「藤井道路公団総裁の抵抗考」 |
小泉の痴愚政治に叛旗を翻した女が真紀子なら、男として先に天木駐レバノン大使が誕生している。続いて藤井治芳(はるほ)道路公団総裁が名をあげた。この騒動を以下記しておく。 2003.10.5日、この日は民主党と自由党の合同祭が行われる日となっていた。この日に合わせてとしか考えられないが、石原国交相と藤井道路公団総裁が5時間近く会談したものの初めから結論ありきで、国交相は「これまでの私の疑念を払しょくすることはできなかった」と総括し、会談後に小泉首相の了解を得て、藤井氏に電話で6日午前中の辞表提出を要求した。 6日午前10時に登庁した石原国交相は「後任の人選に速やかに着手しなければと考えている」と述べ、後任の総裁については「改革意欲に富んだ人物を速やかに選ぶ作業に入る。総選挙の投票日までには決めたい」とも述べている。これを聞き分ければ、総選挙前に総裁を更迭して「改革の成果」に掲げるという、小泉政治の魂胆であったことが判明する。如何に選挙対策用の生贄として儀式が執り行われたか分かろうというものである。 |
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「私は改革をずっとやってきた」藤井前総裁との一問一答
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――総裁解任についての現時点での感想は 「私は建設省のころから『デストロイヤー』と言われ、改革をやってきた。道路公団の改革もずっとやってきた。8月には改革本部を設けた。小泉首相の公団民営化にも大賛成だ。財務諸表問題が大きくなったのは、内容を見るのでなく、大きくすべきでないテーマが大きくなっただけ。私自身の改革派のイメージが隠れて、そうでないイメージが前に出た。改革の取り組みが理解されず、寂しいと同時に、いろんな思いがある」 「我々はたまたまAという区間を割り当てられた駅伝の選手。政治家は自分が一番だと名を欲するマラソンの選手。駅伝では走り終わったら次にたすきを渡す。これまで、いろんな人が改革に参加してくれた。そういう人たちの名誉と気概は守られなければならない。地位にこだわるつもりは全くないが、解任の理由には問題がある。断腸の思いで出した結論だから、気持ちはサバサバしている」 ――解任は選挙目当てのパフォーマンスとの見方もある 「世間は政治問題と結びつけているが、これは行政の中立性の問題だ。私は政治に口を出すつもりは全くないし、政治と行政は一線を画すべきだ。納得できないことでやられるのは先例になるから、きちっと対応せざるを得ない」 ――今後の法的措置の予定は 「一言で言うと、政治的に、また、社会的に誤解されないような形を取る。今後の先例にならないようにきちっと対応する」 ――一部の報道で、政治家などからの様々な圧力に触れているが 「真綿で絞められるような圧力がある。直接ではなく、いろいろな形をとってかかってくる」 ――一昨年12月に公団が島根県の山陰自動車道の仏経山トンネルなど13件の発注を延期した問題に関する青木幹雄・自民党参院幹事長からの電話のようなケースは珍しいのか 「寝耳に水だった。いきなり私が怒られた」 ――相当きつい口調だったのか 「やっぱり、迫力あるわな」 ――結局発注したのは青木氏が怒ったからか 「すでに公告しており、資金のめどがたったので、13件すべて発注した。それをどう取るかは受け取る方の問題。ここに恣意(しい)があったら、道路公団に信頼が戻らない」 ――片桐幸雄・前四国支社副支社長の人事をめぐる飯島勲・首相秘書官とのやりとりは 「動かすなということを言っていた。なぜ、そんな細かいことを知っているのか驚いた」 ――別納制度を廃止したが、圧力はなかったか 「今までも改善したいと思った人はいたが、できなかった。私も総裁になってから知ったが、みんな、怖いからやらなかったと聞いた」 ――暴力団や政治家の圧力もあったのか 「いずれも否定できないし、いずれも肯定できない。別納制度を利用する組合を調べるだけで反発もある。調べること自体が勇気がいることだった」 ――藤井さんは政治の圧力を跳ね返してきたということか 「跳ね返してきたのではなく、一線を画してきた。行政というのはこうあるべしという気持ちだったが、政治に刃向かっていると取る人もいるし、勝手なことをやっていると取る人もいる。一線を画すのは相当勇気がいる。私のやり方が、正しい行政の中立性を守る生き方だと信じている」 (朝日11/07 03:01) |
石原伸晃国土交通相は24日、日本道路公団の藤井治芳(はるほ)総裁の解任処分を正式決定した後記者会見し、「(藤井氏は)民営化の改革のあるこの時期に総裁の適格性を欠いている、苦渋の決断だった」と強調した。これに対し、藤井氏の代理人は「解任は違法で、一方的に強行された。法的対応をする所存」とのコメントを発表。藤井氏側が法的手段を辞さない構えを見せていることから、後任総裁の人選は先送りされ、当面は村瀬興一副総裁が総裁代行を務める。
総裁解任の理由として、国交省は日本道路公団が債務超過であるとの疑惑をもたれた「財務諸表問題」などで適切な対応を怠り、国民の信頼を著しく損ね、「総裁としての適格性を欠いた」ことなどを挙げた。国交省の主宰者が作成した報告書も「当事者(藤井氏)の主張には理由がなく、行政庁の判断は妥当なものと考える」と、省側の見方を追認した。
一方で石原国交相は、同省道路局の監督責任については「総裁の適格性を問題にしている。国交省の責任にはなじまない問題」と否定した。
後任について石原国交相は、「混乱した道路公団を一日も早く立て直すことに全力を注ぎたい。民間出身の改革意欲に富んだ方が望ましいという考えは今も持っている」と述べるにとどまった。
藤井氏の代理人は24日、「解任は違法であることを理を尽くして明らかにしてきたが、大臣の理解を得られず一方的に強行されたことは残念。適時適切に、本件解任への法的対応をする所存」とのコメントを発表した。【荒木功】
=◇=
石原国交相の会見要旨は以下の通り。
――後任人事のメドは。民間人をあてる考えに変わりはないか。
◆民間出身の改革意欲に富んだ方が望ましいという考えは今も持っているが、まずは混乱を収拾することが重要だ。つい先ほど解任の手続きを取ったところで、いつまでにと予断を持って言える状況ではない。
――藤井氏との会談から3週間もたった。
◆もっと早くやれという声もあるが、私は混乱したとも長期化したとも思っていない。本来は総裁自らが辞表を出すのが望ましいことは当然だが、結果的にそうならなかったので法律にのっとり粛々と手続きを踏んできた。それには適正な時間をかけることも含まれている。私にとっては苦渋の決断だ。
――民営化への影響や遅れは。
◆公団改革に一刻の猶予も許されない時期だけに、率直に言って残念。しかし、法案作成の作業も(同時に)粛々と進めている。
――監督する立場の国交省道路局の責任は。
◆道路公団民営化という改革を行う時に、総裁が藤井氏で適格なのかどうかを問題にしているわけで、国交省の責任にはなじまない。
ーー「苦渋の決断」というのは、藤井さんの能力を評価している意味もあるのか。
◆藤井氏は親子2代に渡る土木行政の専門家で、抜きん出た能力を持っているのは事実だと思う。だが、公団改革の原点は、40兆円という公団の膨大な借金を将来世代に先送りしてはいけないということからスタートしていることを理解してほしい。
[毎日新聞10月25日] ( 2003-10-25-00:01 )
藤井総裁は24日正午過ぎ、公団内の会議室に職員を集め、解任通知があったことを伝えたうえで別れの言葉を述べた。また、公団を通じて「本日、これ以上、申し上げることは何もございません」とのコメントを出した。
[毎日新聞10月24日] ( 2003-10-24-13:24 )
10.23日、国交省が藤井総裁の聴聞調書と報告書を石原国交相に提出した。石原国交相はこれらの報告を精査したうえで、藤井氏の解任の最終判断を下す方針。石原氏は「じっくり熟読し、最終的に決断したい」と述べたが、解任の時期については「今は言えない」と明言を避けた。藤井氏への聴聞は17日に行われ、主宰者の山本繁太郎・国交省政策統括官が調書にまとめた。内容は石原氏が判断するまで公表しない方針。一方、藤井氏側は解任手続きは「解任権の乱用で著しい不当」と批判し、法廷闘争を含めた徹底抗戦の構えを示している。 10.24日、石原国交相は、藤井氏を解任を正式に決定し、本人に辞令交付した。解任手続きの一つとして17日に行われた藤井氏本人への「聴聞」の結果をまとめた聴聞調書と報告書を踏まえて最終判断を下した。石原国交相は午後、記者会見して解任を決めた理由を詳しく説明する。ただ、藤井氏側は一連の解任手続きを「国交省は解任の具体的な理由を示さず、不当」と厳しく批判し、処分無効を求める行政訴訟も辞さない構えで、混乱はさらに長引くことも予想される。 石原国交相は今後、民間企業出身者の起用も念頭に後任を人選するが、総裁解任に発展した影響で後任人事は難航も予想され、当面は村瀬興一副総裁が総裁代行を務める公算が大きい。 藤井総裁の解任について、国交省は日本道路公団が債務超過であるとの疑惑をもたれた「財務諸表問題」で適切な対応を怠り、公団に対する国民の信頼を失わせて「総裁としての適格性を欠いた」ことなどを主な理由に挙げている。国交省の主宰者が作成した聴聞調書と報告書も、解任の妥当性を主張しているとみられる。 一方、藤井総裁の代理人はこれまで「解任する根拠はすべて抽象的で不明確。人事権の乱用だ」と批判し、解任された場合は行政訴訟に踏み切る姿勢。また、テレビ番組などで藤井氏を批判した石原国交相らの発言に対する名誉棄損の賠償請求訴訟なども検討するとしており、法廷闘争入りは避けられない情勢だ。 藤井総裁は今月5日に石原国交相と会談して辞表の提出を求められたが、これを拒否。このため、国交相が解任手続きを指示していた。 総裁解任のタイミングをめぐっては、衆院選の公示を28日に控え、自民党内から慎重論も上がっていた。しかし、来年の通常国会に提出する公団民営化関連法案の作成が遅れるなど行政運営に支障が出る可能性も考慮し、早期解任に踏み切った。【荒木功】[毎日新聞10月24日] ( 2003-10-24-13:07 ) |
【「藤井総裁秘密発言暴露事件の余波」】 |
10.5日の日本道路公団の藤井総裁と石原国交相との会談の際に、藤井総裁が公団と政治家の癒着をにおわせる発言をしたとされる問題をめぐり波紋が広がりつつある。10.19日、野党幹部は、参議院で藤井氏の証人喚問などによって発言の内容を解明する考えを表明。民主党の枝野幸男政調会長はフジテレビの番組で、「参院は開ける委員会があるので、証人喚問をやったらどうか」と述べた。閉会中審査の手続きをとっている参院の災害対策特別委員会などでの証人喚問を求めたものだ。社民党の大脇雅子政審会長も同じ番組で「徹底的に真実をきちっとして頂きたい」と語った。 これに対し、自民党の山崎拓副総裁は同日のテレビ朝日の番組で、「選挙中に参議院だけ開いてそういうことをやるというのは一種の選挙妨害みたいなもの」と述べ、否定的な見解を示した。公明党の北側一雄政調会長はフジテレビの番組で「国会で明らかにすべきだ」と国会での真相解明に前向きな姿勢を見せたものの、「どういう時期にやるか、どういうやり方でやるかは別」とも述べ、選挙前の証人喚問にこだわらない考えも示唆。保守新党の西川太一郎政調会長も「具体的に精査して、本当に国会に呼んで聞く価値があるのかということだ」と慎重姿勢だった。 与党側は、総選挙前の実施には消極姿勢をみせており、今後もこの問題をめぐる与野党の綱引きが続きそうだ。 10.20日、民主党が、藤井総裁のイニシャル発言に対して事実関係の調査を為すよう小泉首相に公開質問状を提出。石原氏がテレビ番組で明らかにした藤井氏のイニシャル発言については、20日に事実関係の調査を申し入れたほか、藤井氏が週刊誌で会談内容を一部明らかにするなど、関心が高まっている。 10.21日、石原国土交通相は閣議後会見で、藤井総裁が指摘した政治家のイニシャルを挙げて道路行政と政治家の不正について、国交省として独自の調査を行わない意向を表明した。理由については「藤井総裁は具体的な(不正の)話をしたわけではないので」と説明した。「藤井総裁は突然そういう(疑惑の)話をしたから、なんでそういうことを言うのかと思った」と述べ、藤井氏の発言は唐突で、具体的な疑惑に言及しなかったと説明した。会談の1週間後にテレビ番組で藤井氏の発言を紹介した理由は、「なぜ5時間も会談にかかったのか、その雰囲気を伝えたかった」と釈明した。また、「具体的なイニシャルは何か」などの質問には、「私が(イニシャルの本人を)どう思ったか、当たっていない可能性もあるので言えない」と話した。「疑惑と思われる事実は明らかにすべきでは」との問いには、「こういう不正があった、という話がないのにどうやって調査を進めるのか」と応じた。 10.22日、石原伸晃国土交通相は東京都港区内のホテルで演説し、「最近、悪いおじさんにからまれて髪が真っ白になってしまった」と話したが、今回の質問状について報道陣に「聞いてない」と述べるにとどまった。 |
【藤井氏側、聴聞続行を要求 国交省は拒否】 |
国土交通省の風岡典之事務次官は、10.20日の会見で、日本道路公団の藤井治芳総裁に対して行われた聴聞について「法律に基づく手続きが行われたと思っている」と語った。藤井氏側は聴聞後も「解任の具体的な理由は示されなかった」と処分に反発しているが、風岡次官は「先方の意見は聴聞でお聞きするもの」と述べるにとどまった。また、石原伸晃国土交通相が解任を決定する時期について風岡氏は「現在、調書の作成中で、いつごろになるか承知していない」と明言を避けた。
これに対し、日本道路公団の藤井総裁は、10.21日、総裁の解任に伴う聴聞手続きを続けるよう求める申立書を、代理人を通じて国土交通省に提出した。申し立て理由として、「17日の聴聞には手続き違反があり、処分理由が抽象的で、道路公団法の規定に該当しない」などを挙げている。このまま解任処分を強行すれば法的措置を取る、としている。 藤井氏側は解任後、処分の取り消しや無効確認を求める行政訴訟を起こす可能性が高い。藤井氏の任期は来年4月までで、国交省は「訴訟を起こされても任期中に判決が出る可能性は低い」と静観の構え。ただ、任期中に藤井氏が勝訴すれば、新総裁と藤井氏という2人の総裁が同時に存在する異常事態となる可能性もある。 |
政治が死に、経済が死に、マスコミが死に、デモが死んでいる。 | れんだいこ | 2003/10/18 |
2003.10.17日の日米首脳会談について、マスコミ各社は、れんだいこの知る限り日経を覗き一面トップ扱いしていない。この戦後史を画する重大な謀議が執り行われ、その儀式となった日米首脳会談をかように低く取り扱う背景には何があるのだろうか。汝らは痴呆を通リ越していよう。何の圧力か自主規制か知らぬが馬鹿げすぎている。 代わりに一面トップを飾ったのは藤井道路公団総裁の聴聞会報道であった。しかし、その論評を読むのに共通して、国土交通省官僚―石原―小泉ラインの暴挙を是認する他方で「悪あがきする藤井総裁像」を描いている。これも信じられないことだ。そういう御用論調はうんざりだ。 官僚であろうが政治家であろうが我ら一般大衆であろうが法治国家には法治主義の原則が適用されるべきである。法治主義とは理詰めという意味でもある。その理詰めを放棄して政争の道具として解任棒が振り回されているというのに、それを咎めるマスコミがいない。藤井総裁が、聴聞会の弁明で「権力を持つことはどれだけ怖いか。権力を持つ怖さを分かってほしい」と締めくくったのは正しい。れんだいこが付け加えれば、「ガキに権力棒を与えてはならない、後先考えずにその場都合の無茶をするから」。 田中角栄の「日本列島改造論」を手に入れ読んでみた。丁度30年ほど前の1972.6.20日初版であるが、その内容たるやいまだにみずみずしい。文明観、政治哲学が深い。この青写真に則り国政を運営していたらさぞかし素晴らしい日本が現出していただろうと思われる。この観点が共有できないのが残念無念。 それを思えば、中曽根式小泉流構造改革論とは「日本列島解体論」では無かろうか。意図的としか思えないが、「日本列島改造論」の逆なことばかりしている。偶然だろうか、角栄が首相時代につくった資源エネルギー庁、国土庁の解体計画が進められている。「藤井総裁解任事件」の遠因にこのことが内在している可能性さえあるように思われる。 角栄はあの当時において民営化論に反対している。短期的な採算視野で見てはいけない。社会基盤整備は複眼的にそろばん勘定せねばならないと戒めている、あぁそれがそれが。半端なお利口が増えるとこういうことになるのだろう。 しかし何を言ってみても虚しい気がする。政治が死に、経済が死に、マスコミが死に、デモが死んでいる。権力者がしたい放題してもそれを掣肘することができない。せめてインターネット掲示板では本音の遣り取りしたいのだが。 |
聴聞会開催。藤井総裁側と国交省鋭く対立、延々9時間に及んだ |
10.17日午前10時すぎ、日本道路公団の藤井総裁の解任処分に関する聴聞が東京都内の中央官庁合同会議所で開かれた。藤井総裁側と国交省が鋭く対立、延々9時間に及んだ。藤井氏は代理人の弁護士4人とともに出席したが、石原国交相は見合わせた。審理中の撮影や録音は禁止されたが、藤井氏の申し入れにより報道陣に公開した。国交省側は解任理由として、「国会を軽視し、不誠実な対応と受け取られてもやむを得ない事態を招いた」などと説明。これに対し、藤井氏側は「聴聞通知からの時間が短いなど手続きに重大な瑕疵(かし)がある」、「政治的な利用もある」と批判し応戦した。 冒頭、主宰者の山本繁太郎国交省政策統括官が注意事項を読み上げ、藤井氏の本人確認をした。続いて国交省職員が「財務諸表をめぐる一連の対応は広く報道され、道路公団に対する国民の信頼を損ねた」と藤井氏を批判。「総合的に判断すると、公団の円滑な運営に重大な支障をもたらすものと言わざるをえない」と解任理由を述べた。 これに対し、藤井氏の弁護士は法的手続きが不備だと追及。「処分の性質が分限処分なのか、懲戒処分なのかを明確にしていない」と批判した。分限処分は心身に故障があるなど本人の責任がない場合に法律上の地位や資格を問うもの。懲戒は事件を起こすなど本人に責任がある場合の処分。 この点について国交省側がはっきり説明できなかったため、審理は午前11時前から約10分間、休憩。再開後、国交省側は日本道路公団法13条2項の「その他役員たるに適しないと認めるとき」を処分の根拠として繰り返したが、処分の性質は明確にしなかったため、藤井氏側は「黙って『貴様クビだ』とは聞けない」と強く反発した。 藤井氏本人は審理再開後、初めて発言し、「相当、(手続きを)慎重にしないと。僕は年寄りだからいいけれど、これからの人は大変ですよ」などと語った。 さらに、弁護士は「藤井総裁がやったことは扇前大臣が賛同し、決裁した」と藤井氏の正当性を主張。「(更迭決定を)民主党と自由党の合併大会にぶつけるなど政治的な利用もある」としたうえで、「この処分が懲戒処分なら重大な違法だ」と述べた。審理は正午から再び休憩に入り、午後1時半に再開した。 聴聞開始から4時間半たった午後2時20分。それまで公式な発言を控えていた藤井氏は、横にあったマイクをわざわざ自分に向け直して切り出した。処分理由について、同省道路局が「国会などで一方的な見解に基づく対応に終始した」と説明した。処分の理由を説明したのは、同省の原田保夫道路局総務課長と、その部下の公団監理室長の2人。課長は藤井氏の15年、室長は18年後輩だ。その直後だった。「あのねえ」、「道路局に全部報告しているから、(道路局も)知っている」、「国会答弁も道路局に届けている」、大きく高い声。人さし指で、傍らの机をたたきながら力説した。「道路局が一方的と理解するのが分からない。それなら、道路局も国交省も一方的だ」、「行政官庁はいばるためにあるんじゃない。(公団を)指導しなきゃならない」。藤井氏は、2人を指さして批判した。 「私がいろいろなことを話すのを期待しているかもしれないが、そういうことは言いません」。藤井氏はそう言って、政治家と道路行政との関係については口をつぐんだ。関係者によると、解任騒動のきっかけになった5日の石原国交相との5時間に及ぶ会談で、藤井氏は政治家の実名やイニシャルをあげ「いろんな圧力があったが、私が泥をかぶってきた」と話したという。だが、この日の聴聞で、藤井氏が名前を挙げた政治家は「いろいろご報告し、ご指導いただいた」という扇千景・前国交相ただ一人。 最後は国土交通省が総裁側の言い分を遮る格好で打ち切りとなった。「総裁として不適格」と主張する同省に対し、「解任理由は納得できない」とする藤井氏。「道路行政のドン」は、古巣の道路局への批判を繰り返したものの、「寂しい気がします」とも言った。最後は、こう締めくくった。「権力を持つことはどれだけ怖いか。権力を持つ怖さを分かってほしい」。名前こそ出さなかったが、解任処分を下した石原国交相へのメッセージだった。 藤井氏側は聴聞を複数回開くよう求める構え。終結まで時間がかかることも予想されるが、国交省側は「解任決定を不服とする訴訟を起こしたければすればいい」との考え。公団民営化の日程から、なるべく早く解任を決定し、後任の総裁を決めたい意向だ。 |
藤井総裁、態度硬化。シナリオ崩れ泥仕合 |
10.14日、辞表の提出を拒否し解任されることになった日本道路公団の藤井総裁が、17日に行われる聴聞の公開要求と解任後の法的手段の訴えを公言し、「徹底抗戦」に入った。代理人の小長井良浩弁護士が14日会見して、国土交通省に17日実施の「聴聞」ではテレビ撮影や録音も制限せず、全面公開とするよう文書で申し入れたことを明らかにした。公開を求める理由として「非公開の審理では、藤井総裁の十分な防御権行使の機会がないまま手続きを打ち切られる」などを挙げている。 また、総裁が解任された場合は行政処分の無効確認▽石原国交相がテレビ番組などで総裁批判を繰り返していることで名誉を傷つけられたことへの損害賠償請求――など訴訟も視野に入れる考えを示した。 小長井弁護士は「このまま非公開の審理が行われれば、当事者は十分な防衛権行使の機会を与えられないまま手続きが打ち切られる。聴聞は公衆による監視が必要」と“密室審理”拒否を強調。石原国交相が総裁批判を繰り返していることについて「総裁人事を衆院選前の政治的パフォーマンスに利用しているとしか考えられず、人事権の乱用的行使だ」と批判した。 同省は、聴聞は「司法手続きに準ずる」として非公開方針だったが、行政手続法に基づいて行われる不利益処分の当事者に対する聴聞は、国交相が「公開することを相当と認めるとき」は公開が可能であり、申し入れに対し石原国交相は「重く受け止めている。至急検討する」とコメントしており、公開の可能性が出てきた。 10.15日、国土交通省は、日本道路公団の藤井総裁解任問題に絡む17日に予定している「聴聞」を、要求されていた全面公開を却下し報道関係者に限って公開する方針を決めた。聴聞は17日午前10時から、東京都港区の中央官庁合同会議所の大会議室で開く。これに関連し、石原国交相は15日午前、東京都内での街頭演説で、「一日も早くケリをつけて、公団民営化にふさわしい総裁を選出し、今年末までに関連法案の策定をしなければならない」と語り、当初の予定通り、総裁解任手続きを早期に決着させる意向を重ねて強調した。 総選挙前に総裁を更迭して「改革の成果」に掲げるという、小泉純一郎内閣のシナリオは大幅な書き直しを迫られることになった。藤井総裁の出方を読み違えただけでなく、自民党の「選挙の顔」の一人である石原伸晃国土交通相がテレビ番組などを通じて繰り返した総裁批判のパフォーマンスが、総裁の態度を一層硬化させた面もあり、「石原国交相VS藤井総裁」は落としどころの見えない泥仕合の様相を深めている。 |
石原国土交通相が会談内容を暴露し、更に混迷を深める |
石原国交相は12日の複数の民放テレビ番組に出演し、10.5日の会談の際に藤井氏が5〜6人の国会議員のイニシャルを挙げ、関係の深さを強調し、旧建設省時代の国有地の払い下げ疑惑などにも言及したことを暴露し、「ちょっと正常ではないと思った」と攻撃した。5時間にわたる会談で藤井氏から辞表を取れなかったことで、「弱腰」と批判されることも意識してか、「だました人間とだまされた人間は、だましたほうが悪い」とも語った。 しかし、石原国土交通相の会談内容暴露戦術は、「藤井氏のプライドの火に油を注ぐようなもの」(国交省幹部)で、藤井総裁をより硬化させることになった。聴聞の公開要求もその一つで、総裁の代理人の小長井良浩弁護士は14日の会見で、国交相発言は聴聞で主たる争点にはならないとしつつ「非常に問題のある世論誘導で、あそこまで非難されなければいけないのか。発言内容をよく調べて対処したい。訴訟は最終的な救済手段として選択肢にある」と、名誉毀損による損害賠償請求訴訟の可能性にまで言及した。 石原国交相は同日夜、神奈川県鎌倉市の衆院選候補者の集会であいさつし「聴聞で新しい事実がないなら、組織の長としての資質がないと判断せざるを得ない。総裁にふさわしくないので代わっていただく」と、やや感情的な発言をした。 国交省内では、事務次官OBの解任手続きという「身内の問題」がこれ以上大きな騒ぎになることを嫌う雰囲気が強い。同省は、聴聞は「司法手続きに準ずる」として公開しない方針だったが、藤井氏からの申し入れで流れが一変。同省幹部からは「大臣にもこれ以上、刺激的な発言をしてほしくない」「(総裁の解任を)もうショーアップすべきでない」という苦り切った声も聞こえてくる。 |
Re:「藤井氏の資質問題」を問うなら | れんだいこ | 2003/10/08 |
おっちゃんちわぁ。おひさだねぇ、他の皆様もどんどん頼むよ。 > > 2003.10.6日付け毎日新聞に「道路公団:藤井総裁、辞表提出せず 国交相が解任手続き指示」とある。いやぁ、久しぶりの硬骨漢ですねぇ。藤井さんもっとやれぇ、徹底的に闘えと思う。 > なるほど、目からウロコです。 > 私は往生際の悪い人騒がせなおっさんやと見ておりました。 > そりゃそうですね。藤井総裁ひとりで財政赤字を作ったわけではあるまい。 > 選挙向けのパフォーマンスか知らんが、こんなことで目をくらまされておったら私の沽券にかかわるところでした。 こたびの騒動を前にして、新民主党の幹部連は、「ぐずぐずしているから悪あがきされる。早く切ってしまえばよかったのだ。俺たちならとっくにそうしてる」的な蛮勇論をコメントしているようです。 れんだいこは馬鹿げていると思います。そういう対応が出来るのは、官僚(こたびは藤井総裁)よりも識見が豊かで判断力が良い場合にのみ成り立つ。さすれば、官僚も納得でせう。 事実は、官僚以下の小粒低脳政治家が、官僚の弁の理解さえおぼつかず、背後勢力の意のままに「問答無用」とばかりに暴力的に対応し、これまた馬鹿なマスコミにパフォーマンスしようとしている。これは無茶苦茶でござります。石原のボンは恐らく財務表の見方さえ分からない筈です。だから、こんなボンに何時間説明しても無駄なことです。藤井総裁もあきれて、今や義憤を発しているのでせう。 考えてみれば、小泉の取り巻きつうのは中曽根終身第一位をはじめ松野頼三ほか稀代のペテン師ばかりです。この連中はいくらワルしても捕まらない。検察曰く「ここを攻めると体制の底が抜ける。よって、メスを入れない」という観点があるようです。その代わりに腹いせに正義づらして、角栄や、ムネオや真紀子や辻元辺りには思う存分縄掛けを楽しむようです。 話を戻す。新民主党のコメントは、民主・自由合同祭に合わしてその効果半減狙いの解任騒動という政治主義的な策動の非を突くべきです。ここで、小泉派のの不埒な見識に怒るべきです。「俺たちならもっと早く切って捨てていた」などとのコメントは、馬鹿丸出しです。 それはそうと、我が尊敬する角栄の官僚論には次のような言葉が遺されております。味わい深いと思います。 「彼は役人をよく知っていた。自分が組む相手がどういう属性をもっているか。このメリット、デメリットは何か。役人をどう使っていけば、給料の10倍も20倍も働くか。どうすれば裏切らないか。これを良く知っていれば、役人の力をフルに引き出すことが出来る。これが、頭領の器というものでしょう。田中は、『役人は生きたコンピューターた』と、よく僕にいつていた。『役人にはハッキリした方向を示して、ガイドラインを正確に与えてることだ。インプットする情報、数字、ファクトが間違っていなければ、コンピューターは正確に機能して、何万人分もの能力を一瞬のうちにやってのける』と」(早坂茂三「宝石・平成元年12月号」)。 「官僚には、もとより優秀な人材が多い。こちら(政治家)がうまく理解させられれば、相当の仕事をしてくれる。理解してもらうには、三つの要素がある。まず、こちらのほうに相手(官僚)を説得させるだけの能力があるか否か。次に、仕事の話にこちらの野心、私心というものがないか否か。もう一つは、彼ら(官僚)ん゛納得するまで、徹底的な議論をやる勇気と努力、能力があるか否かだ。これが出来る政治家なら、官僚たちは理解し、ついてきてくれる」。 |
Re:「藤井氏の資質問題」を問うなら | おっちゃん | 2003/10/08 |
> 2003.10.6日付け毎日新聞に「道路公団:藤井総裁、辞表提出せず 国交相が解任手続き指示」とある。いやぁ、久しぶりの硬骨漢ですねぇ。藤井さんもっとやれぇ、徹底的に闘えと思う。 なるほど、目からウロコです。私は往生際の悪い人騒がせなおっさんやと見ておりました。 そりゃそうですね。藤井総裁ひとりで財政赤字を作ったわけではあるまい。選挙向けのパフォーマンスか知らんが、こんなことで目をくらまされておったら私の沽券にかかわるところでした。 |
「藤井氏の資質問題」を問うなら | れんだいこ | 2003/10/06 |
2003.10.6日付け毎日新聞に「道路公団:藤井総裁、辞表提出せず 国交相が解任手続き指示」とある。いやぁ、久しぶりの硬骨漢ですねぇ。藤井さんもっとやれぇ、徹底的に闘えと思う。
記事内容は以下の通り。@・石原伸晃国土交通相が日本道路公団の藤井治芳(はるほ)総裁に辞表提出を求める。A・6日正午前、藤井総裁が、国交省大臣官房に「自ら辞表を書くことは差し控えたい」と電話連絡する。B・石原国交相が、日本道路公団法に基づき総裁の解任手続きに入ることを指示。C・実際の解任には最低数日程度の時間が必要。 つまり、「道路公団民営化をめぐって、7月以降に浮上した藤井氏の資質問題は、大臣による解任という異例の強硬手段で決着することになった」。 総裁解任は、法律的には(1)心身の故障で職務にたえられない(2)職務上の義務違反がある(3)役員として適さない、と国交相が判断した場合にできることになっている(日本道路公団法第13条)。この手続き自体は、国会の同意や閣議了解などは不要で難しくはない。 ただ、特殊法人のトップ交代は、任命権を持つ担当大臣が辞任を促す形が慣例で、解任に踏み切るのは極めて異例の対応。「何も悪いことはしていない」と強調する藤井氏にとって、最後の抵抗と言える。 藤井氏は5日、石原国交相と5時間近く会談し、財務諸表を巡る問題など公団内外に混乱を招いた理由などを説明。しかし、国交相は「これまでの私の疑念を払しょくすることはできなかった」とし、会談後に小泉首相の了解を得て、藤井氏に電話で6日午前中の辞表提出を要求した。この時、藤井氏は「ああ、そうですか」と答えたという。 6日午前10時に登庁した石原国交相は「後任の人選に速やかに着手しなければと考えている」と述べた。後任の総裁について。国交相は「改革意欲に富んだ人物を速やかに選ぶ作業に入る。総選挙の投票日までには決めたい」と、遅くとも来月上旬までに人選を終えたい考え。ただ、経済界の中には「火中の栗を拾う人がいるのか」との声も強く、人選は難航しそうだ。【荒木功】[毎日新聞10月6日]以上。 れんだいこは思う。日本道路公団の機構改革は民営化とは何ら関係ない。機構改革はすべきだろう。しかし、道路はもうこれ以上要らないだとか、民営化で全て解決するなどというのはまやかしで、聞くに堪えない。猪瀬の言うことはロッキード事件の考察でもそうだが無茶で、逆さまを正と見るけったいな性癖であるからして、その逆を信ずれば良い。 幹線道路網の更なる整備、支線網の整備はむしろ望まれており、排利権的にという条件でどんどんやるべきだ、但し今後は環境適合するように心掛けるべきだ。その技術を生かして今度は諸外国にも出かけるべきだ。公共事業は戦後政策の要で正の遺産である。もっと伸ばせ。自ずと景気回復にもなろう。 最近気づいたことがある。1984.12.20日衆議院本会議で、電電改革3法案が成立した。以降、初代社長を廻る綱引きで、真藤恒総裁を推す中曽根首相、金丸幹事長派と、北原安定副総裁を推す角栄派とが熾烈な対立を深めていくことになる。結局、真藤が就任する。この時、何かと胡散臭い中曽根が推した真藤恒NTT会長はその後、1989年リクルート事件に絡んで、1審・懲役2年、執行猶予3年の刑を受けている。 リクルートコスモス社株の売却で利益を得ていた政治家としては、政府与党系で森喜朗、渡辺美智雄、加藤睦月、加藤紘一、中曽根前総理、安倍晋太郎幹事長、宮沢喜一大蔵大臣、竹下総理らの面々であった。中でも、中曽根と竹下の食い込みが激しかった。 これがロッキード事件の後の話である。何の事は無い、政界浄化をうたい文句にした反角栄派がこぞって国益の私物化に手を染めていたことが判明した。リクルート事件はそういう意味で史的意味がある。 角栄を金権の元凶のように云うが、歴代首相の中で財界のひも付き献金嫌って自前調達していた点でむしろ誉れではないのか。他の連中は特に中曽根以降は、財界に無心するわ私腹を肥やすわ、もうやること為すこと無茶苦茶ではないのか。何で角栄が元凶であろうに。マスコミよ、エエカゲンニセンカイ。 話を戻す。中曽根が推した方のNTT初代総裁・真藤はとにかくイエスマンで、且つ国益よりも私益を優先する輩ではないのか。つまり、胡散臭い奴が胡散臭い奴を類として選んだということではないのか。それは法理に合っている。むしろ北原氏のほうが人物識見宜しかったのではないのか。角栄の眼力は確かだ。この角度から検証してみるのも面白いと思う。 さて、今、小泉―石原派が、藤井総裁を無茶苦茶の手法で暴力的に解任しようとしている。れんだいこの見るところ、藤井氏のほうがまだしもまともということは充分に考えられる。真藤のようにイエスマンで無いことが逆に好人物であることを教えているように思われる。 郵政も道路公団も民営化なぞに何の意味があろう。ハゲタカファンドの指図通りのことではないのか。馬鹿マスコミが、頻りに解任を煽っているが恥を知れ。「藤井氏の資質問題」を問うなら、手前たちの資質も問えよ。 2003.10.6日れんだいこ拝 |
【藤井道路公団総裁、更迭方針決定までの経緯】 |
2000.66月、藤井氏、日本道路公団総裁に就任。2002.6月、道路関係4公団民営化推進委員会が第1回会合。12月、民営化委、道路公団の分割民営化を求める意見書提出。2003.5月、公団が債務超過に陥っていることを示す財務諸表の存在を報道。7.10日、公団幹部、上層部が同財務諸表の存在を隠蔽していると告発。7.11日、扇前国交相、藤井総裁の責任を問わない意向表明。7.14日、藤井氏、衆院決算行政監視委で告発した幹部を批判。7.18日、扇前国交相が公団に外部監査を受けるよう指示。7.23日、4大監査法人が公団の監査拒否(その後新日本監査法人が「検証」を引き受け)。7.25日、公団と藤井総裁、月刊誌の出版社や告発した幹部らに損害賠償などを求め提訴。8.1日、公団、告発した幹部を解職。8.8日、藤井氏、債務超過を示す財務諸表が公団のコンピューターに存在することを確認したと発表。8.29、公団が新日本監査法人の検証結果を発表。藤井氏「信頼性が確保された」と談話。9.2日、扇前国交相「粉飾がないので責任問題を問うことはない」。同日、日本公認会計士協会が「財務諸表を信頼できるかのような誤解を招きかねない説明」と反発。9.22日、国交相、扇氏から石原氏に交代。同日、石原氏が藤井氏の更迭方針を表明。 |
(私論.私見)
道路公団・藤井前総裁、解任取り消し求め提訴 東京地裁
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日本道路公団の藤井治芳(はるほ)前総裁が22日、石原国土交通相を相手に解任処分の取り消しを求める行政訴訟を東京地裁に起こした。10月24日の解任処分について「前代未聞の異常な処分で、法治主義のもとでは許し難い違法なものだ」と主張している。 本人は談話を出さず、代わりに弁護団が「処分の適法性などの立証責任はすべて被告側にある。その具体的主張を待って違法理由を述べる」とコメントを出した。 このため、訴状でも違法理由の詳細を示さず、考えられる争点として(1)処分は国交相の不法な動機に基づく(2)聴聞の通知から期日までの期間が短いなど手続きに不備がある(3)処分理由とされた事実は具体的根拠に欠ける――を挙げた。 藤井氏の任期は来年4月まで。法的にはそれまでに解任処分が取り消されれば、藤井氏が総裁に復帰する可能性は残る。任期後の勝訴だと、約2600万円の退職金などが支給されるケースはあるものの、総裁への復帰はできないとみられる。 藤井氏は、公団の財務諸表をめぐる国会対応などで批判を受けた。辞任を迫っても応じなかったため、石原国交相が「公団への信頼を著しく損ねた。改革に取り組む重要な時期の総裁として、適格性を欠く」との理由で解任。後任には、元伊藤忠商事常務の近藤剛・前参院議員が選ばれた。 石原国交相は、「当方の主張は正当であるとこれまでも申してきた。訴訟の場でも改めて、粛々と申し述べたい」と話した。 (2003.12/22 20:32朝日) |
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