米国兵器の購入史、軍事負担史 |
(最新見直し2006.4.26日)
関連サイトは、「世界各国の軍事費、軍拡競争考」
案外知られていない情報であるが、入手可能な限り歯止め無く予算膨張しつつある軍事・防衛費の実態を明らかにして、それを通史で見てみようと思う。
2003.11.30日 れんだいこ拝 |
||||||||||
(参考サイト)「防衛白書」 |
小泉の予備費打ち出の小槌を取り上げよ | れんだいこ | 2003/12/25 |
読売新聞が興味深い記事を載せている。がしかし、この社はいつも記事の末尾に「無断転載禁止」なる表記をしているので紹介し難い。どういう根性をしているのだろう。こういう風に記事の囲い込みをするのなら、この社が受けている社会的優遇策、例えば記者クラブ制などを特権的談合制度として指弾し、入札制にせねばならぬだろう。それはともかく以下概要紹介する。 24日決まった2004年度予算政府案は、一般会計の総額で82兆1100億円。歳入と歳出のシェアを、平均的な勤労者世帯(年収646万円)の家計にあてはめると、その深刻な財政状態が実感できる。 ボーナスを含めた年収を月収に直すと、夫の収入は49万3000円。国の税収(41兆7400億円)が、この月収にあたるとして計算した比率で、予算案の主要項目の金額を家計にあてはめてみた。 妻の内職(予算案のその他収入)4万4600円を加えた世帯の収入は53万8000円。しかし、過去のローン返済(国債費)と田舎への仕送り(地方交付税)で40万円が消え、家族が衣食住に使える可処分所得(生活費)は13万円しか残らない。 ところが、通院費・薬代(社会保障関係費)に23万4000円もかかるほか、教育費(文教・科学振興費)や家の補修(公共事業)などの出費も大きい。月々の出費が月収を43万円も上回り、毎月カードローン(国債発行)で借金を重ねている。積もり積もったローン残高(国債発行残高)は6800万円。返済のめどはまったくたたない。 (2003/12/24/23:36 読売新聞 無断転載禁止) 非常に有益な分析だと思う。既に借金6800万円だって。惜しむらくは、この場に及んで更に出費しようとしている戸締り費、交際費の計上が出来ていないことだ。この家の主人は、予備費なる名目の勘定項目で打ち出の小槌を振りつづけている。外向けのええ格好しいであるが、既に狂人の域だろう。 家族内の様子はどうだろう、推測してみた。家庭内暴力癖を持つ暴君に対して妻はあきらめ顔。既に先祖伝来の田畑を切り売りしてしまっており後僅か。もはや夫婦の会話は成り立たず冷ややかな関係。子供も恨めしげな表情で親父の挙措動作を眺めている。こんな風な按配では無かろうか。 |
【米英ユ同盟のイラク戦争支援資金】 |
2003.10.15日、政府は、「イラク復興」のための費用負担の名目で、2004年分として15億ドル(約1650億円)を無償資金として拠出することを決めた。07年までの4年間で、有償資金も含めて総額50億ドル(約5500億円)を支援する方向で最終調整する。支援分野の「重点」として電力、水などのほか「治安の改善」をあげている。福田康夫官房長官が午後の記者会見で発表した。 15億ドル供出の方針は、10.17の日米首脳会談で小泉純一郎首相が自衛隊派兵などと合わせてブッシュ大統領に伝える。15億ドルの財源は、03年度の政府開発援助(ODA)予算や予備費などから捻出(ねんしゅつ)するほか、04年度予算でも手当てする方向。05年以降三年間の支援は、原油輸出による収入がイラクに見込まれるため、有償の円借款を中心に拠出する予定。これまで表明されているイギリス9.1億ドル、スペイン3億ドルなどと比べても突出ぶりが際立っている。世界銀行は04年からの4年間の復興費用として約550億ドル(6兆円)を提示しており、日本の拠出総額はほぼこの一割に相当する。 日米外相会談:日本の15億ドル供与を評価 パウエル長官 【バンコク竹之内満】APEC閣僚会議に出席した川口順子外相は18日、パウエル米国務長官と個別会談した。日本が表明した総額15億ドルの無償資金供与について、パウエル長官は「日本の寛大な支援に感謝したい。(今月マドリードで開かれる)イラク復興支援国会議に向け、良いシグナルになる」と評価。川口外相も復興支援国会議に向け、さらに中期的な復興支援を検討中であることを示した。 川口外相や同行筋によると、双方はイラクの復興は世界全体の問題であるとの認識で一致。パウエル長官は、国連で新決議が採択された際の、非常任理事国シリアなどに対する日本側の働きかけを高く評価したという。これに対し、川口外相も「採択により、イラク復興問題に国際社会全体で取り組む態勢が出来た」と述べた。 そのうえで、川口外相は自衛隊の派遣について「日本として主体的に決めるべく検討中」と述べ、パウエル長官も了承したという。 また、北朝鮮の核問題については、6カ国協議を通じた取り組みの重要性を再確認。ブッシュ大統領が17日、小泉純一郎首相との首脳会談で表明した、体制保証問題などを含めた北朝鮮対応策について、パウエル長官は「今、次回の6カ国協議をにらんで検討しているが、内容がまとまれば日米ですり合わせしたい」と述べた。 [毎日新聞10月18日] ( 2003-10-18-21:13 ) |
【自衛隊のイラク派兵資金】 |
2003.*.19日、政府は19日の閣議で、イラク復興支援特別措置法に基づく自衛隊派遣準備経費などに242億円を予備費から支出することを決定した。イラク派遣の基本計画、実施要項に基づき、陸上、海上、航空の3自衛隊の装備品の購入、改造費用のほか、国内での自衛隊員の教育訓練、移動旅費の経費に充てられる。12月下旬にクウェートなどに派遣される航空自衛隊先遣隊の活動経費も予備費で処理する。イラク南部での給水など人道復興支援を行う陸上自衛隊が調達を求める装備の具体的内容は(1)約190両の車両を防砂、防弾仕様に改良(2)赤外線センサー(3)無反動砲の砲弾−−など。
派遣時期が不透明な陸自、海自の活動費の財源をめぐっては、(1)危険手当(2)生活費、移動旅費、装備品の輸送費、燃料−−のランニングコストについて、2003年度内では派遣時期が具体的に決まるたびに予備費支出を閣議決定することで財務省が譲り決着した。 イラク派遣:防衛庁、予備費から350億円請求へ 防衛庁は、自衛隊のイラク派遣に関する基本計画の閣議決定を待って、派遣準備を本格化させる。基本計画が決まらない段階では、派遣に必要な装備予算を確保できないなど準備範囲が限られていたためだ。同庁は派遣費用を総額約350億円と見積もっており、財務省との調整を経て、03年度予算の予備費から支出される見通しだ。 防衛庁は10月中旬から、首相官邸の指示で防衛庁でできる範囲の準備を進めてきた。陸上自衛隊は防衛庁予算の中からイラク派遣用の制服、土のう、警備機材などを調達するほか、隊員にアラビア語やイスラム文化の研修などを行ってきた。 またC130輸送機を派遣する予定の航空自衛隊も、イラクでの地対空ミサイルの危険を回避するため、同機の塗装を緑色から青色に塗り替えたり、東京・硫黄島で旋回しながら離着陸する訓練を実施している。 しかし政府が基本計画を閣議決定していない段階では、派遣に向けて予備費を正式に要求することができなかった。また派遣部隊の編成や、自爆テロに備えた本格的な訓練にも着手できない状態が続いていた。 防衛庁は9日に基本計画が決定された後、派遣部隊の訓練など本格的な準備を始めるとともに、財務省と派遣費用について最終調整を行う。予備費は防衛庁長官が定める実施要項後に拠出されるとみられるため、空自の装備調達が年内に完了するかどうか微妙な状況だ。また陸自の装備調達は1〜2カ月間かかる見通しで、本隊の派遣は空自が来年1月、陸自はそれ以降となる可能性が高い。【宮下正己】 [毎日新聞12月7日] ( 2003-12-07-23:42 ) ●イージス艦は1隻1200億円。船体をつくる三菱重工業に入るのは約300億円で、900億円近くはミサイルのコンピュータシステムなどの心臓部を作っているアメリカの軍需産業に流れてるんだって!やっぱり、アメリカの戦争中毒は、こういう理由なんだ・・・。 |
【ミサイル防衛網資金】 |
2004.*.15日、政府は、2004年度予算案の焦点であるミサイル防衛関係費を900億―1000億円計上する方針を固めた。防衛庁は8月の概算要求で1423億円の拠出を求めた。財務省は、円高の恩恵で米国製品のミサイル防衛システム関係費は減額できるとして大幅に絞り込んだ。19日にも開く安全保障会議で導入を確認する。
防衛庁は、北朝鮮が日本全域を射程に収めるノドンミサイルについて「いつ発射しても不思議ではない」と判断。来年度予算案で初めての計上を要求した。イージス艦発射型のスタンダードミサイル3(SM3)と、地対空誘導弾パトリオット3(PAC3)がシステムの柱で、いずれも米国製だ。防衛庁は8月の概算要求でミサイル防衛システムに関して1ドル=118円程度で計算したが、最近の円相場は1ドル=108円付近で推移、8月から大幅な円高となっている。ミサイル防衛システムの導入に伴い、防衛計画大綱(1995年)も来年度に全面改定する。 *.19日、政府は、安全保障会議と閣議で、北朝鮮の中距離弾道ミサイルに対処するため、米国が開発、配備しているミサイル防衛(MD)システムを来年度から導入することを正式に決定した。来年度予算案に、導入費の一部の約1000億円を盛り込む。 また現在日米で進めているMDの次世代迎撃ミサイルに関する共同技術研究が将来、生産段階に移行する際、日本で生産した部品を米国に輸出すると、武器輸出3原則に抵触することから3原則の見直しの検討に入る。 福田康夫官房長官はMD導入に関し「弾道ミサイル攻撃に対し国民の生命・財産を守る防御的な唯一の手段として、専守防衛の理念に合致する」との談話を発表した。ただ当初予定した武器輸出3原則に直接言及する表現は盛り込まなかった。 MD導入決定は、日米同盟の強化という小泉政権の基本路線をさらに推し進めるもの。米国の軍事システムに深く組み込まれるとの批判もある。 政府が来年からの導入を決めたMDシステムは、北朝鮮が実戦配備しているとされる中距離弾道ミサイル「ノドン」に対する防衛を事実上想定。日本海を越えて飛んでくる弾道ミサイルを大気圏外で撃ち落とす海上配備型迎撃ミサイル(SM3)と、撃ち漏らしたミサイルを撃墜する地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の組み合わせ。情報収集、分析、迎撃などの「指揮統制・通信システム」も構築する。 来年度はSM3、PAC3を購入、イージス艦1隻をSM3搭載型に改造し、航空自衛隊の高射群一個部隊のPAC部隊への改編を開始する。実際の配備は19年度からで、23年度までにイージス艦4隻と4高射群をMD化する。防衛庁の概算要求の段階では、総額5000億円が見込まれている。 |
【在日米軍基地思いやり資金】 |
日本側が思いやり予算を出し始めると、毎年にわたりアメリカ側は経費の増額を要求してきた。1978.6月、アメリカを訪れた金丸防衛庁長官に、ブラウン国防長官は円高を理由に在日米軍基地で働く日本人従業員の給与の一部(62億円)などに一層の日本側負担増を求めた。これに対して金丸防衛庁長官は「駐留経費の問題について、思いやりの立場で地位協定の範囲内でできる限りの努力を払いたい」と返事をした。この金丸防衛庁長官の発言から、「思いやり予算」という言葉が使われるようになった。
但し、在日米軍の駐留経費における日本側の負担のうち、日米安全保障条約、及び日米地位協定に負担の根拠がない。日本はアメリカ軍に対して施設の提供をすることになってはいるが、施設の維持費用はアメリカが負担することになっている。「思いやり予算」はこれを逸脱するもので、特別協定によって負担が定められることになった。「思いやり」予算を使った施設建設は、66基地でおこなわれ、その項目は「家族住宅」「学校」から「航空機掩体(えんたい=耐爆シェルター)」「桟橋」などの戦闘作戦支援施設まで64項目にわたっている。 「思いやり予算」はその後負担対象が増え、アメリカ軍の施設を造る費用や施設を維持する費用(電気代・水道代など)などにも使われ始め、それと同時に増額されていった。2004年度の在日米軍駐留経費負担額は約2440億円。額の多さから、日本は「世界一気前のいい同盟国」、「重要な戦略的貢献となっている」とアメリカ政府に評価されている。思いやり予算は、1979年度の開始以来2000年度までの22年間で、1兆6000億円使われることになった。負担額は毎年削減され続け、2006年度予算では2326億円(内、特別協定分1338億円)が計上され、前年度比2.22%減となっている。 2006.1.23日、麻生太郎外務大臣、ゼーリック国務副長官が期間を5年から2年に短縮した新特別協定に署名。2006年3月14日、衆議院本会議で承認され、参議院に送付された。 |
【在日米軍再編資金】 | |
ローレス米国防副次官は25日、国防総省で記者会見し、在日米軍再編全体にかかる日本側の負担について、少なくとも約260億ドル(約2兆9800億円)にのぼるとの見通しを明らかにした。内訳は概算で、沖縄も含めた日本国内の再編関連経費約200億ドルと、沖縄海兵隊のグアム移転経費約60億ドルとしている。ローレス氏は「控えめな試算」としており、日本側負担の総額は3兆円を超える可能性がある。 日本国内での再編経費は、主に日本側が負担することになっている。ローレス氏の発言は日米間のこれまでの調整を踏まえたものと見られるが、積算根拠や詳細な内訳は不明で、日本政府が今後、国会などでの説明を迫られる。 ローレス氏は、在日米軍の再編にかかわる経費の総額が約300億ドル(約3兆4300億円)との見方を示した。このうち米側の負担についてはグアム移転費の約40億ドル(約4600億円)にとどまると明言した。 ローレス氏は「財政支出上の義務は多くが2012年までの時期に入っている」と指摘。在日米軍の再編を実現する目標である12年までの支出を想定しているとみられる。ただ、普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設を例に挙げ、「ほかの再編より時間がかかるかもしれない」と語った。 約260億ドルの日本側負担について、ローレス氏は「同盟に対する日本側の投資は膨大な金額だ。日本側は海兵隊のグアム移転費だけでなく、かなりの出費をする」と強調した。議会などの理解を得るため、日本側の負担が中心になることを強調したとみられる。 総額100億ドルのグアム移転経費については、23日の日米防衛首脳会談で、日本側の負担が59%とすることで決着した。この点についてローレス氏は、「公平にまとめられた取引だと思う」と述べた。 一方、外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)については「来週開くよう準備しているが、再編全体のパッケージで合意しなければ開催されない」と述べた。 |
2003.11.4日付け赤旗は、「世界は軍事費削減 85年比で4割減少 紛争続く中東でも 日本だけが異常な軍拡」記事を掲載している。こういう資料をお持ちなら日頃から撞鐘乱打せんかいと思う。しかし久しぶりの有益記事ではある。以下、転載する。 | |
「対テロ戦争」を口実にブッシュ米政権が軍事費増額の圧力をかけても、世界の多くの国々は軍事費削減の努力をしています。ソ連崩壊後の軍縮の流れに逆行し軍事費を増やし続け、世界第二位の軍事費大国に躍り出た日本の異様さが浮かび上がっています。 ソ連崩壊で欧州主要国も
ソ連崩壊を契機に米国を含む世界の多数の国が軍事費を減らし、一九九〇年代は軍縮の流れが続きました。ソ連打倒のためにレーガン米政権が大軍拡をした八五年と比べると、昨年の世界の軍事費総額は63・1%と、四割近くも減っています。 ソ連崩壊後の過去十年間をみても、欧州主要国はどこも軍事費を削減しています。 六月発表のストックホルム国際平和研究所(SIPRI)年鑑二〇〇三年版によれば、米国の「対テロ戦争」に最も密接に参戦してきた英国でも、昨年の軍事費は一九九三年比で13%も削減されています。フランスは10%減、ドイツは14%減です。スペインとオランダは3%減。スイスは25%も減らしました。イタリアは〇一、〇二年と軍事費を削減しています。 このうちドイツは、〇六年までの軍事支出を名目で現在の水準にとどめることを決めました。これは物価上昇を考えれば今後、軍事費が実質的に削減されることを意味します。ギリシャ、オランダ、スペイン、スウェーデンも、軍事費を実質削減する方針です。 紛争が続く中東でも軍事費削減の動きが出ています。レバノンは〇二年、軍事費を前年比で16%削減し、今後も削減の予定です。域内のテロ増大を前に、福祉など社会部門での支出の増大を求める国民の要求に応える措置です。オマーンも〇二年の軍事費を6%減らし、一億ドルを社会福祉に回す方針を発表しました。 米の圧力に各国は従わずイスラエルでは、〇二年秋以降のパレスチナ人に対する軍事行動の拡大により国内総生産(GDP)は10%減り、財政赤字が拡大しています。昨年七月には、軍事予算も聖域とせず、予算を7・8%削減することを決めました。 アルゼンチン、グアテマラ、ベネズエラなどの中南米諸国や、内戦の政治解決が進んだスリランカなどでも軍事費が削減されています。 東アジアでは中国、韓国などが軍事費を増やしていますが、SIPRI年鑑によれば、同地域で軍事費二位、三位の両国を合計しても日本を4%下回り、日本の軍事費は群を抜いています。 ブッシュ米政権は、軍縮に向かう世界の流れを逆転させようとしています。一昨年の9・11対米同時テロ以降は「対テロ戦争」の看板を掲げて自ら大軍拡に転じ、その波を世界中に広げようとしています。SIPRI年鑑によれば、〇二年の世界の軍事費は前年比で6%増加しました。 増加額の75%は米国によるもの。世界の軍事費の43%を占める米国が10%増額したことが、軍事支出全体を押し上げました。しかし世界の多くの国は、米国が吹く軍拡の笛に踊っていません。 「世界の(軍事)支出の趨勢(すうせい)をみれば、米国以外の世界は、軍事費を増大する米国の見本に従う用意も余裕もないことが示されている」―SIPRI年鑑は結論づけています。 日本は世界の流れに逆行日本は、こうした軍縮に向けた世界の流れに逆らい、過去十年間ほぼ一貫して年平均で三億ドル強の増加を続け、今では米国に次ぎ世界第二位の軍事費をもつに至っています。八五年比では44%も増加しました。主要国サミット参加国で八五年より軍事費を増やしているのは日本だけです。 もし日本が、一部で対米関係上の「モデル」視される英国なみに過去十年間に軍事支出を13%削減していたら、一兆円規模の資金が捻出(ねんしゅつ)され、福祉充実にあてることができたでしょう。 日本共産党は、「五兆円にまで膨張した軍事費を『聖域』にせず大幅軍縮に転換させ」、年金など福祉拡充の財源にあてるという政策を掲げています。軍事費をめぐる世界各国の最近の動向をみても、この政策は完全に実現可能だといえます。(坂口明記者) |
2003.10.31日付け赤旗は、「憲法改悪と新たな軍拡 ヘリ空母、ミサイル防衛も」記事を掲載している。こういう資料をお持ちなら日頃から撞鐘乱打せんかいと思う。しかし久しぶりの有益記事ではある。以下、転載する。 | ||
憲法九条が改悪され、米国の戦争に日本が自由に参戦できるようになれば、自衛隊の装備をいっそう海外派兵型にするため、新たな軍拡が始まる−。このことは、世界の軍縮の流れに反して軍事費を増やし、軍備増強を続ける日本の現実をみても明らかです。 米同盟国の中で日本は突出米国防総省は昨年六月の「共同防衛に対する同盟国の貢献度報告」で、一九九〇年から二〇〇一年までの同盟国の軍事費の推移を明らかにしました。それによると、米国とその同盟国二十五カ国の軍事費の合計は十一年間で19・2%減で、約二割減っています。米国を含むNATO(北大西洋条約機構)加盟国全体でも21・4%減。中東の同盟国も全体で29・0%減となっています。そのなかで日本は20・3%増、逆に二割も増やしているのです。(グラフ左) 日本の軍事費は九〇年には、米国とその同盟国の中で第五位でした。しかし、〇一年には第二位の軍事費大国になっているのです。(グラフ右) 報告は、「日本の軍事支出は絶対額で第二位になっている」「この報告で扱っているすべての(同盟)国の年間軍事支出は全体で20%弱も減ったのに比べ、日本は20%も増えた」と高く評価しています。 軍需産業は大もうけ小泉・自公政権はこれまでも、財界・軍需産業の要求のもとで軍拡を進め、自衛隊の海外派兵型装備の導入をはかってきました。現行の「中期防衛力整備計画」(中期防、二〇〇一−五年度)の策定時には、経団連が、「国際平和協力対処能力」や「弾道ミサイルに対する防衛対処能力」などの「向上」を要求(二〇〇〇年九月)。中期防に具体的に反映されました。 たとえば、米国の対テロ報復戦争を支援するためインド洋に派遣されたイージス護衛艦を新たに二隻導入し、現在の四隻体制から六隻体制にすることを決定。すでに二隻分、二千八百六十四億円が予算措置されています。一隻千百六十四億円する“ヘリ空母”も二隻調達。防衛庁は、「長期間にわたるインド洋での(米軍などへの)協力支援活動」にも「柔軟に対応し得る」と、海外での運用が可能なことを誇っています。次の中期防では、さらに二隻追加するともいわれています。戦闘機の航続距離を伸ばし、海外への侵攻も可能にする空中給油機四機(来年度予算の概算要求で一機二百五十七億円)の導入も決めています。また、来年度の概算要求で、「ミサイル防衛」の導入費を初めて盛り込み、千四百二十三億円を計上。当面の計画だけで五千三百億円以上を見込んでいます。 日米の軍需企業二十社でつくる「日米安全保障産業フォーラム」は、昨年十二月の共同宣言「日米防衛産業界の関心事項」で、「ミサイル防衛」について特記。現在の枠組みは「全体システムの開発、生産での連携を行う上では十分ではない」とし、イージス艦搭載の「ミサイル防衛」システムの共同生産を提唱しています。 「ミサイル防衛」の導入は、日本防衛とは関係のない米本国に向かうミサイルへの対処を迫られるなど、集団的自衛権の行使を避けがたいものにします。憲法が変えられれば、それが大手を振ってできるようになります。 米国のシンクタンク・ランド研究所は、日本の「ミサイル防衛」の導入費について、最大で約六兆円、研究開発だけで三兆六千億円もかかると試算しています。 自民党は「政権公約」で「防衛力の整備・強化」を強調。同党国防部会の小委員会が二月にまとめた「日本の防衛政策の構築(骨子)」は、憲法九条の「改正」とともに、「より積極的かつより有効な国際貢献活動実施のための能力の充実」や「ミサイル防衛の推進」などを求めています。 憲法改悪で新たな軍拡の道に足を踏み入れることによって、軍需企業は大もうけ、ということになります。 武器輸出の解禁も軍需企業は、憲法の平和原則のもとでつくられた武器輸出禁止の原則を事実上緩和することも求めています。 「日米安全保障産業フォーラム」の共同宣言は「武器輸出三原則によって…防衛装備・技術協力の推進が大きく妨げられている」と指摘。同原則の「柔軟な運用」を要求しています。憲法改悪が強行されれば、武器の輸出までも解禁されることになりかねません。
民主「防衛力整備も怠りなく」民主党は「政権政策」で、PKO(国連平和維持活動)について「派遣される隊員の武器使用基準の見直し」などを「積極的に検討」し、「日本として、国際平和の維持・構築に正面から関与できるようにします」とし、自衛隊の海外派遣を推進する立場です。 「防衛力整備も怠りなくすすめます」とし、「平成17年中に新しい防衛構想を策定」すると表明。「弾道ミサイル防衛については、その必要性を踏まえ、費用対効果など総合的観点から検討を進めます」と表明しています。 際限ない軍拡その財源は海外派兵型の装備を本格的に導入することになれば、現在約五兆円の軍事費はいっそう膨張することになります。財源はどうなるのでしょうか。 自民党や民主党は、将来の社会保障の財源として消費税増税を狙っていますが、これが軍事費に振り向けられない保証はありません。政府税制調査会や財界は、消費税の二ケタ税率を主張。日本経団連は18%、経済同友会は19%とすることを主張しています。しかも、経済同友会の「マニフェスト」では、19%のうち社会保障にふりむけることを明記しているのは12%分だけ。残り7%は使途を明記していませんから、一般財源として何にでも使えます。 仮に、消費税率10%になれば、約二十五兆円。18%で四十五兆円、19%で四十七・五兆円となります。軍拡の財源としては十分です。 |
2003.10.26日付け赤旗は、「イラク費用 日米突出 各国は慎重」記事を掲載している。こういう資料をお持ちなら日頃から撞鐘乱打せんかいと思う。しかし久しぶりの有益記事ではある。以下、転載する。 |
復興支援国会議が閉幕【マドリード24日浅田信幸】当地でのイラク復興支援国会議は二十四日夜、参加国および国際機関が二〇〇七年までに総額で三百三十億ドルの拠出を表明したとの議長総括を発表し閉幕しました。 表明された拠出額は、世界銀行が先に算定した復興の必要額五百五十億ドルの六割にとどまり、多くの国は援助額を表明しませんでした。額でみると米国の二百四億ドルに次いで第二位の日本が計五十億ドルで突出。米国の強い圧力でクウェート、サウジアラビアなどが応じたものの、米国とともにイラク戦争に加担した英国は九億ドル強、スペインは三億ドルどまり、戦争に反対した独仏は追加拠出を拒否しました。 会議では、多くの代表が復興の大前提となる治安問題での不安、イラク代表機関の正当性確保と援助資金運用の透明性確保の必要性を強調。いずれも米軍によるイラク占領統治に源を発する問題で、あらためて米国主導の復興が抱える矛盾を示しました。 各国の拠出資金の受け皿として、米占領軍当局主導のイラク開発基金とは別にイラク復興国際基金の設立が決まりました。しかし米国は同基金への拠出は消極的といわれ、資金をだれがどう使うかについて依然として不透明で、多くの国が慎重な態度を示しました。 |
『3件のレイプ犯罪』――駐留米軍地位協定と沖縄
チャルマーズ・ジョンソン
『日本政策研究所』報告書97号・2004年1月刊
[筆者] チャルマーズ・ジョンソンは、カリフォルニア州バークレーの『日本政策研究所』所長。著書『アメリカ帝国への報復』鈴木主税訳・集英社(2400円)
『帝国の悲哀――軍国主義、秘密主義、共和国の終焉』(未邦
訳・仮題)
The
Sorrows of Empire (Metropolitan Books; January
1,2004)
----------------------------------------------------
[原文]
Tomgram:
Chalmers Johnson on imperial rights
posted December 5, 2003, at Tom Dispatch
site
http://www.nationinstitute.org/tomdispatch/index.mhtml?emx=x&pid=1112
THREE
RAPES:
The Status of Forces Agreement and Okinawa
By Chalmers
Johnson
JAPAN POLICY RESEARCH INSTITUTE
JPRI Working Paper No. 97, January
2004
http://www.jpri.org/WPapers/wp97.htm
Copyright
(C)2003 Chalmers
Johnson
著作権者チャルマーズ・ジョンソンよりTUP配信許諾済み。
====================================================
翻訳:
井上 利男
協力: 千早+星川 / TUPチーム
2003年11月現在、日本配属の米軍制服組要員は4万7000人であり、それとは別に、神奈川県横須賀市・長崎県佐世保市に海軍基地を置き、時に洋上にある第7艦隊所属海軍将兵が1万4000人いる。
さらに加えて、軍人家族が5万2000人、国防総省文官は5500人を数え、また、ゴルフ場管理、無数の将校クラブの給仕といったサービス業務から、中央情報局(CIA)と国防省諜報庁(DIA)のための日本の新聞記事の翻訳業務にいたる多種多様な仕事をこなしている日本国籍の米軍雇用者が2万3500人いる。
これほど大規模な派遣部隊が日本国土に置かれた91ヵ所の基地に配属されている。
沖縄の基地数は38ヵ所、総面積は2万3700ヘクタールであり、米軍施設は沖縄本島総面積の19パーセントを占め、しかも一等地に立地している。
沖縄配属の米軍人は2万8000人であり、それに同数の軍関係者、国防総省文官が加わる。沖縄で最大規模の派遣部隊は人員1万7600の海兵隊であり、東アジア最大の米軍基地・嘉手納空軍基地の航空パイロットと整備要員がそれに続く。
これら招かざる客がいなくても、沖縄は、ハワイ諸島のカウアイ島よりも小さな陸地に、地元住民130万人が生活する人口密集地なのである。
海兵隊の基地群は、(3師団ある米海兵隊のうち、ただひとつ米本土外に司令部を置く)第3海兵師団の司令部があるキャンプ・フォスター、金武町のキャンプ・ハンセン、具志川市のキャンプ・コートニー、名護市のキャンプ・シュワブ、それに沖縄第2の大都市・宜野湾市の中心部に、市域の実に25パーセントを占めて広がる普天間海兵隊航空基地など、広大な立ち入り禁止区域を占めて展開している。
すべての海兵隊基地は、1945年春夏の沖縄戦、それに1950年代・冷戦最盛期に設置されて以来、今も存続している。
このような沖縄に見られる米軍帝国主義の姿は、沖縄の極端な基地集中度を除けば、特に珍しくはない。
ドイツ、イタリア、コソボ、クウェート、カタール、ディエゴガルシア、その他、どこでも見られる普通の光景であり、最近ではアフガニスタン、中央アジア、イラクに新たに出現した光景である。
だが、他にはない在沖縄米軍基地の際立った特徴は、莫大な維持経費、すなわち総額76億ドルのうち、42億5000万ドルを日本政府が負担していることである。
その理由は、部分的には、国家の主権者である日本国民には、米軍の存在が見るに耐えないので、徳川幕府がオランダ商人を長崎の出島に隔離したのと同じ発想で、本土日本人の目から米兵の姿を隠すためである。
1879年に日本が力ずくで併合した沖縄は、日本のプエルトリコとでも言うべき、文化的に異質な領土であり、行政当局からも本土住民からも、公的、社会的に長く差別されてきたが、その沖縄の地で、米軍将兵の快適な生活を保証することも、日本政府の負担金の狙いの一つである。
このような基地経費負担を日本の報道は「思いやり予算」と呼び習わしているが、これは、アメリカは貧しいので、対外拡張政策を賄うことができず、だから同情すべきであるということを意味している。
日本における米軍の地位を定めた協定(第24条)は、配備経費の全額を米国の負担としているが、思いやり予算が初めて計上された1978年以降、半額を軽く超える経費を日本政府が負担してきた。
日本の他に、このような「被駐留地負担」の大盤振る舞いをしている国はない。[6]
結果として、任地の歴史と文化にまったく無知であり、上官からまったくと言っていいほど教育されなくても、沖縄の海兵隊員たちは、キャンプ・ペンドルトン第1海兵師団司令部が立地するカリフォルニア州オーシャンサイド、キャンプ・ルジューン第2海兵師団司令部が立地するノースカロライナ州ジャクソンビルに配属されるよりも、はるかに快適に生活できる。
日本の予算を使って沖縄で建設された米軍関連施設を列挙してみれば、この2年間の新築だけでも、キャンプ・フォスターの「高級ホテル」、2〜3寝室備えた家族向け近代住宅68区画の高層アパートが2棟、440平方メートルの青少年会館、第3海兵遠征軍楽団が練習し、演奏する「最先端」複合シアター、それに美術・工芸室、「娯楽センター」、大ホール、放送設備、撮影現像設備室をすべて備えた3000平方メートルの「公民館」がある。[7]
(私論.私見)
2003年11月7日(金)「しんぶん赤旗」
自民党・民主党の国防族や巨大軍需企業が中心となった団体、「日米安全保障戦略会議」が総選挙後の二十日から二十五日まで、東京の憲政記念館で会合を開きます。この会合には、米国からはコーエン元国防長官や軍事戦略シンクタンクのヘリテージ財団の上級研究員らが参加。日本側は、有事立法を推進した安全保障議員協議会が母体となります。同メンバーは、自民、民主、公明、保守新の各党有力国防族議員で構成(別表)、日本のこれからの日米防衛戦略や新たな軍備拡大について相談し合う場となります。
この「戦略会議」を後援しているのは、アメリカ側が、ボーイング、ロッキード、グラマンなどの巨大軍需産業。いずれも日本に多額の兵器を売りこんできた兵器産業です。日本側は、昨年度の防衛庁の受注第一位の三菱重工、第二位の川崎重工、第三位の三菱電機、第四位の日本電気、第五位の石川島播磨重工業、第六位の東芝など、名だたる軍需産業です。(別表)
自民、民主の国防族議員が、これらの軍需産業の後援をうけ、「ミサイル防衛」など、新しい軍拡の方向を相談するというのが、今回の「戦略会議」の目的です。
ミサイル防衛は、総額六兆円に達するという試算もあります。新たな軍拡は、軍需企業にとって新たな利益をえる千載一遇の機会。自民党と民主党はともに今度の選挙の政権公約に憲法の改悪を盛り込んでいます。今度の「戦略会議」は憲法の改悪の先に、巨額の軍拡と日米軍需産業の共同利益の確保が目標とされていることを示しています。
しかも、この「戦略会議」は、衆議院が管理する「憲政記念館」でおこなわれ、そのなかで「ミサイル防衛」装備品の展示までおこなう計画です。展示されるのは、「ミサイル防衛」関連の装備品です。イージス艦搭載のミサイル発射システム、陸上配備型のTHAAD(戦域高高度地域防衛)、パトリオット・PAC3などの実物大モデルで、世界最大の軍需企業・ロッキード・マーティン社などがキャンペーンを行うというものです。
憲政記念館の目的は「我が国の議会制民主主義の発展に資する」ためとされており、いわば、憲法を守ることを建前とした会館です。
そこで、ミサイル兵器などの実物大モデルの展示までして、軍備拡大のキャンペーンをやろうというのですから、とんでもない話です。
日米安全保障戦略会議について、同事務局は「政官財が一体となり、日米同盟や安全保障政策などを協議する場。日米財界人会議の安全保障版」と説明します。同会議は昨年結成され、今年四月にワシントンのヘリテージ財団で第一回会合が開かれました。東京で開かれる会合が第二回となります。
構成メンバーは与党三党と民主党の国防族議員の団体・安全保障議員協議会と、日米の主要軍需企業、ウィリアム・コーエン元米国防長官など米政府の元高官、共和・民主両党の国防族議員、右派シンクタンク、ヘリテージ財団などがふくまれます。
同会議の目的は何か。設立構想は二〇〇一年秋の自衛隊のインド洋海域派兵以後に浮上しました。〇二年二月の設立準備委員会の「極秘」文書によると、目的は「日米間における安全保障上の問題点(政策・軍事技術)を多角的に検証」し、「成果を具体的に実践するために必要な環境を醸成・整備する」。そのうえで協議・研究の課題は「二十一世紀における日米安全保障体制についての検証」「アジア太平洋における日米同盟の役割と日米間の戦略機能の分担」「日米両国の国防産業基盤充実と防衛技術協力のあり方(技術移転と兵器購入を含む)」などをあげています。
名誉顧問 綿貫 民輔 (自民) 会 長 瓦 力 (自民) 副 会 長 久間 章生 (自民) 事務総長 額賀福志郎 (自民) 常任理事 斉藤斗志二 (自民) 前原 誠司 (民主) 赤松 正雄 (公明) 理 事 石破 茂 (自民) 赤城 徳彦 (自民) 米田 建三 (自民) 浜田 靖一 (自民) 東 祥三 (民主) 末松 義規 (民主) 西村 真悟 (民主) 藤島 正之 (民主) 井上 喜一(保守新)
安全保障議員協議会 自民、公明、保守新の与党三党と民主党の国防族議員の団体・安全保障議員協議会は一九九九年に結成され、現在、会長は瓦力・元防衛庁長官、名誉顧問を綿貫民輔・前衆院議長がつとめています。自民党からは久間章生・元防衛庁長官が副会長、額賀福志郎政調会長が事務総長をつとめ、民主党からは前原誠司・「明日の内閣」安全保障大臣が常任理事をつとめ、ほかに四人が役員をつとめています。
ロッキード・マーティン(1) ボーイング(2) レイセオン(4) ノースロップ・グラマン(5) ゼネラルダイナミック(6) 三菱重工業(1)((14)) 川崎重工業(2) 三菱電機(3) 日本電気(4) 石川島播磨重工業(5) 東芝(6) 小松製作所(8) 富士通(15) ダイキン工業(16) 沖電気(20) 日本経団連 日本防衛装備工業会 ※〇数字は2001年契約高世界順位(ストックホルム国際平和研究所の集計から) 白ヌキ数字は、02年度国内契約実績順位