333―4 アメ帝政府部内の異論の動き

 2003.3.11日付け毎日新聞によると、米国のキャリア外交官(駐アテネ米国大使館参事官)・ジョン・ブレイディー・キースリング氏が、米国の単独イラク攻撃計画に抗議して辞任した。同氏は、パウエル米国務長官宛てに書簡を送付し、その文面がメールに乗って米外交官らの間を廻り、静かな波紋を投げかけつつある。一方、英国でも、閣僚や政務次官が「国連安全保障理事会での修正決議の採択無しにイラク攻撃に踏み切った場合には辞任する」声明が相次いでいる、とある。

 キースリング氏の見解は次の通り。「祖国(米国)に対する信頼、米国の価値観は、外交の最大の武器だった」が、現在の米国の外交政策はこれを毀損している。「米国の価値観だけでなく、利益とも相容れない」、「我々が進んでいる道は、安全保障ではなく不安定と危険をもたらすであろう」、「イラクとの戦争がなぜ必要なのか、世界を説得することに失敗した理由を自問すべきだ」と批判している。