337―12 小泉内閣の阿諛追従考(二)開戦後


3月21日 2:13小泉首相:「米支持、国益にかなう」 衆参両院本会議で報告

 小泉純一郎首相は20日午後、衆参両院本会議で、米英によるイラク攻撃開始を受けた政府の対応を報告。首相は「アジア地域の平和と安全の確保にも米国の役割は不可欠。可能な限りの支援を行うのは我が国の責務で当然だ」と述べ、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の核開発問題も踏まえ米国支持方針への理解と協力を求めた。

 小泉首相は「大量破壊兵器が独裁者の手中にある」とイラクを批判したうえで、「武力行使なしで大量破壊兵器を廃棄することが不可能な状況では、今回の米国などの行動を支持することは国益にかなう」と強調した。

 衆参両院は同日夜、首相報告に対する質疑を行った。最初に行われた衆院本会議で、民主党の岡田克也幹事長が「首相は、日米同盟と国際協調の両立を目指すと言ってきたが日米同盟を選択した。外交目標は大失敗した」と批判したが、首相は「今後も両立を図っていくよう努力する」とかわした。

 参院本会議も同日午後11時半過ぎに再開。春分の日の21日未明に及んだ。休日の本会議開催は、政治改革関連4法案の審議が行われた94年1月以来となった。

 政府は20日午後、安全保障会議と臨時閣議を相次いで開き、首相を本部長とする「イラク問題対策本部」を設置。(1)イラクと周辺国の邦人の安全確保(2)経済システムに混乱を生じさせない措置(3)自衛隊機による輸送など緊急人道支援の実施――などの「対処方針」を決定した。

 【犬飼直幸】

[毎日新聞3月21日] ( 2003-03-21-02:11 )


3月21日 19:19電話会談:ブッシュ米大統領が小泉首相に謝意を表明

 小泉純一郎首相は21日昼、ブッシュ米大統領と電話で協議した。大統領は首相が米のイラク攻撃を支持したことについて「首相の勇気と友情に常に感銘を受けている」と謝意を表明。首相も「大統領はイラクの大量破壊兵器廃棄のため自国民の犠牲を覚悟で決断されたのであり、支持することは当然」と応えた。協議は約10分間。大統領からの要請で行われた。

 大統領はイラク戦争について「これまでのところ、軍事行動はうまくいっている。最小限の無辜(むこ)の人々の命の犠牲で勝利できる」と強い自信を示した。首相は「日本も米国の信頼に足る同盟国でありたい」「最少の犠牲で目的が達成されることを強く願っている」などと大統領に伝えた。

 イラク戦後の復旧・復興支援について、首相は「国際社会の幅広い参加を求めていくことが必要で、新生イラクの国造りのため日米で協力していきたい」と表明。大統領も「日本と協力していきたい。国連の役割も必要だ」と同調し、イラク復興に向けた国連決議採択に日米が連携して努力することで一致した。

 さらに、両首脳は朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の核問題の平和的解決に向け、日米韓や中国が緊密に連携することを改めて確認した。

[毎日新聞3月21日] ( 2003-03-21-19:17 )


3月23日 3:04世界水フォーラム:イラク戦後の水供給支援で日米が一致

 世界水フォーラム出席のため来日したポーラ・ドブリアンスキー米国務次官が22日、京都市内で土屋品子外務政務官と会談し、戦争終結後のイラクに対する人道・復旧支援に努力することで合意した。大量の難民の発生が予想されることから、水の供給に関する支援が重要との認識で一致した。 【今西拓人】

[毎日新聞3月23日] ( 2003-03-23-03:01 )


3月22日 22:58イラク戦争:戦後の安保理機能回復へ努力 与党3党幹事長

 自民党の山崎拓幹事長ら与党3党幹事長は22日夜、東京都内のホテルでイラク情勢について意見交換し、国連安保理の機能回復を目指し、戦後安保理で「イラク復興」に関する決議が採択されるよう、政府に外交努力を強く求めていくことを決めた。

 政府・与党は、攻撃が終結すれば、復興作業にあたる多国籍軍の後方支援に自衛隊を派遣し、医療、物資輸送などにあたるための「イラク復興支援新法」を成立させる方針。3幹事長は「戦争終結時には国際社会がまとまった行動をすべきだ」として、イラク復興決議が日本の支援内容を検討する前提になるとの考え方を確認した。 【上野央絵】

[毎日新聞3月22日] ( 2003-03-22-22:57 )


3月22日 19:25イラク戦争:「できるだけ早く終わって」小泉首相が期待

 小泉純一郎首相は22日、米英による空爆が本格化したイラク戦争について「できるだけ早く終わってほしい。最少の犠牲で最大の効果を上げる(のが米英の)戦術でしょうけど、ともかく早く終わらせることが大事だ」と述べ、早期終結に強い期待を示した。首相公邸で記者団の質問に答えた。

 首相は戦況について「意外に早く(イラク側の)投降者が出たり、戦意を喪失している」と米英の作戦が順調に進んでいるとの認識を示したうえで「その方が犠牲が少なく済むからいい。速やかに戦争を終結させる。これに全精力を集中させるべきじゃないでしょうか」と強調した。

 また、自民党の山崎拓幹事長がイラク復興のための新法制定を急ぐ考えを示していることについて「(現状は)新法以前の問題ですから。できる限りのことは新法がなくてもやっていこうと(いうことだ)」と語り、当面は現行法で可能な支援策を優先する考えを示した。

 首相は同日、公邸に川口順子外相と外務、防衛など関係省庁幹部らを呼び、イラク戦争の戦況や海外の市場動向、国内の治安情勢などについて報告を受けた。一方、首相官邸では同日午前、古川貞二郎官房副長官、大森敬治官房副長官補、外務、防衛両省庁幹部らが集まり、戦況を中心に情報を分析。古川副長官は官邸地下の危機管理センターで職員に万全の対応を指示した。

[毎日新聞3月22日] ( 2003-03-22-19:23 )


 2003年03月26日 イラク大使館の閉鎖要求を拒否 茂木副外相

 茂木敏充副外相は26日午前の記者会見で、米政府が在日イラク大使館の閉鎖を求めていた問題について「現時点では適当でないとの結論に達し、昨日、米側に伝えた」と述べ、要求を拒否したことを明らかにした。シャーカ臨時代理大使の退去も求めない方針だ。理由としては、外交ルートの維持を挙げている。[毎日新聞]


川口外相、シリアにパレスチナ過激派の追放要請
 [ダマスカス 30日 ロイター] 川口外相はシリアのアサド大統領とダマスカスで会談し、中東和平推進のため、国内にあるパレスチナ過激派の事務所を閉鎖するよう要請した。

 シリアにはパレスチナ過激派のハマス、イスラム聖戦、パレスチナ解放人民戦線(PFLP)、パレスチナ解放民主戦線(DFLP)が事務所を置いている。

 米国とイスラエルは、こうした事務所の閉鎖を要求している。

 川口外相はアサド大統領との会談で、シリアにおけるパレスチナ過激派の活動を抑制し、排除していくことが重要との立場を表明した。

 外務省の高島肇久報道官によると、アサド大統領はシリアがこれらグループについて、ダマスカスに報道関連施設を設けることは許可しているが、過激な行動を認めていないと述べたという。