。 約6000人のイラク兵の多くはカルバラ市内に撤退したが、米軍は市街戦を避けるため市内に突入せず、前線部隊はバグダッド方向に進軍を続けている。AP通信は、カルバラ周辺で、米軍のB52爆撃機による「じゅうたん爆撃」が行われたと報じた。 中部ナジャフでは米第101空てい師団が補給ルート確保のため、戦闘機や攻撃ヘリコプターの支援を受けてフセイン大統領に忠誠を誓う民兵組織「フェダイン・サダム」に攻撃を加えた。 バグダッドでは3日夜、大規模な停電が起きた。 |
【米地上軍がバグダッド国際空港を制圧】 |
2003.4.4日、米地上軍がバグダッド国際空港を制圧。イラク戦争でバグダッドへの急進撃を続ける米地上軍は3日、首都中心部から南西約20キロに位置するバグダッド国際空港を制圧した。ロイター通信が米軍筋の話として伝えた。同軍はバグダッド攻略に向けた戦略拠点を掌握したといえる。イラクの共和国防衛隊が布陣していたバグダッド南部の防衛ラインを2日に突破して以来、進撃への大規模な抵抗はなく、イラク側の指揮命令系統が混乱しているとの見方も出ている。
空港占領、イラクは「人間の盾」で抵抗イラクの死者320人… 【アンマン4日=夕刊フジ特電】米英軍は3日深夜(日本時間4日未明)、バグダッド郊外南西約10キロ地点のサダム国際空港に1000人以上の部隊で制圧したが、戦闘でイラク兵約320人が戦死したという。空港制圧に伴い、ラムズフェルド米国防長官もブッシュ米大統領に、イラク暫定政権の即時発足を進言したとされ、開戦から3週間目に入って、新たな局面を迎えた。 米海兵隊第1遠征軍は首都南東のクートで一部部隊がチグリス川を渡り、バグダッドに向けて進撃中という。残る部隊はクートで掃討作戦を繰り広げている。 また、イラク中部のナジャフでは3日、米陸軍第101空てい師団が市内に入り、ゲリラ掃討作戦を試みた。だが、ロイター通信によると、集まった群衆が米兵らがシーア派イスラム教徒の聖地であるモスク(イスラム礼拝堂)を奪おうとしているとして興奮し、歩兵部隊の前進を阻止した。 マイヤーズ議長は一方、イラク側が首都周辺に布陣した共和国防衛隊に増援を送ろうとしたものの途中で引き返すなど、首尾一貫しない動向があると指摘。前線で壊滅した師団の生き残りは散り散りになったとも述べ、抵抗作戦が混乱しているとの見方を示唆した。[毎日新聞] 2003.4.3日、ブッシュ米大統領は3日の海兵隊基地(ノースカロライナ州)での演説で、イラク戦争について「我々は完全で最終的な勝利以外は受け入れられない」と表明した。フセイン大統領の第三国への亡命による決着は認めない方針を示した格好だ。これに関連して、ラムズフェルド国防長官も同日の記者会見で「我々が依然として亡命を促そうとしているかと質問されたら、答えはノーだ」と語り、あくまでもフセイン氏の拘束・殺害を目指す姿勢をにじませた。 同長官はフセイン氏が開戦前に猶予期間を与えられたにもかかわらず、亡命しなかったことを念頭に「彼に出国するつもりがあるなら、すでに出国していただろう」とも指摘した。そのうえで「イラク指導陣に逃げ道はないが、イラク軍の将校や兵士はまだ生き残り、自由な国家の再建を支援することができる」と、イラク軍将校や兵士に投降を呼び掛けた。一方で、イラク軍の一部が降伏を装って攻撃してきたことに対し、責任者を「戦争犯罪人として裁く」との考えを強調した。米大統領「勝利以外は受け入れられない」。【ワシントン=秋田浩之】 ヨルダン国王、異例の米英非難発言【カイロ=中西俊裕】3日付のヨルダン有力各紙によると同国のアブドラ国王は、「イラク人の婦女子を巻き添えにした」と米英軍の攻撃を批判。ラゲブ首相も同日、駐ヨルダン米大使を呼んで「米英政府はイラクの民間人が犠牲になっていることに責任がある」と強く抗議した。 イラク戦争で、親米派のアブドラ国王が米英の軍事行動をはっきりと非難したのは初めて。国王は米英の軍事行動を「侵攻」と表現。「罪のない民間の殉教者が拡大していくことに痛みと悲しみを覚える」と語った。 (12:00) 仏首相「米は開戦までに3つの間違い」 「米国は対イラク開戦までに3つの間違いを犯した」――。フランスのラファラン首相は3日、仏国営テレビのインタビューでイラク戦争について語った。 同首相は「間違いの指摘は親しい仲間だからこそできること」と前置き。そのうえで具体的に、(1)戦争以外の手段による武装解除を放棄した道徳的な過ち(2)中東地域の抱える問題の複雑さを無視した政策的な過ち(3)一国で世界を導くことができると考える戦略的な過ち――の3点をあげた。 なかでも、戦争が中東地域全体に与える影響に強い懸念を表明。ドビルパン仏外相も同日、パウエル米国務長官との会談で、米に中東和平への道筋を明らかにするよう求めている。 同首相は「仏は(イラクの)独裁者に対する親近感などない」と強調する。しかし、米仏関係はイラク問題を通じ悪化している。耳の痛い“友人の忠告”を米がしっかり受け止めるかどうかは不透明だ。(パリ=柴山重久) (10:35) |
【米英軍が戦術核兵器使用】 |
ロイター通信は4.2日、中部クート近郊で巨大なきのこ雲が立ち上ったと報じ、特殊大型爆弾(重量約6800キロ)デージーカッターが初めてイラク戦争で使われた可能性に言及した。デージーカッターはアフガン攻撃に使われ、半径100〜300メートル以内の敵を殺傷できるとされる。大型のため、戦闘機や爆撃機には搭載出来ず、輸送機からパラシュートをつけて落下させる。
米英軍はバグダッド市内へ空爆も続け、空港突入とほぼ同時刻に市内全域が停電した。マイヤーズ米統合参謀本部議長は「米軍の爆撃によるものではない」とするが、英各紙は米軍が「ブラックアウト爆弾」を使ったとする。この爆弾は、炭素繊維を詰め込んだ爆弾を送電施設などの上で爆発させ、ショートさせて使えなくするものだ。
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【ロンドン岸本卓也】英国・北アイルランドで7、8日に開かれる米英首脳会談で、ブレア英首相はブッシュ米大統領にイラク戦争終結後の国連主導の暫定政権づくりを要請する方針だ。ブッシュ政権内部では米国主導の暫定政権づくりを目指す国防総省と国連の関与を認めようとする国務省とが対立している。ブレア首相はブッシュ大統領に国務省寄りの路線を取るように説得するとみられる。
ブレア首相は4日の民放テレビとの会見で「イラクはイラク人が統治しなければならない」と、戦後にイラク人による暫定政権が速やかに発足することを求めた。英政府は国連主導でイラク各派代表者会議を開き、イラク人による暫定統治の道筋をつける案を発表している。
一方、パウエル米国務長官は3日、ブリュッセルで欧州各国外相と会談した後、イラクの戦後統治について「米政府は方針が固まっていない」と述べた。長官は戦後処理で国連の関与が必要であることは認めたが、国連がどこまでかかわるかについては踏み込まず、国防総省と合意ができていないことを示唆した。
開戦前に米政府は戦後統治案としてフランクス中東軍司令官をトップにし、民政官として退役将軍のジェイ・ガーナー氏を充てる構想を立てた。ガーナー氏は約20の省庁を設けて米国人の各顧問を暫定的な閣僚にして統治する方針だった。しかし、国務省は「軍政色が強すぎる」と計画の見直しを求めている。
戦後統治に6人の英国人顧問を送り込む予定の英政府もガーナー氏の構想に難色を示している。英外務省は米英人顧問を閣僚として扱うことに反対している。オブライエン外務政務次官は「顧問はあくまで顧問だ」として米英人が閣僚のような振る舞いをすることを警告している。
また、英政府はラムズフェルド米国防長官がシリアやイランに対してイラク戦争への介入を警告したことを懸念している。英外務省は「英国はシリアやイランと対決する意思はない」と米国防長官の強硬姿勢から距離を置く方針を明らかにしている。
[毎日新聞4月5日] ( 2003-04-05-13:28 )
【ワシントン佐藤千矢子】イラクの首都バグダッド南西の国際空港を制圧した米地上部隊は4日、イラク側の散発的抵抗が続く中、数百人規模の部隊増強を図るとともに、空港周辺に支配地域を拡大した。パウエル米国務長官は同日、米英軍が「間もなくイラク全土を完全に掌握する」と明言した。
また米統合参謀本部のマクリスタル作戦副部長は同日、イラク最精鋭の共和国防衛隊(6個師団)について、先に米国が「壊滅状態」とした2師団以外の4師団も「著しく戦力を低下させた」と強調した。
同副部長は「国際空港には相当数の米地上部隊が展開し、周辺地域に支配を広げつつある」と述べた。米海兵隊は首都南東のクートからバグダッドへと北上を続け、2方向から首都攻略を目指す動きを加速させた。
ロイター通信によると、米陸軍第3歩兵師団など約1500人が展開する同空港には、陸軍第101空てい師団などから数百人が増派される。同空港はバグダッド攻略の前線基地として使用される公算が大きい。
クートからバグダッドを目指す海兵隊第1遠征軍は、共和国防衛隊アルニダ師団の抵抗にあったものの、同遠征軍当局者がロイター通信記者に語ったところでは「同師団はもはや効果的戦力ではない」という。
しかし米CNNテレビは、共和国防衛隊が首都から空港へ向かっていると伝えており、米軍との戦闘が再燃する可能性もある。イラクのサハフ情報相は4日、イラク側が米英軍に「殉教攻撃」をかけると警告していた。
[毎日新聞4月5日] ( 2003-04-05-13:19 )
【米英軍、バグダッド侵攻】 | ||
2003年04月05日 イラク戦争:米軍、バグダッド市内に侵攻 イラク激しく応戦
【北米総局】米CNNテレビとFOXテレビは4日、米陸軍第3歩兵師団の戦車など地上部隊がバグダッド南郊から市内に入ったと報じた。イラク側は激しく応戦している。CNNは偵察行動と報じており、本格的な首都侵攻と市街戦に発展するかどうかは明らかでない。ロイター通信の従軍記者によると、米軍は市中心部から12〜14キロの地点まで進撃したという。 米軍事筋によると、6〜8両の戦車が市内に進撃した。FOXテレビの従軍記者によると、イラク側は米地上部隊に激しく抵抗しているという。 AP通信によると、南東方向からバグダッドに向かった米海兵隊師団も首都南東端まで数キロに迫った。第3歩兵師団とあわせ、2方面からバグダッドに侵攻する可能性が出て来た。 米軍は4日、バグダッドのサダム空港を制圧した後も、空港周辺でイラク軍と散発的な戦闘を続けていた。 [毎日新聞4月5日] ( 2003-04-05-14:04 ) 2003年04月05日 イラク戦争:大量の米部隊がバグダッド中心部に 攻略作戦開始
米中央軍のソープ報道官は5日、米陸軍第3歩兵師団などの部隊が同日午前(日本時間同日午後)、バグダッドの中心部に進攻したことを明らかにした。米CNNテレビなどは「大量の部隊が首都に入った」と伝えた。米英軍の予想外に早い首都突入作戦で、フセイン・イラク政権は崩壊の危機に直面している。 ソープ報道官は軍部隊の進攻について「偵察活動ではない。かなりの部隊が市中心部近くにおり、引き返す計画はない」と言明、本格的な首都攻略戦であることを明らかにした。 米軍部隊は首都防衛と大統領警護を任務とする精鋭部隊のイラク軍特別共和国防衛隊などと交戦しているが、イラク側の抵抗は「散発的」で前進を続ける方針という。 ロイター通信によると、複数の米軍当局者は、バグダッド市内の戦闘で米兵4人が負傷、うち1人は重体だと述べた。 報道官は進攻した部隊の規模や作戦内容などは明らかにしなかったが、ロイター通信によると、先頭部隊はM1戦車エーブラムズ20両以上とブラッドレー装甲戦闘車10両で、首都南部の高速道路を通じて市内に進攻した。 4日夜からの集中的な空爆を受けて、米軍の首都突入作戦が始まった。(ドーハ共同) [毎日新聞4月5日] ( 2003-04-05-18:15 ) 4月06日 15:10イラク戦争:米軍、首都南西部に進攻 偵察活動を再開
米CNNテレビによると、米陸軍第3歩兵師団は6日午前(日本時間同午後)、前日に引き続きイラクの首都バグダッド市内に進攻、偵察活動を再開した。 首都南西部の一部地域の確保を目的とした行動とみられる。 CNNによると、米軍部隊は市内の共和国防衛隊兵舎を標的に攻撃を加えているが、同防衛隊側も激しく応戦しているという。(ワシントン共同) [毎日新聞4月6日] ( 2003-04-06-15:08 ) [ワシントン 5日 ロイター] 米軍は、イラク南部ナシリヤで発見された遺体のうち、8遺体の身元を米兵と確認。これにより、イラク戦争でこれまでに確認された米軍側の死者数は79人となった。 遺体は、イラク軍の捕虜となっていた第507整備補給中隊のジェシカ・リンチ上等兵(19)を救出した米軍特殊部隊が発見した。 身元が確認された8人のうち、7人が同中隊所属の兵士。南部を移動中に道を誤ってイラク軍部隊の攻撃を受け、行方不明となっていた。 米国防総省によると、死者79人のうち、65人がイラク軍の攻撃で、14人が事故などで死亡。このほかに8人が行方不明、7人がイラク軍の捕虜となっている。 4月06日 23:41イラク戦争:米軍、着々と首都包囲網 イラク側は夜間封鎖
イラクの首都バグダッド攻略をめざす米軍は6日、前日に続いて首都に偵察行動として進撃、イラク側に激しい攻撃を加えた。米空軍は地上作戦を支援するため上空からの24時間監視を始め、米軍は首都包囲網を着々と築きつつある。南部のバスラでは英軍戦車部隊が市中心部に進撃し、同市の陥落間近との見方も出ている。一方、米軍の進撃に危機感を抱くイラクは6日、夜間のバグダッドへの出入りを禁じる措置を発表した。 【アッサイリヤ基地(カタール)田中洋之、ワシントン佐藤千矢子】CNNテレビによると、米第3歩兵師団の戦車部隊が6日、バグダッド南西部に進撃した。市街地まで入ったかどうかは不明だが、米軍はイラク兵に激しい砲撃を加えた模様だ。米海兵隊が首都の東側から砲撃を行っているとの情報もある。 米軍筋によると、米地上部隊はバグダッド南西約20キロのサダム国際空港を拠点に、首都から北西方向に向かう高速道路を支配下に置いた。ロイター通信によると、国際空港には第3歩兵師団など米地上部隊約7000人が集結。首都南方には同師団の別の部隊が展開し、南東から北東にかけては米海兵隊第1遠征軍が活動範囲を広げている。 米中東軍のソープ報道官は、地上部隊がバグダッドへの攻撃を初めてから、同市周辺で2000人以上のイラク兵が死亡したと語った。 一方、南部バスラを包囲していた英海兵隊部隊は6日、南西郊外で大規模な攻撃を開始、戦車部隊などが同市中心部に入ったという。イラク側の民兵組織が応戦しているが、組織的抵抗は弱く、CNNテレビはバスラ陥落は近いと報じた。 北部では米軍の支援を受けたクルド人武装勢力が拠点都市モスルの北東約45キロにあるアインシフニを制圧した。 一方、サウジアラビアの米軍基地で5日、電話を通じて会見したモズリー空軍中将は、米英軍が首都上空の24時間監視飛行を開始し、地上部隊の今後のバグダッド侵攻を支援するための空爆態勢の再編成に着手したことを明らかにした。 ロイター通信によると首都への進撃で破壊されたとみられる米軍の戦車1両が6日、バグダッド南部に向かう高速道路で見つかり、イラク側当局者によれば米兵4人が中で死んでいた。 また同通信によると、米英軍は5日、南部バスラでフセインの大統領のいとこで、クルド人への化学兵器使用を命じたとされるマジド元国防相の居宅を空爆。6日になってマジド氏の護衛1人の遺体が発見されたという。同氏の生死は不明。 一方、イラク国営テレビは6日、午後6時〜翌朝6時までの間、人と車のバグダッドの出入りを禁止すると発表した。同日から実施される。夜間移動禁止の理由などは明らかにされていない。 [毎日新聞4月6日] ( 2003-04-06-23:37 ) 2003年04月08日 イラク戦争:数日で首都制圧 米大統領補佐官が見通し
ライス米大統領補佐官(安全保障問題担当)は7日、モスクワでのプーチン・ロシア大統領らとの会談で、あと数日でバグダッドの事実上の制圧が完了するとの見通しを示した。米ロ関係筋が明らかにした。 同筋によると、米軍はバグダッドの大統領宮殿の占拠などを通じ、民衆を巻き込んだ大規模な抵抗はないとの判断を固めている。 バグダッドの共和国防衛隊に対して、首都放棄を迫る最後通告を出すことも検討しているという。 補佐官はまた、イラクの戦後の統治体制や復興問題をめぐり、米国が準備している国連安全保障理事会の決議案への支持をロシア側に強く求めた。 補佐官は同決議案について、人道支援などは国連の管轄とするものの、イラクの戦後の統治体制は米国主導で進める基本線を譲らないとの立場を説明。統治体制も含め国連の枠内に置くことを主張するロシアに譲歩を求めた。 この点でロシアが譲れば、イラクが破壊した油井など石油関連施設の復興を国連の管轄とすることを決議案に盛り込む用意も示したという。 プーチン大統領は11日にサンクトペテルブルクでドイツのシュレーダー首相と会談。イラクの戦後体制に関する共通の対応を協議する。(モスクワ共同) [毎日新聞4月8日] ( 2003-04-08-08:18 ) 2003年04月08日 イラク戦争:フセイン政権は崩壊過程に 米国防長官
ラムズフェルド米国防長官は7日、ワシントンで記者会見を行い、米英軍の攻撃でフセイン大統領は「ますます孤立化し、選択肢はなくなりつつある」と述べ、フセイン政権が崩壊の道筋をたどっているとの認識を示した。 同長官はフセイン大統領について「可能性として、死んでいるか、負傷しているか、表にでたくないかの3つあるが、我々はどこに彼がいるのかはわからない」と述べる一方で「イラクの大部分について、もはや支配が及ばなくなっている」と強調。「我々は、フセイン政権打倒まで進撃をやめないだろう」と、体制崩壊を目標としていることを改めて示した。 [毎日新聞4月8日] ( 2003-04-08-07:35 ) 強気の発言、焦りを体現 連日登場のイラク情報相 【アンマン7日共同】米軍が首都バグダッド制圧をうかがう中、連日テレビカメラの前で「米軍が来ればせん滅する」などと強気の発言を繰り返すのが、イラク政府のスポークスマン、ムハンマド・サイード・アル・サハフ情報相(63)だ。
時折笑みを浮かべながら、戦況をたずねる記者の質問をはぐらかし、米英両国を「国際的ギャング」「吸血野郎」などと語気を強めて呼ぶ情報相の姿は、逆にイラク指導部の焦りを反映しているとも言えそうだ。 情報相はイラク国営放送幹部を経て、インド、イタリア、国連の各大使などを歴任。フセイン大統領に重用され、湾岸戦争後の一九九二年から二○○一年まで外相を務め、その後情報相に。ロイター通信によれば、外相の座を追われたのは、大統領の長男ウダイ氏が所有するメディアが仕事ぶりを批判した後だった。 最近は、軍服、ベレー帽、腰に銃といういでたちで連日世界のメディアに登場。米部隊が大統領宮殿に旗を掲げたと報道され、「首都陥落か」と注目された七日の記者会見では、いつものように「米軍の発表はうそばかりだ」と否定した。(了) 04/08 数年かけ民主政権目指す 米構想、3段階で復興 [kyodo.co.jp] http://www.asyura.com/0304/war31/msg/106.html 投稿者 ひろ 日時 2003 年 4 月 08 日 12:08:06:YfXbGWRKtGRPI 数年かけ民主政権目指す 米構想、3段階で復興 【ワシントン7日共同】ブッシュ米政権が検討している戦後イラク統治計画の全容が姿を現し始めた。大きく「治安維持、秩序回復」の第一期、「安定、再建」の第二期、「イラク人への権力移譲」の第三期に分けられ、数年かけ米国主導の統治機構がイラク復興を進め、最終的には選挙を経てイラク人の手による民主政権樹立を目指す。 七日付米紙ウォールストリート・ジャーナルなどによると、第一期はフセイン政権崩壊と同時に、イラク戦争を指揮したフランクス米中央軍司令官を最高責任者として「軍政」を敷く。フセイン政権残党の掃討など治安維持活動を続け、生物・化学兵器も捜索。この期間は数週間で終了する見通し。 第二期では、ガーナー米退役少将を事実上の「首相」である行政官とする米主導の暫定統治機構「復興人道援助室」(ORHA)が社会機能の復興に取り組む。 ORHAには「国防省」や「情報省」などが設置され、トップには主に米国人が就任する見通し。既に「国防相」にはスローコム元国防次官、「情報相」にはウルジー元米中央情報局(CIA)長官らの名前が挙がり、イラク全土の水道、電気、道路など社会インフラの復興などに当たる。 ORHAを指導することになる約二百三十人の米国の元軍人や外交官らは既にクウェート入りしており、数日後には早期活動開始を目指しイラク南部の港湾都市ウムカスルに移動するとみられる。ウルフォウィッツ米国防副長官は、ORHAの統治は最低でも六カ月間必要としているが、数年かかるとの見方もある。 第三期にはイラク人をトップとする暫定政府が樹立され、米国の支援を受け統治に乗り出す。民主政権樹立に向けた総選挙の準備も進められる。この期間がどの程度続くかは不明だ。 ラムズフェルド米国防長官は、暫定政府トップにイラク国民会議(INC)のチャラビ代表を据える方針とされるが、チャラビ氏には過去に米政府が提供した活動資金の私的流用疑惑などがあり、CIAや国務省が強く反対している。 http://news.kyodo.co.jp/kyodonews/2003/iraq2/news/0408-575.html 04/07 17:44 「次はシリア」との議論も 化学兵器見つからず標的 http://www.asyura.com/0304/war31/msg/119.html 投稿者 倉田佳典 日時 2003 年 4 月 08 日 13:54:21:eahs5MlcSyO0. 04/07 17:44 「次はシリア」との議論も 化学兵器見つからず標的 【ワシントン7日共同】米軍のバグダッド攻略が着々と進む一方、ブッシュ大統領が開戦の大義名分に掲げた化学兵器など大量破壊兵器の開発・保有を裏付ける証拠が依然見つかっていない。米軍が焦燥感を募らす中、米メディアなどの間では「隣国のシリアに隠匿したのではないか」との憶測が浮上、議会強硬派からも「次の標的はシリア」との声も出ている。
2003年04月08日 イラク戦争:米英軍が「フセイン大統領潜伏先」空爆
イラクの首都バグダッド攻略を目指す米英軍は7日午後(日本時間同日夜)、フセイン大統領らが潜伏中との情報があったバグダッド市内の施設に対し、地中貫通型爆弾によるとみられる空爆を行った。大統領らの生死は不明。また、バグダッド中心部にある共和国宮殿に入った米地上部隊は、8日朝になっても同宮殿内の占拠を続け、付近ではイラク軍との激しい戦闘が起こっている。一方、南部ナシリヤでは7日、フセイン大統領に反発を抱く市民と政権政党バース党メンバーとの衝突が発生した。バグダッドでも同様の衝突が発生したばかりで、今後、こうした住民蜂起や暴動がイラク全土に拡大する可能性がある。 ■地中貫通型爆弾4発を投下 【ワシントン佐藤千矢子】米英軍は7日、バグダッド市内にある施設で、フセイン大統領と長男ウダイ氏、二男クサイ氏の2人の息子を含むイラクの情報・軍当局高官らが出席した重要会議が開かれるとの有力情報を入手し、同日午後3時(日本時間同8時)ごろ、この施設への空爆を行った。地中貫通型爆弾が使われたとみられる。米国防総省高官が複数の米メディアに明らかにした。 米メディアによると、B1爆撃機が2000ポンド級の地中貫通型爆弾4発を投下し、現場には巨大なクレーター状の穴ができたという。空爆後に、人が動いた形跡がないという。 米MSNBCテレビは米当局者の話として、フセイン大統領と2人の息子が死亡した可能性があると報じたが、根拠は示されていない。イラク側は、この空爆で市民14人が死亡したとしている。 また、ロイター通信の従軍記者によると、7日夜、バグダッドにある主宮殿の共和国宮殿には「戦車4両がとどまり、兵士らが非常にくつろいで敷地内を歩き回っている姿が見られる」という。同通信などによると、8日午前5時(同10時)ごろ、米軍が占拠しているバグダッドの同宮殿付近で、5回の大きな爆発音に続き、炎が上がり、銃声が聞こえた。 一方、米中東軍のブルックス作戦副部長は同日の会見で「地上部隊の指揮官らはバグダッドのどの部分の制圧を維持するか決断するだろう」と述べ、米地上部隊が市内の一部地域でこのまま駐留を続ける可能性を指摘した。 ラムズフェルド国防長官と共同会見したマイヤーズ米統合参謀本部議長は、米地上部隊が大統領宮殿を占拠した目的について、(1)イラク政権と国民に政権が終わるというメッセージを送る(2)政権指導層や大量破壊兵器などに関する手がかりを入手する――ことだったと述べた。同議長は、また、イラクの共和国防衛隊が保有していた戦車約800両は米英軍による破壊や放置などで大半が失われ、現在25両ほどに減ったとして、同防衛隊の戦力低下を指摘した。 ラムズフェルド長官はまた、「(フセイン大統領は)もはやイラクのほとんどを支配していない」との認識を表明、「フセインのいない生活は遠い夢ではなくなったことをイラクの人々に保証する」と述べ、フセイン政権の崩壊が迫っていることを強調した。 長官はさらに「勝利宣言」の時期について、ブッシュ米大統領やブレア英首相らが決定することと断ったうえで、(1)フセイン政権の変更(2)イラク国内での米英軍の行動の安全――などが判断基準になるとし、「少し時間がかかる」との見通しを示した。 ■南部バスラでは略奪も 【アンマン小倉孝保】国営イラン通信によると、バグダッド市西部や南部で7日、フセイン政権に反発を抱く市民とイラク政権政党・バース党員との間で激しい銃撃戦が起き、市民側に60人以上の死者が出た。バグダッドに残る同通信記者が伝えた。 英BBC放送によると、南部ナシリヤ中心部では同日、フセイン大統領に忠誠を誓う武装組織メンバーと反フセイン勢力が銃撃戦を繰り広げた。負傷者の有無は不明。 また、イラクからの報道によると、南部バスラでも同日、バース党事務所やホテル、病院などに若者らが侵入し家具などを略奪した。シェラトンホテルではロビーのカーペットなどが奪われた。16歳の若者は「ここの品物はフセイン体制が集めたぜいたく品だ」とフセイン政権への不満を訴えたという。また、病院では、市民が高価な医療器具や救急車を奪おうとし病院職員ともみ合った。病院側は英軍に助けを求めたという。 フセイン政権下では、治安・情報機関や政権政党バース党による徹底した住民監視が行われてきた。このため、密告社会下で住民同士の憎悪が深まってきたとされる。米軍のバグダッド侵攻で、フセイン政権の終えんを感じ取った市民らが反発を強めている。 [毎日新聞4月8日] ( 2003-04-08-14:14 ) 【米軍の十八番:不都合な対象は殲滅】米軍のミサイルがアルジャズィーラのバグダッド支局を直撃:カメラマンが負傷、記者が行方不明 http://www.asyura.com/0304/war31/msg/129.html 投稿者 佐藤雅彦 日時 2003 年 4 月 08 日 16:34:00: ●AFP通信によれば、A10攻撃機は情報省(への道路)、計画省、宮殿などを標的にしているようですが、「アルジャズィーラのバグダッド支局はマンスール・ホテルの近くにあり、情報省の庁舎からは遠く離れている」にもかかわらず、米軍のミサイルで破壊されました。(これはフセインを狙ったマンスール地区の空爆のようですね。いま午後4時半現在のNHKラジオ総合のニュースで、アルジャジーラのスタッフ1人死亡と報じられました。) ●ユーゴでは中国大使館、アフガニスタンではやはりアルジャズィーラ支局を爆撃していますし、今回はイラクでロシア外交関係者に文字どおりの「テロ攻撃」を行なっていますね。アメリカ軍の行動は倫理的に正当化しようのないものですから、国際法廷で裁いてほしいものです。 イラク戦争 米軍、首都バグダッドの東側に進撃−−記者常駐ホテル、砲撃で5人死傷 イラクの首都バグダッドに侵攻した米軍は8日、首都中心部にある共和国宮殿の占拠を続ける一方、チグリス川を渡って初めて市東側に進撃した。首都南東部では米海兵隊がラシード空軍基地を制圧し、同川東岸地域で初めて軍事拠点を確保、フセイン政権への圧力をさらに強めた。一方、米軍の激しい攻撃が続く中、カタールの衛星テレビ「アルジャジーラ」のバグダッド支局が米軍ミサイルに被弾、同テレビの記者1人が死亡した。多くの記者が滞在する「パレスチナホテル」にも米軍戦車の砲弾が撃ち込まれ、ロイター通信など2社のカメラマン2人が死亡、3人が負傷した。一日に3人もの報道関係者が死亡したことで、米軍への批判が強まるのは必至だ。 ◇アルジャジーラ支局にも1人死亡 【アッサイリヤ基地(カタール)田中洋之】米軍は8日、A10攻撃機やアパッチ戦闘ヘリコプター、戦車部隊などを動員し、首都中心部にある共和国防衛隊施設など主要施設に集中的な攻撃を加えた。戦車部隊は市内を流れるチグリス川をはさんでイラク側と激しい砲撃戦の末、ジュムフリヤ橋を渡って東側に進入した。西岸地域の主要部分と市南部は米軍がほぼ制圧した模様で、8日には首都の北側からも米軍部隊が進撃した。 米中東軍によると、バグダッド南東部では米海兵隊がラシード空軍基地を制圧した。米軍はサダム国際空港に続いて、空路補給の拠点をまた一つ確保した。 中東軍のソープ報道官は「イラク側の組織的な抵抗は見られない」と述べたが、サダム国際空港近くで8日、A10攻撃機1機がイラク側に撃墜されるなど、局地的には激しい抵抗が続いている。撃墜されたパイロットは脱出し、無事に帰還した。 一方、アルジャジーラ支局のミサイル被弾では、ヨルダン国籍のカメラマン1人が死亡、他のスタッフ1人も負傷した。中東軍は同支局を標的にしたことを否定。近くにあるアラブ首長国連邦の「アブダビ・テレビ」の支局付近にも着弾したが、負傷者はなかった。 また、米陸軍第3歩兵師団の司令官は同日、パレスチナホテルに米軍戦車が砲弾1発を撃ち込んだことを認めた。この砲撃でロイター通信のカメラマン1人が死亡、報道関係者3人が負傷したほか、スペイン民放テレビのカメラマン1人が死亡。米軍はライフル銃などで攻撃を受けたため応戦したとしているが、目撃者は米軍への攻撃はなかったと証言している。 ロイター通信によると、イラク国営テレビは8日、放送を停止した。また、フセイン大統領の長男ウダイ氏が所有するシャバド・テレビも砲撃され、8日午前から放映中止。ラジオも一時、放送を中止した。 (2003年4月9日毎日新聞朝刊から) イラク問題 米英首脳会談 英国、米と仏独露の仲介へ−−戦後処理、国連関与 ◇具体策はこれから 【ベルファスト(英・北アイルランド)岸本卓也】ブレア英首相は8日のブッシュ米大統領との首脳会談で、イラク戦争の正当性が国際社会に受け入れられるためには、戦後処理における国連の役割を重視しなければならないと主張し、大統領も国連の関与に同意した。今後、首相の外交努力は、イラク攻撃に踏み切ったことで生じた国連やフランス、ドイツ、ロシアなどとの溝を埋める作業に焦点が移ることになる。 記者会見で首相は「我々はイラクを解放するのであって、征服するのではない」と述べた。英軍はイラク南部のバスラの制圧を担当したが、首相は「市民はすでに戦後について話し合いを始めた」と解放軍としての役割を強調した。イラクと開戦した正当性を国際社会に訴えるためだ。 イラク戦争をめぐる論争は、攻撃に踏み切った米英と反対した仏独露の間に深い亀裂を残した。この大国間の対立は国連安全保障理事会の場だけでなく、北大西洋条約機構(NATO)や欧州連合(EU)にも広がった。英国は欧州の一員として、関係を修復する宿命的な役割を負う。 仏独露は国内世論が米英によるイラク攻撃に強く反対しているため、簡単には米英に妥協できない状況にある。それだけに国際社会の理解を求める英国が、米国との仲介役を果たすことを望んでいる。特に戦後処理で国連の役割が重視されれば、米英との亀裂解消の糸口になると考えている。 今回の首脳会談で米英が一応は戦後処理における国連の関与で一致したことで、ブレア首相は今後、米国に譲歩を迫りながら、仏独露に戦後処理への理解や協力を求めていくことになる。しかし、国連の関与の具体的内容はまだ決まっておらず、仏独露を説得するのは容易ではない状況だ。 ■米英首脳記者会見要旨 ブレア英首相とブッシュ米大統領が8日行った共同記者会見の要旨は次の通り。 《冒頭発言》 ブレア首相 フセイン政権は崩壊しつつある。イラク全土で我々の力が強まっている。(イラク南部)バスラで喜ぶ人々の顔を見た者は、これが侵略ではなく、解放戦争だったことを理解するだろう。この戦争の敵はフセイン(大統領)とその政権であり、我々はイラクの人々の友人だ。 新しいイラクはバース党ではなく、イラク人のためにイラク人によって統治される。米英は必要以上に長くイラクに駐留せず、人民による暫定政権支配に可能な限り円滑に移行するよう力を貸す。そして人権と法の支配を重んじる真に民主的な政権への道筋が描かれるだろう。 ブッシュ大統領 イラクの新しい日が始まる。この先、困難な戦いが待っているだろうが、イラクが解放されるという結末に疑問の余地はない。我々は自国の安全を守り、イラクを抑圧から解放した。今後、イラクは国内外のイラク人による暫定政権によって統治される。 新しい自由なイラクは大量破壊兵器と決別し、人権と尊厳を世界に広める。米英軍は電気、水道の供給、医療活動のために活動する。イラクは、復興に重要な役割を果たす国連を含む国際的な枠組みの中で再建される。フセイン体制の終えんは中東に安定をもたらす。米英は平和と安全保障のための責任を引き受ける。 《質疑応答》 ●北アイルランド和平 大統領 和平合意に至るプロセスが、中東和平達成に生かされるべきだ。ここで和平が達成されることで、世界中の(紛争地域に)和平が可能だとの重要なシグナルを送ることができる。ブレア首相が、北アイルランド和平をここまで達成するために多大な時間と労力を費やした。私はそれと同様の決意で、中東和平を達成する。パレスチナの新政権が発足すれば、我々は(中東和平への)指針を発表する。 ●フセイン大統領の生死 大統領 分からない。だが、その権力基盤が失われつつあるのは確実だ。イラク南部では市民が自由を享受し始めた。イラク国民の首をしめていたフセインの指は一本一本離れ始めた。 ●戦後統治 大統領 米英軍は、イラクの人々が自分たちで国を運営できるようになるまで駐留するが、将来的にはイラク人が自分たちで国家運営をする。 暫定政権にだれが就くのかは、イラクの人々が決める。暫定政権は実体のある政権ができ、国民が指導者を選ぶ適切な環境が整うまでの過渡的なものだ。イラク国民が自分の政府に責任を持つ。イラク国民が失敗するという冷淡な見方は拒否する。彼らは自分たちの政府を作る能力があり、それを成功させる。 首相 イラク国民が、フセイン政権が崩壊することを理解するにつれ、街頭に出てきているのは興味深い。我々を歓迎しているのではなく、残虐で抑圧的な専制から解放されたことを歓迎している。イラク国民には自分たちの政府を選ぶ権利があり、そのチャンスが与えられている。 ●国連の役割 大統領 人道援助や暫定政権樹立支援などあらゆる面での死活的な役割を担う。イラク国民が自由に生きるのを助け、イラクで達成された進展を支援することだ。アナン国連事務総長がこうした役割に責任を果たすと表明したことに感謝する。 首相 我々は国連などあらゆる人々と協力する。米英連合軍と国際社会は共に、外部の力や権威抜きに、イラク国民が自分の意思を表明できるようにすべきだ。 我々(米英と国際社会)が(米英などが提案した国連安保理の)修正決議案をめぐる激しい議論に戻る必要は何もない。際限のない外交上の争いは避けるべきだ。過去は過去として、我々は、民主主義、繁栄、自由などイラクの人々が望む目標を達成する責任を共有している。 ■米英首脳共同声明要旨 米英両首脳が8日発表したイラクについての共同声明要旨は次の通り。 一、イラクの将来はイラク国民が決める。イラクは間もなく解放され、国民は自分たちで民主的な政府を選出する。 一、軍事作戦は進展しており、成功する。われわれはイラクの大量破壊兵器の脅威を取り除き、イラクの人々の自由を確保する。 一、イラクで民間人の命が失われていることに、深い悲しみを表す。わが軍は民間人の犠牲を避けるために大きな努力を払っている。イスラム教聖地の保全に努める。 一、われわれは自由で、安心できる新国家建設を支援する責任を負う。天然資源を保護する。 一、イラク復興では国連が重要な役割を担う。イラクの領土保全、人道支援の提供、戦後の適切な行政を保障する国連安保理決議採択を求める。 一、恒久的な政府発足に先立つイラクの暫定政権の樹立を支持する。イラクの民族や宗教各派、国外のイラク人らが幅広く参加し、英米や国連の協力を得てイラク人の手で形成される。 一、米英などはイラク国民が必要とする間、イラクにとどまる。 (2003年4月9日毎日新聞朝刊から) 2003年04月09日
イラク戦争:米英が制空権握る 米作戦副部長、首都攻略に自信 【ワシントン佐藤千矢子】米統合参謀本部のマクリスタル作戦副部長は8日の会見で、米英軍がイラク全土の制空権を握ったほか地上の部隊移動も自由になったと述べ、首都攻略に自信を示す一方、イラク最精鋭の特別共和国防衛隊について「まだ首都に残って活動しており、相当な戦闘能力を持っている」と強い警戒感を示した。 米CNNテレビなどによると、米軍は8日午後、情報省庁舎や政権政党バース党本部に精密誘導爆弾2発を投下するなど、政権中枢施設への攻撃を強化した。 AP通信によると、イラク南部では、第二の都市バスラを掌握した英軍が同日、道路の修復、水の供給など復興支援活動を開始した。さらに地元有力者を行政委員会の長に任命して、地元を代表する委員会を組織するよう依頼した。 南部の港湾都市ウンムカスルでは、米政府の戦後統治構想で民生部門を担う予定のガーナー米陸軍退役将軍率いる「復興人道支援室」の行政官20人が入り、人道支援に向けた調査活動に着手した。 マクリスタル副部長は、フセイン大統領と2人の息子の潜伏先とみられる首都西部の施設を米英軍が7日空爆したことについて「攻撃は効果的だったと思うが、誰が施設内にいたのか正確には調査が終わっていない」と述べた。 [毎日新聞4月9日] ( 2003-04-09-11:42 ) 米議会は国際法廷を要請 イラクの戦犯訴追で(共同通信)【ニュルンベルク裁判や東京裁判をモデルとした国際戦犯法廷!】 http://www.asyura.com/0304/war31/msg/357.html 投稿者 medio 日時 2003 年 4 月 09 日 17:17:03:4YqeYfybpmgCI 【ワシントン9日共同】イラクのフセイン政権崩壊後をにらみ、米政府が現行の法的枠組みの活用を視野に戦犯の訴追準備を進める中、米議会からは8日、第2次世界大戦時のニュルンベルク裁判や東京裁判をモデルとした国際戦犯法廷の設置を求める声が相次いだ。 2003年04月10日
イラク戦争:フセイン体制崩壊 指導部、一斉逃亡か イラクに侵攻した米軍は9日、首都バグダッドを陥落させ、フセイン大統領が率いてきたイラクの体制は崩壊した。開戦後、わずか21日目で、79年以来恐怖支配を続けてきたフセイン体制を打倒したことで、米英軍は勝利を確実にした。米海兵隊がこの日、バグダッド北東部にあるイスラム教シーア派住民の居住地域、サダムシティーに進駐した。これを受けて、フセイン政権に反発する住民による暴動や政府関連施設などからの略奪に発展、無政府状態となったことが引き金となった。フセイン大統領と2人の息子ら政権指導部の所在は不明で、一斉に逃亡したとの見方が出ている。同大統領に忠誠を誓う民兵らが抵抗を示しており、戦闘は今後も続くとみられる。米国は今後、親米政権の樹立を急ぐとみられるが、イラク国内や周辺国が混乱する恐れもあり、中東情勢の激変は必至だ。 【アンマン福島良典】バグダッドからの情報によると、米地上部隊の戦車、装甲車数十両が9日午後4時半(日本時間同9時半)ごろ、バグダッド市街地に入り、中心部をほぼ制圧した。米軍部隊は同日夕、前日までイラク情報省の避難先として機能していた「パレスチナホテル」前に達した。この後、群衆が米海兵隊とともに、パレスチナホテル前のフィルドス広場にあるフセイン大統領の立像にロープをかけるなどして引き倒した。米兵が立像の顔の部分を米国国旗で覆う一幕もあった。 また、米海兵隊は9日、バグダッド市内にあるイラクの秘密警察本部を制圧した。 これに先立ち、米海兵隊は9日午前、イスラム教シーア派約200万人が暮らすバグダッド市北東部のサダムシティーに進撃した。到着の様子を目撃したロイター通信記者によると、数百人の市民が数千人の海兵隊の車列に対して花束を投げ、歓呼で迎えたという。 ロイター通信などによると、フセイン大統領の肖像画を破ったり、サンダルでたたき、足げにする住民もいた。街頭に集まった数百人の群衆は「サダム・フセイン(大統領)は神の敵だ」と連呼した。また多くの市民が政府庁舎などから椅子や机、冷蔵庫などを略奪した。英BBCテレビによると、フセイン大統領の長男ウダイ氏が委員長を務めていたイラク五輪委員会ビルが放火されたという。 【アッサイリヤ基地(カタール)田中洋之】米中東軍のブルックス作戦副部長は9日の会見で、「バグダッドはフセイン体制が支配を失った地域となった」と述べ、首都を制圧下に置いたとの認識を示した。また、「フセイン体制の崩壊が近づき、過去に後戻りしないことを住民が理解し始めている。これは作戦上、非常に重大だ」と語った。 英軍のロックウッド報道官は9日、バグダッド攻略作戦は、イラク側の局地的なゲリラ戦に対抗する段階に移行したとの見方を示した。米中東軍のソープ報道官も「首都攻撃やフセイン政権打倒に向けた作戦の終了について話すのは早計だ。激しい戦いがさらに続く可能性がある」と述べた。 一方、イラク北部モスル方面を攻略していた米軍とクルド人武装勢力は8日夜、イラク兵の主要陣地があったモスル北東のマクロウブ山を制圧した。これでイラク第3の都市モスル市内に米軍とクルド人勢力が進撃する道が開けた。 [毎日新聞4月10日] ( 2003-04-10-02:44 ) |