「小泉流『日本列島解体論』を粉砕せよ!」

 れんだいこは、「小泉流『日本列島解体論』を粉砕せよ!」という演題を与える。一般に、表現は既にそのうちに半ば回答を秘めている。この場合も然りである。但し、本件の場合、結論がこのようになるのが史的評価として正しいのではないかとれんだいこが考えているだけで、以下の書込みは自由である。どなたかお伝え下さらんことを。そこから練り合わせしていきたい。なぜれんだいこが率先して述べないのか。それはいつも述べているからである。

 小泉が首相声明において颯爽と掲げた構造改革路線とは、「日本列島解体論」であることが判明した。気づくのが遅かりしとして不明をなじられる向きの方もあろうが、一応は当人の言に信を置く作風もよかろう。れんだいこはそのように信を置き見守ってきた。それが幻想だったことを最終的に確認したのが真紀子外相の逆裁定解任劇であった。以来、れんだいこは何ら憚ることなく小泉を疑惑し抜いており、今では稀代の低脳首相として侮蔑している。

 但し、侮蔑で済ませられるのは趣味のことならではであろう。事は政治の世界である。政治でも、野党の場合ならまだよい。政権与党の小泉政治の帰趨の場合我々の生活に直結してくる訳であり、侮蔑だけで済ませることができない。その小泉の最悪の決断は、自衛隊のイラクへの軍事派兵である。これは戦後憲法原理の真っ向からの否定である。しかるにこれが喧騒されない。この現象は、この国が既に政治的見識を失っている証左であろう。

 れんだいこは、以下その非を論証する。

 2003.10.18日 れんだいこ拝


【「イラクへの軍事派兵」の決断経過】(「増田俊男の時事直言!・イラク支援金と自衛隊派遣」参照)
 米英は国連決議無いままにイラク先制攻撃を為し、イラクを米軍占領下に置いた。この間、日本政府はこれを支持し続けてきた。現在のイラクはアメリカの軍事占領下(日本の敗戦時と同じ)にあり、日本のGHQ(連合国総指令部)に当たるCPA(連合国暫定局―米国防総省管理下)がイラクの主権を握っている。新決議案では、イラク人による新政権が出来たらCPAは主権を移譲すると決めているが移譲の時期は決めていない。

 フランス、ドイツ、ロシアは、この間の米英軍の突出した暴挙に対し同意しなかった。イラク統治に対しても、「何時新政府に主権が移譲されるかが明確にならないうちは一切経済援助も軍事援助も行わない」とはっきり声明している。この間水面下の交渉が行われ、イラクの主権がイラク国民に移管される方向性と、完全にアメリカの統制下にあるCPAに僅かでも国連の発言権が認められる方向で調整が行われ、主権移譲の過程で国連事務総長の権限を一部強化することで漸くフランス、ドイツ、ロシアが同調することになった。

 しかし、これに比して小泉日本政府の外交は愚劣である。小泉首相は、国連無視の米英イラク先制攻撃を世界に先駆けて逸早く支持し、それを内外に誇ってきた。フランス、ドイツ、ロシア等の原則的立場よりする米英批判の最中、5月小泉首相は訪米し、アメリカの執拗な自衛隊派遣と千億円単位(ビリオン)の大口無償援助要求の受け入れを表明した。この時、小泉は自衛隊の年内派遣を誓約している。アメリカは、日本のこの態度を利用し、欧州同盟国に圧力を掛けた。実際、小泉首相の対応はブッシュにとって干天の慈雨となり、ブッシュの思惑通り、安保理でのアメリカの修正案採決を有利に運ぶことになった。

 10.16日、国連安全保障理事会が「イラクへの多国籍軍派遣と復興に関する決議」を満場一致で採択している。但し、
米英を除く常任理事国は、「アメリカの軍事占領下にある現状でイラクの復興支援をすれば米英と同じイラクの侵略国になってしまう」として、非協力的立場を維持することを確認している。アメリカは、国連無視の先制攻撃・イラク侵略を国連の場に持ち込むことに成功し、国際的孤立を修復した。ブッシュは、小泉首相に「日本の自主的判断による暖かい支援に感謝する」と、その果たした役割を称賛している。

 2003.10.17日、小泉首相は、ブッシュ訪日にタイミングを合わせて、対イラク無償援助15億ドルと自衛隊の(事実上)年内派遣を決定した。前日の国連安保理決議のおかげで、実際は「アメリカ一辺倒」の所産(5月の訪米時)である今回のイラク支援を、国際協調のためと言い逃れることが出来ることになった。しかし、今の時点での小泉イラク支援15億ドルと自衛隊派遣は、日本が米英のイラクの侵略に対する加担国になることを意味する。今イラクに自衛隊を派遣することは、テロリストの標的になることが避けられない。事実、小泉イラク支援内容の発表と同時にビン・ラーディンは日本を名指しでテロのターゲットにするとアナウンスした。これは、自衛隊を米英侵略軍と等値で見なすことを意味している。

 自衛隊にはテロからの攻撃だけでなく劣化ウラン災害が待っている。

 日本の国内世論は、小泉の形振り構わぬ日米協調第一優先に異議を唱える声が小さい。「与党は、日本はアメリカとの同盟関係が大事だと強調するが、一体何のための同盟関係だと思っているのだろうか」。


【れんだいこは、「イラクへの軍事派兵」を弾劾する】
 れんだいこの「イラクへの軍事派兵弾劾」は、功利的理由だけによってではない。その理由を以下に記す。(略)




(私論.私見)