336―4 文化・芸能人、財界人の反戦民主主義考

2003年03月24日 イラク戦争:アカデミー賞にも影落とす

 【ロサンゼルス佐藤由紀】対イラク開戦から4日目に開かれたアカデミー賞授賞式には戦争が色濃く影を落とした。

 最も厳しくブッシュ大統領を非難したのは、「ボウリング・フォー・コロンバイン」で長編ドキュメンタリー賞を受賞したマイケル・ムーア監督だ。

 同監督は受賞あいさつで「われわれは作り物の理由でわれわれを戦争に送るような男(ブッシュ大統領)がいる時代に生きている。戦争には反対だ。ブッシュ大統領よ、恥を知れ」と述べた。

 その途端、会場から大きな拍手が起こり、続いて小規模なブーイングも。映画界では、イラク戦争反対の声がある一方で、式典を政治メッセージの場に使うことへの反発もあったようだ。

 受賞後の会見で、「作り物の理由」の意味を問われた同監督は「フセインが今晩、あなた方を殺すだろうというのが『作りごと』。原油があるからイラクを攻撃していることが『真実』なのだ」と答え、「大多数の米国人は、娘や息子が戦争で死なず、兵士が無事に帰ってくることを願っている。これらの大多数は、ブッシュ大統領には投票しなかった」と述べた。

 「戦場のピアニスト」で主演男優賞を受賞したエイドリアン・ブロディも「受賞はうれしいが、いま起こっていること(対イラク戦争)は悲しい。この映画に参加し、戦争でいかに非人間的なことが起こるかを知った。平和による早い解決を」とあいさつを結んだ。

 スーザン・サランドン、キャシー・ベイツ、ダニエル・デイ=ルイス、脚本賞を受賞したペドロ・アルモドバル監督などが、ピカソの「平和の鳩(はと)」をデザインした平和のバッジをつけて登場、反戦を訴えた。

 今年の授賞式は、「時期にふさわしくない」との理由で、恒例の赤じゅうたんが廃止されたほか、ぎりぎりまで開催を危ぶむ声が出ていた。

[毎日新聞3月24日] ( 2003-03-24-20:15 )


アカデミー賞にも戦争の影――ブッシュ批判も噴出

 「戦場のアカデミー賞」――。第75回を迎えた米国映画界最大の祭典は、こう呼んでも差し支えないほどの厳戒態勢下で開催された。受賞者スピーチでも反戦メッセージが相次いだ。イラク戦争がオスカー像に影を落とした今回のアカデミー賞を振り返る。

 「ブッシュ大統領よ、恥を知れ」。3月23日の米アカデミー賞授賞式で、長編ドキュメンタリー賞に選ばれた「ボウリング・フォー・コロンバイン」のマイケル・ムーア監督は受賞スピーチで大統領を罵倒(ばとう)した。ムーア監督は米国やブッシュ大統領をこきおろし、日本でもベストセラーになっている「アホでマヌケなアメリカ白人」(柏書房刊)の著者でもある。「ボウリング〜」は米国・コロラド州のコロンバイン高校で生徒2人が銃を乱射した1999年の事件が題材。ムーア氏が犠牲者や銃規制反対派を自らカメラを担いで訪ね歩き、米国の銃犯罪の病巣を掘り下げた。

 ムーア監督は「我々はノンフィクションが仕事だ。それなのに今はイカサマ選挙で選ばれたイカサマの大統領と、フィクションの世界に生きている」と、大統領選で開票騒動の末に選ばれたブッシュ大統領痛烈に批判。「イカサマの理由によって戦争が始まった」とも述べ、今回のイラク攻撃を、大量破壊兵器の証拠がじゅうぶんでないのに強行されたものと断じた。

 反戦の声を挙げたのは、ムーア監督だけではない。ナチスドイツ占領下のポーランドを舞台にした「戦場のピアニスト」で主演男優賞に輝いたエイドリアン・ブロディ氏はスピーチの持ち時間を延長して「戦争は悲しみが多く、非人道的だ」と涙ながらに呼び掛け、イラク戦争で戦地にある自分の友人を気遣う言葉も口にした。「こんなときになぜアカデミー賞を、という気もするだろうが、どんなときでも芸術は大事だ」と述べたのは、「めぐりあう時間たち」で主演女優賞を受賞したニコール・キッドマン。キッドマンの母国、オーストラリアは米英以外でイラク攻撃に参加した数少ない国の1つだ。

 経験豊かな大物俳優はもっと抑制の利いた「演技」で気持ちを表した。プレゼンターとして登場した名女優、スーザン・サランドンは無言だったが、ピースサインを作って、視線で内なる思いを示した。同じくプレゼンターだった俳優・ダスティン・ホフマンは「『戦場のピアニスト』を紹介できるのは、大変な光栄だ」と述べ、一拍置いて見せた。戦争を背景にしたこの作品の内容から、ホフマンのメッセージは言外に伝わった。会場からは大きな拍手が起こった。来場者の中には平和を象徴するバッジを胸につけたスターもいた。

 しかし、こうしたメッセージが来場者から全面的に賛同を得たわけではない。ムーア監督の発言には大きなブーイングが起きた。攻撃的な物言いへの反感もあっただろうが、戦争支持派が来場者の中にも少なからずいたことをうかがわせた。テレビ越しにその模様を見つめる多くの視聴者の心情への配慮もあっただろう。時にブーイング、時に拍手が響いたコダック劇場は、イラク攻撃開始から1週間も経たない時点での米国民の複雑な気持ちを象徴しているかのようだった。[朝日新聞](ニュース編成部 西村 顕治)


<エディトリアル>
インタビュー/アカデミー賞監督 マイケル・ムーア
「日本のみなさん、アホなブッシュですみません」
●聞き手/大野和基(ジャーナリスト) シアトルにて


http://www.weeklypost.com/jp/030502jp/edit/edit.html
 アメリカの銃社会をテーマにしたドキュメンタリー映画『ボウリング・フォー・コロンバイン』でアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞した席上、「ブッシュ大統領よ、我々はイラク戦争に断固反対する。恥を知れ!」と絶叫して“勇名”を馳せたマイケル・ムーア監督。ブッシュ批判の急先鋒として世界中から注目を集める一方で、ジャーナリストとしても名高いムーア氏を日本のメディアとしては初めてシアトルで独占直撃した。
      
――イラク戦争の勝利は、何をもたらしたのか。
「アメリカは世界に嫌われた。遺産といえばそれだけだろう。少なくともクリントン政権下のアメリカは、さほど世界から疎まれていなかった。中東に対しても、強行策はとらず、むしろ平和をもたらそうとした。ところがブッシュがすべてをご破算にしたんだ。あいつが米兵を十字軍に見立て、イラク戦争を“神のミッション”などと真顔でいっているのを見ると、アメリカは本当に怖い国になってしまったと感じる」
――イラク戦争が起きた理由をどう見る?
「動機は単純だ。アメリカ政府は、自国の企業が他国でのビジネスをやりやすくするために戦争を始めたんだ。つまり、戦争で奪った他国民を安い賃金でこき使って製品を作り、アメリカだけが金持ちになるように仕向けているということだ。政府は『イラクに民主主義をもたらす』なんていっているが、そんな幻想を真に受ける国など、世界のどこにもない」
――ブッシュの大統領としての資質についてはどうか。
「あいつは単なるパペット(操り人形)だよ。裏でラムズフェルド(国防長官)やチェイニー(副大統領)といった“ネオコンサバティブ(新保守主義者)”に操られ、レーガン政権時代のような『強いアメリカ』の真似ごとをやっている。それだけだ」
――アフガン戦争、イラク戦争を見ていると、アメリカはなぜ『9・11』が起こったのか理解しようとしていないのではないかとも思える。
「まず、ワールド・トレード・センターやハイジャックされた飛行機で亡くなった人はもちろん、一般のアメリカ人にも罪はないということをいっておきたい。確かに、アメリカ人はテロ事件が世界にどんな影響を与えたか理解していない。でもそれは、アメリカ人が努力していないから理解できないのではなく、政府がアメリカの国民に正しい教育をしないからなんだ」
――どういうことか。
「アメリカの公共教育に問題がある。この国では、子どもは何も教わらないまま社会に放り出されてしまう。具体的な例を挙げよう。昨年、米誌『ナショナル・ジオグラフィック』が18歳から25歳の若者を対象に行なった調査によると、高校卒業者のうち、実に85%がイランもイラクもどこにあるのかわからないと答えた。もっと驚くことに、11%の若者は地図上で自分の国であるアメリカがどこにあるのか示せなかったんだ。(声を荒らげて)まったく、信じられるかい? これだけ無知な若者が増えれば、政治のことなど到底、理解できるはずがないだろう」
――あなたは今のアメリカをかなり嫌っているようだが。
「もちろん好きなところもあるよ。例えば、日本人は複雑で、あまり意見をいわないから何を考えているのかわからないところがあるが、アメリカ人は単純で明快、とてもチャーミングだ。国民ひとりひとりを見れば、わかりやすくていい人だということがわかってもらえると思う。僕が不満を持っているのは、国民が自国の政治や経済をコントロールできず、一部の人間が権力を持ちすぎている点だ」
――そんなアメリカの言いなりになっている日本についてはどう思う?
「コイズミ首相は早い段階でアメリカの先制攻撃を支持したが、明確な理由を示すことができなかった。日本は独自の意見なり考えを持っていないのではないかな。ブッシュに盲従していては、アメリカが儲かるだけだよ。このままでは世界から『アメリカよりアホでマヌケな国』と見られるかもしれない」

「ブッシュに盲従していては、アメリカが儲かるだけだよ」 マイケル・ムーア氏インタビュー [weeklypost.com]
http://www.asyura.com/0304/war32/msg/832.html
投稿者 ひろ 日時 2003 年 4 月 24 日 07:09:21:YfXbGWRKtGRPI

(回答先: 日本はアメリカよりアホでマヌケな国 投稿者 小泉不純一郎 日時 2003 年 4 月 24 日 06:44:57)

このまま、リンクが切れてしまうのにはもったいないインタビューなので転載。

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<エディトリアル>
インタビュー/アカデミー賞監督 マイケル・ムーア
「日本のみなさん、アホなブッシュですみません」

●聞き手/大野和基(ジャーナリスト) シアトルにて

 アメリカの銃社会をテーマにしたドキュメンタリー映画『ボウリング・フォー・コロンバイン』でアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞した席上、「ブッシュ大統領よ、我々はイラク戦争に断固反対する。恥を知れ!」と絶叫して“勇名”を馳せたマイケル・ムーア監督。ブッシュ批判の急先鋒として世界中から注目を集める一方で、ジャーナリストとしても名高いムーア氏を日本のメディアとしては初めてシアトルで独占直撃した。

――イラク戦争の勝利は、何をもたらしたのか。

「アメリカは世界に嫌われた。遺産といえばそれだけだろう。少なくともクリントン政権下のアメリカは、さほど世界から疎まれていなかった。中東に対しても、強行策はとらず、むしろ平和をもたらそうとした。ところがブッシュがすべてをご破算にしたんだ。あいつが米兵を十字軍に見立て、イラク戦争を“神のミッション”などと真顔でいっているのを見ると、アメリカは本当に怖い国になってしまったと感じる」

――イラク戦争が起きた理由をどう見る?

「動機は単純だ。アメリカ政府は、自国の企業が他国でのビジネスをやりやすくするために戦争を始めたんだ。つまり、戦争で奪った他国民を安い賃金でこき使って製品を作り、アメリカだけが金持ちになるように仕向けているということだ。政府は『イラクに民主主義をもたらす』なんていっているが、そんな幻想を真に受ける国など、世界のどこにもない」

――ブッシュの大統領としての資質についてはどうか。

「あいつは単なるパペット(操り人形)だよ。裏でラムズフェルド(国防長官)やチェイニー(副大統領)といった“ネオコンサバティブ(新保守主義者)”に操られ、レーガン政権時代のような『強いアメリカ』の真似ごとをやっている。それだけだ」
――アフガン戦争、イラク戦争を見ていると、アメリカはなぜ『9・11』が起こったのか理解しようとしていないのではないかとも思える。

「まず、ワールド・トレード・センターやハイジャックされた飛行機で亡くなった人はもちろん、一般のアメリカ人にも罪はないということをいっておきたい。確かに、アメリカ人はテロ事件が世界にどんな影響を与えたか理解していない。でもそれは、アメリカ人が努力していないから理解できないのではなく、政府がアメリカの国民に正しい教育をしないからなんだ」

――どういうことか。

「アメリカの公共教育に問題がある。この国では、子どもは何も教わらないまま社会に放り出されてしまう。具体的な例を挙げよう。昨年、米誌『ナショナル・ジオグラフィック』が18歳から25歳の若者を対象に行なった調査によると、高校卒業者のうち、実に85%がイランもイラクもどこにあるのかわからないと答えた。もっと驚くことに、11%の若者は地図上で自分の国であるアメリカがどこにあるのか示せなかったんだ。(声を荒らげて)まったく、信じられるかい? これだけ無知な若者が増えれば、政治のことなど到底、理解できるはずがないだろう」

――あなたは今のアメリカをかなり嫌っているようだが。

「もちろん好きなところもあるよ。例えば、日本人は複雑で、あまり意見をいわないから何を考えているのかわからないところがあるが、アメリカ人は単純で明快、とてもチャーミングだ。国民ひとりひとりを見れば、わかりやすくていい人だということがわかってもらえると思う。僕が不満を持っているのは、国民が自国の政治や経済をコントロールできず、一部の人間が権力を持ちすぎている点だ」

――そんなアメリカの言いなりになっている日本についてはどう思う?

「コイズミ首相は早い段階でアメリカの先制攻撃を支持したが、明確な理由を示すことができなかった。日本は独自の意見なり考えを持っていないのではないかな。ブッシュに盲従していては、アメリカが儲かるだけだよ。このままでは世界から『アメリカよりアホでマヌケな国』と見られるかもしれない」

http://www.weeklypost.com/jp/030502jp/edit/edit_1.html

[写真]
http://www.weeklypost.com/jp/030502jp/edit/gdata/edit1.jpg


ビル・トッテン氏:No.572 アングロサクソンは人間を不幸にする
http://www.asyura.com/0304/war33/msg/514.html
投稿者 あっしら 日時 2003 年 5 月 02 日 22:01:35:


From : ビル・トッテン
Subject : アングロサクソンは人間を不幸にする
Number : OW572
Date : 2003年5月2日

 2000年9月、私は「アングロサクソンは人間を不幸にする」という本を出版した(今年2月にPHP文庫版が刊行された)。本ではアングロサクソン(英米人)が作りあげた資本主義という経済システムを日本がやみくもに取り入れていることに対して、戦後、市場経済を標ぼうしながらも独自の経済システムを発展させ、その中で利益を大多数の国民に分配し、皆で共に豊かになる社会を築いてきた日本には合わない、国民が不幸になるだけだという内容のことを書き記した。そしてアングロサクソン流資本主義の申し子、アメリカ400年の歴史の中で、アメリカ国民にどのような「不幸」が積み重ねられてきたのかも検証した。 今、アングロサクソン、すなわち米英軍がイラクに行った軍事行動を目にして、アングロサクソンは人間を不幸にするというフレーズが私の中に再び沸き上がっている。

(ビル・トッテン)

アングロサクソンは人間を不幸にする

 まず誤解のないよう最初に断っておくが、私はサダム・フセインやその独裁政権を支持しているわけではまったくない。イラク国民は抑圧され、民主国家とはほど遠い状況であったのは事実だろう。しかしいかなる国家もみずからの政体を選ぶことができる。他国の政府が非難したり、武力によって『米国流民主主義』をイラクに移植することなど不可能であるし、してはならない。イラクにはイラク固有の倫理があり、宗教があり、憲法があるからだ。

 アフガン戦争の後、ブッシュ大統領は対テロ戦争の拡大と本土防衛の強化を強調し、イラク、イラン、北朝鮮を「悪の枢軸」と呼び始め、中でもサダム・フセインに対しては極悪非道、怪物といった言葉を使って敵対心をあおり始めた。アルカイダやビンラディンとの関係を示す確証がないにもかかわらず「9月11日を忘れるな」がイラク攻撃をあおるスローガンとなった。武力だけでなく、今回の攻撃ではマインド・コントロールにおいてもアメリカの力は絶大だった。

 イラク侵攻を正当化するために、アメリカがイラクの大量破壊兵器の保有を「ねつ造」する可能性があると私が思ったのも、1991年の湾岸戦争以後、国連監視の中、核兵器などの大量破壊兵器を開発・使用できる環境にはなかったというのが大方の専門家の見方だったからである。アメリカが国連も無視してその危険性を叫びながら爆撃を始めた、その大量破壊兵器はいまだに見つかってはいない。最初からなかったのか、それともどこかにうまく隠したのか、もはやそれもどうでもよいことなのかもしれない。なぜならイラク侵略の大義はいつのまにか「イラク国民の解放」となっていたからだ。

 日本の新聞でも、在日イラク人の率直な声として「犠牲は自由の代償」などという記事を掲載したところがあった。この報道は何を意味するのか。自分が自由になるために、イラクに住むイラク人が米英軍に家族を殺されることは仕方がないと、そのイラク人はほんとうに語ったのだろうか。

 今回、イラク攻撃の報道の多くはペンタゴンの発表だった。開戦まもなくアメリカ政府のおかかえメディアであるCNNにイラクが報道統制を行うと、それは「イラクは悪態をつきながら国外退去処分を我々にいいわたした」(CNNロバートソン記者)という記事となった。そのCNNテレビはバグダッドに向け進撃を続ける米陸軍の戦車部隊が砂漠を猛スピードで縦走する光景を生中継するなど、ハリウッド映画のような映像を提供した。

 米英軍に属さず独自に取材をしていたイギリスのテリー・ロイド記者は、米軍戦車の砲撃を浴びてイラク兵十数人とともに死亡した。カタールの衛星テレビ局アルジャジーラのバグダッド支局は、米軍の攻撃を受け記者二人が死傷した。多くの記者が滞在していた「パレスチナホテル」へ米軍が砲撃して二人が死亡、三人が負傷した。米陸軍司令官はホテルからイラク軍の攻撃をうけたために戦車が砲撃したことを認めたが、多くの目撃者はホテル内から米軍への攻撃はなかったと証言した。

 従軍記事者とは一線を隠して中立な報道を試みたメディアへの攻撃が意図的なものかどうか、もはやここで私が問うても仕方がない。全世界で反戦デモが行われる中、ちっぽけなイラク軍に向けて世界最強最大の大量破壊兵器を持つ米英軍が「衝撃と恐怖」の爆撃を浴びせる。市場を誤爆して民間人を殺傷し、住民の半数が子供の村を爆撃し、米英軍が誇らしげに解放したというバスラでは米英軍が水施設への電力供給を破壊し、イラクのバスラへの食料分配組織を妨害し、人々が餓死しつつある。アメリカが報道統制を必要としたことだけは間違いないからだ。

 今回のイラク攻撃で米英の敵となったのは、イラク軍だけではなく戦争に反対する私や、その他世界の多くの人々だった。最新兵器が炸裂する場面ばかりを繰り返し報道し、いかに精巧な兵器であるかを強調しても、インターネットの時代に多くの負傷したイラク人や解放され喜んでいるはずのイラク人が米軍に立ち向かっていく姿を隠すことは容易ではなかった。そして私たちはアングロサクソン軍がイラクに対してとった行動の多くを知ってしまった。

 昭和20年、戦争を終結させるという理由でアメリカは広島と長崎に原爆を投下し、多くの日本人を殺害した。ベトナム、リビア、イラク、アフガニスタン・・・。アメリカの政策はそれ以後もずっと変わっていない。今回、アングロサクソンの軍隊によってイラク全土は壊滅した。「早く核武装しなければ、やられる」。これがアメリカに敵対する国の政府に与えた教訓の一つになったにちがいない。

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著作:株式会社 アシスト  代表取締役 ビル・トッテン
発行/翻訳/編集:株式会社 アシスト

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アリス・ウォーカー(ALICE WALKER)