38―15 | 真紀子の動静、逆襲考 |
「私こそ自民党」という自負を見せていた田中真紀子は小泉政権樹立に大役を担い、外相に抜擢された。ところが、陰に陽にイジメに遭い、武運つたなく外相を罷免させられた。続いて、秘書給与のピンはね疑惑に巻き込まれ議員辞職も余儀なくされた。以来蟄居していた真紀子は、こたびの2003衆院選に立候補した。真紀子の一挙手一投足が再び注目されつつある。 れんだいこが思うに、真紀子が「私こそ自民党」と述べた背景は的確で、その「私こそ自民党」の真紀子が裸単騎に追いやられている姿こそ嘆かわしい。この背景事情には、戦後保守本流となりえていた自民党ハト派の栄枯盛衰がある。今や、かっての角栄−大平連合が無残にも解体され、角栄派の正統嫡流はただ一人真紀子のみ残している。二階堂、山下元利他武運つたなく破れた。代わって田中派を相続したのは竹下−金丸一派であるが、「鉄の軍団田中派」の解体に上手に利用された裏切り無能集団に過ぎない。今日の橋龍派はその無様さを曝け出している。野中はこの過程で実力者然とのし上がってきた人物であるが、その野中こそ「上手に利用され使い捨てにされた玉」であろう。これが野中が背負った悲劇であると思われる。 大平派の無残も甚だしい。代わりに主流派の地位を手に入れたのはタカ派系の福田派−中曽根派連合であるが、2003衆院選を前にして中曽根御大の推薦取り消しという快挙を成し遂げた小泉−森派の狙いは、政界の福田派完全制覇の野望である。しかし、権力は独裁的頂点にたった時から後は坂を転げ落ちるしかなくなる。2003年衆院選後の政局は、この攻防戦に入ると思われる。 この際に表舞台に出そうなのが、真紀子と管−小沢連合の動きであろう。「自民党内のコップの中の争い」は福田派の完全制圧に決着した。自民党内からこの構図を転覆させる力はもはや無い。とすれば、外野から新興勢力が現れるのが歴史の常である。こうなると、対福田派打倒に照準を合わせて動きの取れる能力を持つ勢力は、真紀子−管−小沢連合しかない。そういう意味で、今は水面下であるが真紀子の動静は重要なモメントとなっている。この流れには、戦後与党政治のハト派とタカ派の政権と政策を争う死闘が介在している。だから政治は面白い。 という訳で、以下「真紀子の動静、逆襲考」をサイト化し、その帰趨をウオッチして見たい。 2003.11.3日 れんだいこ拝 |
【真紀子出馬声明す。「天命として重く受け止め」 】 |
2003.9.30日、田中真紀子前外相(59)は、公設秘書の給与流用疑惑で昨年6月、秘書給与問題などで自民党から2年間(来年6月まで)の期限付きで党員資格停止処分を受け、同8月に議員を辞職した。昨年8月に議員辞職しているが、この日東京地検が不起訴処分(嫌疑無し)を決めた。 10.5日、真紀子前外相は、後援会幹部会議に出席し、次期衆院選への出馬要請に対し「身に余る光栄」と述べたが、出馬表明には至らなかった。会議後、真紀子前外相は昨年8月の議員辞職後初めて記者会見に応じ、次のように語った。「大変重く受け止めている。天命の重さを非常に強く感じた」。離党の可能性については「いろいろなオプション(選択肢)がある」。 自民党や小泉純一郎首相に対しては「いろいろ思いはあるが、一般の皆さまと変わらないのではないか」と述べた。秘書給与問題が嫌疑なしで不起訴処分となったことについては「必ず事実無根が証明されると確信していた」と話した。新潟5区では、自民党現職の星野行男氏(71)、無所属で民主、社民両党に推薦を要請している元自治相の白川勝彦氏(58)、共産党新人の斉藤実氏(45)の3人が出馬を表明している。星野行男・法務副大臣は、昨年10月の補欠選挙で当選しており、自民公認として立候補する予定。また、同6区から選挙区替えする白川勝彦元自治相が民主、社民などの支援を受けながら立候補する。「2年間の自民党員資格停止処分」の自民党規約を廻り、立候補すると除名されないか確認が必要として、出馬について明言は避けた。 |
立つほどに匂う真紀子かな | れんだいこ | 2003/10/08 |
新聞に拠れば、2003.10.8日、次期衆院選に向けて真紀子が新潟5区から無所属で出馬するとの表明をした模様。現代タカ派の偏狭な政治主義により蟄居を余儀なくされていた真紀子は、藤井総裁同様に「このままでは日本が危うい」との観点から座して死を待つことなく反撃の狼煙を挙げた。 幕末の頃、大塩平八郎も僅かの手勢とともに決起した。馬鹿政治家と役人の国賊的な利権政治を掣肘すべく一身を賭した。これあればこそ後の激動の道が拓かれた。我々は幕末の志士活動を高く称賛すべきである。その後紆余曲折を経たが、幕末の喧騒の史的意義は褪せる事は無い。 御用系マスコミはよってたかって、またも真紀子イジメを唱和するだろう。高得票で当選すれば、新潟県民の見識を疑うなる論調を載せることだろう。しかし、これほど高慢僭越なことは無い。野坂昭如のようなお調子者を囃すことが似合いだとしても、れんだいこに限って云えば、うんざりだ。 予算分捕り政治を悪く云うが、自分の出身選挙区の面倒を見れない政治家のほうが問題だろうに。クリーンなる三木武夫を持ち上げてきたが、その三木政治の国政上の失態と地元徳島になにほどのこともしていないお粗末さはお似合いなのではないのか。戦後選挙制度の仕組みを考えれば、マスコミは「為にする批判」ばかりしてきたのではないのか。 あっそんなことが云いたい訳ではない。真紀子が遂に立った。れんだいこ党(そういえば久しぶりだなぁ、この党名使うのは。僅か2名なりといえども)は熱く注視しているぞよ(今のところ、党首の単独声明)。フレーフレー真紀子真紀子チャチャチャッ。 |
【真紀子、自民党に離党届け 】 |
10.20日、田中甲・前衆院議員(尊命)は、無所属候補に「共通政策」を掲げ選挙に臨む構想を呼び掛けるとともに、新潟5区で無所属出馬する田中真紀子前外相に連携を打診したことを明らかにした。田中甲氏によると、前外相に18日に電話で自民党籍の有無を確認したところ「党籍はない。(自民党側に)党費を払えば党籍は戻ると言われたが、その考えはない。日本を変えるにはこの自民党、与党ではダメだ」と語り、自民党批判を展開したという。 11.20日、11月の衆院選に新潟5区から無所属で出馬予定の田中真紀子前外相、地元の新潟県長岡市で開いた後援会幹部との会合で、「すっきりした形で出馬したい。(自民党は)離党せざるを得ない」との意向を示した。しかし、出席者からは「離党しないで出てほしい」との意見が相次ぎ、最終的には「皆さんの意見に従いたい」と伝えたという。出席者によると、新党結成の話には言及しなかったという。 10.22日、真紀子前外相は、秘書を通じて自民党本部に小泉純一郎総裁(首相)あての離党届を提出した。同党は党紀委員会で審査して受理するか決めるが、安倍晋三幹事長は記者団に「選挙が終わってからになる」と述べ、扱いを決めるのは衆院選後に先送りする考えを示した。 田中氏は離党届で「平成14(02)年以降の党費未納に伴い、私の党籍は抹消されているものと存じますが、今後予想される誤解や混乱を避けるためにも念のため、離党届を提出致します」と記している。田中氏は離党届を地元の党新潟県連にも提出しようとしたが、県連側が「党本部で扱う問題」と受け取らなかった。 10.23日、無所属で出馬予定の田中真紀子前外相を支援する新潟県六日町のグループが故田中角栄元首相の後援組織「越山会」の名を冠した政治団体「六日町越山会」をつくり、新潟県選管に届けた。越山会は旧新潟3区(長岡、柏崎、三条市など)内の市町村や地区ごとに組織され、最盛期には約9万人の会員を擁した。圧倒的な集票力を誇ったが、元首相が政界を引退した90年以降、次々と解散した。六日町越山会の富所健太郎幹事長は「『この日を心待ちにしていた』と励ましの電話がかかり、万歳して喜んでくれる元会員もいる」と話した。前外相はファミリー企業中心の選挙から後援会中心の運動に転換、六日町越山会は夫の田中直紀参院議員の後援組織としても動き「田中家」の選挙を支えるという。 |
【真紀子、小泉政権批判 】 |
10.25日、真紀子前外相が地元の新潟県長岡市で会見し、「自民党でも民主党でもなく無所属で立候補する」と述べ、他党との連携を明確に否定した。そのうえで、「当選できたら、政策別に政界再編していくよう最善の選択をしていきたい」と、政界再編を目指す考えを表明した。新党結成については「選挙の結果を見てみないと分からない」と明言を避けた。自民党に離党届を出した理由について「私の思いは完全に冷めてしまった。もう信用できないという気持ちが強い」などとし、「私は完全無所属」と述べた。 「小泉政権についてどう思うか」の質問に対して、概要「現政権は私も誕生に尽力させてもらったので批判はしたくない。自民に対したまっていたフラストレーションが爆発して小泉政権が誕生したが、ただ、率直に申し上げると、派閥に取り込まれ、役人主導に乗り、業界との関係も断ち切れなかった。今までと同じで、なんら変わらない。国民の期待が大きかっただけに、大変お気の毒で可哀そうだと思う」などと批判した。小泉政権について「役人主導の政治に乗ってしまった。小泉さんはお気の毒、かわいそう」と控えめに批判した。「(小泉純一郎首相は)派閥に取り込まれ、役人主導になった。業界との癒着も断ち切れず、今までと同じ所に戻ってしまった」と述べ、改革を標ぼうする首相の「後退」を批判した。 「民主党と自由党の合併については」の質問に対して、「よくぞやったと思うが、社長さんと専務さんが逆ではないか。しかし理念を持っている。時代を変えようという気持ちで合併したことには敬意を表したい」。 「来年の参院選を目指す夫直紀氏への影響は」の質問に対して、「多分影響は大きい。別人格だが、主人がどう動くのか、本人に聞いてください」。 |
【真紀子、「比例は民主に」 演説で投票呼びかけ 】 |
10.31日、真紀子前外相が、新潟県佐渡島の佐和田町で31日に行った他候補の応援で、拉致家族の子供たちの早期帰国は難しいと演説した。概要「あの方(拉致被害者)たちは日本人ですが、子供さんたちの国籍はどこですか。国際法上は北朝鮮なんじゃないんですか。外務省だって分かっているんでしょ。国際法を調べてみろと言いたい。あれ(帰国)容易ではないとはっきり言わないとだめですよ」、「帰国した5人のご家族がすぐにも帰ってくるとあまり耳ざわりのいいことを(政府は)言わない方がいい」と述べ、政府や外務省の対応を批判した。 これに対し、「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」と「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会」は、「外相も務めた田中氏には怒りを通り越して哀れささえ感じる」と批判した。 11.2日、真紀子前外相は2日、新潟県巻町での街頭演説で、「拉致事件を一日も早く安全に解決するように願っているのはみんな同じ。私は北朝鮮の手先ではない。聞き間違えないで欲しい。本当に残念」と述べた。田中前外相は10月31日に同県佐渡島で「拉致被害者の子供の国籍は北朝鮮籍。(帰国は)容易ではないとはっきり言わないとだめ」などと発言し、拉致被害者の家族や支援団体から1日、抗議を受けていた。 |
【真紀子、「比例は民主に」 演説で投票呼びかけ 】 |
11.1日、真紀子前外相が、新潟県大和町での街頭演説で比例区は民主党に投票するよう呼びかけた。田中氏が、特定の政党を支援する発言をしたのは初めて。公示以降、報道関係者を入れない集会では小泉政権批判、自民党批判を続ける田中氏。この日の演説では「比例制度とは小選挙区で落った人があがるんですよ。裏からそろっと入ってくる」、「オラがこんな一生懸命戦って自民党公認を落としても、比例で自民党と書けば比例であがってくる。ヤマタク(山崎拓・自民党副総裁)もそう。ワケのわかんないアンちゃんたち、おとっつあん、おっかさんもみんな比例で入ってくる」と述べ、重複候補の復活当選の仕組みを批判した。
田中氏は、この日不在者投票を済ませたと話し、「比例は民主党と書きました」と明かした。さらに、「よっぽど好きなら自民党でも結構だが、もし田中真紀子と書くのなら、2枚目は社民党か民主党か、共産党か。まあ民主党だと思いますよ。そうでないと落ちたはずの人が比例であがってくる」と述べた。 |
(私論.私見)