小保方STAP細胞事件

 更新日/2020(平成31→5.1栄和改元/栄和2).8.13日

 (れんだいこのショートメッセージ)


 2014.04.14日 れんだいこ拝


 理研の小保方(おぼかた)晴子ユニットリーダーチームによる「STAP(刺激惹起性多能性獲得細胞、新万能)細胞発見ニュース」。直前の「佐村河内 守(さむらごうち まもる)ゴーストライター事件」。

 ****.8.10日、永井 眞智子Masamitsu Uehara」。
 〜木村正治氏の投稿より〜

 テレビや新聞をまるで宗教のように信じ切ってしまう日本人の多くは、つい最近垂れ流された...既存メディアによる大フェイク報道をもうすっかり忘れているかも知れません。

 既存メディアによる大フェイク報道により人生を台無しにされ抹殺された人がいた事を覚えていますか? そう、小保方晴子さんです。万能細胞とされるSTAP細胞を発見した彼女は新しい医療や様々な分野に希望をもたらせる筈でした。しかし、突如としてテレビ、特にワイドショーや週刊誌、新聞、ラジオが「インチキだ」「嘘だ」と一般人女性である小保方晴子さんを悪のようにレッテルを貼り、空前絶後の大バッシングを繰り返しました。それでも小保方晴子さんは記者会見を開き、「STAP細胞はあります!」と勇気を絞り出して毅然と述べました。するとテレビ番組はお笑い芸人を多用してこの記者会見のセリフを茶化し、揶揄し「STAP細胞はありま~す!」とお笑いネタに転じながら批判し、小保方晴子さんの人格破壊を繰り返しました。今の時代における、まるで暗黒の中世の魔女狩りが大々的に行われました。

 人は誰しも万能細胞を持っています。赤血球です。食事をすると胃を経て腸に行き、栄養分が吸収され、やがて赤血球になり、赤血球が筋肉になります。また食事を長期間しないでいると今度は筋肉が赤血球に戻り栄養分を供給します。身体が痩せるのはこのためですが、それは筋肉が赤血球に戻り栄養分になって飢えを防ぐ人体の神秘なのです。

 これは千島森下学説として以前から存在しましたが医療利権に反するとされ抹殺されていました。小保方晴子さんは、この血液細胞が持つ万能細胞としての特徴を人工的に意図的に発生させることを見つけ、発表したのでした。その後の展開は周知の通りで、小保方晴子さんは上司との不倫説まで捏造され、大バッシングの中でついには上司が職場で首吊り自殺をしたという不審死まで生じ、遂にこれ以上の正論を述べると自分の命の危険を感じて屈服、いつしか姿を現さなくなりました。

 そしてしばらく歳月が流れました。今、あのSTAP細胞はどうなったでしょうか。何とハーバード大学が特許を取得したのです。つまりSTAP細胞は存在したという証です。特許を取得したハーバード大学には今後、数十兆円以上の利益がもたらされるとのことです。

 まるで魔女狩りのように一般人女性に過ぎない小保方晴子さんの研究者生命はおろか社会人としても抹殺しておきながら、あれだけ誤報をもとにした大バッシング、大フェイクを繰り返した日本の既存メディアはSTAP細胞が実在した事実を踏まえて何をしたでしょうか。沈黙です。STAP細胞が今やハーバード大学の特許にされている事実に触れることは、メディアが自分達のミス、過ちを認めることになるために決して触れようとはせず、沈黙を貫き、日本人がいつしかこの話題そのものを忘れ去ることを待っています。情けない限りです。日本人が発見した成果を日本のメディアがよってたかって叩き潰し、間違いだと分かれば沈黙を貫く。そういうテレビやメディアを今も日本人の大多数は宗教のように信じて疑わないのです。

 私は当初から終始一貫して小保方晴子さんは、本当の事を述べているとブログやフェイスブックで擁護し続けてきました。アメリカ国民やドイツ国民、イタリア国民はメディアの嘘を見抜き、気付き、メディアを鵜呑みにせず声を挙げています。しかし日本人はまだ大多数がメディアの報じるままにマスクを怯えるように着用し、人口削減の手段のワクチンを救世主のように待ち望む情けない姿を晒しています。

 日本人は一致団結した時には無類の強さを発揮しますが、一歩間違えれば集団自殺しかねない気質です。「あなただけが皆と違う。」「あなたは皆から浮いている。変わっている。」「みんなでするのだから。」こう言われると大多数の日本人は思考停止します。この理屈が日本人を金縛りにする呪文です。事実を踏まえれば、まだ事実に気付いていない皆と違っても良いのです。いつ日本人はメディアという新興宗教から目覚めるのでしょうか。

 もしも今の日本人に対してメディアが意図的に「コロナウイルスが変異して髪の毛穴から侵入します。皆さん、サランラップが有効です。サランラップを頭に巻いて外出すれば大丈夫です。」と連日連夜に渡りコメンテーターや有名人を使って垂れ流せばきっと、今の日本人の多くはサランラップを買い占め、日本全国がサランラップを頭に巻いた老若男女で溢れサランラップが品切れになり、人々がサランラップを買い求めて長蛇の列をなすでしょう。

 ある保守グループの意見交換サイトを見ると日本がイギリス製薬会社からコロナウイルスワクチンを1億2000回分を確保したニュースに対して「朗報だ」と議論している内容を見て、集団自殺に向かいかねない日本の姿に嘆かわしい思いを禁じ得ない心境です。 日本人はいつ目覚めるのでしょうか。


 ソウル大学教授のES細胞論文捏造事件。2014.04.14日現在の「ウィキペディア黄禹錫」を確認する。

 黄禹錫(ファン・ウソク、1952年1月29日 - )は韓国の生物学者。

 かつて、世界レベルのクローン研究者とされ、ヒトの胚性幹細胞(ES細胞)の研究を世界に先駆け成功させたと報じられた。自然科学部門における韓国人初のノーベル賞受賞に対する韓国政府や韓国国民の期待を一身に集め、韓国では「韓国の誇り」 (pride of Korea) と称されたこともあった。しかし、2005年末に発覚したヒト胚性幹細胞捏造事件(ES細胞論文の捏造・研究費等横領・卵子提供における倫理問題)により、学者としての信用は地に墜ちた。この捏造の影響により、正攻法でES細胞を作り出そうとしていた民間企業が研究継続の断念に至るなど、山中伸弥iPS細胞の生成に成功するまでの間、ES細胞や再生医療分野の研究の世界的な停滞を引き起こした元凶とされる。「科学における不正行為」をテーマとした書籍でたびたび言及される人物でもある。

 生い立ちから事件以前

 忠清南道扶余郡出身。幼い頃に父親と死別し、母子家庭の農家で小さな頃から牛の世話をする境遇の中、牛の世界的な研究家になるという夢を持った。貧しい中から親戚の援助や奨学金を得て大田高等学校、ソウル大学校獣医科大学へと進み、1977年、ソウル大学校獣医科大学卒業。研究者になって以降は1日4時間しか寝ずに働いたという立志伝中の人物であった。1979年、ソウル大学校で家畜臨床繁殖学修士号取得、1982年、同博士号を取得。1984年から1985年まで北海道大学獣医学部に客員研究員として留学し金川弘司に師事した。1986年、ソウル大学校専任講師、1987年、同助教授、1993年、獣医科大学副教授、1997年、同教授、ソウル大学校動物病院院長、1999年、同獣医科大学副学長、2004年、同碩座教授、2005年、同獣医科大学学長。

 1993年には韓国初の牛の人工授精に成功、1999年に韓国初の牛のクローンを誕生させることに成功したと報じられ、医者などに比べて韓国での社会的関心や評価の低い獣医学という分野ながら脚光を浴びた。2003年には牛海綿状脳症 (BSE) に耐性を持った牛、さらにヒトに臓器を提供できる無菌処理をした豚を誕生させたと報じられ、世界的な研究者として認識されるようになった。

 ES細胞論文不正事件

 2004年2月に体細胞由来のヒトクローン胚から胚性幹細胞(ES細胞)を作製することに世界で初めて成功したと発表した(サイエンス誌2004年3月12日号・電子版同年2月12日付)。それまでヒツジ(ドリー)、ウシなどの哺乳類においては体細胞由来クローン技術はある程度確立されていた。しかし、ヒトはおろか、サルなどの霊長類においてすら体細胞由来クローンの成功例はなく、世界中の生物学会を驚愕させた。2005年5月には患者の皮膚組織から得た体細胞をクローニングして、そこから患者ごとにカスタマイズされたES細胞11個を作製したと発表し(サイエンス誌2005年6月17日号・電子版5月19日付)、脊椎損傷やさまざまな病気を抱える世界中の患者に希望の光を与えた。この際に使用した卵子が184個に過ぎないという異常な効率の良さも脚光を浴び、技術の実用化への可能性が高まったとされた。2005年11月前後を境に、韓国国内で人卵子売買、不法卵子での人工授精手術や代理母などのブローカーの存在が明らかになり出し、ブローカーや産婦人科病院などにも警察の捜査が入ることとなった。その中には、黄禹錫教授と共に長年幹細胞研究を行い2005年論文の共著者でもあった盧聖一(ノ・ソンイル)ミズメディ病院理事長も含まれていた。

 2005年11月10日、2005年論文の共著者の一人である米ピッツバーグ大学のジェラルド・シャッテン教授が、ソウル大学黄禹錫教授が卵子を「違法に入手している」とメディアに公表したのが発端となり、研究対象となる卵子を入手した方法が倫理基準に照らして問題があることが判明してスキャンダルとなった。2005年論文に添付された培養細胞の写真が2個を11個に水増しした虚偽のものであった(本人はコピーミスとしている)ことが問題となった。

 2005年12月15日、卵子提供で協力関係にあり、黄教授とともにES細胞の論文を発表した盧聖一・ミズメディ病院理事長が韓国文化放送 (MBC) テレビのインタビューで「黄教授は論文の内容が虚偽だったことを認めた」事実を明らかにした。これにより「サイエンス」誌で発表された論文のES細胞に対する疑惑が高まり、その後の調査の過程で完全な捏造であることが確定し、サイエンスに発表されたES細胞に関する2つの論文(2004年2月・2005年5月)は、2006年1月にサイエンス編集部の判断で全て撤回 (Editorial Retraction) された。当該論文の共同執筆者であったジェラルド・シャッテンは、「重大な疑惑がある」として2005年に掲載された論文から自分の名前を削除してほしいとサイエンス誌に申請したが、却下されている。

 ヒトクローン胚作製の成功、ヒトES細胞の作製の成功だけではなく、BSE耐性を持つとされるクローン牛、これまで難しいとされてきた犬のクローンなどを成功させたと発表していたが、調査により犬のクローン以外は全て捏造であると報告された。これにより、『クローニングによってES細胞の製造ができる』という前提の下に行われていた研究は一時期すべて灰燼に帰したも同然となった。再び幹細胞と再生医療の研究に光明が射し始めたのは、山中伸弥のチームなどの日米の独立した3チームがそれぞれヒトiPS細胞の樹立に成功・発表した2007年のことである。

 韓国社会の反応

 2004年の論文発表以降、韓国社会は黄の成果に熱狂した。生化学研究・再生医学の世界的中心が韓国になることやその経済効果への期待、自然科学部門のノーベル賞を韓国社会にもたらすことへの期待が膨らみ、研究チームに対する国民の支持や政府・企業からの支援が増大した。たとえば、韓国科学技術部は、黄を「最高科学者」の第1号に認定し、黄が提唱する「世界幹細胞バンク」に多額の援助を行い、「黄禹錫バイオ臓器研究センター」を設立するなど支援を惜しまなかった。別途「最高科学者」の研究費として年間30億ウォンの支援が行われる予定もあった。韓国情報通信部はヒトクローン胚作製を記念した記念切手を発行した(後に販売中止、および回収)。黄は韓国警察庁によって、民間人としては初めて24時間体制の3府要人(大法院長、国会議長、国務総理)級警護の対象となり、韓国文化体育観光部によって「韓国国家イメージ広報大使」に任命された。また2006年度から使用される予定だった小・中・高校用の教科書にも早くも黄の業績が大々的に掲載され、忠清南道では「黄禹錫記念公園」を造成する構想も持ち上がった。民間からは、韓国報道人連合会認定「誇らしい韓国人大賞」が授与され、大韓航空のファーストクラスに10年間乗り放題の権利が与えられ、業績を記念して5メートルを超す巨大な「黄禹錫石像」が建立され、インターネットでは数々のファンクラブも生まれた。さらに数々の出版社から黄の伝記や漫画が発売されるまでに至った。

 こういった熱狂の渦の中、黄禹錫は国民的英雄に祭り上げられていった。韓国国民はその研究における卵子入手などの倫理問題を指摘した韓国文化放送 (MBC) の報道調査番組『PD手帳』に対して「国益を損じた」とスポンサーへの不買運動を展開。韓国のインターネット社会では MBC を「非国民」と断ずる論調にあふれた。結果、PD手帳からすべてのスポンサーが降板、放送休止に追い込まれた。本来こうした倫理問題や論文の真贋性を調査し報道する役割であるはずのメディアは、業界を挙げて MBC の報道姿勢とその取材手法に問題を掏り替えてしまった。MBC 全体へのデモも無数に行われ、MBC の看板ニュース番組や他の番組にもスポンサーへの不買・視聴拒否運動が拡大し、黄禹錫に対する批判は許さないという風潮が作り上げられていった。この影響で MBC の全番組の視聴率が低下した。

 当初提示された疑惑は卵子入手の倫理問題だけであったために、「ボランティアで卵子を提供したい」と1000人以上の女性が申し込みを行った。問題点が卵子入手時の倫理問題から論文の捏造、さらにすべての業績に疑いが及ぶに至ってこういった黄禹錫を支持する声も尻すぼみに終わり、ボランティアの募集も打ち切られることとなった。当初は「精神的ストレスによって」入院した黄禹錫がベッドの上で苦悶の表情を浮かべる写真を掲載するなど、社を挙げて徹底的に黄禹錫擁護を展開していた中央日報も、のちに反省文を掲載した。冷静さに欠ける世論と理性を欠いた韓国メディアのありかた、さらには世間の誤解を追い風にノーベル賞受賞振興教育制度をもくろんだ政府の姿勢を国内外に示して事件は終息したかにみえるが、その後も捏造事件そのものを「敵対組織の陰謀」として信じようとはせず、熱狂的なまでに黄禹錫を擁護する韓国人も多く、研究継続を訴え抗議の焼身自殺をする者まで現れた。黄禹錫が「貧乏な家に生まれ、親孝行をしつつ苦学して大成する」という朝鮮民族の理想的な英雄像にぴったりと当てはまるためでもある。その様子をもって『まるで黄禹錫教のよう』とする声もある。

 事件の背景

 2005年12月24日付の産経新聞は『韓国、過剰な「愛国」暗転』と題したコラムの中で、本件が発生した背景について、韓国でよく見られる成果や業績を急ぐあまりの拙速。国際的な配慮や慎重さを欠いた視野の狭い「やっちゃえ」主義。政権の業績にしたい政府の過剰な期待と支援。「やった、やった!」あるいは「ウリナラ(わが国)最高!」的な世論の愛国主義が複合的に重なった結果であると分析している。このような過剰な愛国主義に対しては、韓国日報が「黄の『偉大な成果』を韓国の民族性と結びつけた『お箸技術論』が韓国社会で持て囃された原因は、文化的独創性と先進性に異常なまでに執着してきた韓国的集団意識によるもの」と説明した上で、「最古・最高に執着するのは、歴史的に中国中心の北東アジア文化圏の辺境で暮らしてきた集団的コンプレックスから旧石器捏造事件を捏造した日本人くらいなもので、我が国はそんな意識に染まる理由はない。たとえ2等でもはるかに下は多い。黄禹錫神話の崩壊とともに我々の強迫観念も一緒に解消するよう期待する」と、日本人を揶揄しながら反省している。

 また、捏造が発覚して最終的に反省文を発表した中央日報をはじめとした韓国主要メディアのサイトには「科学・技術」関連のカテゴリーが存在せず、本件を科学的に考察する報道姿勢もほとんど無く、最初から黄禹錫という「偉大な韓国人」にまつわる愛国主義的な政治・社会記事として報じられていた。また、日本人が自然科学系のノーベル賞を受賞する度に、韓国の主要新聞やテレビなどのマスメディアは「日本人は~人も受賞したのに、なぜ我が国は一人も受賞できないのか」といった様な社説や論評を載せ、韓国国民の愛国的対日民族意識を鼓舞していた。これらの韓国のメディアの発信をうけ、インターネット上で韓国のネチズンが烏合の衆と化して黄禹錫に対する狂信的な世論をますます醸成した。つまり、韓国の大衆とメディア関係者の過剰な愛国的民族主義と対日劣等感、科学全般にわたるリテラシーの低さが、このような騒動を拡大助長したともいえる。

 このような冷静さを欠いた韓国メディアの報道に対して、マスメディア出身の姜亨澈(カンヒョンチョル)淑明女子大学校教授は、「韓国の言論機関は、植民地時代に日本メディアから学んだ権威主義を受け継ぎ、 軍事独裁時代には権力と同化した怖い存在だった。民主化されても大衆を啓発しようとする。愛国心とナショナリズムが強く、英雄(黄禹錫)を客観的に見ることができなかった」と、原因の一因は日本にもあると弁明している。また、本件までの韓国人のノーベル賞受賞者は、2000年の金大中の平和賞以外に無く、自然科学分野でノーベル賞を狙えるとされた韓国人科学者は黄禹錫が最初であり、韓国国民の彼の業績への期待は並々ならぬものがあった。さらに韓国国家情報院の情報官が、金大中が平和賞を受賞した理由となった南北首脳会談は北朝鮮への不正送金により実現したものであり、受賞も工作活動によるものであることを暴露していたことから、韓国国民は「正当な成果」によるノーベル賞受賞を渇望していたということも事件の背景にあった。また、韓国政府は、世界に貢献できる研究者を対象に幅広い支援体制を整えるべきであるとは考えず、捏造事件後においても、あくまで「国威宣揚」のためノーベル賞受賞者を生み出すべく、科学分野でノーベル賞を受賞するに値する科学者を選定し、10年間で一人当たり最大20億ウォンの政府支援をするというスター・ファカルティー (Star Faculty) 支援事業を本格化させているが、国際社会からは、こうした学問的精神から遠くかけ離れた見当違いの政策が莫大な国家予算の無駄遣いを生み、様々な欲望が絡んだことが、世界的捏造事件を引き起こした温床ではないかと批判されている。日本の島津製作所の一サラリーマンである田中耕一がノーベル賞を受賞したことによる衝撃などから、韓国内でもこうした政策に対して懐疑的な見方が少なくない。

 事件の経緯

 1999年

  • 2月 - 韓国では初、世界でも英米日、ニュージーランドに続いて5ヶ国目となるウシのクローンに成功。乳牛。韓国の科学技術が「玲瓏として(ヨンロンヒ)輝く」よう、当時の科学技術部長官がヨンロンイと名付けた。ただし、一切の論文を発表しておらず、クローン元となっている成牛との DNA比較なども行われていない。第三者によるDNA鑑定を拒否しており、クローンであるという証拠は何一つない。
  • 3月 - 超優良クローン韓国牛のジニが生まれる。当時の大統領であった金大中自ら李朝時代の妓生であるファン・ジニから名前を取った。こちらも一切の論文、データはない。黄禹錫は「3年以内に超優良韓国牛を2000頭以上普及させる」と語った。

 2000年

  • 前年のジニの成功をもって、韓国農林部はクローン牛普及計画を推進。ソウル大学などから800個以上の「クローン受精卵」を受け取り、畜産農家に供給。

 2001年

  • 前年供給された「クローン受精卵」によって39頭のクローン牛が誕生したとされている。
  • 韓国情報通信部、BSE耐性牛プロジェクトを開始。研究を黄禹錫に委託。研究費用は25億ウォン。

 2002年[編集]

  • 畜産技術研究所による独自調査で前年のクローン受精卵によるクローン牛は4頭に過ぎないとの調査結果が出されたが、マスコミではほとんど報道されなかった。また、その後の調査でこのうちの3頭はクローン牛でないことが判明している。

 2003年[編集]

  • 12月 - BSE耐性があるとされる牛をクローン技術で作製したとマスコミに発表。このときも論文は発表されていない。

 2004年[編集]

  • 2月 - サイエンス誌(3月12日号)で体細胞由来のヒトクローン胚、およびES細胞の作製に成功と発表。ともに世界初の業績。(電子版2月12日付)
  • 12月 - サイエンス誌、ヒトクローン胚の作製を10大ニュースの3位に選定。ネイチャー誌は1位に選定。

 2005年[編集]

  • 2月 - ソウル大学の獣医学部部長に就任。
  • 2月 - 韓国政府、ヒトクローン胚からのES細胞複製成功を記念して記念切手発行。
  • 5月 - 患者の体細胞をクローンし、カスタマイズされたES細胞の作製に成功と発表(サイエンス誌2005年6月17日号・電子版5月19日付)。世界初の業績。
  • 5月 - BSE耐性を持つとされている牛、韓国内に検証施設がないために日本に渡る。黄禹錫チームの一員、「先進文化を伝えた王仁が日本に渡ったのと同じこと」と発言[11]
  • 6月 - 韓国政府、黄禹錫を第1号最高科学者に認定、政府要人並みの警護をつける。
  • 6月 - 黄禹錫、韓国と諸外国の技術水準の違いを「外国の研究チームはわれわれの核移植技術を前にすると、とてもここまで精巧に行うことはできないと意欲をなくす。ペレサッカーと町内サッカーの差」と発言。自分たちの精巧な技術は普段からの箸の使用のおかげと説明[12]
  • 6月 - 大韓航空より10年間トップクラスで利用可能なフリーパス(研究活動支援証書)を受ける。
  • 8月 - ネイチャー誌に世界初の体細胞由来のイヌクローンに成功と発表。スナッピー(SNU+PUPPY=Snuppy、「ソウル大学の子犬」)と命名。
  • 10月 - 世界初の「ES細胞ハブ(世界幹細胞ハブ)」が韓国・ソウル大学病院内に設立される。2日間で登録患者数は1万人を突破。
  • 11月12日 - 共同研究者のジェラルド・シャッテンが倫理的な問題からES細胞ハブへの参加を取りやめると発表。
  • 11月14日 - タイム誌、2005年の「もっとも驚くべき発明」(The most amazing inventions of 2005) にクローン犬を選定。
  • 11月22日 - MBC の報道番組、『PD手帳』が卵子売買をスクープ。
  • 11月23日 - 黄禹錫チームに属する女性研究員2人が、自身の卵子を提供していたことが判明(アカハラ疑惑)。
  • 11月24日 - アメリカの科学誌『サイエンティフィックアメリカン(日本語版:日経サイエンス)』、今年の研究リーダー50のトップに黄禹錫、およびそのチームを挙げる。
  • 11月下旬 - 「国益を損じた」として『PD手帳』のスポンサーに対して韓国内で不買運動がスタート。全スポンサーが降板。真偽不明のままにもかかわらず MBC に対して「国益を損なった歪曲報道を謝罪しろ」とのデモが行われる。
  • 11月26日 - 『PD手帳』放映の MBC 社屋前にて、午後4時から2時間に渡り抗議のろうそくデモが行われる。
  • 12月1日 - サイエンス誌、黄禹錫の研究内容を擁護。
  • 12月1日 - MBC のニュース番組、『ニュースデスク』でES細胞そのものの真偽論争を報道。韓国ネチズン、即座にスポンサーの不買運動を開始。
  • 12月2日 - 6日の『PD手帳』第二弾追及特集の放送を前に、取材に協力したピッツバーグ大所属の研究員が「MBC に圧迫的な取材を受けた」と説明、『PD手帳』の取材倫理が問われる事態に。だがこの研究員に黄禹錫チームから5万ドルの口止め料とも取れる大金が渡っていたことが後で判明。
  • 12月4日 - 『PD手帳』の責任者を刑事処罰しろとの抗議運動で韓国最高検察庁のサーバダウン。
  • 12月6日 - 黄禹錫、入院。『PD手帳』第二弾追及特集は放送されず。
  • 12月7日 - MBC、『PD手帳』の放送を中断。事実上の打ち切り。
  • 12月8日 - 黄禹錫バイオ臓器研究センター、着工。約35億円を費やし、最新設備を備える計画。
  • 12月8日頃 - サイエンスに提出された論文に添付された写真が数枚の写真を分割した可能性が高く、写真そのものを加工した痕が見られるとの報告が2ちゃんねる及び韓国の掲示板に挙がる。
  • 12月10日 - ピッツバーグ大学在職の韓国人教授がサイエンスに提出された論文に添付された写真は、2枚から11枚に水増しされたものだと告白。
  • 12月11日 - 黄禹錫、ソウル大学に検証を要請。
  • 12月12日 - 2週間の加療が必要だった黄禹錫、退院。比較的元気そうに見えたというが夜に再入院。
  • 12月13日 - 黄禹錫が鬱と情緒不安定の症状を見せて抗不安剤と睡眠薬などの投薬を受けたこと、火病を発症したことを関係者の談話として kukinews(国民日報)が報じた。
  • 12月14日 - ジェラルド・シャッテン、「重大な捏造の疑惑がある」として自分の名前を5月に提出された論文から削除するようサイエンス誌に要請。サイエンス誌から却下される。
  • 12月15日 - MBC、『ニュースデスク』にて「黄禹錫の作製したES細胞は存在していなかった」という論文共同執筆者・盧聖一(ノ・ソンイル)ミズメディ病院理事長の証言を放映。
  • 12月15日 - 『サイエンティフィックアメリカン』、黄禹錫チームを「今年のトップ50」に掲載したことを撤回。
  • 12月15日 - ソウル大学の副学長が「今日は韓国科学界の国恥日」と発言。
  • 12月15日 - MBC、突如午後10時に『特集 PD手帳はなぜ再検証を要求したのか』の特別番組を放送しこれまで報道できなかった内容を追加で放送した。
  • 12月16日 - 黄禹錫、記者会見で論文添付の写真捏造を認め、論文は撤回すると発表。ヒトクローン胚、ES細胞を作製したことは事実と主張。ただし、ES細胞そのものはカビで汚染されてしまい手元には存在しないため、10日後に発表すると述べるにとどまる。
  • 12月17日 - 韓国政府はES細胞汚染の報告を受けていたが、国益を考え隠蔽していたことが判明。
  • 12月19日 - 5月の発表では185個の卵子から11個のES細胞を作製したと発表していたが、実際に使用された卵子は1200個を超えていたことが判明。
  • 12月20日 - クローン技術の専門家である米アドバンストセルテクノロジー社のロバート・ランザは2004年2月のヒトクローン胚作製自体がでっち上げと発言。
  • 12月20日 - ネイチャー誌、クローン犬についての検証開始をアナウンス。
  • 12月21日 - ソウル大学調査委員会、22日に予定していた中間発表を23日以降に延期すると発表。
  • 12月23日 - ソウル大学調査委員会、2005年5月のクローン技術に関する論文は虚偽だと中間発表。引き続き、残りのES細胞、およびヒトクローン胚作製、クローン犬スナッピーについても検証を続ける予定。
  • 12月23日 - 黄禹錫、国民に対する謝罪会見。ソウル大学教授職の辞職を言明。
  • 12月23日 - MBC、中断していた『PD手帳』を1月3日より再開すると発表。
  • 12月24日 - サイエンス誌、独自の判断で論文の取り消しもあるとアナウンス。
  • 12月24日 - 黄禹錫を支持するインターネット同好会「アイラブ黄禹錫」の会員がソウル市内・清渓川でろうそく集会を繰り広げる。
  • 12月26日 - 韓国マスコミ、ソウル大学の調査で残りの2個のES細胞もヒトクローン胚からのものではなかったと報道。また、韓国検察当局は同日、黄教授と研究チームの計十人に出国禁止命令を出した。
  • 12月27日 - 一部の韓国マスコミ、2005年の論文に採用されたES細胞は患者の体細胞とDNAが一致したと、真実とはまったく逆の報道を行う。
  • 12月29日 - ソウル大学の調査委、2005年の論文に際して作成されたES細胞とされたものはすべて虚偽であったと報告。
  • 12月29日 - 2004年2月の論文の世界初とされるヒトクローンES細胞も DNA が一致せず捏造の可能性が高いとの一次分析検査結果が出る。
  • 12月29日 - サイエンス誌、黄禹錫チームの取り下げ請求がなければ調査結果を受けて2005年のES細胞論文を撤回することを決定。2004年の論文も調査結果を見て撤回することを検討。
  • 12月30日 - 黄禹錫、韓国仏教界幹部とのインタビューで、『論文捏造問題は、他者による陰謀』、『源泉技術は6ヶ月あれば再演可能』、『ES細胞の優位性を強調、成体幹細胞技術は行き詰った技術』と発言。

 2006年[編集]

  • 1月3日 - 放送が再開されたMBC『PD手帳』「幹細胞神話の真実」編を放送。2004年、2005年の実験に使用された卵子は1600個以上、そのほとんどが売買、アカハラによって得られたものであることを報道。2005年のカスタマイズ化されたES細胞作製の捏造については、2004年の論文では特許が得られないことが原因ではないかと推測。
  • 1月8日 - MBC『PD手帳』10日放送予定の内容を一部公開し黄教授が韓国国内で初めて作ったとされるクローン牛「ヨンロンイ」についても捏造された可能性があるとの見方を報道。
  • 1月10日 - ソウル大学調査委員会は最終調査報告で黄教授の研究チームが世界で初めてヒトクローン胚から胚性幹細胞(ES細胞)を作製したと発表した2004年2月のサイエンス誌論文についても捏造であると断定した。黄禹錫チームが主張したES細胞作製に対する基幹技術に独創性を認めるのは難しいとの最終結論を出し、2002年11月から2005年11月までの3年間に4病院で129人から2061個の卵子が採取、提供されたと発表した。
  • 1月10日 - サイエンス誌のドナルド・ケネディ編集長は、『黄禹錫教授チームのヒト胚性幹細胞(ES細胞)論文の捏造が明らかになったことから、2004年2月の論文も2005年5月論文とともに撤回する方針』との声明文を発表した。
  • 1月11日 - 韓国政府は、2005年6月に黄禹錫に贈った「第1号最高科学者」を含め、政府関連の公職をすべて剥奪することを決めた。郵政事業本部は、ES細胞複製の成功を記念して2005年2月に発行した記念切手の販売の中止と未販売分の全量回収を発表した。
  • 1月12日 - 韓国検察当局、黄禹錫ソウル大教授の自宅や研究室など関係先を家宅捜索。
  • 1月12日 - 黄禹錫、ソウル大学調査委員会の最終調査報告を受け記者会見を開き、『論文筆頭著者として論文捏造のすべての責任』、『研究員の卵子提供と対価提供による卵子使用』を認め謝罪した。その一方で、『論文捏造の直接責任は共同研究者』、『チームは現時点での世界最高の技術を保持』、『ES細胞は6ヶ月あれば再演可能』と重ねて強調した。
  • 1月12日 - サイエンス誌は、2004年2月論文と2005年5月論文の2本の論文を編集部判断で正式に撤回したと発表した。
  • 1月13日 - 韓国政府は、将来のノーベル賞を受賞するに値する科学者に対して支援する、スター・ファカルティー (Star Faculty) 支援事業の第1回対象者として物理、化学、生物学など3分野の科学者11人を最終選定したと発表した。
  • 1月15日 - 黄禹錫の誕生日でもあるこの日、ソウルにおいて私設ファンクラブである『ファンサモ』が主導した5000人規模の黄禹錫擁護デモが行われ、デモ会場にて「黄禹錫教授頑張ってください」なる歌が披露され、いまだに支持している人間が少なくないことを示した。
  • 1月19日 - WTN(世界技術ネットワーク)は、昨年11月に黄禹錫に授与した生命工学賞の撤回を発表した。
  • 1月25日 - ソウル中央地検・特別捜査チームはミズメディ病院から押収したES細胞の DNA を分析した結果ソウル大調査委員会の調査内容と一致したこと、黄禹錫教授チームが作ったとしている体細胞クローンES細胞は存在しなかったと発表。
  • 2月6日 - 韓国政府監査院は黄禹錫が政府、および民間から寄せられていた研究支援金のうち、62億ウォンを不正に使用していたと中間報告をした。
  • 2月22日 - 黄禹錫を支持する団体がソウル大学でデモを行い、ソウル大学職員に怪我を負わせるという事件が起きる。
  • 3月1日 - 黄チームによって提出されていた狼のクローンに成功したと主張していた論文が、サイエンス誌から撤回される。
  • 3月14日 - 黄禹錫の研究室に所属していた大学院生全員の指導教授が変更され、いわゆる黄チームは解散。
  • 3月14日 - 韓国分子細胞生物学会は黄禹錫を除名処分とした。
  • 3月20日 - ソウル大学は黄禹錫を免職処分とした。
  • 4月21日 - 黄禹錫、ソウル大学が行った懲戒処分を不服とし教育人的資源部に取り消し審査を請求した。
  • 5月12日 - 韓国検察当局は、胚性幹細胞捏造事件で、黄禹錫・元ソウル大教授を詐欺、業務上横領、生命倫理法違反の罪で在宅起訴したと発表した。検察が黄禹錫の胚性幹細胞論文に関し、「患者適応型の胚性幹細胞はなかった」と最終捜査結果を発表した[13]
  • 6月27日 - 黄禹錫の後援会が経費を負担し、既に捏造が発覚したES細胞研究に関する国際特許を10カ国・地域で申請する見通しであるとソウル大学が明らかにした。
  • 7月18日 - 韓国政府は、黄禹錫に対する科学技術勲章創造章の叙勲の取り消しを決定。
  • 8月18日 - 黄禹錫は、「雌牛生命工学研究院」設立の許可を韓国科学技術部から受け、無菌豚を利用した異種臓器移植等の研究を再開したことが明らかになった。

 2007年[編集]

  • 1月16日 - 京畿道龍仁市の研究院で研究を再開したと中央日報が報じる[14]。また、中央日報の行ったアンケートに記事によれば黄禹錫にもう一度(ES細胞の)研究機会を与えて欲しいと考えている韓国人は回答者のうち76.8%にのぼった[15]
  • 3月26日 - ソウル大獣医学部の李柄千教授の研究チームが、世界初となるチョウセンオオカミクローンを2頭作製することに成功したと発表。黄禹錫も共同研究者として名を連ねており、半月後の4月9日に同大は捏造疑惑が持ち上がったとして調査を開始したと発表したが、同26日には捏造はなかったとの結果を公表した。

 2008年[編集]

 2009年[編集]

  • 10月26日 - 胚性幹細胞捏造事件でソウル中央地方裁判所が懲役4年の求刑に対し、懲役2年、執行猶予3年の有罪判決。研究助成金など8億3500万ウォン(約6500万円)を騙し取ったと認定したが、科学の発展に長年貢献したことなどを考慮し執行猶予がついた[17][18]





(私論.私見)